恋愛の心理学

彼が無関心・無反応な対応するのでついケンカになってしまうときの処方箋

浅野カウンセラーさんへ

彼と価値観の食い違いで喧嘩をしてしまいました。
毎回同じような喧嘩を繰り返しています。

私は相手に寄り添いたい、わかり合いたいというスタンスで付き合っています。
彼は個人主義で弱音を吐いたり言い訳をしたくないタイプで自分の事情等を滅多に話しません。

例えば、彼の仕事が忙しく連絡がつかない状態だったりして、私が「連絡してくれないと何かあったのかと心配するじゃない」と言うと、彼は「心配されたところで自分忙しさは変わらないし心配してと頼んでないのに何故怒るの」と言います。

彼の性格を考えて、普段は「もっとこうしてほしい」等で詰め寄ったりはしないのですが、私自身が疲れていたり辛いことがあったりすると爆発し、喧嘩をふっかけてしまいます。

彼はほとんど怒りません。
ごめんと謝るか、無反応かのどちらかです。
こういうとき、実は私と会うためにほとんど寝ずに仕事をしていたりなど、後からわかったりして、その度に罪悪感で苦しくなります。

彼の方も付き合ったときから比べたら私の方にだいぶ寄せてくれています。たくさん我慢してると思います。
なのに私には不満を言いません。
彼と私とでは愛情表現の仕方が違うんだなと思います。

本当は喧嘩をしたくないのですが、彼のその暖簾に腕押しのような対応をされると、頭に血がのぼってしまいます。

今も喧嘩をしています。
同じことを繰り返していて、どうやって仲直りしたらよいかわからなくなってきました。
悲しくて辛いです。
ブログのコーナーにいきなり質問をぶつけてごめんなさい。
どうしたら良いかわからなくて、浅野さんに助けてほしいです。

ネタ募集ネーム:泣き虫さん

泣き虫さん、ネタのご協力ありがとうございます。

おまたせしました。今日はあなたのご質問にお答えしたいと思います〜。

なるほどなぁ。泣き虫さん、彼と「感情のコミュニケーション」がしたいようですね。

いや、「感情のコミュニケーション」ができないことで、泣き虫さん自身が不安になっちゃうようですね。

しかし彼は個人主義というより、極力コミュニケーションに感情を込めたくないと考えているように僕には見えますね。

だから「心配されたところで自分忙しさは変わらないし心配してと頼んでないのに何故怒るの」って彼は発言されるのだろうと思うのですね。

個人的な意見を言えば、彼のこの気持ち、わからなくもないです(^^;

が、このような反応がパートナーから続くと、どうしても不安になっちゃうんですよね。そのお気持ちも分からなくもないんです。

ということで、今回はそんな男性心理を含めた僕なりの回答をまとめてみます。

よろしければどうぞ。

 

「感情なんて意味ないよ」と考えている男性もいる

とかく自立的な男性って「感情が邪魔」「感情なんてめちゃくちゃ非効率・非生産的」「自分含めた人の感情なんてコロコロ変わるものだから信頼できない」なんて考えておられる方も実際にいますね。

僕も会ったことがあります、この手のタイプの男性に。

まぁ人の気持ちって一定ではないのでね。他人はもちろん、自分の感情にも強い影響を受けたくなくて、振り回されることを望まない人がいても不思議ではないですよね。

特に「なりたい自分」「目標」などがハッキリしている人の場合、自分の行動・意志を優先したいがために、「いちいち自分の感情なんて気にしていられない、振り回されたくない」と思うでしょうから、とかく感情的にならないような振る舞いをされる場合が少なくないんです。

最もポピュラーなケースが、感情を抑圧する。まぁこれも防衛(感じたくない感情から逃れるための反応)なんですけども。

 

感情的反応をしない人は無反応・無関心に見える

ちなみに心理学においての「感情」とは「心(脳)が、情報処理や反応を素早く行う仕組み」と言われています。

だから、感情を抑えているってことは、情報処理や反応が遅くなるようなイメージになるんでしょう。

少なからず、他人には「こちらからのアプローチに対する反応がない、遅い」という風に見えるんでしょうね。

おそらく泣き虫さんの彼さんもそうではないかなーと僕は見ていて、これが「暖簾に腕押し」的反応の理由のような気がしています。

かつ、こういった反応は「私に対する無関心さ」として認識される場合がとても多いようですよ。

 

無関心さを向けられると悲しくなって怒っちゃう

泣き虫さんもそんな彼の態度に触れるたび、怒りたくないけれど怒っちゃうのではないかなぁ、と思うのです。

悲しすぎて、ね。

実は「怒る」ということも、感じたくない感情を感じたときの反応の一つなんですよ。

もちろん、泣き虫さんも怒りたくて怒っていないのでしょう。しかし、気持ちの余裕がなかったり、あまりに悲しいと感じるとき「何で私の気持ちがわかんないのよ」と言いたくなる。

いや、相手にねじ込みたくなる。

強く強く感情を込めて「なんなのよ!」と伝えることで、相手の感情的な反応を引き出そうとしている、とも考えられますね、

いわば、相手を怒らせようとしている、みたいな状態です。

ただ、本当は相手を怒らせたいのではなくて、自分の悲しみを分かってもらいたい、受け止めてもらいたい、相手にも同じ感情を共有してほしい、と思っている場合が多いように思いますよ、僕は。

ただ、よくよく考えれば「パートナーに悲しみを理解してほしい」と思う人がいてもまぁ自然かな、と思いますが、「自分が感じていたくない感情(悲しみ)を相手に与えたい」と思う人は少ないような気がするのです。

できればそんなことはしたくない、って思いません?

自分が抱えていて嫌な気分になる感情を、相手にぶつけたり、与えようと思うこと自体、ちょっと愛とは違うような気がしますよね。

だから、怒れば怒るほど(≒悲しみを理解してもらいたいと思えば思うほど)、ドンドン自分自身のことが「愛がない存在」だとか、「もう嫌」と感じるようになることもよく起こることの一つです。

更に厄介なのは、この自分に対する観念(愛がない、もう嫌)といった感覚は自分への嫌悪感や否定感に変わり、こいつが「投影」の法則でパートナーに張り付くんです。

だから、怒れば怒るほど(悲しみが募れば募るほど)、「パートナーは私のことを嫌っているに違いない」「愛していないに違いない」と思うようになる。

なぜならば、私が「自分って愛がない、嫌な存在」と感じているからです。

よって、その自分のつらい気持ちを理解してほしくて、更にパートナーに怒りをぶつけるんだけど、先に書いたことと同じ状態が再現されるだけでしてね。

何をやっても、どれだけ気持ちを強く伝えても、自分の気分が全く晴れない、むしろ関係が悪化しているようにしか思えない状態が続いてしまうんですね。

これが泣き虫さんがおっしゃる

本当は喧嘩をしたくないのですが、彼のその暖簾に腕押しのような対応をされると、頭に血がのぼってしまいます。

今も喧嘩をしています。同じことを繰り返していて、どうやって仲直りしたらよいかわからなくなってきました。悲しくて辛いです。

という状態を作っている理由のように僕は思います。

ま、ここまではあくまで「理由」の話なんですけどね。

 

自分の悲しみや不安の理由を見つめよう

さて、泣き虫さん自身も

彼の方も付き合ったときから比べたら私の方にだいぶ寄せてくれています。たくさん我慢してると思います。なのに私には不満を言いません。
彼と私とでは愛情表現の仕方が違うんだなと思います。

とおっしゃってくださっているので、お互いが違う価値観を持っていることはご理解いただけているようですね。

だとすれば、問題を解決するカギは、あなたが処理しきれなくなっている悲しみや辛さ、不安などの感情にあると思いますよ。

要は、あなたの中で感じたくない感情が溜まりに溜まって消化不良を起こしているようなイメージです。

だから彼に「辛いよ、悲しいよ、不安だよ」と伝えて受け止めてほしくなるのだけど、彼自身がそういった感情を切り離している人なので、なかなか受け止めてもらえない。

すると・・・まぁ「あえて分かりやすくするために」次のような言い方をしますけど

「ええかげんにせぇよ(怒)」

「私がこんなに苦しんでるのにホンマつかえねー男だな(怒)」

なんて風に思っちゃうことも少なくないんでしょうかね?

が、「そんな事は言いたくない」と思う方ほど、その怒りですら必死こいて我慢するのでしょう、きっと。

だから、怒りの限界が来るたびに爆発しつづけていたり、どこかで「私が悪いのかもしれない」「私がもっと上手に彼と関われたらいいのに・・・」なんて風に、罪悪感で怒りを中和し始めるので、まぁ好きな人と一緒に痛いだけなのに、まるで「針のむしろ」のような感覚が醸し出されることもあるわけですな。

こんな状態になったときは、まず「ふーっと一息つくこと」をおすすめします。

今のまま突っ込んでいっても(自分が我慢を続けたり、相手にわからせようとしても)、まぁ同じことが繰り返されるだけ、と考えてみましょう。

また、このような状態に陥っている自分を恥じないことも大切です。

きっと泣き虫さんも彼のことが好きだから、どうにかうまくやっていきたいと思われているんだと思うのです。しかし、どうにも自分の気持の整理がつかなくてお困りなのかもしれませんね。

だとしたら、まず今起きていることをじっくり理解されてみてはどうでしょう。

そして、彼もあなたも悪くない、と考えてみてください。

お互いの感情に対する扱い方が違う、という事実は、優劣で語れるようなものではありません。それはあくまで個人の自由でもありますし。

だから、ここで、どちらが正しくて間違っているか、なんて判断を強めると、おそらく余計に揉めることになると思うので、僕としてはオススメではないのですよ。(もちろん、そこにある怒りや悲しみは僕なりに受け止めさせていただいていますけれども。)

パートナーシップで重要なことは、相手のために我慢することではなく、「パートナーを理解し、相手が望むコミュニケーションをとること」にあります。

もちろん、自分の望むコミュニケーションスタイルを貫くこと自体、個人の自由ですよ。

が、パートナーシップでは「相手が喜ぶことを与えること(結果、こちらもいい気分になる)」を行う意志を持てるかどうかが超重要です。

「パートナーを愛する」とは、自分が望むこと、好むことだけを相手に与えるってことが全てではないですからね。

ただ、愛したい気持ちがあれど、上手に愛せないぐらい自分が余裕を失っている場合は上手に愛せないこともあるので、まず自分を回復させることが最優先なんですけどね。

 

そもそも、自分の中に「ちゃんと愛してあげたい気持ち」があるからこそ、現実の中で「愛せていない自分」「与えていない自分」と出会うたびにがっかりしちゃうわけでしょ。

だから、その悲しみをパートナーに理解してもらいたいわけですよね。

だとしたら、まずそもそもの「自分」をしっかり見つめてみるといいと思いますよ。

そもそもこの手のご質問をいただく方の多くは「ちゃんと愛したい」と思っている方が多いんです。

だからこそ、相手の無反応な態度に「え?本当にこれでいいの、大丈夫なの?」といった不安を掻き立てられてしまうわけです。

この状態は「自分は自分でいい」「自分なりにちゃんと与えられている」と感じられているわけではないってことです。だから悲しみや不安が募っていくんです。

だから、やはり自分自身の軸の立て直しは必要になりますし、もっともっと自分のこと、そして彼という人を理解することで「ちゃんと与えている自分」を実感できるようになり、悲しみや不安が今よりは弱まっていく、なんて事も考えられます。

そうなれば、まぁ怒らなくても済むといいますか、相手の様子を見てちゃんと対応できる自分に近づけると思いますよ。

そう考える気持ちの余裕もない場合は、できれば信頼できる人に相談し、気持ちを話し、解放するようにしてみてください。抱えているだけで苦しい気持ちも、話を聞いてくれる人に話したり、自分以外の人に理解してもらえるだけで随分気持ちが楽になりますからね。

 

最後に

ちなみに今回のご質問には「彼は彼なりにあなたに寄せてくれている」と書いてくださってあるので、彼にはあなたのことを理解しようとする意志があると解釈できそうですね。

そして、あなたはそれを理解されている。

つまり、あなたは彼にちゃんと見てもらえているし、彼は彼なりに愛する努力をしている、とお感じだということのようです。

素晴らしいことですよね。

だとしたら、あなたの中に積もり積もった感情の影響や、あなたの我慢が続いたことによる苦しさを解放することこそ、本来のあなたに戻るプロセスにはなりはしないでしょうか。

本当はもっと上手に関わりたいんでしょうね。

でもその余裕がない。

そんなときこそ、一人で抱えないようにするとき、です。

そして、より「自分自身や彼のことを理解するとき」のように僕は思いますが、さて泣き虫さんはどう思われますか?

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