ほぼ30代からの心理学

自分のことを優先することが苦手な人の心理 〜自分を優先することの意味を考える〜

自分のことを優先することが苦手な人の心理

巷でもこのブログでも「自分を大切にしよう」「自分を優先しよう」といった話をよく聞くかと思われます。

僕はよく「自分を大切にするから、人も自分と同じだと分かる」なんてお話をさせてもらうんです。

その根拠は、まず心理学でいうところの「投影の法則」。

投影とは平たく言うと「自分の感情を相手に映し出す」という法則。

例えば、自分のことをモノ扱いしている状態で、パートナーや仲間がひどく悩んでいたり落ち込んでいる姿を見ると「相手も自分のことをひどく否定して辛いんじゃないか」と思いこんでしまう場合がありますよ。

しかし、実際のところ、相手の落ち込みの理由は、体調不良だったり、月のバイオリズムの影響だった、なんて話は意外と少なくない話なのかもしれません。

相手が仕事でひどく悩んでいたとしても、だから自分を嫌いになったわけではなくて、すごく困難なプロジェクトと向き合って疲労困憊だった、なんてこともあるかもしれません。

もちろん相手が自分のことをモノ扱いしている場合はビンゴ!ってことになりますが、しかし相手の様子はよーく見たほうが良さそうです。

まぁ、人は見たいように物を見る、と言いますけれど、まさにそれ。

だから、自分をモノ扱いして大切にしていなかったり、自分嫌いが慢性化していると、つい「人も同じなんじゃないか」と思いこんでしまうわけでございます。

よって、自分を大切にしていたほうが、上手に相手に気を使えるし、相手の様子もよく分かるよ、ってことなのでございますな。

自分を大切にしているから、相手が自身を大切にしていないことがよく分かるし、相手のプライドだっていたずらに傷つけませんから、人付き合いでも過剰な気遣いが不要になるわけですよ。

しかーし、そうはいえども「自分を優先する」ということが苦手な方も多いのではないでしょうか。

たまにこのブログで出てくる「愛深き忍耐女子」のみなさんほど、苦手にしているかもしれませんね。

あとは、大きな失恋(ハートブレイク)を経験してから、「自分なんて」という気持ちが消えないままだ、という方もいらっしゃるかもしれません。

実はですね、「自分を優先すること」が苦手、難しいと感じる方ほど、ある事情によって「自分を大切にできない状態」になっていることがあるようなのです。

僕のカウンセリングの経験上、それはまぁ間違いないだろうなと思っております。

ではその事情はなにか、といいますと、これなんですよ。

 

自分を優先することが難しくなってしまう理由とは

さて、自分を優先することが難しくなってしまう理由とはなんぞや?という話ですが、誤解を恐れずあっさり書くとしたら

「人の温かさから遠ざかっている」ということでしょう。

心理学の言葉を使うなら、親密感や信頼、許し、受容、理解などの要素を「他人から感じ取れなくなっている状態」が続くと、自分を優先することが難しくなることがありますね。

他人から親密感や信頼、許し、受容、理解などの要素を向けられても、「相手からそれを向けられていると感じられない」となれば、それはもう「渡る世間は鬼ばかり」状態になってしまうと思いませんか?

あなたの就職先が幸楽になる、ってことではなくて、人と接していても不安や恐ればかり意識してしまうことになる、ってことなんです。

この状態で自分を優先することを考えたとすれば、他人から批判が飛んでくるように感じることが多いのではないでしょうか?

「なんだよ、あんたは自分のことばかり優先してさ〜どういうつもりなの?」

「なんて自分勝手な!」「自分に甘いんだよ!」

なんて言われそうで怖くならないでしょうか。

このように「他人からいわゆる温かさのようなものをもらえるのだ」と思えない何かしらの事情を抱えていると、どうしても自分を優先するより、人の目を気にして他人に合わせる(自分の欲求や気持ちを我慢する)ことが増えるはずなのです。

もちろん実際に批判的な意見を飛ばす人もいるとは思いますが、それはその人の事情によるもので、だから「自分を優先してはいかん」ということではないはずです。

そもそも幸せとは「自分の幸せ」と「他人の幸せ」のバランスによって成り立っていると僕は考えています。

自愛と他愛、どちらも僕たちには欠かせない要素なのです。

自分だけ優先してもつまらないし、他人ばかり優先しつづけても苦しいんです。

しかし、他人から温かさなどの要素を感じ取れないでいれば、もう他人や状況を優先して警戒しながら毎日を過ごさなければならないってことになります。

だから、実際のカウンセリングでは「どうしてそんなに他人からの温かさなどを感じ取れないのか」「いわば、お互いさま、持ちつ持たれる、といった感覚を感じられないのはなぜか」といった部分に着目して、深く心のなかにアプローチしていくことがあるわけですね。

それによって「他人にも(自分と同じような)温かさがあるのだ」ということが分かり、お互いさま的発想が受け容れられ、持ちつ持たれつ、といった感覚を取り戻せるだけ、自分を優先する時間を作りやすくなるわけです。

それは「自分は他人を信じていない」「裏切っている」ということではなく、どこかで「他人の温かさを信頼できない何かしらの事情がある」「他人を信頼して傷つくことを恐れる事情がある」ということですよ。

そういった方が特別問題なのだ、と僕は思ってはいないのですよ。

むしろ、辛いし苦しいのはご本人だろう、と思っております。

ただ、なぜか悩まれているご本人のほうが「私に問題がある」と強く思われていることが多いような、そんな気がしますよ。

 

自分を優先するからといって貢献を止める必要はない

さて、よく「自分を優先する時間を作りましょう」なんてお話をさせていただくと、急に「もう自分のことしか考えませーん」的発想を持たれる方がいます。

いわば、今までさんざん他人に合わせてきた反動から、一気に「自分中心」な意識に触れてしまうってわけですね。

この状態になると一時的にはすごく気持ちが楽になるのですが、しかしこの感覚はずっと続くわけじゃありません。

なぜなら、僕たちは人の役に立ちたい、愛したいといった気持ち(自尊感情)を感じているから、自分のことしか考えていないと思う自分を(実際に自分のことしか考えていないかどうかは別にして)次第に許せなくなってしまうんです。

そして、多くの「自分を優先することが苦手だ」とおっしゃる方は、そもそも「人のお役に立ちたい」という気持ちが強い方なのです。

だから、まるで馬車馬のようにネバーストップ!止まらない!止まれない!って状態になってしまわれることもあるわけですよ。

ただ、この状態を「他人のことばかり優先して燃え尽きた」と解釈することもできなくもないのでしょうが、個人的にはそれはちょっと乱暴な発想だと感じています。

なぜなら人には「自分のことよりも他人を大切にしたい」と思うことがあるでしょうし、そう思うことで心からの喜びを感じることもあるからです。

これを問題だと言ってしまうと、例えば苦しい中でも「愛する喜びを感じたい」という欲求を感じることはあるでしょうし、そこまで同じように否定するのは違うだろう、なんて風にと僕は感じてしまうのです。

だから、もしあなたが誰かのために頑張りたい、相手の幸せに貢献したいと思うなら、どうぞ遠慮なくなされてくださいませね、と僕は思っております。(もちろん無茶はいけませんが)

ま、愛したい人にとっては、自分のことばかり可愛がっていてもつまらなくなっちゃいますもんね。

ただ、僕が「うーん、今は自分を優先し、自分の内面を見つめてみてはいかがでしょうか」とお伝えする場合があるなら、それは「その方が他人の温かさなどを感じられず、受け取れない状態になっているとき」なのです。

いわば、誰かに貢献したい気持ちがあれど、自分しか見えていない状態(他人が見えていない状態)であるか、もしくは、貢献を実際の行動に移すと犠牲になってしまう場合なのですよ。

典型例が失恋直後の状態ですよ。

いくら人のことを考えようとも、もう人のありがたさや応援を上手に受け取れない状態になるでしょ?それは心に痛みを抱えているからそうなるわけですよね。

それと同じように、何かしらの痛みを解放せずに抱えていると、どうしたって自分を優先することが難しくなってしまうんです。もちろん人の好意も上手に受け取れなくなります。

その状態を変えて心を楽にしていくために「自分を優先してみましょう」なんてお話をさせてもらうんですよ。

 

最後に

ということで、「自分のことを優先するって難しい」と思われる方がいるなら、一度こう考えてみてください。

「私は他人(人)をどのように(漠然と)感じているだろう」

そして、今少し自分を見つめて、もうちっとばかり自分を信じてやってほしいのです。

どのように信じればいいかというと、参考程度ですがこのような考え方がありますよ。

「あなたが普通に過ごしてきているなら、あなたの価値を見ている人もいるし、あなたに感謝している人もいます。

あなたを叱咤激励してあなたの可能性を伸ばそうとしている人もいます。

それらを期待やプレッシャーにするのではなくて、自分への信頼だと思ってみるのです。

そう思えることが「人の温かさを信じる」ってことにも繋がります。

それぐらい自分のことを信じてもいい、と思って受け取ってみるのです。

それでも自分を信じられないとしたら、そこにはまた事情があるのでしょう。

自分を責めるよりも、今しばらく自分と向き合う時間を持ってほしいのです。

そして『どうして私は人をネガティヴに(自分を傷つける人)にしているのだろう』と考えてみて、その事情を解消していきましょう。

また、自分のネガティブな要素ばかり見つめるのではなくて、自分の素晴らしいところ、良いところと向き合ってみてほしいのです。」

頑張っていない自分は嫌だという気持ちは「誰かに貢献したい」という気持ち、責任感の現れだと僕は思っています。

しかし、その貢献意識や責任感が過剰になって自分の首を絞めてしまうと、自分を優先できなくなってしまうわけです。何事も過ぎたるは及ばざるが如し、というわけですね。

自分のことも、他人のこともバランス良く考えていくこと。

それすなわち、幸せを感じられる状態です。

自分のことを考える時間、他人の幸せのために行動する時間、どちらに今どれだけのエネルギーをシフトしているとバランスがいい(心地よいか)をぜひ探ってみてください。

特に「自分を優先することが苦手」と感じる方ほど、自然と他人の幸せへの意識、もしくは他人への警戒心が強まっていますから、その意識のバランスを取れるようになるといいですね。

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