恋愛・夫婦の心理学

彼のためにと意見したら、彼がベッコリ凹んでしまうんです。

浅野さんへ質問です。

あまり口出しされたくないタイプと、恋人の力になりたいタイプとのパートナーシップについてご相談です。

先日、パートナーから、人間関係のことでの軽い愚痴を聞きました。
彼のとった行動が、周囲から反感をかいそうなもので、案の定周りからネガティブな反応が徐々に聞かれるようになりました。
本人は全く悪気がなく、気付いていない様子。

このままじゃ可哀想だと思い、彼に「あなたの思惑と違う方向に周りの人たちは捉えているみたいだから、発言には注意したほうが良い」ということを伝えました。

すると黙ってしまい、悲しんでいるのか怒っているのかもよくわからない状態に…。

実はこういうことが何度かあり、彼はあんまり口を挟まれたくないタイプのようで、彼からしたら私の行動は完全にお節介だったと思います。

しかし、私としては彼が傷つくような結果になることは避けたいという気持ちがあります。色々考えていたら、どっちが本当に相手を想っての行動なのかわからなくなりました。

求められていないのにどうにかしてあげなきゃと口を挟むのは私のエゴなような気もしますが、悪い方向にいくのがわかっていて見過ごすのも、、恋人としてどうかなと思う気がします。

ケースバイケースだと思いますが、どう対応することがお互いにとってベストなのでしょう。教えていただきたいです。

ネタ募集ネーム:なみこさん

なみこさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m

なるほど。あなたが彼のためにと思ってアドバイスすると、彼が「黙ってしまい、悲しんでいるのか怒っているのかもよくわからない状態」になるのですね。

よかれと思ったことが裏目に出るように思うなら、なんとも切ないですよね。

では、このようなときどう考えたらいいのかについて、僕なりにお答えします。

今回は「答えのようで答えでない感じ」になると思いますけれど、よろしければどうぞ。

 

プライドと自分を確認したいという気持ち

人には「自分を認知したい」という欲求があります。

これを自己認知欲求というものがあります。

これは自己確認欲求と自己拡大欲求と呼ばれるものに別れます。

今回のご質問では、まず彼の自己確認欲求がポイントになっているように僕は思うのです。

自己確認欲求とは、「自分が知っている自分」を確認したいという欲求です。

例えば、自分の見た目、性格、強み・弱み、考え方、価値観など、とりあえず自分が知っている自分のことを確認したいという欲求ですね。

今回のご質問であれば

「彼のとった行動が、周囲から反感をかいそうなもので、案の定周りからネガティブな反応が徐々に聞かれるようになりました。本人は全く悪気がなく、気付いていない様子。」

ここに彼の考え方、行動動機、価値観などがあって、それを彼は「それでいい」「そのような態度を取るのが自分だ」と思っているから気づいていないわけですよね。

ここでは「彼の中に悪意はない」ということのようですから、彼は「僕の行動って間違ってないよね。当然だよね。これでいいよね。」と思っている可能性が高い。

そして、その彼の気持ちを「そうだね」と言われると、まぁ今の自分を確認できた、ということになるわけですよね。

それがなく「そりゃ違うよ、やばいんじゃない」と聴いたので、彼はうぬぬぬ・・・と凹んでしまったのかもしれません。

きっと彼自身もあなたの話を聞いて「マズイな」と理解されたのかもしれませんけど。

 

これ、いわゆる「あれこれ口出しされたくないと思う人」、つまり心理的に見ると「(ネガティヴな意味での)プライドが高いタイプ」の人に多いパターンです。

もちろんその人なりに素晴らしさもあるし、物事に一生懸命であることに違いがないと僕は強く思うのです。

ただ、どこか「自分は間違っていませんよ〜」「正しいですよ〜」「これでいいんだよ、俺は〜」などと思うことが多く、「相手に悪影響を与えている」「自分が誤解されている」「自分の行動がマズかった」という意見を受け入れたくないので、プライドを高くしてしまうことがあるのですね。

このタイプの人は、「自分が間違っている→恥、罪悪感」という感情にめっぽう弱く、感じるとものすごい勢いで態度を変えたり、急に怒りはじめることが少なくないんです。

さらに言い換えるなら、「屈辱感にめっぽう弱いタイプ」といえます。自分の考え方、行動が間違っていると言われる(知る)と、うぬぬぬ・・・と、葛藤しはじめます。

だから、いつも自己確認していたいという気持ちにかられていることが多いものですし、自分の周囲にもYESマンを起きたがります。

自分って間違っていないよね?大丈夫だよね?恥ずかしくないよね?と気にして、人に確認して「YES」という答えが帰ってくると安心する。

けれど、そもそも恥や罪悪感にめっぽう弱いので、失敗したくないし恥もかきたくない。だから毎日戦々恐々としながら、「人にどう思われているか」を気にしている。

ただ、その状態で毎日過ごしていてもしんどいので、普段は「自分は間違っていませんよ〜」「正しいですよ〜」「うまくいってますよ〜」と思い、必死に毎日を過ごしている人が多いものです。

だから、ぶっちゃけた話、人の話をあまり参考にしないし、人の手を借りることも少なくなることが多いですね。人によっては、周囲と上手に関わること自体を諦めている人もいますよ。

その様子を見れば「自立」した生き方のように思いますけど、内心は「自分を確認したい」という気持ちで溢れかえっている可能性がありますなぁ。

このタイプの人にとっては、恥、屈辱感を感じること自体、罰のようなものなんですよね。だから、自分が罰されたくない、嫌な気持ちになりたくない、とさらにプライドを高くしていくわけです。

まぁ、僕たちは人間だから、ミスをするし、間違いも犯すし、人と違っていて当たり前で、それは恥でもなんでもないのですけどね。ただ、それでも恥をかくのは嫌だ、という気持ちになる人もいるのですよね〜。

個人的に気持ち、よく分かるんですけどね(^^;

そもそも人の失敗は罰するのではなく、指導したり愛してあげることが必要なんですけど、なかなかそう思えないのかもしれませんね。

 

自分の行動はお節介?それとも愛なのか

実はこういうことが何度かあり、彼はあんまり口を挟まれたくないタイプのようで、彼からしたら私の行動は完全にお節介だったと思います。

しかし、私としては彼が傷つくような結果になることは避けたいという気持ちがあります。色々考えていたら、どっちが本当に相手を想っての行動なのかわからなくなりました。

求められていないのにどうにかしてあげなきゃと口を挟むのは私のエゴなような気もしますが、悪い方向にいくのがわかっていて見過ごすのも、、恋人としてどうかなと思う気がします。

お節介かどうかは、その彼の受け止め方次第で決まるんじゃないですかね。

例えば、彼があなたの言葉で屈辱感を感じて「うぬぬぬぬ」ともがいていたとしても、その後、あなたのアドバイスを参考にうまく立ち回ることができる場合もありえますよね。

僕は、「自分なりに善意で相手に向けた行動ならば、基本、批判的に捉える必要はない」と思っていますよ。

たしかに上手な伝え方、愛し方を考える成熟さってのも必要なんですけど、自分なりに相手を思って伝えたことなら、それはそれでいい、としておく方がいいだろうな、と僕は思います。

捉え方は「まぁしゃーない」でも「そんなものだよね」でもいいんですけど。

 

ただ、この「相手を思った上での言動」と似て非なるものがあります。

それが「自分の不安から出た言動」なんですよね。それがいけないことではないのですが、まぁ伝えている方も気分があまり良くないまま、という部分が特徴でしょうか。

今回の場合も「彼の様子を見て、自分が不安になったから」言葉が出てきたわけですよね。

この場合は、彼のことを思っているには違いがないのですが、自分が不安だから動いてしまうわけですよね。

もちろん人間なんてそんなもんだよ〜と言ってしまえばそこまでなんですけどね。

ただ、自分が不安から行動した場合、その行動が相手の利益になっていたとしても、その結果を受け取れなくなっちゃうわけですよ。

だから「これでよかったのかな」と行動した後に考え込んでしまうわけです。

 

また、自分の不安から行動しているときほど、「もし自分が彼だったら・・・」と、まるで我が事に置き換えて物事を見てしまうことって多くないでしょうか。

それもきっと相手のことを考える方法の一つなのでしょうから、いちいち否定する必要もないのだと思うのですよ。もし彼の言動が一般的な社会通念やルールから逸脱しているものであるならば、そりゃ止めるのが普通だと僕も思います。

ただ、相手のことをまるで我が事のように置き換えて感じていると、「彼がなぜそのような言動をとったのか」の部分はすっ飛ばされて「そりゃまずいんじゃないの」と伝えてしまうことも増えるわけです。

自分に、気持ち、考え、ルールがあるように、相手も同じものがありますよね。

このお互いの違いが感じ取れているかどうかで、物事の伝え方はきっと変わってくる、というわけですね。

 

また、ちょっと別の見方をすれば、彼が自分の言動で不利益を被るとしたら、それは彼の責任の範疇の話だと思いませんか?

あえてちょっとドライな言い方をすれば「彼が失敗(不利益を被って)から気づくこと(学ぶこと)」もあるとは思いませんか?

それを見守って、たとえ彼が傷ついても自分は寄り添う、味方でいるという選択も、まぁないわけではなさそうです。(若干父性的な発想ですけどね。)

もちろん自分のパートナーが明らかにミスをしている、傷つく、不利益を被ることが分かっているのに黙っていることなんてなかなかできないと思いますよ。

こちらが何を伝えても彼が聞き入れてくれないとしたら、「私がどれだけあなたのことを考えているか、あなたは分かっていないよね」と言いたくなることもあるかもしれません。

ただ、コレってよーく見つめていくと「お互いさま」という部分が大きいんです。だから、何が良くて何が悪いと考えてしまうと、まぁ問題はややこしくなります。

 

まぁ色々と書かせていただきましたが、ここでお伝えしたいことは

「相手が何を気にしていて、なぜその行動をしたのかにある程度見当がついていれば、相手により伝わりやすい言動につなげることができる」

ってことです。

 

お互いのためにベストな選択をするために

ケースバイケースだと思いますが、どう対応することがお互いにとってベストなのでしょう。教えていただきたいです。

まずは日頃から、お互いを承認しているかどうかって部分でしょうか。

自己認知欲求には、自己確認だけじゃなくて自己拡大と呼ばれるものもあります。

自己拡大とは「自分が知らない自分を知る」みたいなもの。

自分の中で気づいていない自分の良さを伝えられると、人はものすごくいい気分になるものです。(いやいや、そんなことはないよ、と言いながらも嬉しいものです。)

だから、普段から相手の素晴らしい部分をどれだけ承認できているか、もポイントになりますよ。

すると、多少きっついことを伝えても、相手は「この人の言葉は信頼できる」と思いやすくなるので、理解し、受け入れようとするものです。

つまり、批判で人を動かそうとしてもまぁ限界がありますよ、ということでもあります。

 

また、相手のことをある程度(全てではないですよ)検討をつけることも大切ですね。

特に「相手は(自分がわかっていることの中で)何が分かっていないのか」がポイントになります。

人と関わるときに最もリスクが高い状態は「相手はきっとわかっているはず(私は知っているから)」と思いこんでいるときです。

人によっては自分と同じだろう、と認識している人もいますが、これはあまりに自分の価値を認めていないときに起こることです。

だから、まずは「今の自分を受け入れて、自分をよく知ること」がオススメです。

自分にもできること、できないことがあるんです。できないことは受け入れて、できることはちゃんと認めること。そこに価値があると知ることです。

すると、自分の気持ちに余裕もできますから、相手のことを過剰に心配したり、我が事のように置き換え、不安を強めることも少なくなります。

もちろん、相手のできること、いい部分も素直に認められるようになります。

その理由は「投影」にあります。

人は自分の感じ方を相手に映し出すので、自分のできないことを認めていれば、相手のそれも受け入れられます。自分の扱い方を変えれば、他人の扱い方も変わるのです。

すると、次第に気づけるようになっていくんですよね。

『彼はもしかして「自分のできないことを認めたくない」って思い込んでいるんじゃないか。だから、自分に不利益になることにも気づかないで突っ張っているんじゃないか。』

だとしたら、彼はどんな気持ちなんだろう。何が見えていなくて、何を恐れているんだろう、と考えることもできるようになります。

つまり、彼の行動にはなにか理由があると気付けるのです。だからただ単にアドバイスだけを渡すのではなく、「そっか、あなたなりに考えがあるんだよねー」とワンクッションおけるようになるんですよ。

その後でなら、ある程度言いたいことを伝えても、まぁそんなにバトルにならなくなっていきますし、まぁ自分も不安や心配からではなく、余裕を持って気分良く接することができるようになるメリットもありますね。

今思い出したんですが、僕が学生時代に出会った教授がこんな話をしていたんですよ。

「英語をあまり知らない日本人が海外に出かけると、プリーズという言葉をすぐ忘れるんだ。悪気なんてないのは誰が見てもわかるんだけれど、いつも命令形を使って終わってしまうから印象が悪くなる。ただプリーズとつければいいだけなんだけどな。」

この”プリーズ”が、相手の気持りを理解する”ワンクッション”とよく似ている、と僕は思うのです。

「あなたが心配だから」「〇〇するほうがいいよ」

いや、そのとおりだと思うんですけど、それを「どう相手に上手に伝えるか」を考えてみると、なるほど、と分かってくることも増えると思うんですよね。

そのヒントこそ、あなたに「優しく分かりやすく物事を伝えてくれた人」を思い出すことです。

その人はどんな気持ちであなたに接していたんだと思います?

それを真似るだけでも、ちょっと物事の伝え方は変わってくるかもしれませんね。

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