すれ違う夫婦の心理

「ごめん」と言いすぎてしまうあなたへ。恋愛で自分を下げてしまう女性心理と対処法【読者相談】

すれ違う男女

「ごめん」と言うつもりはなかったのに、 気づいたらまた口にしていた.

そんな瞬間、ありませんか?

彼が少し不機嫌そうに見えたとき。 LINEの返事が冷たく感じたとき。

つい「私が悪かったのかな」と思って、空気をなだめようとしてしまう感じ。

そんなあなたの優しさを、僕は責める気にはなれないんですけどね。

むしろ、とても誠実で思いやりのある反応とも思えるんです。

ただ、恋愛の中ではその優しさが、 “自分を苦しめる役割”を担ってしまうこともあるんです。

読者さんからのご質問

浅野さん、こんにちは。

30代後半の女性です。彼との関係についてご相談です。

彼は、何か気に入らないことがあると「言わなくても分かるでしょ」「普通こうするよね」と言ってきます。

私はそのたびに「そんなの言ってくれなきゃ分からない」と思うのですが、彼の機嫌を悪くしたくなくて、つい「ごめん」と謝ってしまいます。

彼は真面目で優しいところもありますが、普段から自分の気持ちをあまり言葉にしません。

私が察することを前提にしているように感じてしまい、モヤモヤします。

このままでは対等な関係じゃない気がして、少し疲れてきました。

「言わなくても分かってほしい」というのは、甘えなんでしょうか?

それとも、私が気づけていないだけなのでしょうか。

よろしくお願いします。

ネタ募集ネーム:ラッキーさん

気づけば、あなたの口からはまた「ごめん」の一言が出ちゃうんですね・・・。

でも、このような「察してほしい」彼と「謝ってしまう」私の組み合わせって多いんですよね。

心理的に見ると、これは互いの不安が釣り合っている状態なんですよ。

そこで、この記事では、なぜあなたがすぐ謝ってしまうのかの理由と、どうすれば“対等で心地よい関係”を築けるのかを、解説していきます。

すぐ彼に謝ってしまう理由:関係のバランスを保つため

「すぐに謝ってしまう」と聞くと、つい「自分が弱いから」「自信がないから」と思いがちです。

でも、実際のところは、もう少し違った意味合いで謝っている人が多いものだと僕は見ています。

おおむね「すぐに謝ってしまう人」って、相手の気持ちを先に受け止められる感受性が高い人が多いです。

心理的に見ると、この行動は“防衛的自己責任”と言えるんじゃないかと僕は思いますよ。

つまり、「今の関係が壊れないように自分が先に責任を引き受ける」という心の反応。

それが「悪いのは自分だと思う」という反応になって現れている。

つまり、謝ることで「関係のバランスを保とうとしている」んですね。


「ごめん」とすぐに謝ってしまう女性心理

いつも「ごめん」と口にする女性ほど、“相手の感情を先回りして受け止めようとする人”が多いです。

これがその方にとっての「女性的な優しさ」の表現なんでしょう。

言い方を変えれば、「ごめん」という言葉で相手を受け止めている感じ。

ただ、同時に「自分が悪くなれば関係は壊れない」という思い込みがあるのかもしれないですね。

「ごめん」と言うことで場は収まる。

でもそのたびに、「私ばっかり我慢してる」という小さな違和感が積もっていく。

やがてそれが、“対等ではない関係”という息苦しさになるのです。

「ごめん」は、かつての“生きる知恵”だったのかもしれない

たとえば、子どもの頃、家の中で起きた小さなトラブル。

誰かが怒っているとき、空気を読んで先に謝ることで、その場を落ち着かせた経験があったのかもしれません。

あるいは、家族や親しい人の感情を敏感に察して、「自分が悪い」と引き受けることで安心を保ってきた人も多いでしょう。

そうやって身につけた“早めの謝罪”は、あなたにとっての「生きる知恵」でもあったはずなんです。

「ごめん」と言えば関係が戻る、相手が落ち着く、嫌われない。

だから、無意識のうちにそれを使ってしまう。

でも大人の恋愛では、同じ行動が必ずしも“絆”を強めるとは限りません。

むしろ、あなたが「謝ることでしか関係を保てない」と思い込んでしまうと、

いつの間にか相手とのバランスが崩れていくんです。


「ごめん」と言うたびに、少しずつ失われる“対等さ”

ただ、「ごめん」という言葉で相手を受け止める方法は、長く続けるほどに“対等さ”を削っていく場合があります。

本当は、普通に対話するだけで済むはずの場面でも、「ごめん」と伝えることで、いつの間にか関係の主導権が少しずつ相手に傾いていくんですよね。

やがて、

「私ばっかり気を使ってる」「でも言い返せない」

そんな疲れが積み重なっていくのです。

彼がいわゆる「察してほしい」タイプならなおさらです。

彼の“言わなくても分かってほしい”という「理解されないことへの不安」と、あなたの“関係を壊したくない”という不安が、ちょうど噛み合ってしまう構造なんですよね。


謝ることで守っているのは、彼ではない?

ここで一つ大切なことをお伝えすると・・・

ごめんと謝率づえけているとき、あなたが守っているのは「彼」ではないということ。

「自分がこれ以上傷つかないように」と考えていたり、「今の関係が壊れないように」と考えていることが少なくないんじゃないか、と。

それが決して悪いことだとは誰も言えないと思いますよ。

むしろ、思慮深い人、優しい人ほどこの選択をしやすいんです。

でも、実際「ごめん」と言い続けることで、自分も守れなくなるし、関係も“育たなく”なっていくことが多いんじゃないか、と僕は思いますよ。

まぁ、僕もよくごめんと言いがちな人間なので、過去に手痛い経験をしなかったわけじゃないんですが、ごめんの連呼で守れるものって、そんなに多くないと思います。

「ごめんと伝える」以外で関係を育てる4つの視点

ただ、実際のご相談を伺うと、「ごめんと伝える」以外の方法で関係を育む方法を知らない、って方も少なくないようです。

それぐらい「自分が悪い」という部分を落し所にしてきたのかもしれませんね。

ということで、「ごめん」以外で関係を育てる4つの視点をご紹介します。

  1. 「ごめん」と言いたくなった瞬間、心の中で1秒だけ待ってみる
    →その1秒が、“反射”を“選択”に変える練習になります。それだけでも、関係の空気が少し変わるはずです。
  2. 「ごめん」を「ありがとう」に置き換える
    → 自分を下げるより、相手を認める言葉に変えるだけで関係の空気が変わります。
  3. 「私もそう感じたよ」と伝える
    → 共感は謝罪ではなく、理解を深めるための言葉。意見が違っても対立しません。
  4. 「私はこう思っている」と“私主語”で話す
    → 相手を責めずに自分の立ち位置を見せることで、関係の再調整がしやすくなります。

いきなり完璧にできなくても大丈夫です。

たとえば今日一日だけでも、気づいた瞬間に「今、私の優しさが動いてるな」と思ってみてください。

それだけでも、“謝らない自分”を練習する最初の一歩になります。

そして、ここでご紹介した方法は単に言葉を我慢する練習ではありません。

“ごめん”と口にしたくなる瞬間には、あなたの優しさがもう働いているのですよ。

だから、まずその優しさを自覚してから、言葉を変えて伝えることで、“自分を下げずに関係を保つ”という新しい体験が始まるのです。

つまり、「ごめんと伝えること」から卒業するにしても、急に「もう謝らない!」と頑張ると、反動でギクシャクしてしまうものです。

なので、まずはこの3つの視点を少しずつ意識してみてください。

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さいごに:優しさを「使える」形に整える

すぐに謝ってしまう人は、本当は誰よりも人を大切にしたい人なんでしょうね。

だからこそ、「ごめん」と言わずにいられる瞬間が少しずつ増えていけば、あなたの中にも“安心して関われる自分”が確かに育っていきます。

そしてその変化は、きっと彼にも伝わります。

あなたが自分を下げずに関われるようになると、相手も“支配ではなく信頼”で応えるようになるのです。

それが、ふたりの関係が“穏やかに動き始める瞬間”かもしれません。


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