男性はなぜ気持ちに共感してくれないのか |共感されない関係の本当のズレ
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、「男性はなぜ私の気持ちに共感してくれないのか」について、少し整理してみます。
共感してほしいだけなのに、
「そうなんだ」「まあ、仕方ないよ」「とりあえずこうしたら?」で終わる。
で、こっちはこっちで、「…いや、そうじゃない」となる。
このズレが続くと、地味にしんどいですよね。
共感してほしいだけなのに、なぜか話が噛み合わない。
それが続くと、「私がおかしいのかな」と一人で抱え込んでしまう方もいますし。
ただ、このテーマって、「男性が悪い」「女性が重い」みたいな話に落とすと、
分かった気にはなれるんですけど、たぶん、関係はあまり良くならないんですよね。
そこで今日は、共感しない人の心理だけでなく、
お互いが関係の中でどこに立っているのか、という視点も含めて見ていきます。
Index
共感されないと、不安になるのは自然なことです
まず前提として、
「共感されないと不安になる」
これは、かなり自然な反応です。
人は共感されることで、
「分かってもらえた」「ここにいていい」「大丈夫かもしれない」
という安心感を得ます。
それは恋愛や夫婦ならなおさらで、
共感は「会話」ではなく、関係の安全確認みたいな役割も持ちます。
だから、共感が返ってこないとき、表面は怒りでも、
内側では「関係が危ないかもしれない?」という不安を感じやすいもの。
だから、共感を求める側の気持ちって、ある意味自然なんです。
なぜ男性は共感が苦手なのか(よくある背景)
ここは、いわゆる一般論としての話も入ります。
もちろん例外はありますし、個人差も大きいのですが、
現場で見ていて多いのは、だいたい次のあたりです。
※これは「男性はこうだ」と決めつけたい話ではありません。あくまで、臨床の中で多く見られる傾向としての話です。
共感された経験が少ない
男性は、育ちの中で
「泣くな」「弱音を吐くな」「気にするな」
で育っている場合が少なくありません。
その結果、自分の感情に“触れられる経験”が薄い。
だから、他人の感情にも触れにくい。
共感のスキル以前に、共感の世界に住んでいる時間が少ないんですね。
男性は「一人の時間」で安定を取りやすい
これは心理学でもよく言われる話ですが、
男性は、共感のやり取りよりも、一人で整理して落ち着く人が多い。
疲れているときほど、
共感の会話は「追加タスク」になりやすく、結果として反応が薄くなることがあります。
「共感してくれない」問題の、もう一つの問題
ここからが今日の本題です。
共感してくれないことへの不満は、その通りだと思います。
ただ、二人の間にできそうな”溝”の正体は、
「共感しない/できない」それ自体だけではないことが多いんです。
関係の中で、次のズレが起きていることがあります。
共感を求め続ける側が、関係の“愛情のリード(進行役)”を引き受けてしまう構造
つまり、共感を求める側が、
関係の中で「愛情が動いていることの証明」を担う位置に立ってしまう。
だから、共感が返ってこないと、ただ寂しいだけじゃなく、
自分の愛情が空回りしている感じや、自分の存在理由が揺らぐ感じ
が出てくる。
ここが、怒りの“芯”に近いことがあるんです。
「ねえ、分かってる?」「私の気持ち、受け止める気ある?」
この問いの奥にあるのは、「私はここにいていい?」みたいな確認だったりします。
ただ、この感覚が分かるのは、
愛情のリード側、進行役を担ってる方で、相手側はちょっとそこが鈍感になるんです。
実際、パートナーシップは、この愛情のリード側がくるくる入れ替わるんです。
ある意味それが理想、というか。
ただ、「なんで分かってくれないのよ」と思い続けると、
表面上は不満やニーズをぶつけているように見えるけど(周囲からもそう見られるけど)
実は「愛情をリードする”立ち位置”から降りられていないキツさ」を感じ続けている、
という、おかしなことになっちゃうんですよ。
・・・この話、女性だけに起きることじゃないですよ。
寛容で、誠実で、パートナーのことを第一に考えている男性にも起きます。
僕はこの手の話、結構伺うタイプのカウンセラーなのです。
男性側は「共感にそこまでの意味がある」と知らないことがある
一方で、共感しない側(多くは男性なのかな?女性の場合もある)は、
共感が“関係の安全(つながりの)確認”になっている
という事実を、体感として知らないことがあります。
知識として「共感が大事」なのは知っていても、
それがどれくらいの意味を持って相手の心を支えているかは、
分からないまま、ということがある。
だから共感を忘れている側は、自分の中では
「共感できない=愛情がない」とは感じていないことも少なくない。
むしろ、
「ちゃんと生活は回してる」
「仕事してる」
「一緒にいる」
「家族のこともちゃんとやってる」
「裏切ってない」
みたいなところで、愛情を成立させている場合もあります。
ここに、言語や想いの違いが出るんですよね。
同じ“愛情”を見ているのに、確認の仕方が違うのです。
これが僕が言い続けている”パートナーシップにおける立ち位置(そのズレ)”の話なんです。
▶関連記事:立ち位置のズレとは何か|人は裁かないが、苦しさの構造はごまかさない心理学
知っている男性でも「受け止めることで削れていく」ことがある
もう一つ大事なポイントを。
共感の重要性を理解している男性でも、
感情を受け止めること自体が苦手な場合がある、という点です。
男性は普段から感情を押さえる(出てくるな)と扱っている人が多いのです。
これはある意味仕方のないことなんですよ。
なので、感情に触れると、
- 自分の感情も揺れるので嫌な感じがする
- 何を言えばいいか分からなくなる
- 共感ではなく正解を出そうとして失敗する
- 責められている気がして防衛が出る
- 相手の感情を受け止めすぎて壊れそうになる・・・
こういう反応が起きやすいのです。
で、本人は本人で、
「受け止めているつもりなのに、責められる」
「頑張ってるのに足りないと言われる」
みたいな感覚になってしまい、共感を避ける方向へ学習してしまうことがあります。
結果、女性側は
「あーやっぱり分かってくれない」
となって、さらに不安になる。
この循環が、共感してくれない!という不満から始まる、”二人の溝”の正体です。
溝の正体は「共感が正しいか」ではなく「立ち位置のズレ」かもしれない
ここまでをまとめると、こうなります。
- 共感を求める側は、関係の愛情のリードを担いやすい
- だから共感が返らないと、不安や怒りが強くなる(存在確認に近い)
- 共感しない側は、共感にそこまでの意味があると知らない/体感していないことがある
- 知っていても、感情処理が苦手で削れていくことがある
つまり、共感してくれない不満は限りなく正しい反応。
ただ、
溝の正体は「共感の有無」だけではなく、関係の中の立ち位置のズレ
かもしれない、ということなんですね。
じゃあ、どうしたらいいのか(結論は“相手を変える”だけじゃない)
ここで、ありがちな結論として
「男性に共感を学ばせましょう」
みたいな話もできます。
それも一つの方法ではあります。
ただ、現実はもう少し複雑で、
“共感の能力”だけを鍛えても、関係が楽になるとは限らないんですね。
ポイントは二つです。
1)共感を求める側が「一人で関係を進める役」を引き受けすぎていないか
共感を求めること自体が悪いわけではありませんよ。
ただ、共感が返ってこないときに、
自分の存在や愛情の価値まで揺らいでしまうくらい背負っているなら、
いったん立ち位置を戻したほうがいいことがあります。
「私は共感を求めたい」
と、
「共感がないと私は不安で崩れる」
は、似ているようで全く違います。
後者になっているとき、たぶんあなたは、愛情の進行役を一人でやりすぎている。
それぐらい頑張りすぎているのかもしれません。
2)男性側が「共感の意味」を理解できる形に翻訳する
男性が共感に意味を感じにくいなら、意味が分かる形で伝える必要があります。
ここで大事なのは、
「共感して」ではなく、
“何が起きると助かるか”を伝えることです。
たとえば、こういう感じです。
×「共感してよ」
○「今は解決策より、気持ちを聞いてもらえると落ち着く」
○「否定されると一気に不安になるから、まず“そうなんだ”って受け止めてもらえると助かる」
これは、男性にとっては、“やることが分かる”んですよね。
共感が苦手でも、手順が分かれば動けることがあります。
ま、ただこれはぶっちゃけ「テクニック」でしかないんです。
大事なことは、今までの自分の立ち位置を理解して
そこに込められた思いを、
どれだけ自分の両手で抱きしめられるか、だと僕は思っています。
大切な人を想う気持ち。それが強かったから担ってきた”役割”がある。
その役割があなたを苦しめるほどに強くなっている。
だから、役割や立ち位置から降りてみると・・・きっと自分のハートの大きさに気づけるんじゃないでしょうか。
と、僕はいつも感じていますよ。
▶関連記事:役割という心理|「役割」は人生を守り、同時に限界を作る
「共感してもらう」より前に、確認したいこと
そして最後に、ここが一番大事かもしれません。
共感がほしいときって、
あなたが欲しいのは、共感そのものというより、関係の安心だったりします。
なので、問いを少し変えてみるといいのかもしれない。
「私は今、この関係で、何を一人で背負ってきたのだろう。
分かってほしいのは、もしかすると、そこなのかもしれない。」
- 場を整える役
- 関係を守り、進める役
- 理解する役
- 今の関係を壊さない役
こういう役割を引き受けすぎると、
共感が返ってこないことが、単なるズレではなく、
自分の存在が否定された感じにまで膨らみます。
そこまで背負っていたら、怒りも出ます。
むしろ、出て当然ですよ。
そんな自分を変だと思う必要はなくて、立ち位置を見つめ直すことです。
すると、自分の(愛情の)履歴が、きっとよく見えます。
こちらの記事も続きにどうぞ
- 質問に答えない人の心理|はぐらかされる関係で起きている“もう一つの問題”
- なぜ彼と分かり合えないのだろう ──同じ出来事でも、違う世界を見てしまう理由
- 分かり合えた気がしたあとでも不安が消えない理由| 出てきた不安に、意味を持たせすぎないという視点
- 「期待」の心理とはなにか? 〜「2つの期待」について解説します〜
最後に
「共感してくれない彼」に腹が立つ。
でも、別れたいわけでもない。
ただ、分かってほしい。
こういう悩みって、派手ではないのに、心をじわじわ削ります。
ただ、ここで一つだけ言えるのは、あなたの不満は間違っていないということ。
その上で、溝の正体がどこにあるのか
そこだけは見誤らないほうがいい、のかもしれませんね。
共感の問題に見えるけれど、実は「立ち位置」の問題だった。
そう気づけたとき、
相手を変える前に、あなたが楽になる余地が生まれます。
その余地が、関係の呼吸を戻すこともあります。
この視点が、少しでも参考になれば幸いです。
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必要だと感じたタイミングで、ご覧ください。

