こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

「彼は浮気しない人だと思っていたんです。」

「むしろ、パートナーが悲しむようなことはしないタイプだと思っていた。」

それなのに、ある日、浮気が発覚した。

この話は、かなり衝撃的な話なんですよね。

まさに「大切な人に裏切られた」と感じる瞬間でもありますし、そのショックはとても大きなものになります。

人によっては「私の何が悪かったんだろう・・・」と思う理由にもなりますし。

ただ、僕のように17年以上カウンセリング現場で仕事をさせていただていると、決して珍しいものではない、とも感じています。

そこで、今日は「浮気する男としない男の違い」について書いてみようと思うのです。

が、たぶん・・・この記事を読んでくださっている方のご興味、2通りあると思うんですよね。

  • これから誰かと歩んでいくにあたって、「浮気する人/しない人」の違いを、あらかじめ知っておきたい人。
  • すでに何かが起きていて、「なぜ、あの人が」を、理解したいと思っている人。

どちらであっても、今日の話は役に立つと思います。

もちろん、浮気は相手を(自分を)傷つけます。

だからこそ、浮気が起きた瞬間、関係には大きな痛みが走りますし、そのお気持ちは僕なりに受け止めさせていただいているとことです。

ただ、このテーマを扱うとき、いつも気にかけているのは、

「誰が悪いか」を決めることも大切かもしれないが、その人がどんな“立ち位置”で生きてきたのか

という点も見逃せない、という点です。

ここでの「立ち位置」とは、いわば「何を見て、何を感じて生きてきたのか」という意味でもあります。

なぜなら、

「浮気する人/しない人」の違いは、心の成熟度という尺度で語ることもできるのですが、立っている位置の違いとして見えてくることがあるからです。

たとえば、本来は誠実で優しい人の浮気は、“パートナーを傷つける悪意”より先に“心の限界”が来ていることが少なくないですから。

そこで今日は、浮気する人/しない人の違いがどこで生まれるのか。

そして、誠実な男性が限界を迎えたときに起きやすいことについて、整理してみます。

誠実な男性が浮気したとき、関係がより苦しくなる理由

浮気の相談には、いくつかのパターンがあります。

  1. もともと浮気癖があり、繰り返してしまうケース
  2. 浮気しそうにない人が浮気し、関係が崩れてしまうケース
  3. 浮気された側も、浮気した側も、どちらも自分を責め続けてしまうケース

今日扱うのは、主に2つ目、3つ目です。

誠実な男性、つまり「パートナーが悲しむようなことはしたくない」と心から思える人が浮気をすると、関係がいっそう“重く”こじれることがあります。

なぜなら、お互いに「信じていたもの」が本物だったことが多いからです。

浮気された側は、こう思います。「この人が浮気するなんて、よほどのことだ。きっと本気なんだ。」

一方で、浮気した側は、こうなりやすい。

「自分は取り返しのつかないことをした」「もう愛してはいけない」「失って当然だ」。

この構図になると、二人の間に起きるのは、怒りや責め合いというより、“距離”と“沈黙”だったりします。

責めたいのに、責めると壊れる。許したいのに、許すと自分が壊れる。

近づきたいのに、近づくと息が詰まる。

そんな、逃げ場のない苦しさが生まれます。

浮気しないタイプの男性にも「浮気の種」はある

「浮気しない人っているんですか?」

僕自身、そう聞かれることがあります。

結論として、浮気したことがない男性はいます。

実際に、僕もそういう方に何度も会っています。

ただ同時に、僕はこうも思っています。

浮気の種は、日常の中にそこそこ散らばっている、と。

たとえば、「好きなカフェが2つ以上ある」「気が変わる」「転職したくなる」。

……いや、これ、男女の浮気の話とは何の関係もないんですけどね。

ただ、見方を変えれば、先に書いたことも「浮気」なんです。

たとえば、以下の文にある「仕事」を「恋人」に置き換えて考えてみてください。

「今の仕事はこの年末までにする。その間に新しい仕事を見つける。」

・・・ね、これも立派な気持ちの面での浮気、なんです。

転職では何ら問題ではないでしょうが、こんなこと恋人にされたら痛すぎませんか?

人間の気持ちが一つに固定されないってこと自体は、こういう些細なところにも表れてる、という話です。

浮気する男としない男の違いを「立ち位置」から見つめてみる

ここからが、今日の核心です。

浮気しない人の多くは、「浮気したい気持ちがゼロ」なのではなく、「それをしない」という位置に立てている人だと僕は捉えています。

あえて心理学の言葉を使うなら、「抑制」となりますかね。

「抑制」とは、「今は考えないでおこう」と意識的に選ぶこと。無意識に押し込めて自覚できなくすることではなくて、です。

これ、言い方が難しいんですが・・・

浮気しない人って、浮気したい気持ちがないわけじゃなく、「それは横においておこう」とその気持ちを退けることができる人、という感じ。

我慢して耐えているのではなく、です。

だから、「浮気する/しない」の違いを、単純に「成熟してる/してない」で割り切ろうとすることもできるのです。

ただ、その視点だけですと、現実に起きている問題との整合性が取れなくなることもあります。

そんなとき、その人が、どの位置から自分の人生を生きているか。その視点から整理すると、次のような“段階”が見えてきます。

1)「バレなきゃいい」という位置

子どもの頃の心は、基本的に「やりたい」が中心です。

成長すると、社会のルールや周囲の顔色を学び、「やりたいけど我慢する」が身についていきます。

ただ、このとき、心のどこかに残りやすいのが、「バレなきゃ、好きにしてもいいだろう」という発想です。

普段は我慢している。普段はちゃんとしている。

だからこそ、反動で「禁を破る」形で欲求を出したくなる。

この位置にいると、浮気は起こりやすくなります。

ただ・・・このタイプの人、口ではやたら誠実そうなことを言うので、余計に見抜きにくいんですよね。

2)「自分の規範で生きている」位置

一方、一途に見える人は、自分の中の規範(ルール)で生きています。

「浮気は裏切りだ」「人を傷つけることはしたくない」。

そう思えるから、欲求が湧いても、行動には移しにくい。

ここが、いわゆる「浮気しない人」です。

ただし、ここで重要なのは、それでも心が揺れることがある、ということです。

欲求が湧かないわけじゃない。

ただ、横において踏みとどまれる位置に立っている、という人は少なくないのかもしれません。

浮気しない一途な人にも弱点がある

また、浮気しない一途な人であっても、弱点がないわけじゃないのでしょう。

それは、「自分の信念と違うものに触れると、急に戦い始めることがある」という点です。

・・・ん?と思いますよね、この話。

こんな風に考えてみていただくと分かりやすいと思います。

*

自分の中には、パートナーとの関係を大切にしたいという気持ちはちゃんとある。

だからこそ、浮気なんてしないと決めている。

しかし、パートナーと過ごすうちに、パートナーと対立する部分も、避けたいけれど、出てきてしまう。

「それは間違ってる」「納得いかない」「許せない」。

恋愛や夫婦関係では、こういった思いが、パートナーとの違いが“攻撃”として出てしまうことがある。

その結果、浮気はしないでいられるけれど、でも、関係がしんどくなっていく・・・。

そして、燃え尽きる、としたら。

その結果、本来は横において退けられる気持ちに流されたり、飲み込まれてしまって・・・。

この流れ、実は少なくありません。

真面目な人ほど、こういう別の形で関係を疲弊させてしまう。

長くカウンセリングをやっていると本当によく見かけます。

誠実な人が限界を迎えたとき「事故」のように起きる浮気

だから、一途な人や誠実な人が浮気するケースは、僕はしばしば、“事故に近い”と感じることもないわけではありません。

これは、浮気を肯定する話ではありませんよ。

そうではなく、今起きていること、その事情を理解する、という視点で見た時の話です。

たとえば、

強いストレスに晒されていた。
夫婦関係が長く停滞し、孤立していた。
誰にも頼れず、ずっと踏ん張っていた。
将来不安や無価値感を抱え、心が限界だった。

こういうとき、本人の中で「ダメだ」という規範があっても、心のほうが先に崩れます。

そして、偶然、外に「必要としてくれる人」「気持ちを分かってくれる人」「役割ではなく“自分”として扱ってくれる人」が現れると、そこに吸い寄せられることがある。

これ、心理的には、失われていた立ち位置を、一時的に取り戻している、という構図になっていることもあるのです。

ただ、このタイプの浮気は、本人の罪悪感が深くなりやすいもの。

「もう自分は最低だ」「もう誰も愛してはいけない」「失って当然だ」。

そうやって、自分で自分を裁き続けてしまう人もいます。

「もし本気で好きなら浮気しないのでは?」への答え

「もし本気で好きなら、浮気しないんじゃないですか?」

これは、とても自然な疑問だと思います。

ただ、誠実な人が浮気した場合、本人の心の中では、こんな反転が起きることがあります。

「本気で好きだからこそ、今の自分はもうふさわしくない」

たとえば、実際に浮気をしてパートナーを裏切った自分が許せない、という場合。

他にも、経済力がない自分はダメ、包容力がない自分はダメ、魅力的でない私はダメ・・・みたいな、そもそものダメ出しが影響している場合もそうです。

「そんな自分が、愛してはいけない」。

そう自分を罰していると、さらに距離を取る人がいますよ。

場合によっては、離婚や別れを自分から切り出す。

それが、本人なりの責任の取り方だと信じてしまうこともあります。

もちろん、された側からすれば、納得できない話です。

ただ、ここには、「罪悪感で立ち位置を失っている」という要素が混ざっていることがあるのです。

もう一度、関係性を再構築するための第一歩

ここからは、関係を戻すための話です。

誠実な人の浮気ほど、「罰」と「裁き」が強くなりがちです。

浮気された側は、痛みで叫びたくなる。

浮気した側は、罪悪感で縮こまりたくなる。

どちらも、とてもつらいことですが、しかし自然な反応です。

ただ、お互いが罰し合い続けると、お互いが“本当に守りたいもの”を壊してしまうことがある。

そこで第一歩として大切なのは、今の気持ちを一人で抱え込まず、信頼できる人に話すことです。

その上で、気持ちが楽になってきたら、「事情(背景)」を見つめることです。

パートナー間にどんな停滞や孤立があったのか。

どんなストレスや不安が積み重なっていたのか。

誰が悪い、ではなく、どんな位置に立ち続けて、限界になったのかを見つめること。

もちろん、冷静に話せるなら話してみてもいいです。

ただ、話せないほど今が苦しいなら、信頼できる第三者に話を聞いてもらう、距離を取って心を落ち着かせる、カウンセリングなど整理の場を持ってみる。

そうやって、まずは「自分をネガティブに扱いすぎる立ち位置」から少し離れることが必要になります。

立ち位置が戻ってくると、話せることが増えてきます。

その地点からなら、関係は再構築できることもあるのかもしれませんしね。

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最後に

もちろん、すべての浮気が“限界”で説明できるわけではありませんよ。

ただ、誠実な人ほど「悪意ではない崩れ方」をすることもある、という話です。

また、浮気する人/しない人の違いは、人それぞれで違う部分もあり、一概に”こうだ”と言えるものではないのだと僕は考えています。

ただ、どの位置から人生を生きているか。

どの位置で踏ん張り、どこで限界を迎えたのか。

そのほうが、現実にフィットすることが少なくないようです。

もしあなたが今、「信じていた人の浮気」に直面しているなら。責めたくなる自分も、許せない自分も、当然です。

ただ、その痛みの中で、二人がどんな立ち位置を失ったのか。

そこに目を向けられたとき、関係がもう一度いい形になっていくこともありますよ。

*

そしてもし、この記事を読んでいて、他人事に思えなかった方・・・「浮気する側」の心の揺れに、自分の中の何かが重なった方がいたら。

こちらの記事も参考になると思います。

今日は以上です。

何かひとつでも、立ち位置を取り戻すヒントになれば幸いです。

心理カウンセラーの浅野寿和でした。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたはずなのに」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 相談しなくても日常が回っている。でも、どこかしんどい。そんなとき、丁寧にあなたの生きづらさやお悩みをほどいていきます。 キャリア17年・臨床10,000件超。東京・名古屋・オンライン対応

「もっとうまく関わり合えないだろうか」

夫婦の相談では、まあ、ほんとうによく聞く言葉です。

そもそも、毎日ケンカしたくて結婚した人なんて、たぶんほとんどいないわけで。

でも、近い相手ほど、ひと言でムッとしたり、黙り込んだり、なぜか話が大きくなったりする。

で、「なんでこうなるの?」となる。

こういうとき、「どちらが正しいか」を決めるより、

そのとき二人の心がどう動いていたのか。ちょっと知りたくないですか?

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