深読みさんと忍耐女子

撃っちゃダメと分かってるのに、彼にだけガトリング砲をぶっ放す女子の心理 〜優等生タイプの恋愛心理〜

風船をふくらませる女性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、いわゆる「優等生タイプ」「いい子でいることが当たり前になってきた女性」が、恋愛になると突然“感情が暴走する”なんて話を、心の構造から解説したいと思います。

題して「撃っちゃダメだって分かっているのに、彼にだけ感情のガトリング砲をぶっ放して後悔する優等生タイプ女性の心理」。

・・・長いぞ、タイトル。

もとい。

恋愛の相談の中でも、このタイプの悩みは本当に多いんですよね。

  • 普段はしっかりしているのに、彼の前だと不安が溢れて止まらない
  • 連絡が少し来ないだけで気が狂いそうになる
  • 言いたくないことをぶっ放して後悔する
  • 自分でも「こんな自分、嫌だ」と思う

こうして、優しい人ほど「撃っちゃいけないと思ってるのに撃ってしまう」というジレンマに苦しみます。


優等生タイプの恋愛がこじれる理由は「自分の感情を隠す」から

優等生で生きてきた人の共通点は、

“不機嫌を見せない・弱音を吐かない・ネガティブを隠す”

という生存戦略を持っていることです。

この戦略は、たいていの場合「親の期待」や「周囲からの役割」から身についたものです。

だから、彼女たちは恋愛でも無意識にこう考えてしまいます。

  • 嫌われないほうがいい
  • いい子でいれば安心
  • 負担をかけないほうがいい

しかし、この “自分を隠す” 生き方には大きな副作用があります。

隠した本音は消えるのではなく、圧縮されて溜まっていく。

その圧がピークに達したとき、「ガトリング砲」のように感情が発射されてしまうのです。


ガトリング砲が発動する瞬間:満たされなかった欲求が彼に向かう

実際にこんな女性の話がありました。(一部内容を調整のうえ掲載許可済)

彼女は典型的な優等生タイプ。学歴も仕事も完璧、誰から見ても「すごくできる人」。

でも、その言葉がなぜか彼女を苦しめてきました。

なぜなら、彼女はずっとこう思っていたからです。

「できる私でいないと価値がない」

そうやって蓋をしてきた本音は、恋愛で一気に噴き出します。

  • 「どうして連絡くれないの?」
  • 「私のことどう思ってるの?」
  • 「なんでそんな言い方するの?」

彼女自身も止めたかった。でも止められなかった。

彼は最初は受け止めてくれたものの、次第に無力感と疲労が溜まり、二人は衝突を繰り返すようになりました。


この現象の本質は「癒着」〜相手の感情で自分が決まってしまう状態〜

優等生タイプの恋愛依存の裏側には、心理学でいう「癒着」があります。

癒着とは、

“相手の反応で自分の感情が決まってしまう状態”

のことです。

恋愛の中で彼の言動がすべてになる。

親の期待で気持ちが決まっていたのと、同じ構造です。

だから、彼が冷たいと “人生が終わるレベルで辛い” と感じるし、優しくされると “生き返るほど嬉しい”。

振り回される人は、結果的に振り回す側にもなる。

僕はこれを「振り回される=振り回すの法則」と呼んでいます。


隠した自分が暴れるのは「自分が悪いから」ではない

ここが今日一番伝えたいところなんですが……

この現象は“性格の問題”でも“弱さ”でもありません。

ただただ、

「隠しすぎてきた自分が、初めて安全な相手に出ようとしているだけ」

なんです。

だから僕は、その女性にこう伝えました。

「そりゃ出るよね。それぐらい彼が大事なんだもん」

これは、ある意味では「回復のプロセスの入口」なんです。


では、どうすれば“暴走”は落ち着くのか?

ポイントは3つあります。

① 自分の感情に“許可”を与える

優等生タイプは、不安・怒り・寂しさなどを「感じてはいけない」と思っています。

でも本当は逆で、

感じてOK、表現してOK。

むしろ、表現を封じられすぎてきた結果、暴走するのです。

② 「選べる状態」を作ること

不安を言う・言わないを選べる状態。

お願いをする・しないを選べる状態。

この「選択肢」が奪われていると、人は暴発しやすくなります。

なので、自分の中で「〇〇してもOK,しなくてもOK」というスタンスを作っておくことがオススメでしょうかね〜。

③ 隠した自分との統合を始める

本音・弱さ・甘え・寂しさ・怒り……

これらは全部あなたの一部。

“ネガティブな感情の再統合” が起こると、ガトリング砲は必要なくなるわけですね。

ここが結構なポイントで、隠している自分って”自分の中で許可していない自分の一部”なんですよね。

ここを隠しているうちは、それ含めて私が愛されている、という認知がなかなかできないのです。

そう。

「愛されているか不安」に感じるわけですよね。

ただ、どんな自分も自分だと捉えることができると、まぁ愛されている感も増しますし、自分自身が楽にいられるんです。

こういったプロセスって、自分との統合なんです。

「彼は本当に私のこと受け入れてくれているの?」と疑ったところで(そのお気持ちは痛いほど分かりますが(^^;)統合は進まんのですなぁ。


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まとめ

優しい人が恋で暴走するのは、あなたが壊れているからではないのです。

むしろ逆なんです。

あなたが「自分の一部を封印し続けている」から起きること。

これって、「本当の自分に戻る準備ができた」というサインでもあるのです。

かつては受け入れられなかった自分を受け入れるプロセスにきたよ、というね。

もちろん、あなたの優しさも、頑張ってきたことも、いい子であろうとした努力も、全部あなたの大事な一部。

そこを否定する必要は一切ありませんよ。

ただ、もう少し「人間らしい私」を足して受け入れていけばいいだけ。

完璧じゃなくていい。 不安になってもいい。 甘えてもいい。

その許可を出せたとき、恋愛のなかで“こじれる”ことが少なくなりますよ〜。

今日のお話が、同じ悩みを抱える方の助けになれば嬉しいです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー・トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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