同棲を始めた頃は、ほぼ毎日あったスキンシップ。
それが、気づけばほとんどなくなってしまった。
しかも彼からは、
「女性として好きじゃない。人として好き。家族みたい」
そんな言葉を向けられてしまった。
・・・これは、とてもつらい体験だと思います。
女性として否定されたような気がして、
胸がギュッと締めつけられる感覚になる方も少なくないでしょう。
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はじめまして。
彼氏との関係に悩んだ時、夜な夜なブログを読みながら過ごしています。
いつもありがとうございます。
早速ですが、質問です。
私は彼氏と同棲して、まだ1年しか経っていませんがセックスレスです。同棲を始めた頃は、ほぼ毎日セックスしていましたが、今では異常にスキンシップを嫌がります。
彼には「女性として好きじゃない。人間として好きだ。家族みたい。もう俺達、色っぽい関係じゃないじゃん」と言われてしまいました。
私はまだまだ女性として好かれたい。
結婚もしていないし、子どももいないし、このままじゃ将来も不安です。
彼からの愛情は感じますが、いつか浮気しちゃうのでは?って思っちゃいます。
最近は女性として、化粧や下着、服などを楽しんでいる日々ですが、彼の反応は変わりません。
(周りの人には「服装の趣味変わった?」とか「香水つけてる?」など言われるので、けっこう変わった気はするんですけど)
彼氏にも美人と言われたことはあるので、見た目が悪いわけではないと思うんです。
家でも、裸でうろついたりしませんし、恥じらいは捨てていません。
私はどうすればいいのでしょう。女性として愛されたいです。
浅野先生、アドバイスをお願いいたします……!
ネタ募集ネーム:aoiさん
「女性として好きじゃない、人として好き」と言われたときに起きていること
まず大切なのは、この言葉をそのまま
「魅力がなくなった」「愛されなくなった」と受け取らなくていい、
という視点です。
もちろん、言われた側が傷つくのは自然なこと。
ただ、心理的に見ていくと、
この言葉は必ずしも“拒絶”を意味しているとは限りません。
彼の中で、関係性の位置づけが
「男女」から「安心できる関係」へと移動している可能性がありそうなんですよ。
それは信頼や安定が失われたというより、
安心を優先する心の動きが強くなっている状態、とも言えるかもしれません。
セックスレスは、愛情がなくなったサインとは限らない
セックスレスという言葉は、とても強い印象を持ちやすいものです。
「もう愛されていないのでは」
「女として見られていないのでは」
そんな不安が一気に押し寄せてくることもあるでしょう。
ただ、カウンセリングの現場では、
愛情があるからこそ、距離を取ってしまうケースにも、何度も出会います。
とくに、関係が安定し、生活が密着してくると、
刺激よりも「安心」を優先する心の力が働くことがあります。
「いい人でいたい」という心理が、親密さを遠ざける理由
ここで一つ、大切な視点があります。
それは、
「いい人でいようとする意識」がとても強い人ほど、性的な親密さを扱いづらくなる
という心理です。
普段から、
- 人にどう見られているかを気にする
- 場の空気を壊したくない
- 嫌われたくない
そんな生き方をしてきた人ほど、
自分の欲望や衝動を「出してはいけないもの」として扱ってきた可能性があります。
性欲や欲望を“悪いもの”として扱ってきた可能性
当然ですが、性欲そのものが悪いわけではありません。
ただ、育ってきた環境や価値観の中で、
「欲望=はしたない」
「求める=みっともない」
そんなイメージが刷り込まれていることもあります。
すると、親密さを感じる行為そのものが、
無意識に「自分が崩れるもの」「悪い自分が出てくるもの」になってしまうことがあります。
言いたいことが言える関係かどうかは、とても大切な視点
一見すると、彼が本音を口にしてくれたことは、
悪いことばかりではないのかもしれません。
もちろん、傷ついた事実をなしにしてほしいわけでもないですし、
彼の発言の援護射撃をしたいわけでもないのですよ。
ただ、
言葉にしてくれたからこそ、
関係の中で起きているズレを、後から見つめ直すチャンスが来た。
そう考えることもできなくもないのかな、と。
もし何も言われず、ただ距離だけが広がっていたら、
もっと混乱してしまったかもしれません。
努力が伝わらないときに、起きやすいすれ違い
外見を整えたり、雰囲気を変えたりする努力は、決して無駄ではありません。
ただ、相手が自分の内面に強く意識を向けているとき、
その努力の“動機”までは伝わらないことがあります。
「自分のためにやっているんでしょ」
そんなふうに受け取られてしまうこともあります。
セックスレスの状態から抜け出すために、最初に必要な視点
ここまで読んで、もしかすると
「で、私はどうしたらいいんだろう?」
そんな気持ちが浮かんだ方もいるかもしれません。
ただ、このテーマに関しては、
いきなり行動を変えようとしないほうがいい場合も多いのです。
なぜなら、セックスレスの渦中では、
「愛されたい」「失いたくない」という気持ちが強くなりすぎて、
自分の位置が不安定になりやすいからです。
だから最初の一歩は、
- どうすれば求められるか、ではなく
- どうすれば自分をこれ以上傷つけずにいられるか
この問いに立ち戻ることです。
関係を修復するにしても、続けるにしても、離れるにしても、
自分の感覚を置き去りにしたままでは、同じ苦しさを繰り返しやすい。
そこをなかったことにして、
スキンシップを増やしたり、優しい言葉掛けを増やして
うまく行ってくれれば・・・なにも問題はないのです。
ただ、そう簡単に進むわけじゃない、という実感が僕にはあるのですよね。
ある程度のプロセスが必要になることが多い、というか。
なので、まずは
- 無理に明るく振る舞っていないか
- 本当は感じている寂しさを、なかったことにしていないか
- 「私さえ頑張れば」という位置に立ち続けていないか
そこを静かに確認することがオススメなんです。
このあたりの無理している感じ・違和感は、
見えないところで彼に伝わってしまっていることも、実は少なくないというか・・・。
セックスレスから抜け出すための出発点は、
いきなり相手を動かすことではなく、
自分が立つ位置を、少し安全な場所に戻すことなのかもしれません。
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セックスレスの渦中で、いちばん大切にしてほしいこと
最後に。
また、セックスレスの渦中では、
どうしても「愛されていない自分」に意識が向きやすくなります。
でも、その状態で自分を責め続けてしまうと、
立ち位置がどんどん苦しい場所へズレていってしまいます。
愛されるかどうかより、今の自分をこれ以上傷つけないことが、とても大切です。
なにより、この問題に向き合うとき、
「どうすれば正解か」よりも、
「どの位置から考えているか」が重要になります。
自分を責める位置ではなく、理解しようとする位置。
無理に変えようとする位置ではなく、一度立ち止まる位置。
そこに立てたとき、見える景色は、きっと少し変わってくるはずです。
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