こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今回もネタ募集企画にお寄せいただいたご質問にお答えします。
今日は、読者さんからいただいたご質問(内容は一部編集)をもとに、
「パートナーに裏切られたように感じる出来事のあと、もやもやが止まらない」
そんなときの心の動きを、少しだけ整理してみます。
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いただいたご質問はこちら
はじめまして。
いつもブログを読ませていただいています。
今日は、恋人との関係で起きた出来事と、そのあと自分の中に残っている「もやもや」について相談させてください。
付き合って数年になる彼とは、これからのことも含めて、ちゃんと向き合っていこうという話をしていました。
正直、順風満帆というわけではありませんが、「この人となら、時間をかけてでも一緒にやっていけるかもしれない」そう思える関係だったと思います。
ただ、ある出来事をきっかけに、私の中で何かが引っかかったまま止まらなくなってしまいました。
詳しいことはここでは書きませんが、彼の行動を知ったとき、「そこまで大ごとではないのかもしれない」「浮気と決めつけるほどのことではないのかもしれない」頭ではそう思おうとする自分もいます。
でも同時に、「大切にされていない気がした」「信じていた分、裏切られたように感じた」そんな気持ちが、どうしても消えてくれません。
彼に強く責めるほどの確信があるわけでもないです。
かといって、「気にしすぎだった」と笑って流せるほど、自分の心も軽くありません。
怒っていいのか、許すべきなのか、それとも「何もなかったこと」にして進むべきなのか。
どの選択肢もしっくり来なくて、結局、何も決められないまま心だけがずっとざわついています。
誰かに話すと一時的には楽になりますが、夜になるとまた同じ考えが頭を巡って、眠れなくなることもあります。
自分が何にこんなに引っかかっているのか。
どう整理すれば、このもやもやが落ち着くのか。
「どうすればいいか」ではなくてもいいので、今の自分の状態を理解するための視点があれば、教えていただけたら嬉しいです。
ネタ募集ネーム:みいさん
まず最初に:その「もやもや」は、あなたの弱さではありません
彼があなたを裏切り傷つけるような行動をした、ということですよね・・・。
そりゃすぐに気持ちの整理ってつけられないものかもしれません。
ここで、大事な”前提”をひとつお伝えすると、
もやもやが止まらないのは「気にしすぎ」と一括りにできないもので、
あなたの心がちゃんと反応しているから
なんですよね。
むしろ、何も感じないほうが不自然かな、と僕は思います。
ただ、ここからが今日の本題で。
もやもやが「自然な反応」だとしても、長引いて苦しくなるときがありますよね。
このとき多くの人が、次の状態のどれかになりやすい、といいますか。
- 「怒るのは幼い」と自分を諭し続けて、疲れる
- 「許さなきゃ」と頑張って、さらに自分がしんどくなる
- 「別れるべきだ」と結論を急いで、でも本心が追いつかない
つまり、問題は出来事そのもの以上に、
自分がどの立ち位置で、その出来事を見てしまっているか
に移っていくことが多いんですよね。
・・・ま、そうとは言えども、
モヤモヤやイライラはなかなか収束しないかも、ですが。
いや、むしろそういった気持ちは、
安全な場所で解放することがおすすめではあるんですが。
もやもやが長引くとき、心の中では「終わりなき判断」が始まっている
こういうとき、心の中でひっそり起きていることがあります。
それは、「判断」です。
たとえば、こんなふうに。
- 彼の行動はアウトかセーフか
- 私は怒る資格があるのか
- 許したほうが“大人”なのか
- ここで許したら、私は軽く扱われるのか
- ここで怒ったら、私は面倒な人になるのか
これ、理屈としては必要な整理にも見えます。
でも・・・当事者の心にはしんどいんです、めちゃくちゃ。
なぜなら、こうした判断はだいたい「結論」を出すためではなく、
感じたくない感情を感じないために働くことが多いからです。
傷ついた痛み、悲しみ、虚しさ、切なさ・・・
こういった感情を判断でブロックする。
で、ここが厄介なんですが、
判断が強くなるほど、感情は整うどころか、むしろ暴れます。
(そりゃそうです。感情のほうは「感じてくれ」と言ってるのに、思考が「裁判」を始めるので。)
だから、頭で整理しても、なかなかモヤモヤは止まってくれないんですよね。
むしろ息苦しくなるというか。
「景色」が変わると、同じ出来事でも意味が変わる
ここで、いつもの浅野の視点の話に戻します。
同じ出来事でも、人は「見ている世界(景色)」によって受け取り方が変わります。
たとえば今回の出来事も、
- 「私は大切にされている世界」に立っていれば、「嫌だった」と言って話し合いに向かえる
- 「私は軽く扱われる世界」に立っていれば、「これ以上は許したら終わる」と感じる
- 「私は見捨てられる世界」に立っていれば、「怒ったら関係が終わる」と怯える
どれが正しい、ではなく、
その瞬間、自分がどの立ち位置から景色を見てしまっているか、という話です。
で、もやもやが止まらないときって、だいたいここが固定されます。
「私は今、軽く扱われる側に立っている」
「私は今、見捨てられる側に立っている」
この立ち位置に立つと、心はこう言います。
「ちゃんと判断しろ。間違えたら大変なことになるし、傷つくぞ」
だから、より判断が強くなり、余計に苦しくなる。
そのモヤモヤ、「地下室の私」が反応している可能性もありそうです
もう一つ、今日の記事の大事なポイントがあります。
それは、出来事に反応しているのが、
“今のあなた”だけじゃない可能性がある、ということです。
人には、わりと誰にでも、普段は表に出てこない「もう一人の自分」がいます。
真面目な人ほど、ここを閉じています。
「こんなふうに感じるのは良くない」
「そんなこと思っちゃいけない」
そうやって押し込めた気持ちが、心の地下室に残るわけです。
で、裏切られたような出来事が起きると、地下室が揺れるんですよ。
(あの彼、ほんっと余計なことしてくれたわ、って思う瞬間かもしれませんけど(^^;)
たとえば、こんな感情。
- 怒り(ほんとは怒りたい)
- 惨めさ(私はバカにされてるの?)
- 怖さ(また同じことが起きる気がする)
- 恥ずかしさ(こんなことで揺れる私が嫌)
でも真面目な人ほど、これをそのまま感じないで、“正しい整理”にすり替えようとします。
結果、心の中ではこうなります。
「怒りたい私」 VS 「大人でいたい私」
この綱引きが、もやもやの正体になりやすいんですよね。
対処法:結論より先に「立ち位置」を確認する
ここから具体的な話をします。
こういうとき、
いきなり「別れる/許す/責める」の結論に行かないほうが、
うまくいくことが多いです。
先にやるのは、これ。
Q:私は今、どの立ち位置からこの出来事を見ている?
たとえば、こんな候補があります。
- 「軽く扱われる側」
- 「見捨てられる側」
- 「我慢すべき側」
- 「分かってあげる側」
- 「ちゃんとしている側」
次に、もう一つ。
Q:その立ち位置に立つと、どんな景色が見える?
たとえば、
- 彼の行動が「私の価値」を決めてしまう景色
- 怒ったら関係が壊れる景色
- 我慢しないと愛されない景色
この2つが言葉になるだけで、心は少し呼吸ができます。
(不思議なんですけどね。人は「自分の見ている世界」を言語化すると、世界に飲まれにくくなります。)
こちらの記事も参考にどうぞ
- 嘘をつかれていたのに、気持ちが整理できないあなたへ 〜それは弱さではなく「誠実さ」かもしれません〜
- 「あなたの想いが、自分を縛りつけるとき」 〜“好き”を否定せずに、生きやすくなるために〜
- 言いたいことが言えずに終わった。そんな失恋から立ち直る方法。
最後に:もやもやは「あなたが大切にしたいもの」の反応です
今回の話、結局のところ、こういうことだと思うんです。
もやもやが止まらないのは、あなたが未熟だからではなく、
あなたが関係を大切にしようとしているから。
そして、あなたが大切にしたいものがあるからこそ、
“判断”で自分を守ろうとするし、“地下室の私”も黙っていない。
だから、今日の結論はこれです。
結論を急がなくていい。
ただ、今の自分の立ち位置だけは、見失わないでください。
その立ち位置が少し整うと、同じ出来事でも見える景色が変わります。
そして、そこで初めて「話す」「距離を取る」「待つ」「やめる」など、あなたの選択が生きてきます。
というわけで、今日はそんな話でした。
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