恋愛と男性心理

恋愛感情が分からない人の心理 〜男性の場合〜

恋愛感情が分からない男性の悩み

例えばこんなケース。男性の方のお悩みという形でお届けします。

自分自身の恋愛感情がよくわからないと感じています。

今まで女性を「大好きだ!」と思えたことがないんですよね。

過去に恋人もいましたし、男性としての欲求もあります。

ただ、よく言うじゃないですか。「好きな人と出会うと『この人だ!』って感じるものがある」って。それが今まで感じたことがないんですよ。

もちろん女性を素敵だな、可愛いなと思うんです。いつもそばにいてくれる女性のこと大切にしたいと思います。

ただ、なんかいつも違和感があるというか「違う」という感覚を感じるんです。

正直、人を愛せているのか不安になってきまして。本当は自分はひどい人間じゃないか?と思う部分もあってご相談したくなりました。

恋愛感情が抱けないということ。これは実際にありえることなんですね。

実は「好きな人を好きと思うこと」が恋愛感情かというと、意外とそうではないからです。

今回は「男性が恋愛感情を抱けない」というケースで書いてみますね。よろしければお付き合いくださいませ。

恋愛感情を抱けない男性の葛藤

さて、今回のようなお話に出会うと、よく引き合いに出す話が「子供」のこと。こういうご質問をさせていただくことがあります。

「よく思い出していただきたいんですけどね。あなたが本当に小さいころに「遊び方がわからない」「どうしたら遊ぶことができるの?」って考えたことあると思います?」

実際、本当に小さい子供で遊び方を聞く子はほとんどいませんよね。僕の実家にも3才の甥っ子がいるのですが、本当に見ているだけで「感情の塊だなぁ」と思うほど、自分の思うように自由に遊び回ってます。たまに信じられない事をするので「なんて才能だ!」と感動してしまうほど。

怖れを知らないってこういうことかもなぁ・・・としみじみ思うのです。

とにかく子供は勝手に遊んでいます。感情や感覚に素直だから心のおもむくままに行動するんですよね。そこに「うまくできるか?」なんて考えずに、ただ純粋に遊んで楽しんでいるだけ。

感情的にみると、子供にとっての遊び=好きなこと、と、私たちが誰かを好きになることは同じ

ただ、私たちは成長するに従って、この自由な感性を忘れてしまうことがとても多いものです。

一方で、私たちが誰かを好きになったとき、自分でも誰にも止められないほどの感情が生まれて、急に積極的になったり周りが見えなくなってしまったなんて思った経験をした方もいるかもしれません。ま、余談ですが僕はもちろん経験済で、実際にグイグイ押しすぎて相手にドン引きされるなんてことも起こり得るわけで・・・。

それって好きと同時に傷つく体験でもありますよね。これは私たちにとってとても怖い経験。できればもう味わいたくない経験。

恋愛レベルで言えば、誰かを何かを好きになったときに感情的に傷を感じて怖くなり、心のブレーキをかけていくわけです。そう見ていくと「好きが分からない」ということは「怖れ」が引き起こすものと言えるんです。

この恋に、結婚に、本当に人生をかけてもいいんだろうか?」

私たちは未来を決める時、強い不安を感じます。それは男性だって同じこと。

そんな時、深い意識レベルでは

「私は本当にこの結婚に飛び込み、やり遂げられるだろうか?」
「私はパートナーにふさわしいだろうか?」

どこか不安と自信のなさが入り混じった感情を感じているものです。誰かや何かを信頼できないとき、実は、私たちは自分自身への不信感を感じているわけですね。そしてそれをいつも自分の内面に隠そうと頑張ります。

ビビっちゃいけない。逃げちゃいけない。怖れてはいけない。

強くあろうとする男性がよく考えること。その怖れをぶっとばして無理矢理にでも前に進もうとすることもあるでしょう。むしろもう逃げも隠れもできない状況に追い込まれないとどうにもならないと感じることもあるでしょう。

でも、それ。やっぱり楽しくないしときめかないんですよね。だから更に「好きがよく分からなく」なる。自分を追い込めば追い込むほどに、よく分からなくなってしまうでしょう。

ただこの怖れという感情はまた別の事実を教えてくれるものでもあるんです。

私たちは、どうでもいいことに怖れたり、不安になったりしないもの。興味のないものに脅威を感じることはないんです。

何かを大切だと感じていたり、真剣に考えているからこそ怖くなる。それはどこかで「パートナーを最後までちゃんと愛したい」と考えているからこそ出てくる怖れでもあるんですよね。

だから悪いことじゃないんです。だからこの種のお話は本当に愛したいという心の声でもあるんですよ。

 

それに誰だって自分や大切な人にとって大きな影響を与える行動をおこそうとすれば、強い怖れを感じるもの。そういう意味では誰もが未来を考えたと同時に失敗を考えて怖れますから、「不安」を感じるのはある意味当然なことなんですよね

怖いと感じることは何ら恥じることでも悪いことでもないんです。

ただ、その怖れを心の中で否認し続けると、感じる違和感やときめかない心は消えはしない。更に好きがわからない自分を疑ったとしても答えは出てこないことがとても多いんですね。

だからこんな時はまず無理矢理行動するよりも、まず自分がなぜこんなにも誰かを愛するのが怖いと感じているのか?について考えていったほうがいいんです。その理由を知り、怖れや不安、痛みを癒すこと。

セルフワークとしては

①あぁ、今自分は怖れているんだなと自覚すること。

②でも、どうしてこんなに怖れるのか?と考えてみる。一体それは過去のどんな体験からやってきてるのか?恋愛関係か家族関係?他の体験?などなど、思いつくことをリスト化してみる。

③過去に色々あったけれど、でも今の自分はどうしたいんだろうか?そのためにどんな自分になり、どんな変化があればいいのだろう?

少し時間をとって考えてみると意外な気づきがあるかもしれませんね。

とにかく心のブレーキが外れることで自然と愛情が外に向かって出て行くようになります。もちろんこのブレーキの理由は人それぞれ。あなたにとってとてもインパクトが強かった出来事がその理由になっていることはとても多いものなんですよ。

あなたのパートナーが恋愛感情を抱けない葛藤を抱えていたならば

最後に、あなたのパートナーがこのような悩みを抱えている人であったり、グイグイ押してこないタイプの方であったならば。

まず、パートナーのその怖れを理解して欲しいんですね。そして怖れを直接扱うのではなく、その向こうにある愛情の部分を見て伝えてあげて欲しいのです。

自立していればしているほど、自分が何かを怖れていることって隠したくなるもの。それをガンガン指摘したり無理やりひっぺがそうとすれば相手は逃げるか怒るか・・・拒絶という反応が出てきますよね。

これは本当に余談ですが、僕の奥さんはこれを見事にやってのけました。

数年前、まだまだ自分や自分の未来に自信がなく、結婚を怖れつつも必死に強がっていた僕を見て、彼女がしれっと一言。

「じゃぁ、それだけ女性を大切にできる人なんだね!」

この一言で僕の心の中から結婚への怖れがすぅっと消えていったことを今でも覚えています。まぁ彼女も心理学を学ぶ者ですから、そりゃ知ってて話していたのかもしれないんですけど(笑)

でも僕は素直にとても救われた気持ちになり、一歩前に進む気持ちがググッと高まってきましたね。同時に「何やってたんだろ、俺」と恥ずかしくもなりましたけど(笑)このあたりが男のプライドですかね?

自分でも気付かなかった愛情を人から教えてもらうことって、とてもパワフルな癒し。これを「承認」なんて心理学では言いますけど。

この「承認」こそ「怖れ」を超える情熱や勇気を思い出させてくれるものなんですよね。ぜひ日常で使ってみていただくといいかな、と思います。

今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。

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