愛深き忍耐女子シリーズ

忍耐女子が「苦労を手放すと幸せになる」論

忍耐女子が「苦労を手放すと幸せになる」論

カウンセリングサービスの浅野寿和です。いつもありがとうございます。

今日は「忍耐女子さんは苦労(必死な努力)を手放すと幸せが舞い込んでくるよ」という話。

みなさんは「苦労を手放す」という言葉を聞くと、どんなイメージがわくでしょうか。

苦労を手放すならば、苦労はなくなる。

つまり「幸せに近づき、悩む機会は格段に減る」わけですけど、そんなイメージってありますか?

逆に「苦労しないと報われない」なんて価値観を持っていないでしょうか?

今日の話は「苦労しないと報われない」とどこかで感じ続けていたある女性のカウンセリング事例から、「苦労するイメージを手放してしまっただけで劇的に恋愛が楽になった」というお話をまとめます。

 

苦労しないと報われない=報われない恋愛を必要とする

  • 彼と音信不通になってしまった。
  • 彼と会えるのはよくて月に1回だけ。2~3ヶ月会えないこともある。
  • 彼はマウンティング体質。いつも私が悪いと言わんばかりの人。
  • 彼は今無職。仕事するつもりでいるというけど実はなさそう。未来が不安。
  • 私が好きになった彼は「恋愛する気持ちなどない」といい、相手にしてくれない片思い。
  • 彼の部屋に行ったことはいまだかつてない。会うのはいつも私の部屋。
  • 好きになった彼、実は複数女性と関係を持っていた。
  • 彼は既婚者。私も割り切っていたつもりだけど、今はもう割り切れそうもない。
  • 彼の影に他の女性の影が見え隠れする。彼は「そんなことはない」というけれど間違いない。
  • 超年齢差のある恋愛。彼は若すぎてそれだけで気が引ける。
  • 彼はモテる。他の女性が彼に好意を寄せていることは分かるから怖い。

さまざまな「辛い恋愛」「切ない恋愛」に立ち向かう「愛深き忍耐女子」のご相談。

そのご相談内容は人それぞれに違いがあり、「これで解決!」といったテンプレート的なものは一つもありません。

が、「辛い恋愛に悩む忍耐女子」にはある共通した心理的背景があるものです。

多くの忍耐女子のみなさんは

「私も彼も安心できて、愛し愛され、親密感を感じられる関係が欲しい」

ただただそう願っておられる方がほとんどです。

だから、私の思いを理解しない男性の行動は特に不可解なものになるでしょう。

どうして彼はこのような行動に走るのか、全く理解できなくなってしまうわけですよね。

ただ、この話を別の視点で見つめると・・・

今の彼との関係は

「彼も私も安心できず、愛し愛されることができず、親密感を感じられない」

このように考えることもできるわけです。

まさに「苦労しないと報われない」という考え方のあらわれ、なのですよね。

私の苦労によって幸せは手に入るのだと、その深層心理で信じている(観念)ので、ついつい無意識的に苦労を選んでしまうのです。

「そんなことがありえるの?」という疑問はごもっともなのですが、

ここに気づいていないと、なんだかスッキリしない恋愛に身を投じることにもなりかねません。

少なくとも僕はそう考えているので

「クライエントさま(忍耐女性さん)が、苦労せず幸せになれると心から理解していただけるように」

その視点でカウンセリングをご提供しています。

いわば、「幸せになるために苦労するというパターン」を変化させるために、心理的な問題を解決していくご提案をさせていただいているのですね。

なにも「あなたがダメだから問題を解決しましょう」なんてご提案をしているわけではないのです。

繰り返しになりますが、それこそ「苦労しないと幸せになれない」という発想そのものですよね。

力感を求めて苦労を手にする忍耐女子

「自分に問題があるから、幸せになれない」

この考え方、僕は誤解以外のなにものでもない、と思っています。

確かに話の筋は通っています。問題があるからうまくいかない、という意味では。

ただし、そもそも考え方として簡単に浮かびすぎるとは思いませんか?

ぶっちゃけこれは誰でも言える話で

この考えを使えば「本来存在している内面的な細かな事情」を全て無視して自分が納得しそうな答えが出せるのです。

実はこういった簡単に思いつくアイデアほど、ココロの本質的な問題をごまかすために存在している事が多いものなんですよ。

思考は感情をブロックするものでもありますからね。

だからこそ、僕はこう考えることをおすすめしています。

「なぜ自分に困難や苦労という問題がなければ幸せを実感できないと思いこんでいるのか」

自らに癒やしをもたらす考え方の代表例

「私はなぜそう感じるのか」という視点で見つめていくと、この先に進めます。

すると、ある一つの視点が浮かび上がってきます。

「苦労は確かに『力感』をもたらすもの」

力感とは「力がこもっている感覚」のこと。

無力感(自分にはその力がない)の対極にあるものです。

困難を乗り越えて幸せになるストーリーには、力がこもっている感覚があるものですよね。

この力感を求めている人ほど、苦労しないと・・・とつい考えてしまうパターンを持っています。

深層心理で無力感が強まっているがゆえに、力感を求め、逆境を選ぶということなんです。

しかしもしそう考えるなら

今、幸せで満たされていて、力感を感じながら生きていること自体が矛盾となります

だからいくら自己肯定をしてもなぜか自信が感じられなかったり、心に平穏が訪れないといった状態が起きる。

自ら「幸せを実感できず、無力感を感じている状態」を選び、それにふさわしい現実を自分で引き寄せていくわけですね。

そこで登場するのが、なかなか向き合ってくれない彼です。

多くのクライエントさま(忍耐女子)はこう思っているのです。

「なんで私だけこんな苦労する恋愛ばかり・・・」と。

もう大変な恋愛はしたくないと願っておられるのですよね。

しかし、苦労の結果手に入る「力感」を手放すこともまた苦しいのです。

愛し甲斐のある彼には、この力感を求める気持ちが強く働くものなのです。

力感がない感覚、どこか「無力な私」と感じることがとてもつらいからです。

だから力感を求めて何度も彼にチャレンジします。彼の心の扉を開くために。

ただ、そのプロセスでは充実感、愛されている感が薄いので、ただただ切なさを抱えることにもるながります。

ここでのポイントは「無力感」。

何かしらの理由があって「無力感」を感じているだけなのです。

決してあなたは無力でもないし、意味のない存在ではありません。

あなたが、力感を求めすぎる恋愛、その背景にあるであろう「無力感を癒やす」ことができれば

自分らしく苦労せず、自分のリズムで恋愛ができるようになるのです。

 

親子関係の無力感を癒やす

ある女性がカウンセリングルームにお越しくださいました。

好きになった彼が向き合ってくれない。どうにか振り向かせたい。

しかし、彼はまだ若く、年上である私も自信がない。

会社の同僚でもある彼との関係も悪化させたくはないが、彼を思う気持ちが止まらなくて苦しい。

なんとか今の状態を解決したい。

いわば、気になる彼を振り向かせたいというご相談でした。

もちろんじっくりお話を伺い、僕から男性心理解説や彼との関わり方などのアドバイスをたくさんさせていただきました。

それでいい関係になってくれれば、という願いを込めて。

しかし彼女の状態はあまり変わらなかったのです。

彼に近づいても拒絶されたら辛い。そんな思いもあったのでしょう。

だから彼女は

「彼を思う気持ちが溢れてバズーカ砲をぶっ放したくてたまらない」
「彼のためだったら何でもできるわ」

そんな気持ちが強まり、会うたびに彼を急襲しようかぐらいの気持ちになっていったそうです。

その気持ちを抑えることが苦しい、ともおっしゃってくださいました。

この話「ただのロマンス(恋愛感情)の話ではない」のです。

そもそも相手を思う気持ち自体は、ここまで強く彼女の気持ちを圧迫するものではないからです。

純粋に相手を思う気持ちは、相手の事情を理解し、包み込むだけの慈愛に満ち溢れていますからね。

もちろんそのバズーカ砲も彼への攻撃なのではなく、彼への想いなのでしょう。

ただもし、彼女が力感を求め「バズーカ砲」を用意しているなら、これは別の心理が働いていると考えるのが妥当なんです。

ほうっておくと本当に思い余ってぶっ放すことになる・・・。

こうなると関係がさらに気まずくなったり、場合によってはダメになってしまう可能性を秘めていたんですね。

そこで、彼女の深層心理の影響を知るために、彼女の過去・バックボーンについて深くお話を伺わせていただいたのです。

詳しい内容は省略しますが

彼女のご両親はとても苦労され、彼女もその苦労を見て育った、というお話をしてくださいました。

彼女のご両親が苦労を抱え生きている姿を見て、彼女もまた誰にも迷惑をかけずに生きる、自立した生き方をされていたのです。

彼女はどこかで「ご両親との関係性」に大きな距離を感じていたのですね。

実家に帰るときも、なんだか両親に気を使うことが多かったと語ってくださっていましたしね。

これ、まさに無力感の話なんです。

親が苦労している姿を見て、無力感を抱える子供は多いのです。

もちろん子供が親を愛しているからです。

彼女が「誰にも迷惑をかけないように生きた」動機には、自分が両親に迷惑をかけたくない、迷惑で無力な存在だと感じたくない、という気持ちが存在したのです。

そして、彼女が抱えていた両親に対する無力感は、長い間解放されることはなかった。

そんな彼女は「困っている人を放っておけない人」になりました。

どこか「自分だけ一人ぼっち感」を抱えている人を放っておけないのです。

その延長線上に「気になる彼」がいたのです。

彼は男性ですから、どこか孤独を抱えています。仕事のやり方も一人、なんですね。

そんな彼はまだ若く、未成熟な部分があり、仕事面でも彼女がサポートしないとならない場面がいくつかあったそう。

その彼と仕事上触れ合ううちに、強く彼を男性として意識するようになったわけですね。

だから彼女は好意を寄せる彼の役に立ちたいと願うようになる。

しかし、彼はまだ若く自立した男性ですから、彼女の思いを拒絶するように彼女から距離を取るなるようになるわけです。

彼女は純粋に彼を思う気持ちを感じながら

彼の役に立つことで、どこか長い間抱えてきた無力感を解放したかったのかもしれません。

しかし、彼は彼女の思いを受け取らない。

この彼の行動が「彼女の無力感」を更に刺激してしまったわけです。

親密な人、愛する人のために何もできない・・・というね。

彼女が彼と向き合うと「日常では感じない嫌な気分(無力感)」を感じることになる。

その結果、「バズーカ砲」のスイッチをオンにしてしまった、という話です。

「そりゃ・・・もうとまりませんよね、その思い」

僕も素直にそう感じたことを覚えていますよ。

そこでの僕の提案は「家族との関係を癒やす」

とくに「両親を思うがゆえに抱えた無力感を癒やす」です。

簡単なことから、心理療法(セラピー)までをご提供させていただきました。

私達にとっての「両親との関係性」は「自己価値」に深く関わっているもの。

ここを改善し、「私が両親の苦労を見たからといって無力感を感じる必要はない」と彼女に心と意識両面で理解していただくようなサポートをさせていただいたわけです。

すると、どうでしょう。

彼女は一切バズーカ砲をぶっ放す気にならなくなり、今は穏やかに彼と向き合っているではありませんか。

「彼のことは彼のもの。

それはそれと見守り、焦ることなく今まで以上にいい関係で接することができるようになった。」

そうおっしゃってくださいました。

そんな彼との関係は、以前よりも良い関係で頻繁に連絡をとりあうような状態になったのです。

今は「純粋に彼が好き」とおっしゃる彼女の姿を見て

僕自身も「力感を求めて苦労する」って、恋愛感情の影響ではないのだなと改めて再認識したのです。

だから僕は恋愛・夫婦カウンセリングの中で

「あなたが苦労(無力感から力感を求める強い動機)を手放せば、幸せになりますよ」

とお伝えしています。

何もあなただけが必死こいて愛することだけが幸せになる方法じゃないですよ、と。

その結果、手に入るのが「充実感」です。

力感ではなく、満たされた気持ちですね。

そもそも誰も「大切な人に苦労して愛して欲しい」と思う人は殆どいないもの。

相手の立場になってみれば、あなたの苦労には頭が下がるけれど、純粋に喜べるだろうか・・・

もしかすると彼が充実感を失い、無力感を感じる状態にはなっていないだろうか?

そんな視点を持ってみてもいいのでしょうね。

そもそも自分が力感を求めて苦労することもまた妙な話なのです。

まず自分自身がの心を整える。しっかり心を見つめて癒やすことをおすすめしたい。

そう思う今日このごろです。

それだけでちゃんといい結果が出るケースも意外と多いのですよ。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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