愛深き忍耐女子シリーズ

「彼ができるとつい甘やかしてしまう私」の心理と卒業する方法

「彼ができるとつい甘やかしてしまう」というご相談

彼ができるとつい甘やかしてしまうと悩む女性

例えばこんなケース(架空のケースと思ってご覧ください)。

私って、好きな彼ができるとつい甘やかしてしまうみたいなんです。

普段は人を甘やかすタイプじゃないし、甘えられるのもそんなに得意じゃない。

仕事では厳しい面だって見せます。

ただ、好きな人が望むことは叶えてあげたいと思っちゃうんです。

友達からも『〇〇はもっと自分の気持ちとかやってほしいことを彼に伝えたほうがいいよ!』と助言をもらうんです。

でも、なかなか言い出せなくて、つい彼のことを優先したくなるんです。

ただ、その結果というか、今までの彼に平然と浮気されたり、放っておかれたり、と散々な恋愛ばかり繰り返しています。

もう悲しい恋愛はしたくないです。

でも、好きな人ができるとつい彼を受け容れてあげたくなってしまうんです。

それが間違っているんでしょうか?

もし、いい恋愛をするために私が気づくといいことがあればアドバイスをお願いしたくて、カウンセリングに来ました。

彼ができるとつい甘やかしてしまう、と悩むだけで切ないですよね

彼ができるとつい甘やかしてしまう、と悩みはじめると、とにかく切ないですよね。

好きな人のことを受け容れてあげたいという気持ちに罪はないと言うか、

それが間違いだなんて言われると更に切ないわけでして。

ちなみに僕は

「好きな人のことを受け容れてあげたいと思うこと自体、何ら問題はない」

と思うのです。

僕たちのマインドが成長すると

「自分のことより相手が幸せであることを心から願うもの」。

それは犠牲とは明らかに異なるものなんです。

犠牲ってのは「本来やりたくないことをしている状態」。

相手のために懸命になっているだけで犠牲だというのは行き過ぎた判断だと僕は思うのです。

が、悲しいけれど、今回のケースのように、彼が自由に振る舞いすぎて傷ついてしまうこともあるようですね。

このような恋愛に隠れた課題はどこにあるのでしょう、という話を今からまとめてまいります。

よろしければお付き合いください。

「彼ができるとつい甘やかしてしまう私」の心理

「彼ができるとつい甘やかしてしまう私」の心理として考えられることは

「自分が潜在的に自分が欲しているものを、相手に与えている可能性」ですね。

あくまでこれは一つの考え方なのですが

この状態を表現するにふさわしいものが

「お中元の法則」なんです。

「お中元の法則」とは、絶対に喜ばれるお中元には法則があるという都市伝説的な話、ではなくて(^^;

「相手がお中元として送ってくれたものは、相手の好みを示しているという考え方」です。

例えば、相手が麺類をお中元をして送ってくれたなら、相手が麺類が好きである可能性が高い、ということです。

お中元ってよほど相手のことを熟知していない限り、相手の好みにピタッと合わせることって難しいものじゃないでしょうか?

だからこそ、多くの人が

「これならきっと相手に喜んでもらえるだろう」と思えるお品を選ぶはず。

ただそれは「自分が好きなもの」でもあるはずなんです。

逆に、自分が大嫌いだと思うものを相手に送るとしたら

相手の好みを知っているなら理解できますけど、それって嫌がらせじゃないでしょうかねぇ?

お中元の法則を今回のケースに当てはめるとしたら

ここで、お中元の法則を今回のケースに当てはめるとしたら

事例に登場する女性は

「彼を受け容れてあげたい」という気持ちが強く、それが「良いこと」と感じているわけです。

だとしたら、彼女自身が「彼に私のすべてを受け入れて欲しい」と願っている可能性が見えてくるんですね。

とかく人に与えてばかりの人って

自分が愛されたり、受け入れられる経験から遠ざかることも少なくないもの。

だから、自分でも気づかないけれど

しかし、未だ満たされていない思いを抱えていたって不思議ではないんです。

なので

「彼が私のすべてを受け入れてくれるまで、私が彼のすべてを受け入れてあげたくなる」

なんて気持ちが隠れている可能性があるかもしれませんね。

だとしたら、彼を受け容れたいという気持ちは素晴らしいとして。

その裏に隠れている気持ちは(悪意のない、切実な)要求、もしくは駆け引き、となる。

もう少し突っ込んで考えるなら

「私という存在が愛する人にまるっと受け容れられるまで、私は人を受け入れ続けます」

という誓いかもしれませんしね。

その誓いが、彼を自由に振る舞わせてしまう状態を作っている、と考えられるのかな、と。

彼女の中で「私がまるっと受け入れられる」ということを望み続けているなら

「私がまるっと受け入れてもらえなくなるような行動」は取らないでしょう、ということですね。

だから、こちらの要求は伝えることなく、相手のペースで事が進んでしまうのかもしれない。

私がまるっと愛されるということへの切ない諦めも考えられる

また、彼女が好きな男性のこともまるっと愛してあげたいだけなら

おそらく「私が愛することで喜んでくれる人」を選びたくなるかな

と僕は考えちゃう部分があります。

そう考えると、

自分の気持ちに甘えてしまう彼ばかり選んでいるということは

「自分がまるっと愛されることはなかなか実現不可能なことだ」

と深層心理で感じている可能性について僕は考えるんですね。

もし、愛してくれなそうな彼からまるっと愛されたなら、それは奇跡と呼べるような出来事。

そんな風に彼女が愛されることが奇跡なら、奇跡を起こすために自分勝手に振る舞う彼は必要になるのではないか。

そんな読みを僕はしてしまいますね。

彼を甘やかしてしまう恋愛と心理的な役割の話

ただ、僕は彼女の行動や気持ちを悪いものだとは全く考えません。

むしろ、彼女がその深層心理で

「まるっと愛されることを願いつづけている」のであれば

彼女は未だそれを得られた実感が無いのではないか、と考えるんです。

そして、それはどういった事情で成り立っているのだろう、と。

ここからの話はあくまで一つの可能性でしかないのですけどね。

例えば、彼女が普段から「いい人・いい子の役割」や「ヒロインの役割」を演じていて

「いつも人のお世話する側・行動する側に回っていた」なんてことがあるとしたら

おそらく恋愛の中だけじゃなく、今までも「まるっと愛されたい」という気持ちを抱え続けていた可能性がある、なんて風に考えるんです。

いい人の役割は、相手を助けるためにいい人、いい子、聞き分けのいい人の役を担う、ということ。

ヒロインの役割は、自分が成功者の立場で居続けることで相手を助けようとする役を担う、ということ。

この役割意識から降りられないと、自分自身の意識が助ける側に回るので「愛されている」という実感が得にくくなります。

だから、自分と同じような

「まるっと愛されたことがない男性」を見つけると、つい愛してあげたくなる、なんてことも起こります。

また、自分を愛してくれる人と恋愛関係に至っても、役割意識の影響で相手の好意を受け入れられずにいる場合もあるでしょう。

彼を甘やかしてしまう恋愛と「親・家族との関係」の話

先に登場した役割意識の話や、「人をまるっと愛する」というテーマは

多くの場合、恋愛以前の「親や家族との関係性」で登場するものなんですよね。

だから、もし実際のカウンセリングであるならば

「親御さんとの関係」であるとか

「子供時代の過ごし方」などについてお聞きするかなーと思うんです。

そもそも恋愛観や恋愛の中ででてくる愛情の形やニーズなどは、親や家族関係の影響を受けるものなので。

もしかすると彼女は

子供時代から平気なふりをしながら、ずっと寂しかったのかもしれないし

親や家族ですら寂しいとか愛してほしいと言えなかったのかもしれないな

なんてことを僕は考えるんですけどね。

だから、今もまるっと受け入れることはできても

「自分の存在も気持ちもきちんと受け容れてほしいと言えないままなのかもしれない」

とかね。

まぁこの先の話は、実際のカウンセリングで扱わせていただくような話になりますが

実際に自分の内面に隠れている欲求や感情を解放するアプローチによって

「愛される、まるっと受け容れられることへの期待や欲求」を消化できるとも言えるんです。

その結果、彼のことをまるっと受け容れすぎるのではなく

適切な距離で、適切に自分の意見を伝えるということが可能になっていく感じですね。

これは一つの自己肯定感(ありのままの自分を尊重する)につながるアプローチともいえますね。

親や家族などの関係性を変える方法もある

また、役割意識という観点から見れば

「自分自身が役割から降りた状態で、もう一度家族と関わってみる」

という方法もありますね。

役割意識には「家族を助ける」という思いが強く残っています。

要は、家族が心配だったり、何かあったらどうしよういう不安があるということなんです。

これは家族との絆やつながりの中で、安心感や親密さを感じにくくなる要因にもなります。

なので、例えば

家族の中で言いたいことが言えるようになったり(ディスるのは避けたいですが(^^;)

困っていることを互いに相談する勇気を持ってみたり

真摯に、親や家族に対する愛情や感謝を伝えてみる、なんてことを実践すると

随分と役割意識が弱まって、自分らしく人と関わりやすくなりますね。

彼ができるとつい甘やかしてしまうことに隠れた魅力も受け取りましょう

最後になりますが

いかに人を愛するか、は人それぞれで価値観が違うものなんでしょう。

だから僕は

「愛し方に違いはあれど優劣なんてつけられるものではない」と考えているんです。

だから、どうか忘れていただきたくないことがあるんです。

それこそが

どんな事情であれ、彼やパートナーをまるっと受け容れられることは、あなたの魅力や才能を示す

ということです。

今は我慢や切ない恋愛でつらい思いをされているかもしれませんね。

ただ、そこまでのハートのキャパが受容力、包容力があるならば、パートナーシップを成功させることは容易なんです。

この話、信じていただけるでしょうか?

僕個人の思いとしては信じて欲しい、と思います(^^;

だけど、でも信じられなくてもいいんですよ。

そもそも僕たちは自分のことを正確に知ることなんてできないものだから。

「不可知」、知ることができないことのほうが多いものでしょう。

だからこそ、例えば、友人、家族など、人との関係の中で自分というものを見つめていくことに意味があると僕は思うのですよね。

そして、僕のカウンセリングが、そんなみなさんの魅力や才能を感じ取ってもらえる時間であればいいな、と思いつつ。

今日のコラムは以上です。

 

※本記事は2023年8月23日にアメブロ・恋愛テクニックに投稿した記事の、加筆・再編集版です。

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