追いかける恋愛からの卒業|彼の態度だけを判断材料にする関係が、苦しくなっていく理由
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、いただいたご相談をベースに書きます。
テーマは、
「相手の気持ちを“判断材料”にして、自分の足場を作ろうとしている状態」
そして、その状態が続くと、なぜ関係が苦しくなりやすいのか、という話です。
先に結論めいたことを言うなら、
この記事は「彼をどうするか」よりも、「私がどこに立つか」を主題にします。
彼の気持ちを当てにしない、という意味ではなくて、
彼の気持ちだけを“足場”にしない、という意味です。
Index
いただいたご質問はこちら
付き合って3ヶ月の彼から「別れたい」と言われました。
私の何気ない一言を、彼が「否定された」と感じたことがきっかけでした。冗談のつもりで言った言葉でしたが、同じようなことが過去にもあったそうです。
話し合いの末、もう1ヶ月だけ関係を続けることになりました。距離を置く選択も考えましたが、お互い難しいと感じ、この形になりました。
私はこれまで彼に対する不満や思いをうまく伝えられず、嫌味のような形で言葉にしてしまっていたと思います。
反省を伝えると、彼も「モチベーションが下がらないようにやってみる」と言ってくれました。連絡は減りましたが、会っているときは愛情を感じます。ただ、それが愛情なのか同情なのか分からず、不安です。
彼は「今の気持ちは40%」「戻るかは分からないし、時間もかかる」と言います。
それでも私は、納得した上で「もう少し一緒にいたい」と伝えました。
彼は過去にモラハラや浮気が原因で離婚しており、否定に敏感なのだと思います。
私自身、彼のためにも自分のためにも変わりたいと思っています。
この関係を続ける中で、私はどう関わっていけばいいのでしょうか。彼の気持ちは前向きなのか、それとも同情なのでしょうか。
浅野さんの意見をお聞かせ下さい。
宜しくお願いします!
ネタ募集ネーム:Aさん
「彼の気持ち」を確認したくなるのは、自然な反応です
まず、いちばん最初に。
彼の気持ちが知りたくなるのは、自然です。
関係が不安定になったとき、人は「確かなもの」を探します。
問題は、
その「確かなもの」を彼の態度だけに委ねてしまうと、
自分の足場が、相手の気分やコンディションに引っ張られてしまうこと。
彼が優しければ安心する。
彼がそっけなければ崩れる。
その揺れが続くと、恋愛は「関係づくり」ではなく、生存場所の確認みたいになっていきます。
「判断材料」が増えるほど、むしろ判断できなくなる
このご相談の中には、判断材料がたくさんあります。
- 「気持ちは40%」と言われた
- 連絡は減った
- 会うと愛情は感じる
- スキンシップはある
- 彼には離婚の痛みがある
- 否定に敏感な背景がありそう
こういう材料が増えるほど、頭は一生懸命に整理しようとします。
「これは愛情?」
「これは同情?」
「会うと優しいのは何?」
「連絡が減るのは何?」
「離婚の影響?」
「私のせい?」
でも、こういうときの材料って、だいたい矛盾しています。
矛盾しているからこそ、答えが出ない。
答えが出ないから、もっと材料が欲しくなる。
そして、さらに足場が揺れる。
ここがいちばんしんどいところです。
彼の気持ちだけを“足場”にすると、関係が「交渉」になっていく
相手の態度を判断材料にして足場を作ろうとすると、恋愛は少しずつこうなりやすいです。
- 相手の機嫌やテンションを観測する
- 観測結果に合わせて自分を調整する
- うまくいくとホッとする
- うまくいかないと自己否定が強まる
- 不安を減らすために「正解ムーブ」を探す
ここで起きているのは、
愛情のやりとりというより、関係の交渉に近い状態かもしれません。
もちろん、交渉が悪いと言いたいのではありませんよ。
・・・ときどき恋愛は「取引」みたいになることもありますからねぇ。
彼:「ごめん!どうしても友達と出かけたい!今週末は自由にさせて!」
彼女:「・・・わかった。じゃ、来週末は高級フレンチ!予約しておいてね!」
彼:「ぎ、御意・・・」
うん、素晴らしい形での交渉成立ですねっ!
・・・もとい、そんなことも実際にありますものね?
そこをいちいちダメだと言っていたら、埒が明きません。
ただ、交渉が主役になると、恋愛はどんどん「安心の確保」に寄っていくんですよ。
そうして手に入れた安心の数だけ、相手の自由や揺れを許せなくなる方向に進みやすいんです。
「私がどこに立つか」を先に決めると、関係が変わりやすい
ここからが今日の本題です。
彼の気持ちがどうかを“当てる”より先に、
私はどこに立って、この関係を扱うのかを決めた方が、ラクになることがあります。
ここで言う「どこに立つか」は、気合いとか根性の話ではありませんよ(^^;
むしろ、”とても落ち着いた”作業なんです。
たとえば、こんな立ち方がありえます。
- 「私は、彼の顔色を読んで関係を維持しない」
- 「私は、謝罪と改善はする。でも卑屈にはならない」
- 「私は、関係を続けたい。けれど“評価待ち”の姿勢では続けない」
- 「私は、彼のペースを尊重する。ただし自分の尊厳も同時に守る」
この「立ち位置」が決まると、
彼の態度が揺れても、こちらが全部一緒に揺れにくくなります。
関係は、相手を通じて成立しますが、
自分の足場まで相手に委ねない、という感覚ですね。
じゃあ、具体的にどう関わるのか
「立ち位置」の話を、現実の行動に落とすなら、こんな順番が良いかもしれません。
1)“謝るべきこと”は短く、具体的に
今回の件は、彼が「否定された」と感じた、という事実があります。
そこは、短く、具体的に謝るのがよいでしょう。
- 「冗談のつもりでも、否定に聞こえたと思う。ごめん」
- 「同じことを繰り返した。そこは直したい」
ここで長い自己弁護や、過剰な自己否定に入ると、関係はまた交渉になりやすいです。
「許してもらうために謝る」より、「関係を整えるために謝る」くらいの温度が良いのかもしれません。
2)“彼の40%”を、あなたの自己評価に使わない
彼が「40%」と言ったとしても、それは彼の現時点の主観です。
それを材料に「私は価値がない」と結論づけない。
ここは、地味ですが重要です。
彼の気持ちは彼のもの。
あなたの尊厳はあなたのもの。
混ぜない。
3)「続けるなら、どう続けるか」を合意にする
1ヶ月続ける、という結論が出たなら、
本当は、ここをもう少しだけ具体化できた方がラクです。
- 会う頻度はどうするのか
- 連絡のペースはどうするのか(最低限のラインだけでも)
- 話し合いはどのタイミングでするのか
この合意は、束縛ではなく見通しです。
見通しが少しあるだけで、人は落ち着きやすい。
そして見通しがあると、相手の態度を逐一「判定」しなくてもよくなります。
「彼は前向き?同情?」という問いの扱い方
この問いが出てくるとき、たぶん心の奥には、こういう願いがあるのだと思います。
「前向きだと言ってほしい」
「同情なら傷つくから、避けたい」
この願いは、すごく分かります。
ただ、ここで僕も考え込むことがあるのですよ。
恋愛の中で人は前向きと同情を同時に持つことがありえる、という点です。
たとえば、
- 好きだから続けたい
- でも傷つけたくない気持ちもある
- 自分がしんどいから距離も取りたい
こういう混ざり方は、珍しくありません。
だからこの問いを「白黒判定」に使うと、また足場が揺れやすくなります。
代わりに、問いを少し変える方が現実的です。
「彼の中に揺れがあるとして、私はどこに立って関わるか」
「揺れがある状態でも、続ける価値がある関係にしていけるか」
この問いの方が、あなたの足場に戻ってきます。
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まとめ|「彼をどうするか」より「私がどこに立つか」
彼の態度だけを判断材料にしてしまう関係は、苦しくなりやすいです。
なぜなら、足場が相手のコンディションに引っ張られてしまうからです。
だからこそ、ここで扱いたいのは、
彼がどうか、という答え探しよりも、私がどこに立って関係を扱うか、という話です。
謝るべきことは謝る。
変えるべきところは変える。
でも、相手の反応を“判定材料”にして、自分の価値や立ち位置を決めない。
その位置に戻れると、関係は少しずつ「交渉」から「対話」に戻りやすいのだろうと思います。
この記事が、いま恋愛の中で揺れている人が、
いったん呼吸を取り戻すための視点になれば幸いです。
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