ほぼ30代からの”仕事に活かせる”心理学

なかなか他人に伝わらない私の中のコミュ障な感覚

「他人からは違うと言われるけど、私ってコミュ障じゃないのかな、と思うんです」というお悩み

コミュ障じゃないかと疑っている女性

昔から人と話すときに緊張するし、なかなか自分の意見が言えないタイプ

好きな人、気になる人と話そうとするとつい喋りすぎてしまって(もしくは黙ってしまって)、あとで後悔ばかりするんです。

今、婚活していても、なかなか相手とうまく話せず、いつも他愛のないことしか話せないでいます。

そんな自分のことが気になって、友達に私ってコミュ障なのかな、と聞いてみると『そんなことないんじゃない?』と言われました。

だけど、私ってコミュ障じゃないのかなと思うんです。

なぜか人と上手に話せない、関われない、というお悩みって、しんどいんですよね。

そんなとき「自分ってコミュ障かも?」と思っちゃうこともあるかもしれませんよね。

ちなみに「コミュ障」という表現はネットスラングのようなもの。

例えば、人と話そうとすると緊張して何も話せなかったり、相手の意見を聞かず一方的に話してしまったりする人を指した言葉です。

医学的な意味でのコミュニケーション障害(例えば場面緘黙、吃音、発声・発語の問題など)とは違う意味で使われているので、そのあたりの線引は大切です。(医学的な話は専門家にお聞きになってくださいね。)

ただ、うまくコミュニケーションできないと悩んでいる中で、友達や家族から

「コミュ障ではないんじゃね?」と言われると、

自分としては「コミュ障かも?」と感じる分だけ、考え込んでしまうかもしれませんね。

そこで今日は

「なかなか他人に伝わらない私の中のコミュ障な感覚」

というテーマでコラムを書いてみます。

よろしければどうぞ。

私の中のコミュ障な感覚はどこからやってくる?

さて、今回のテーマ「私の中のコミュ障な感覚」ってどこからやってくるのかを考えてみると、

多くの場合

まず「うまくいかなかったコミュニケーションとその体験」があって

そのことをキッカケに「自分を否定的に見る状態がつづいているから」と僕は考えます。

もちろん実際に何らかのコミュニケーションに対する障害がある場合は違うんです。

が、実際に日常生活の中で人と付き合える、周りの評価が「コミュ障ではない」なのに、

なぜか「人とうまく関われないと思う」と感じるならば、という前提の話なんですけどね。

自分を隠さなきゃと強く思いはじめると、コミュ障っぽさと感じることもある

例えば

  • 昔から人に話しかけることに多大な勇気が必要な繊細さん。
  • 恥ずかしさが苦手、自分を知られることが脅威に感じるタイプ。
  • 自分は人に悪影響を及ぼしているのではないかという思いが強いタイプ。
  • 家族に何を言っても受け止めてもらえないと、コミュニケーションを諦めちゃったタイプ。
  • すごく好きな人に告白してあっさりざっくり振られてしまって、それから自分が嫌になっちゃった人。
  • 依存を禁止しまくってきたからこそ、親密な人ができると急に依存心が爆発して止められなくなるタイプ。
  • 自分をちっぽけに感じていて、手ぶらで人と関わっても興味を持ってもらえないと思いこんでいるタイプ。

このような人の内面には「他人に知られちゃいけない自分」という要素が強く生じることってあると思うんですよ。

例えば

「人に話しかけることが怖いと思っている自分を知られてはいけない」とか。

「相手に悪影響を与えちゃうと感じている自分を知られたら更に嫌われる」とか。

「実はコミュニケーションなんてとっくに諦めていて、人と関わっても常にドライな気持ちを持っている自分は隠さなきゃ」とか。

「実は自分の気持ちをきちんと分かってもらえていないと不安を感じる」という自分って変だから隠さなきゃ、とか。

自分を隠さなきゃと強く思いはじめると、コミュ障っぽさと感じることもあると僕は考えるんです。

つまり

自分を良い存在だと思えず、自分を隠さなきゃと思うときほど、コミュ障じゃないかと感じやすくなるでしょう

という話なんです。

内なる批判者の声が強くなっている

また、多くの人の心の中に

「内なる批判者」(心の世界では「インナークリティック」と呼びます)

というものが存在します。

この内なる批判者は

「オメーがそんなことを望んでも無理だってさー」

ぐらいの勢いで、自分を徹底的に批判する声を上げます。

この「内なる批判者」の声ばかり自分自身が聞いているとき、コミュ症っぽく感じることもあると思いますよ。

例えば、最近ちょっと気になる人ができたときに

「え?あの人と付き合えると思ってんの?ナニ調子のってんの?そんなの無理だって。レヴェルが違うって、レヴェルが!」

なんて声が自分の内面で生じる感じです。

もちろん人のよってその声もその程度も違うでしょうけどね(^^;

まぁ、他人に言われたら問題になっちゃうレベルの批判が上がるんですよ。

(「こんなことしたら嫌われちゃう」などの声は、批判の声というより、インナーチャイルド的な声なんですけどね)

内なる批判者の声は「投影」となって跳ね返る

また、自分自身が内なる批判者の声ばかり聞いていると

「投影」の作用によって

「自分に対して他人も同じことを考えているんじゃないか」

と感じやすくなるんです。

まぁ、他人から攻撃される、否定されるといった思いが強まる場合があるのですね。

だから、人と関わるときに必要以上になりすぎてしまったり

自分の言動に問題がなかったかと不安にかられやすくなったり

場合によっては、もう面倒だから人とう関わらないほうがいいんじゃないか、と考えやすいんですよね。

内なる批判者は心のバランスを取るために存在する

ただ、この内なる批判者ってのは

そもそも

「自分の心のバランスを取る」「心の面での危機を避ける」

といった意味で存在するのです。

自分にとっての危機(感)が消えていないときに、この声を聞くようになるといいますかね。

例えば、「私って好きな人に好かれたいのに好かれない」とすごく不安に思っている人がいる、としましょう。

この人にとっての期待は「好きな人に好かれる」という状態で

危機は「また好きな人に好かれない」という状態なんです。

なので、実際に「好きな人に好かれて愛し合いされている」という状態が手に入るまで

「また好きな人に好かれないのではないか」という不安や恐れは消えてくれないわけです。

つまり、望む結果が出るまでずっと危機感が消えない。

そんなときに内なる批判者の声を自分が聞いてしまう癖があるとしたら・・・

どんどん不安や怖れが強まってしまい、どんどん好きな人の前で自然体の自分でいられなくなるんですね。

かつ、その状態になると自分に対する怒りも強くなるので、要は自分を責めてしまう状態が続くんです。

つまり、内なる批判者=悪者、といったイメージを持ってもあまり良い効果はないかもしれませんが

内なる批判者の声ばかり聞いていると、どんどんコミュ障っぽい感じを感じることが増えると僕は考えるのです。

私の中のコミュ障感を手放していく方法

さて、ここからは私の中のコミュ障感に対して、どう扱っていくかの話をしていきます。

自分との対話のあり方を見直してみましょう

まずは自分との対話のあり方を見直してみましょう。

特に内なる批判者の声が強く聞こえている時は

「それって誰の気持ち?」「それ、誰が言っているんだろう?」

と考えてみることです。

「あぁ、自分だわ」が答えですよね。

このように

「その声は誰の声?」

と理解できると、少し落ち着けると思います。

できる限り「この心の声が自分の外側から聞こえてくる」という認識を持った状態を続けないことがポイントになりますね。

まぁ確かに生きていれば人から批判れることもあるでしょうし、いじめなど常に叩かれてしまうと苦しいぐらいに追い込まれてしまいますよね・。

そういった部分はカウンセリングなどで、丁寧に扱って解放していくことがオススメです。

が、内なる批判の声は自分の声なので、「自分の声だ」と自覚することに一定のメリットが有るという感じです。

投影を取り戻してみましょう

自分自身が何かしらの投影を起こしていることに気づくことを

「投影を取り戻す」といいます。

これは内なる批判者の声の持ち主は自分だと気づくという意味合いもありますし。

例えば、自分自身が過去に言われて傷ついたことを、全く関係のない他人から聞いている、という場合もあるんですよ。

ここでも「これって誰の声かな?」と冷静に見つめて見る感じです。

具体例

例えば、親から「お前はいい加減だ、どうにかしろ」と言われて育った人がいたとしましょう。(これ、実は僕なんですけども(^^;)

すると、親ではない友達や先生、仲間や上司にも

「いい加減で最悪なやつだと思われてるんじゃないかな」

という不安を抱えやすくなるんですよね。

その結果、いい加減だとバレちゃいけないとか、いい加減だと思われたくないと思いすぎて、まぁまぁカッコつけてたんですよ、いろいろと(超恥ずかしい(^^;)

しかし実際は、まるで右手と右足が同時に出るようなカチンコチンな緊張状態を続けていたのです。

その当時の僕は、体も硬かったですし、常に便秘ばかりしていたことを思い出します。

しかし、ゆるりと投影を取り戻し始め、内なる声も見つめられるようになって、少しづつカッコつける自分を卒業できた気がします。

(ま、今もまだ、かもしれませんが。あぁ超恥ずかしい(^^;)

ちなみに、うちの社長曰く、僕がワークショップに出始めた頃はもうロボットみたいにカチンコチンだったそうですよ。

僕にその自覚はなかったので、ワークショップやカウンセリング、病院の先生にお世話になるなど、自分をケアするようになってよかったなとしか思いませんが。

ただ、投影を取り戻そうとしても、投影そのものが心のバランスを取る作用のひとつなので、なかなか一人では難しいこともあります。

その場合は、カウンセリングなどで取り組む方が効果的な場合もあると思いますよ。

自分の思いがキチンと伝わっている部分にフォーカスしよう

また、「できていることをきちんと評価する」という取り組みも大切ですね。

日常の中で、自分の思いが他者にキチンと伝わっている部分にフォーカスし、日記などにつけて見る方法もありますよ。

例えば

「今日、〇〇課長とのone on oneの席で△△と伝えると、理解を示してくださり、対応策について話し合えた」とか。

「昨日、彼に〇〇を買っておいてくれないかな?というお願いをしたら、ちゃんとかってきてくれた。伝わってんじゃん!」とか。

ポイントは「相手が〇〇と反応した」ではなく

「自分の思いが届いている」という部分を確認することです。

これもまた投影を取り戻すことにもつながりますし。

自分の中の批判に対して、ある程度カウンターを打てるのでオススメできる方法です。

最後に

最後になりますが

僕たちって「自分がコミュ症かも?」と感じているときにも、自分なりに、人の気持ちや言葉を理解しようとしているものではないでしょうか?

それがうまくできなくとも、その気持ちはあなたの中にありませんか?

そう考えてみると、意外と僕たちって人を理解したいと思える、素晴らしい存在なのかもしれませんよね。

だから、今、うまくコミュニケーションできないと悩んでいるならば。

それは「もう少し自分を丁寧に見つめてみません?」というサインなのかもしれませんね。

少なくとも僕はそう思いますよ。

カウンセリングを利用する
カウンセリングを受ける

本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。

カウンセリングのご案内ご予約可能時間のご案内