こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日はネタ募集コーナーにお寄せいただいたご質問にお答えします。
この記事は恋愛相談の顔をしていますが、
ほんとは「親密さが増えたとき、人はなぜ急に怖くなるのか」という話でもあります。
なので、特定の誰かへの返事でありつつ、読んでいるあなたにも刺さるところがあるかもしれません。
よかったら、少しだけお付き合いください。
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いただいたご質問内容はこちら
浅野さんへ質問
付き合って1年の彼氏がいます。お互い45歳、彼はバツ2、私は未婚です。
彼はとても優しくて安心出来てケンカもなく、笑いが絶えず仲良しでした。
彼は結婚を考えてくれていて、付き合って3ヶ月で新しいマンションを契約しました。
特に私は結婚を迫ったりはしていませんが、ずっと夢だったことは知っています。
ただ、マンションの引き渡し前になって突然「同棲が出来ないと思った。同棲が出来ないということは結婚ができない。このまま一緒に居て良いのかなと思った」と言われました。
1人の時間が欲しいと思ったことと、私だからではなく、誰かと一緒に住むのが無理だと思ってしまったそうです。また途中で無理だとなってしまった場合、私が出て行くことになるので、そしたら私の生活が今以上に大変になってしまうということも考えたそうです。
別れるとは決めていない、別れるかどうか決めるのは私だと言われました。
一緒に居て楽しいし、嫌いになったわけじゃない、でも好きならこんな酷なこと言うかな、とか、女の人苦手なのかなと思ったと話していました。
彼は、子供の頃に自分だけ母親にとても厳しくされて反発して高校卒業と共に一人暮らしをしています。自分では、あれは虐待だったと言っていました。
彼は本当に心が純粋で優しくて誠実な人です。
私は一緒に居れることがうれしくて、出来るだけ一緒に居たがっていたと思います。
1人の時間が欲しいと言っていたのに、優しさに甘えていました。それはとても反省しています。
彼も謝ってくれましたが、傷付けたことに落ち込んでいました。
最初はラインのやり取りを続けていましたが、お互いに無理をしている感じがして、徐々に減って来たので、彼には時間が必要だと思ったので1ヶ月ほど連絡を控えました。
久しぶりに連絡をしたときに普通に返信が来ました。(彼は変な既読無視をしない人です)
あれから一度も話せていないので、とりあえず1回会いたいと思い、軽い感じでごはんに誘いました。
そしたら、考える時間を置いて、「Kちゃん、やっぱりともだちに戻ろう‼️」と返信が来ました。
別れるかは私が決めると言ったのに、あれから一度も話せていないのに、ラインで一方的過ぎて、テンションもよく分からないし、怒りもあり、すぐに返信出来ませんでした。
でも、浅野さんのブログを読んで、彼もまた悩んでいて傷付いていると思うことが出来ました。
それに、私自身、結婚に拘る意味も分からなくなりました。
結婚がしたいから他の人を探そうとは思えないし、どちらかが無理をしてするものではないと思うので、彼を苦しめてまで同棲も結婚もしなければ良いと思いました。
1週間後に、「それでも私はどんな彼も大好きで、今までどんなに幸せで、ありがとう感謝しかない」という気持ちと、「同棲とか結婚とかどうでもいいの。今度1回会って話そう、彼のタイミングでいいから」ということを伝えました。
それから連絡は来ていません。時間が経つと、彼は本当に別れたいのかなこのまま終わりなのかなと不安になります。
ただ、彼の人柄を考えると、本当に別れるならちゃんと向き合って話してくれるはずだとも思います。
いろいろ考えると、同棲、結婚したい(しなければならない)と思っていたのは彼の方だったのかなとも思います。
私は会わない間に、彼のことが1番になって自分の世界が狭くなってしまっていたことに気付きました。もっと彼以外の自分の時間を充実させたいと思いました。
出来ればこういったことを彼に話して、出来るだけ彼の罪悪感を軽くしてあげられたらと思うのですが、会おうとしてくれない彼にどうしていったら良いのか分かりません。
この話があってから、変なタイミングで連絡をして、また拒絶されるのが怖くなってしまいます。
前回、彼のタイミングでいいから時間作って欲しいと伝えているので、このまま彼から連絡が来ることを待っていればいいのでしょうか?
何も出来ない時間が長くなるほど、自信がなくなり、彼の気持ちにも不安になってしまいます。
どのようにしたら彼との距離を縮めていけるのか教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
ネタ募集ネーム:KMさん(長文でしたので一部編集させていただきました)
まず、結論から言いますね
とても大事なことなので、先に言ってしまいます。
あなたが見てきた彼の優しさや誠実さは、幻想ではなかったと思います。
そして、
あなたが彼を大切に思い、理解しようとしてきた時間も、間違いではないのだと僕は思いますよ。
この二つは、あとから何が起きたとしても、ひっくり返るものではないはずです。
彼は「冷めた」のではなく、「背負えなくなった」
いただいたご質問の中にある彼の言動から、たしかに様々なことを読み取ろうと思えば読み取れます。
ただ、僕は実際にお会いしていない方のことを勝手に分析してお示しすることは避けたいと考えております。
なので、断定はできないのですが、いただいたテキストの中から“構造として見えるもの”に関してお伝えしたいと思います。
まず、確かに彼の言動が矛盾しているように見えますね。
- 結婚や同棲を考えてマンションを買った
- 一緒に暮らす未来を描いていた
- それなのに、直前で「同棲できない」「結婚できない」と言い出した
- そして最後は「友だちに戻ろう」とLINEで伝えてきた
これだけ見ると、「無責任」「逃げた」「ひどい」・・・
そう言いたくなる気持ちも、正直わかる気がします。
でも、彼のこれまでの話を丁寧につなげていくと、少し違う景色が見えてきます。
彼は、
- 過去の結婚で「一緒に暮らす → 関係が壊れる」という体験をしている
- 母親との関係も良好ではなかったとおっしゃっている
- その結果、誰かの人生を背負うこと、誰かの居場所になることに、強い恐れを持っている可能性が見えてくる
つまり彼は、
「あなたを愛したい気持ち」と「自分が壊してしまうかもしれない恐れ」の間で、ずっと引き裂かれていた
そう考える方が自然かなぁ、と僕には思えるのです。
もちろんこの背景にはいろんな愛着の話やら、役割の話が隠れている可能性があるのですが、今回はそこまで突っ込むことは避けさせてくださいね。
特に彼が誠実で純粋だ、という部分がめちゃくちゃ引っかかるのですが、そこまでは流石に書けないので、気になられたら直接ご相談くださいm(_ _)m
「友だちに戻ろう」は、拒絶ではなく自己隔離?
「友だちに戻ろう」って、言われた側はしんどいです。
しかもLINEで。いや、そこはせめて呼び出して・・・って思いますよね。
ただ、これを「冷めた」「愛が消えた」と読むのはまだ早い気がします。
むしろ、
「これ以上巻き込みたくない」
「期待させたくない」
「でも向き合う方法が分からない」
そういう人が、好きな相手から自分を隔離するときの言葉に似ています。
格好いいやり方ではない。
でも、冷酷なやり方とも少し違う。
彼なりの“退避”だった可能性はありそうですね。
それがいいかどうかは別にして、ですけどね。
あなたが「甘えすぎていた」からではないのかも?
ここ、いちばん大事なところなのですが・・・。
あなたは、
- 一緒にいることが嬉しかった
- 安心できた
- できるだけ時間を共有したかった
それを後から
「優しさに甘えてしまった」
「重かったのかもしれない」
と振り返っていますよね。
でも僕は、原因探しを続けて自分を小さくしないほうがいい、と思っています。
ここ、いちばん大事なところです。
あなたは「優しさに甘えてしまった」と振り返っていますが、
その反省を“関係の結論”にしなくていいのかな、と僕は思いますよ。
だって、気が合って、安心できて、仲良くしたい相手に、「もっと一緒にいたい」が出るのって、わりと普通なことです。
それが出ない恋愛って、逆にどんな修行なんだ・・・と思いますし。
ここで大事なのは、あなたの愛し方が悪かったかどうか、ではなくて、距離が近づいたときに、怖れが噴き上がるタイプの人もいるということ。
そして今起きているのは、
彼の怖れが限界を超えた反応と、
それを見たあなたの怖れが立ち上がっている、
その“連鎖”なのではないでしょうか。
待つべきか、動くべきか、の前に
「待つべきか、動くべきか」
その問いが出るのは自然ですよね。
何もしない時間が続くと、関係そのものが消えていく気がしますから。
ただ、ここで整理しておきたいのは、
“待つ”は「彼の機嫌を待つ」ではなく、「自分の足場を整える時間」にできるということです。
あなたはすでに、
- 彼中心になっていた自分に気づいた
- 自分の時間を取り戻そうとしている
- 結婚や同棲への拘りを見直している
と書いています。
これって、止まってるようで止まってないんですよ。
これらはすべて、「関係を失わないために反省を続ける」行為ではなく、「自分を取り戻す動き」のように僕には思えます。
ただ・・・
もし、今回のような関係を取り戻すには、自分を責めたり、反省を続けることだけでは不十分だと僕は思うのです。
むしろ、今の時点での本来の自分、あなたなりの「強み」をきちんと理解しておくことが重要、といいますか。(僕が思うあなたの強みは最後に書いています。)
そうでないと、今回のように「彼の弱い部分」が出たときに、手も足も出なくなってしまいます。
いわゆる「やっぱり私じゃダメだったんだ」という気持ちが強烈に出てきてしまう可能性があるんです。
元に戻れるか、ではなく
なので最後に、少し視点をずらしますね。
大切なことは、「元に戻れるかどうか」ではないと僕は考えます。
もちろん、「仲が良かったあの頃のように戻りたい」と思われるお気持ちを否定するつもりはないんです。
が、戻ったとて、二人の関係はまた同じプロセスを歩むことになる・・・。
彼はそう思っているから、これ以上進まないほうがいいと考えているのではないでしょうか?
そもそも「元」とは、彼が限界を超える前の状態です。
逆説的ですが、彼はその限界を超える前ならうまく付き合える、と思っている可能性がないわけではなさそう・・・。
しかし、二人が結婚、同棲など、今までとは形を変えて関係を構築していくことを考えてみると・・・
もし再び関係が動くとしたら、それは「元に戻る」ではなく、形を変えて進むということになりはしないでしょうか?
そして、その可能性を残すために、今あなたができることを考えていくことなんでしょうね。
*
ということで、ここからは、いただいた質問の核心
「待つべきか・動くべきか」について、整理してお答えします。
このまま連絡をしないで待つべきか?
ここで、いただいた質問に正面から向き合ってみますね。
「前回、彼のタイミングでいいから時間を作ってほしいと伝えています。
このまま彼からの連絡を待っていればいいのでしょうか?」
まず、はっきりさせておきたいことがあります。
「待つ」という選択そのものが悪いわけではありません。
ただし、それが
“自分を削りながら待つ”形になっているなら、続ける意味はあまりない
というのが、僕の正直な見立てです。
というのも、今の彼は、
- 誰かと深く関わりたい気持ち
- でも、その結果また壊してしまうかもしれない恐れ
この二つの間で、完全に身動きが取れなくなっている状態に見えます。
そんなとき、人はよく
「時間を置く」「距離を取る」「考えたい」
という形で、いったん世界を閉じます。
なので、お二人にはもっとコミュニケーションが必要なケースではないか、と僕は考えています。
ただし同時に、ここがとても大事なのですが、関係に対する不安が強くて
- 気持ちを押し殺す
- 自分を小さくする
- 反省を続ける
- 無理やり視野を広げようとする
- “待つ資格がある自分”でいようとする
こうした在り方は、彼が戻ってきたとしても、関係を健やかにする方向には働きにくいんです。
なので、僕の答えはこうなります。
「何もせずに待ち続ける」必要はありません。
でも、「無理に追う」必要もありません。
今あなたに必要なのは、彼の反応をただ何もしないで待つことよりも、
“関わるときに、飲み込まれない自分でいること”
を先に整えることだと思います。
具体的には、
- 毎日の生活や人間関係を、もう一度整え直す
- 「私はどう愛したい人で、どう扱われたい人なのか」という感覚を取り戻す
- 湧き出してくる不安や悲しみなどの感情を整える場所を持つ
- 無理に追ったり、従おうとする気持ちが薄れている
- 自分を小さくしない
- この関係を「失敗」にしていない
この土台ができてはじめて、
「こちらから一度だけ、落ち着いた形で声をかける」
という選択肢も、現実的なものになります。
まずは、自分の足をしっかり地につけること。
そのために湧き出してくる不安や恐れを丁寧にケアすることがオススメです。
そのとき、出てくるあなたの言葉や態度が、彼にもっともつたえたいことになるのではないでしょうか?
もちろん、カウンセリングでそこまでのプロセスをお手伝いすることも可能です。
なので、
「自分を取り戻す時間を持ちつつ、動ける状態になったら動く」
それが、今の状況でいちばん関係を壊しにくく、そして、あなた自身を守る選択だと、僕は思いますよ。
最後に
今回のご質問を読ませていただいて、
あなたは、「誰かを安心させることができる人」なのだろうな、と感じました。
いわゆる親密になることへの恐れを抱えている人を、ここまで受け入れ、ここまで相手に近づけたという意味では、そう考えざるを得ない、といいますか。
そして同時に、
「誰かの怖れを映してしまうほど、深く関われる人」でもあります。
それは弱点ではありませんが、結構な影響力がありそうですね?
このあたり、きちんと整理されておくことはおすすめします。
ただ、もし今の関係の中に
「あなたの与える安心感 < 彼の怖れ」
という構図があった、としたら・・・
それはあなたの安心感の問題以上に、相手の恐れが大きかった、ということ。
ここはもう、急にコントロールしようとしても難しいことですし、あなたが背負うべき課題ではないと思いますよ。
今はまだ答えが出なくても、この関係があなたに残したものは、きっと時間をかけて形になります。
急がなくていいです。急ぐとだいたいろくなことにならないので・・・。
その前提だけは、どうか忘れないでくださいね。
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