カウンセラーのひとりごと

子を愛するということ 〜親の欲を超えて、「今」のつながりを信じる〜

こんにちは。心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日はふと思いつき「子を愛するとは何か」という僕の中にあった問いについて考えてみたいと思います。

親になると、思いがけないタイミングで「自分の中の欲」と出会う瞬間があります。

「この子には幸せになってほしい」「失敗してほしくない」

どれも愛から生まれた願いのはずなのに、どこか“怖れ”が混ざる。

僕自身、小学生の娘を育てながら、何度もその感覚に立ち止まってきました。

そして思うのです。

親の欲と、愛は紙一重の距離にある、と。


親の過去は、子の「今」に映し出される

子供を見つめるとき、僕たちは無意識に自分の過去を見ています。

「同じように苦しませたくない」「同じように孤独にさせたくない」

その祈りのような願いが、知らず知らず“制御”や“過保護”という形をとることもある。

子供の姿を通して、自分がまだ癒えていない部分が浮かび上がる。

だからこそ、子を育てるという営みは、自分をもう一度育て直すことでもあるのだと思うんです。


親の欲は「愛+怖れ」からできている

「こうなってほしい」「こう生きてほしい」

それは自然な親心です。

けれどその根っこには、親自身の「自分への期待」と「自分への失望」が隠れていることが多いものといえそう。

たとえば、

「自分のように後悔してほしくない」
「自分ができなかったことを、この子にはやってほしい」

そう思うほどに、愛の中に“未消化の自己否定”が混ざっていく。

だから僕は、親の欲とは「愛」と「怖れ」の混ざり合いなのだと考えています。


愛するとは、「今、この瞬間の子供を十分な存在として見ること」

愛とは、未来を心配することではなく、「今のあなたはそれでいい」と伝えること。

それが僕の考える「子を愛する」ということです。

「生まれてきてくれてありがとう」

この言葉の本質は、“存在そのものを信頼すること”にあります。

子供の将来を思い描くことも大切ですが、

「いま、ここにいるあなた」を肯定するまなざしがあってこそ、

その未来は安心の上に育っていくのだと思うのです。


親が自分を愛せるとき、子へのまなざしはやわらかくなる

親が自分を責めていると、子供も「完璧でなければ愛されない」と感じやすくなります。

反対に、親が「不完全でも愛されている」と感じているとき、

子供は“未完成のまま安心して成長する力”を得ます。

つまり、親の自己受容が、子の自己信頼を育てるんです。

親が癒えることは、子供を愛することの一部。

それは決してエゴではなく、“愛の循環”をつくるための大切な準備です。


親の欲を超えた先にある、“循環する愛”

愛は欲ではなく、循環する想い、です。

親が笑えば、子供が安心し、子供が笑えば、親が癒える。

その往復の中で、愛は少しずつ成熟していきます。

だから、僕たちができることはとてもシンプルです。

「大丈夫。今のあなたも、今の私も、もう十分だ」

そう言えるように、自分の中の怖れをほどいていくこと。

その瞬間、親の欲は“未来を変えようとする力”から、“今を信じる力”へと変わります。

そしてそのとき、僕たちは本当の意味で「子を愛している」と言えるのかもしれません。


結び

子供を愛するということは、

“自分の中の未熟さ”と“今ここにあるつながり”を、どちらも受け入れること。

誰かを育てながら、自分も育て直す。

その循環の中にこそ、愛の成熟はある。

今日もまた、娘の寝顔を見ながら、僕はそう実感しています。

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