「期待」の心理とはなにか? 〜「2つの期待」について解説します〜
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
僕たちは「なにかに期待する」という気持ちを抱きますよね。
心理学では「期待」と呼ばれるものです。
ただ、「期待」は失望の母とも呼ばれていて、
私達が日常を過ごす中で感じる・ストレス、フラストレーションの理由にもなるものでもあります。
この「期待」が一つの理由となって、恋愛や夫婦関係、仕事や対人関係に問題や軋轢などが起こることも少なくありません。
また期待は「自分の中で欠乏しているものに対する欲求」という側面があります。
よって、「他者への要求」を生みますし、「完璧主義」になってしまう理由の一つとも考えられています。
そこで今回は「期待の心理」についてご紹介したいと思います。
Index
不足感からの期待
「期待」の心理の1つの側面には
- 満たされない欲求から生じる期待
- 不十分だと思う自分に、自らが向けている期待(プレッシャー)
このような「不足感からの期待」です。
これは「要求のようなもの」とも言えますし「依存心にちかいもの」とも表現できますね。
例えば、
- 彼に〇〇してほしい!
- 毎日頑張っているからご褒美に海外に行きたいな!
- 今の自分ではできないことがある。もっと頑張なきゃ!などなど。
期待の対象が自分かそれ以外かの違いがあろうかと思いますが、未だ満たされない欲求を満たそうと「なにかに期待する」のです。
不足感からの期待を作る心理
なお、不足感からの期待をつくるものは「不十分な自分という自己イメージ」です。
- 「私は不十分なところがある」だから彼に〇〇してほしい!
- 「ようやく一人前になってきた」だから頑張っている自分へのご褒美に海外に行きたい
- 「今の自分は力不足」だからもっと頑張らなきゃ!
つまり、今の自分が「不足感からの期待」を多く感じているとしたら
「自分の実力を過小評価し、自信を感じられない」
もしくは
「未だ十分な実力(自信)が備わっておらず、実力を身につける必要がある」
このどちらかとなります。
なので、「不足感からの期待」が強い場合、他者や社会に見返りや共感を期待ぜず、自力を育むことは、人としての成長に繋がるといえます。
平たく言うと「人に期待しないで自分で行動しよう」ということですね(^^;
ただし、誤解のないようにお伝えしておきたいことがあります。
日々努力しているのに、様々なプレッシャーで押しつぶされそうになっている方の多くは
「自分の実力を過小評価し、自信を感じられない」
という事情をお持ちの方が少なくないようです。
この場合は、見返りを求めずに頑張るより、自分自身を整え、自信の種を見つめ直すほうが効果的です。
頑張り過ぎは要注意です!
「不足感から人に期待する」と不満が残る
実は、不足感から人に期待すると不満が残ることが多いです。
そこを「傷つく」と感じる人もいれば、満たされない感覚として覚える人もいるでしょう。
自分と同じものを人に求める「期待」
例えば、「期待」は「人に対して自分と同じものを求める」という意味でも使われることがありますね。
よくあるケースとしては
「私だってそんなに自信があるわけじゃないのに仕事を頑張っている。なのに同僚は仕事をしないなんてありえない!」
ここには「自分は不十分なのに」という気持ちがが見え隠れしますよね?
つまり、「自分と同じものを相手に求める期待」は「自分に対する不足感・実力の承認不足」によって生じるわけです。
ルールや正しさを求める「期待」
また、私達の心の中には
「自分のルールや規範に照らし、納得できるものは受け入れるが、価値観の違うものに関しては攻撃する」
そんなマインドが存在します。
自分のやり方、価値観、正しさが正解で、それ以外のものは間違っているものだから排除したい、という気持ちに駆られるわけです。
これは「他人に自分のルール・正しさを受け容れるように求める期待」です。
このような期待は「要求」とも解釈できますね。
つまり、「他人に自分のルール・正しさを受け容れるように求める期待」は、もはやコントロールに近いものですが、「不足感による期待」なのです。
より良い結果への期待
「期待」の心理のもう一つの側面は
- 息子の受験、どうか合格しますように。
- 病気の父が早く退院しますように。
- 贔屓の野球チームが今日も勝ちますように。
このような「より良い結果を望む気持ち」としての期待です。
解釈次第では「祈り」「応援」とも言えるかもしれませんね。
この期待は、自分自身や、人や物事の良い結果を願うことなので、何ら問題ではないと言えます。
むしろ「人を勇気づける」「応援という形で支援する」としての意味合いが出てきます。
確かに人によっては、他人に良い結果を期待されることでプレッシャーを感じる人もいるでしょうが、そうであっても「祈り」「応援」「勇気づけ」は素晴らしいものです。
より良い結果への「期待」を否定的に見る必要はありません
さて、よく「人に期待することはやめよう」という話を聞きませんか?
自分の不足感から人に期待していても、自己の成長はないから期待は良くない。
確かにこの考え方の全てが間違っていないと思います。
確かに良い結果への期待が裏切られるとつらいし、残念に感じますが、この期待までも否定的に認識するのは明らかな誤解です。
この期待まで否定すると、他者から
- さみしい人
- 合理的すぎる冷たい人
- 自分しか興味のない幼い人
- どこかとっつきにくい近づきたくない人
そのように誤解されかねず、周囲にどこか「未成熟な人間」であるかような印象を与えかねません。
「良い結果への期待」をしないためのトレーニングは不要です。
むしろ、大切な人、家族、子供、仲間、世の中の幸せを願うこと。
それは、たとえ期待通りの良い結果が得られず、自分が辛くなり、残念な気持ちになったとしても。
「それでも誰かの成功・幸せを祈り、応援し続ける人」は成熟した人間だと言えます。
(こちらの期待を相手に押し付けるのではなく、相手の成功を心から願うという意味です。)
期待すれば「失望」も感じます
実は「期待は失望の母」とも呼ばれています。
僕たちは「不足感からの期待」でも「良い結果への期待」でも
期待して望んだ結果が得られなければ「失望」します。
つまり、傷つくのです。
だから「期待しなければストレスを感じなくて済む」と思いやすいのです。
そもそも期待しなければ失望もしないし、残念な気持ちもならないですから。
ただ、傷つき方、失望の結果が違うのです。
「不足感からの期待」で失望するとしたら、これは自己嫌悪や自己否定に繋がります。
「良い結果への期待」で失望するとしたら、残念な気持ちになります。
確かにどちらもいい気分にはならないですよね。
ただ、いつも「不足感からの期待」ばかりしてしまうのであれば、失望は強いストレスの原因となります。
そういったストレス軽減対策として「不足感による期待をしないトレーニング」は効果的かもしれませんね。
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