恋愛の心理学

こだわりが強い人が幸せな恋愛を成就させる方法

こだわりが強い人が幸せな恋愛を成就させる方法

今日のコラムは、どちらかというと「こだわりが強い人」に向けたお話です。

まるで水の如く、様々な状況に上手に合わせるタイプというよりは

「私は私。私なりのやり方が大切で、努力も惜しみませんよ。なにか問題でも?」

なんて重戦車タイプ、もとい、「想いが強いタイプ」の皆さんに読んでいただきたいコラムです。

よろしければどうぞ。

こだわりが強い人の「職人的恋愛観」

何事にも筋を通したい。筋の通っていないことに猛烈な違和感を感じる。

自分なりに得てきた能力、価値観、恋愛観を実現したい。それ以外の選択肢は受け付けません。

何事も理想をもち、その理想に向けて努力することに喜びを感じる。

自己実現こそ喜び。自分の望みを叶えない人生など意味がない!

恋愛カウンセリングの場にいますと、このようなこだわりが強いタイプの皆さんからのご相談もいただきます。

このようなこだわりが強い人の恋愛観を「職人的恋愛観」と僕は命名しています。

(職人的と書いたということは、商人的・武士的・学者(ラボ)的・・・と様々なタイプが存在するということでございますなぁ。)

  • 自分なりのやり方で相手を愛する。
  • 自分なりのやり方で相手を喜ばせようとする。
  • 自分なりのやり方で相手を大切にし守ろうとする。

そんなみなさんの恋愛観は

「自分の努力次第、提供できる価値次第で相手の反応は変わる」

なのです。

だから彼・彼女さんの価値観に興味を持って「それいいね!」と味わうこともありますが

デフォルトは「これがいいって!これが楽しいって!」

どこか「自分の興味のあるフィールド内」で相手を喜ばせようとする傾向があるんですね。

職人的恋愛観の具体例

では具体的に「職人的恋愛観」とはどのようなものでしょうか。

もう今はこんな人いないのかもしれないんですけど

僕が学生の頃、音楽マニア界隈では

「友人や好きな異性に、自分好みの音楽をミックステープにして贈る」

なんて人がいたわけですよ。

自分好みに楽曲をこだわり抜いて選曲し、曲順にまでこだわりたおす。

僕の学生時代はカセットテープからMDに変化したですから、一度録音しては上書きし・・・を繰り返しながら完成品を数時間かけて作る。

そこに込めた思いを大切な人に届けるのです。

「自分の世界観の中で相手をもてなし、喜んでもらいたい。どうか受け取って欲しい。」

そんな思いがありありと見えてこないでしょうか。

※確か映画「ハイ・フィディリティ」は、そんな男性の話だったはず。

・・・この話を読んでいると

「うーん、それってどうなの?」

と思われる方もいるかもしれません(笑)

「確かに思いは分かる・・・ただ、相手のこと考えているの?」と感じるかもしれませんね。

ただ、こういった好意の込め方、僕たちは知らず知らずにやっているものですよ。

  • 得意な料理をふるまって、彼や彼女をもてなしたい、喜んでもらいたい。
  • とても美味しい割烹料理店やバーを見つけたので、彼女を連れて行ってあげたい。
  • 去年友だちと旅行してとても感動した素敵なリゾートに彼、彼女を連れていってあげたい。
  • こだわりのカスタムカーで彼女とドライブしたい。
  • 海の近くで育ったから、大切な人には美味しい魚介類を食べに連れて行ってあげたい。
  • 地元が○○だから、その名物やお祭りにふれてもらって喜んでもらいたい。
  • 実家の家業が○○だから、実家で作った○○を贈り物として届けてあげたい。

まぁ、そもそも「仕事」ってこんなイメージですよね。自分が好むもの・得意とするものを使って人に喜びを与えたい、と願う気持ち。

だから「職人的恋愛観」と名付けたのです。

自らが良いと認めた、こだわりを強く持つモノを使って大切な人を喜ばせたいその気持ち。

そもそも何ら問題なんてないのですよ。

職人的恋愛観の弱点

ただし、このこだわりが強い人「職人的恋愛観」にはちょいと弱点も存在します。

  • こだわるだけでは何も伝わらない

「こだわり」とはそもそも「ネガティブな意識・エネルギーの使い方」。

ただ「こだわるだけ」ではその意味・意図を誤解されがちなのですね。

自分なりに一生懸命こだわって努力しても、その評価を相手に委ねてしまうと骨折り損のくたびれ儲け、っぽくなります。

  • 自分以外の価値観との競争

自らの興味のフィールドで相手を喜ばせたい人ほど、なぜか「自分以外の価値観」と競争してしまうことが多いです。

これがまたいろいろな恋愛の問題を作るわけですよ。

例えば、先に書いたこだわりのミックステープの話。

男性があまりに音楽にこだわるあまり、

彼女が流行りのポップスを好んで聞いていると「それはダサいわ」なんてつい否定的な見解を述べてしまうこともあるでしょう。

これ、彼女の価値観を否定していることにつながるのですが、しかし本人は意外と気づいていないのです。

そもそも「自分は良いものを相手に提供している」と思い込んでいるからです。

他の事例なら

料理の例なら「そのお店よりこちらのほうがいいのよ」と相手の前で言ってしまう。
地元の名物の例なら、相手はその名物が苦手な場合もあるかもしれないけど、ものすごく推す。
カスタムカーの例なら、そもそも相手は車に興味がないかもしれない。

どこか「自分の価値観以外のものに価値を見出すこと」が苦手なのです。

*

 

いろいろと書きましたが

「こだわりが強い職人的恋愛観タイプの人」ほど

悪意なく相手に気を使わせていることが多く(それも相手の愛情ですけどね)
他人から見れば「本当は何を考えているのか」がわかりにくいという弱点があります。

まぁ、とにかく思いが伝わらない人になってしまうのです。

相手にとって見れば、「登場するのはその人のこだわり」だけですから、「何を思ってあなたは行動しているの?」と考えることになる。

どこかダイレクトに言葉や感情が伝わらず、誤解されやすい人になりがちです。

自分もOK、相手もOKを取り入れる

このような「こだわりが強い職人的恋愛観」を持つ皆さんにはこんなアドバイスをさせていただくことがあります。

「自分のこだわりもOK、相手や一般的なこだわりもOK」と感じてみてください、と。

「そもそもあなたは劣っていないのですよ、あなたのこだわりはそれでいいのです」

そう自分に語りかけ、自分を肯定して大事にしましょう、とご提案します。

誰も人の価値観にあからさまにNGなど出したくないのです。人を傷つけて喜ぶ人はいないはず。

しかし、自分がこだわりを強くし、他の価値観と競争していれば、人はあなたの価値観を認めにくくなってしまいます。これでは自分も相手も安心できませんね。

そんな時は「競争の心理や価値観の対立」を手放すことなのですよね。

まずは自分から一般的な価値観、人の価値観を取り入れれば問題が解決する場合が多いですよ。

先のミックステープの例なら

「もし、彼女にミックステープを贈るなら、大きな花束の中にそっと忍ばせてみる」とかね。

自分のこだわりだけではなく、彼女が喜ぶような自分の価値観以外の方法を取り入れてみると、あなたのこだわりはもっと輝くし、思いが伝わりやすくならないでしょうか。

もらった彼女は花束でわかりやすく思いを感じ、ミックステープを見てあなたらしいな、と思うのではないでしょうか。

そしてそこに思いを伝える素直な言葉があれば、なおいいでしょうね。

「好き」でも「いつもありがとう」でもなんでもいい。

誰もが知っている言葉を添えれば、更に幸せは簡単に舞い込んできそうですよね。

まぁ、そもそも普通ってなにかわかりませんけど

「一般的にはこうすると分かりやすい」という価値観を取り入れればいいって感じです。

これを続けるだけで、徐々に「相手はどうするともっと喜んでくれるかな」と考えることもできるようになるんですよね。

どこか視野が広がるイメージですよね。

自分を尊重されていないかも?という痛みを癒やす

ただ

「そうはいってもねぇ、なかなか素直になれないよ」

なんて思う人もいるかもしれません。

実は職人的恋愛観の最大の弱点は

「今の自分のままで愛されている」と感じ取れないところにあります。

どこか自分のこだわりや他人のことばかり考えているうちに

「私は自分のことを十分に尊重されている」と感じられていないのかもしれません。

それは「自分が他人に尊重されていない」というココロの痛みであり

「自分で自分を尊重していない」という痛みでもあります。

もちろんこの痛みは意識まで浮上しているケースもあれば、まだココロの中に眠っているケースも存在します。

「私は家族との関係、良好ですけど」という方の中にも

実は自分が家族に無意識的に気を使い、自立し、距離をとっているから今は問題が置きていないというケースも多いのです。

それゆえに何故か恋愛・夫婦関係になると

「パートナーには自分を理解され、肯定されたい」

そんな気持ちがとめどくなく溢れ、相手に気を使ったり、犠牲したり、忍耐女子化することもあり、自分なりの愛し方で、自分なりの思いを相手に受け止めて欲しいと願うようになるのです。

このような場合は

「自分が尊重されている」という感覚を深層心理レベルで取り戻すアプローチがとても有効です。

その代表例こそ「家族との関係性を見直す」こと。

そもそも家族・両親との関係性を見直すと自己価値が取り戻せます。

家族への理解、感謝、絆が戻ってきた度合いだけ「自分を支えるために必要なこだわり」が手放せるというわけです。

「自分は(人と比べて)愛されるにふさわしい存在か」という不安や疑いを癒やし

「私が私であることを、自分だけで証明しなくてもいい」と思えれば、この傷は癒えるのです。

そもそも職人的恋愛観を持つ人は、とても情が深いです。

こだわるとは「どう深く愛するか」を考えられる力でもあるのです。

職人ならではの「相手のためなら努力を惜しまず大切にしたい」と願う美点は常に存在します。

この長所は活かしたほうがいいと思いませんか?

自分が安心できる感覚、自分だけで自分を支えずに済むだけの親密感を感じることができれば、もっと心から楽に楽しく恋愛を楽しみ、パートナーを慈しめます。

つまり、その「こだわり・職人気質」は「愛し上手」に変わるだけなのです。

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