恋愛・夫婦の心理学

何事も思い通りにならないと気がすまない人の心理 〜コントロールの心理とその種類〜

思い通りにならないと考え込む女性

人にはさまざまな「クセ(癖)」がありますよね。

実は「クセ」って自分の内面を安定させる要素の一つ、と考えることができるので、まぁ誰しも1つや2つクセがあるものだと言えそうなんですよ。(実際はその程度の数で済まないでしょうが)

ただ、クセにもいろいろな種類といいますか、意味があって、自分だけで完了するものもあれば、人を巻き込んで影響を与えるものもあるわけですよね。

今日はその中でも「人を思い通りに動かしたいと思うクセ」について考えてみたいと思います。

何事も思い通りにならないと気がすまない人の心理

さて、人には様々なクセがあるわけですが、その中でも「人を思い通りに動かしたい」という考えグセ、行動を取りやすい人がいます。

皆さんの周りにもいません?

  • 思い通りにならないと機嫌が悪くなる人。
  • 自分の意見や考えが否定されるだけでベッコリ凹んだり、怒りはじめる人。
  • 自分なりの頑張り方、与え方へのこだわりが強くて、自分のやり方を変えようとしない人。
  • 自分の思い通りにならない現実を前にすると、すごく不安になってうろたえてしまう人

こういったタイプの人によく見られるクセ(考えグセ)が「コントロール」なんです。

自分の思い通りに人や状況を動かしたい、と感じやすいわけです。

自分を変えるのではなく、人や状況を変えることで安心しようと思う、といったイメージですね。

もう少し詳しく書くと、自分にとっての心理的な危機状況が訪れたときに(普段感じたくないと思う感情を感じるときに)、自分の内面は全く意識せず、自分の外側にだけ意識を向けて、状況や人の考えを変えようとする、といった感じです。

つまり、人が「思い通りにならないと気がすまない」と思い、そう行動する理由は「不安など感じたくない感情を受け容れたくないという反応」にあるわけです。

具体的な事例をいくつかご紹介します。

怒る・キレる・反論する・引きこもるタイプ

なにかいいたげな女性

これは自分の都合が悪くなると、分かりやすく怒る・キレる・反論する、といった行動を通じて相手の気持や周囲の状況を変えようとするパターンです。

いわば、人を巻き込むタイプとも言えますから、劇場型と表現してもいいかもしれません。

例えば自分が仕事でミスをした、人を怒らせてしまった、彼や彼女などに嫌われるようなことを伝えてしまった、そんなちょっと自分にとって都合が悪い状況を想像してみてください。

このとき自分の気持だけでなく相手の気持ちも考えて、素直に自分の非を認めて謝罪し、今できることを行っていれば、よほどの人ではない限り「しゃーないな」と思ってくれるものかもしれません。

が、ついバツが悪くなると周りをコントロールしてなんとか今の危機を脱そうとする人がいるわけです。(いいか悪いか別にして)

このとき起きていることは「自分が感じている感情(不安・悪く思われている・怒られることが怖い・嫌われているなど)を感じないようにするために、反論したり、怒ることで人の気持ちや状況を変えたくなっている」ということなんです。

だから、実はこのタイプの人って、後で「そんなつもりはなかったんだけど」とおっしゃる方が少なくないのかもしれない。

たしかにそうなんだろうな、と思うのです。相手に反論したかったわけでも、キレたかったわけでもなく、嫌な感情を感じたくなかっただけなのでしょうから。

ただ、これは冷静に考えると「自分しか見えていない状態」と言えそうですし、やればやるほど「手の掛かる人」「あの人は他罰的だ」と思われ、印象を悪くしてしまうものですよね。

もちろん、ここにもそうなる事情があるってことなんです。

また、自分の気持ちの責任の在り処をきちんと理解して受け止めることができると、この問題は解決するんですよね。

正しさを全面的に主張するタイプ

正しいことを言いまくる女性これは自分の正しさ、自分の中で理屈の通ったことだけを主張して、人の気持ちや状況を変えようとするパターンです。

例えば、自分が愛されていないかも?認められていないかも?といった感じたくない気持ちを抱いたときに、「それって自分が感じていることなんだよね」と受け止められず

「私はこんなに愛しているのに」
「僕は会社のためにどれだけ頑張ってきたか」

このような「正しい」と思えることを主張することで、自分の気持ちを伝えるのではなく、相手の気持ちや考えを変えようとするわけです。

これも「自分が感じている感情(不安・悪く思われている・怒られることが怖い・嫌われているなど)を感じないようにするために人の気持ちや状況を変えたくなっている」ということなんですよ。

相手のことは考えているようで、うまく考えられていないという意味でコミュニケーションができず、結果、不評を買いやすいとも言えます。

実は、自分の不安などの感情を受け止め、または素直に認め、相談したり自分なりの考えを伝えると、人は意外と話を聞いてくれるものなのです。

人は「自分の感情の責任をとっている人」から、安心感、信頼感を感じるものなので。

逆に、自分の感情を受け止めようとしない態度を続けると、相手から反発されやすくなるんですよね。

ただ、このパターンにハマっている人って、実際「彼のために」「会社のために」という気持ちを持って頑張っていらっしゃる方もたくさんいると思うのですよ。

そのお気持ちは尊重されるべきだと思うんですよ、僕はね。

自分を責める・ハードワークするタイプ

ハードワークして疲れている女性

これは一般的に「我慢が強い人」に多いパターンと言えます。

自分が感じている感情を感じないようにするために人の気持ちや状況を変えたくなったとき、人を直接的に変えるのではなく、自分を追い込むような態度を使うわけです。

例えば、自分が悪いんだと責めたり、自分の弱点の克服ばかり考えたり、自分に課題ばかりを課してハードワークしたり、恋愛ならば相手に尽くしまくったり、自分の意見を一切言わなかったり。

それによって相手の譲歩や理解を求めるような態度を取るわけです。

いいように取れば「願っている」とも言えるのですが、その根底には「相手の気持ちを変えたい」という思いも隠れているわけです。

あえて悪い言い方をすれば、相手に直接意見はしないけど「私を見たらわかるよね?」といった態度を取るといえば分かりやすいでしょうか。

ただ、相手がこちらのことを理解してくれればいいですけど、そうでなかった場合は打つ手なし、つまり詰んでしまいますよね。

また、こういったパターンは癖になると止まらなくなるので、感じたくない感情を感じる状況になると何度も繰り返されることにもなりかねないという意味で、自分がしんどいんですよね。

そういう意味では、自分の気持ちをきちんと伝えて話し合う、ということが求められるケースだとも言えます。

が、このパターンにハマる人は、本当に人を傷つけたくないと感じている人も少なくないのですよ。

その優しさや人への配慮に関しては尊重されるべきことだろうと僕は思うのですけどね。

今起きていることに無関心になり動かないタイプ

腕組みして動かない女性これは自分が感じたくない感情を感じたときに、その感情自体を切り離しにかかるタイプといえますね。

要は、今起きていることに対して無関心になるわけです。自分の気持ちにも、周囲の状況にも。

例えば「俺、関係ないし」「私のことじゃないし」といった風に。

その態度を我慢比べのように続けて、結果誰かが行動してくれるのを待つという意味でコントロールとなるわけです。

これはいわゆる社会的手抜き(たくさんの人がいる状況下で、つい「自分がやらなくてもいいだろう」と考えてしまうこと)の話ではなく、自分が受け止めるべき感情を受け止めないためのその人なりの反応です。

これ、一見すると得しているように見えるんですけど、最も大切なものを失うリスクがあるんです。

その大切なものとは「人望」です。

「あぁ、あの人がいても当てにならないし」と人に思われかねないことが最大のリスクだと考えられます。

これもまぁ、何が良くて何が悪いという話ではないんですけどね。

思い通りにしたくなるコントロールを手放すいくつかの方法

シェークハンドしてつながっている女性

ここからは「何事も思い通りにならないと気がすまない」という気持ちをより良い方向に変えていく方法についてまとめます。

どのようなことを意識して実践すると、よりよい対人関係やパートナーシップを構築できるかについて今すぐできる3つの方法をご紹介します。

なぜコントロールしたくなるのかについて理解しておく

まずは自分を知ることから始めてみてはいかがでしょうか、というご提案です。

実は「何事も思い通りにならないと気がすまない」という気持ちにもいくつかの事情があります。

いわば万能感(幼児的万能感)から脱することができず、「人は自分のことを愛してくれるべきだ」という思い込みが強いと、人もモノも社会も思い通りにならないと気がすまなくなります。いわばリスクのないぬくぬくとした世界で生きていきたいから、人をコントロールしたくなるといった感じです。

また「自分次第で自分の思い通りになる世界が来る」という思い込みが強い場合は、自分が努力すれば問題が解決するだろうと考えるでしょう。だから、思い通りにならないことが悔しいし受け容れられないと感じることもあるでしょう。(努力が間違っているという意味ではないですよ)

ただ、もし「自分の思い通りになること」が「幸せになること」と同じ目的を示していると仮定したならば、やはり「思い通りになる不安のない世界」より「幸せ」について考える必要があるのではないでしょうか。

そのためには、今の自分が人のために貢献していることや、人が自分のために貢献してくれていることなどに意識を向けることです。

自分の思い通りにならなくても、安心や幸せを実感できることが可能なら、そもそもコントロール欲求は手放せます。

また、人をコントロールせず、相手のあり方を認めることができるからこそ、自分が人に受け入れられている実感も得られるでしょう。

自分が思い通りになる世界を欲する気持ちも分からなくもないのですが、それが本当にほしい世界なのかを自分に問いかけてみてもいいのではないかな、と僕は思いますよ。

普段から我慢せず、素直な気持ちを話せる人を持つ

実は思い通りにならないときが済まない人ほど、人に自分の素直な気持ちを伝える前に、思い通りにすることを考えてしまうものです。

つまり、自分の素直な気持ちを伝えたり、人のそれを受け止める経験が少ない傾向があると考えられるんです。

その結果、人の気持ちがよくわからないと感じ、だからこそ更に人を怖れてしまい、自己完結的に人をコントロールしたくなる人も少なくないのではないでしょうか。

もし、あなたが今日の記事を読んで「あぁ、自分のことだな」とか「私はその傾向があるわ」と思われたのならば、ぜひこう考えてみてください。

「私は私のこと、誰にも教えてこなかったのかもしれないな」

あなたのことを誰もよく知らない世界にいれば、そりゃ不安だし、怖ろしいし、孤独だし、誰もアテにできないからこそ、人をコントロールしたくなると思いませんか?

しかし、一人、二人と自分のことをよく知る人がいて、お互いに気持ちを受け止めあえる人がいれば、いちいち人をコントロールしたいとは思わなくなるのではないでしょうか。

ここで大切なことは「人とのつながりがあるかどうか」です。

ぜひ、信頼できる人からでいいので、お互いに普段から我慢せず、素直な気持ちを話せる人を持つようにしてみてください。すぐに難しいと思うならカウンセラーからでも構いません。

これを自分から作ることによって、コントロールしたい気持ちは次第に弱まっていきますよ。

相手の気持ちを見る意識を持つ

コントロールしたくなるときほど、相手の気持は見えていません。

「あぁ、相手に悪く思われているんじゃないだろうか?」と不安になったとき、確かに相手は悪く思っているかもしれませんが、そうではない可能性だってあるわけです。

そこを無視して、特に自分の身近な人に対して、相手の気持ちが見えないままそれを変えようとしているなら、もう何やってんだかわけわからん、という話になりはしないでしょうか。

そう考えると、普段から相手の気持ちを見る意識を持っておくと、コントロールすることよりも、「いかにより良く相手と関わるか」を考えることができるようになりますよ。

たとえ相手にネガティヴな思いを抱かれたとしても、自分が相手と誠実に向き合うことで少なくとも自分の不安や罪悪感は手放せますし、多くの人は誠実に向き合ってくれますよ。(それでもダメならその時考えるしかないかな、と思います。)

逆に、相手を見ないようにすればするほど、ついつい自分の思い通りにしたくなる気持ちが湧き出しますから、そこは意識されるといいのではないでしょうか。

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