こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、恋愛や夫婦関係、あるいは仕事のチームなど、距離が近い関係ほど起きやすい“しんどさ”を扱います。

なぜか、相手の「ダメな所」ばかりが目についてしまう。

そしてイライラするのに、放っておけない。
見なかったことにもできないから、結局こちらが動く。
なのに、報われない感じだけが溜まっていく。

このパターンって、単に相手がダメだから、という話で片づかないことが多いんですよね。

むしろ、関係を大切にしたい人ほど、気づいたらハマっていることがある。

この記事では、

  • なぜ欠点が“拡大して見える”のか
  • なぜイライラとお世話が同居するのか
  • そこから抜けるために、何から整えるとよさそうか

このあたりを、できるだけ現実に役立つ形で整理します。


なぜか相手の「ダメな所」ばかり気になる|相談の例

たとえば、こんな状態です。

相手の言い方、段取り、生活の癖、仕事への向き合い方。
前はスルーできていたことが、最近なぜか目に入る。

注意したいわけじゃない。責めたいわけでもない。
でも、気づくたびに小さくイラッとしてしまう。

しかも不思議なのが、
イライラしているのに「このままだとマズい」と感じて、放っておけないところ。

結局こちらが段取りを整えたり、助言したり、尻ぬぐいをしたり。
相手が落ち込んでいれば気になって、気持ちを引き上げようと頑張ったり。

でも、相手が変わるわけでもない。
感謝されるとも限らない。
むしろ「うるさい」「分かってない」と反発されることもある。

そして最後に残るのが、

「私、何やってるんだろう」
「こんなに気を張ってるのに、報われない」

この疲れなんですよね。


「イライラ」と「放っておけない」が同居するときに起きていること

ここで大事なのは、欠点が気になること自体は、ある程度誰にでも起こりうる、という点です。

ただ、しんどくなるのはたいてい、次のセットが起きているときです。

  • 欠点が気になる(違和感・苛立ち)
  • なのに距離を取れない(放っておけない)
  • 結果として関係に介入し続ける(お世話・コントロール)

そしてこのセットが続くと、関係が「対等な会話」からズレて、

“管理”や“救済”の方向へ寄っていきやすいんです。

すると、相手を見ているようでいて、関係の中で自分の神経をずっと張ることになります。
だから、疲れます。


パートナーの「影」を背負おうとしてしまう心理

ここから少しだけ、心の動きを分解します。

相手の欠点が気になるとき。
その欠点が「ただの欠点」に見えず、どこかで

“この先の不安”の入り口

みたいに見えていることがあります。

たとえば、

  • この人はこのまま変わらないのでは…という不安
  • この関係は崩れるのでは…という不安
  • 私が支えないとダメになるのでは…という不安

すると、欠点が「問題」になり、問題が「危機」になって、
心の中で勝手にスケールが大きくなっていきます。

だからこそ、放っておけない。
放っておく=崩れる、みたいに感じてしまう。

この状態が続くと、いつの間にか

「相手の課題を、私が背負う」

という構図ができやすくなるんですよね。


1. 境界線が薄くなっているかもしれない

相手の状態が、自分の状態みたいに感じられる。

相手が落ちると、自分も落ちる。

自分ではなく相手はうまくいかないだけでも、自分の責任みたいに感じる。

このとき起きているのは、単なる優しさだけではなく、

“自分と相手の境界線”が薄くなっている状態かもしれません。

境界線が薄いと、相手の欠点が「相手の問題」ではなく、
どこかで「こちらの問題」に見えやすくなります。

だから、介入が増える。
そして疲れる。


2. 相手に「自分の不安」を映している可能性もある

もう一つ、よくあるのが、

欠点そのものより、「欠点があると不安になる私」のほうが強いケースです。

相手のだらしなさが問題というより、
だらしなさを見た瞬間に、こちらの中で

「この先が怖い」
「ちゃんとした関係が保てない」
「私が苦労する」

みたいな不安が立ち上がる。

すると、欠点の解決というより、
不安を止めたくて、相手を変えたくなるんですよね。

ここを取り違えると、関係の中でずっと空回りが続きます。


この苦しさの核:「愛し方」が“目的”になってしまうとき

ここ、少しだけ踏み込みます。

相手を支えること自体は、悪いことではないです。
ただ、支えることが、いつの間にか

「これをやらないと、関係が保てない気がする」
「これをやっている私でいないと、価値が揺らぐ」

そんな“目的”に変わっていくと、しんどさが一気に増えます。

相手のための行動なのに、心の中では

関係を守るための行動になり、さらに

自分の安心を守るための行動

にもなっていく。

すると、相手が変わらないだけで消耗します。
感謝されないだけで苦しくなります。
報われない感覚が増えます。

このあたりが、このパターンのつらさの中心なのかもしれません。


抜け出すための最初の整理:今日できる3つ

ここからは、現実的な話です。

相手を変えるより先に、まず「こちら側の混線」をほどいていくと楽になりやすいことがあります。

1)「欠点」ではなく「不安」を言語化する

相手の欠点が気になったとき、少しだけ問いを変えてみます。

私は今、何が不安なんだろう?

  • 関係が崩れる不安?
  • 将来が不安?
  • 私が損をする不安?
  • 見捨てられる不安?

欠点を追うと終わらないことがありますが、
不安が言語化されると、現実的な判断がしやすくなります。

2)「介入したくなる衝動」を一回止める

すぐに言いたくなる。すぐに直させたくなる。
その衝動が出たら、一拍置いてこう考えます。

これは相手の課題?それとも私の不安の処理?

もし後者が混ざっていそうなら、
今ここで相手に言う前に、まず自分の不安を落ち着かせるほうが先かもしれません。

3)「対等さ」を取り戻す言い方に変える

指導・管理になってしまうと、相手は反発しやすいです。

だから、言うとしても、

  • 「私はこう感じてる」
  • 「私はここが不安」
  • 「こうしてくれると助かる」

この形に寄せるほうが、関係が崩れにくいことがあります。


変化の始まりは「一つの問い」から

最後に、今日の話の芯を置いておきます。

このパターンに長くいると、だんだん

「相手をどうにかすること」

が人生の中心みたいになってしまうことがあります。

だから、一度だけ、問い直してみてもいいのかもしれません。

私は、誰のために、何のために、この関係の中で頑張っているんだろう?

答えがすぐ出なくても構いません。
ただ、この問いを持つだけで、関係の見え方が少し変わることがあります。

相手の欠点を“直すべき課題”として追いかけるのではなく、
自分の不安や、境界線の薄さや、対等さの崩れとして捉え直せると、
そこから選択肢が増えていきます。


一人で整理しにくいときは

欠点ばかり気になってしまう状態って、頭で分かろうとしても、感情が追いつかないことが多いです。

関係が近いほど、余計にそうなります。

もし、日常が消耗している感じが続くなら、
一度、状況と気持ちを整理し直す時間を持ってもいいのかもしれません。

個人セッションでは、いま何が起きていて、どこで混線しているのかを一緒にほどいていきます。

個人セッションのご案内


こちらの記事も読まれています

まとめ

なぜかパートナーの「ダメな所」ばかり気になるとき。

それは、あなたが冷たいから、と決めつける話ではないかもしれません。

むしろ、関係を大切にしたいからこそ、
不安が立ち上がり、境界線が薄くなり、介入が増えてしまう。

そしてその結果、イライラとお世話が同居して、疲れてしまう。

もし心当たりがあるなら、まずは

  • 欠点の修正より、「不安の言語化」
  • 介入より、「境界線の回復」
  • 管理より、「対等な言い方」

ここから整えていくと、関係の手触りが変わっていくことがあります。

今日の内容が、どこかの引っかかりをほどくヒントになれば幸いです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
夫婦のことを、ひとりで抱え続けてきた方へ

このサイトでは、

「人は裁かない。でも、構造はごまかさない。」

というコンセプトで、夫婦や家族の関係の中で揺れやすくなる“心の立ち位置”を、心理学の視点から整理しています。

「離れるべきか」「我慢すべきか」
そんな二択で考え続けて、少し疲れてしまったときに。

今の関係を、今の自分のままで扱い直すための場所として、このサイトを使ってもらえたらと思っています。

一人で抱え続けなくていい時間|個人セッション

そのときのあなたの状態に合わせて、対話を重ねていく個人セッション。

夫婦の問題は、努力や話し合いだけでは整理しきれないことも少なくありません。

  • 何が正しいのか分からなくなってきた
  • もう十分考えたはずなのに、答えが出ない
  • 自分の感覚が鈍っている気がする

今の夫婦関係をどう扱っていくのか。

続ける/距離を取るといった判断も含めて、理想論だけでなく、現実的な選択肢を一緒に整理していきます。

誰にも知られることなく、今の状況を丁寧に扱う、あなただけの時間です。

対面(東京/名古屋)・オンラインで対応しています。

今までのあなたに、新しい視点を足す”心理学講座”

心理学講座は、「こういう見方もあるのか」という発見を、ゆっくり増やしていく場所です。

毎月テーマは違いますが、夫婦関係に活かせる心理を扱う講座を開催することもあります。

オンライン受講できる講座もご用意しています。

一人で考えすぎる日常から、少し離れるために|無料メールマガジン

まだ誰かに頼るほどじゃないけれど、
このまま誰かとの関係のことを、一人で考え続けるのは、少ししんどい。

そんなときの、「考えすぎないための視点」を、週3回(火・木・土)お届けしています。