恋愛と男性心理

否認系男子の落とし方について考えてみる

【浅野先生への質問です】

浅野先生、こんにちは。
去年の冬、浅野先生のカウンセリングを受けたものです。
あの時は彼氏のことで頭がいっぱいになっており、藁にもすがる思いでカウンセリングを受けに行きました。

カウンセリング直後は「人前で泣いてしまって恥ずかしい」という気持ちでいっぱいでしたが、しばらくしてから「彼氏も大事だけど、まずは自分のことを大切にしよう。休もう」という気持ちになりました。
しばらく休むと、彼氏との関係も以前より前向きに考えられるようになり、時には仕事が楽しくて、彼氏より夢中になることも(笑)。

先生には感謝しかないです。
ありがとうございます。

今回はお礼を伝えたくて、メールを送りましたが、最近少し悩んでいることがあるので、もしよかったらブログのネタにしていただければと思います。

私の彼氏は、めちゃくちゃ自立系です。
最近、彼は仕事のストレスで不眠症気味なのですが、その時でさえ「あなたに助けてもらおうとは思っていない。そんなこと求めていない。別にあなたのことは特別じゃない」なんて言うぐらい、人に頼らないタイプです(そのわりに寂しがり屋)

結婚や子どもに対して多少の憧れはあるものの、自分の中に「夫」、「父」の理想像があるらしく、自分がその理想像になる自信がなくて、結婚には踏み切れないようです。

人を突き放すような言動が多く、不安定な彼氏ですが、私の中では「あ、なるほどなるほど。本当は寂しがり屋だけど自信がないんだ!」、「色々と理屈を言ってるけど、不安な気持ちを隠しているのかな?」、「私のこと好きなくせに」と脳内で勝手に思っています(笑)。

そんな彼氏と私ですが、私は彼と結婚して、次のステージに進みたいです。
でも、彼はなかなか結婚に踏み切れないようで、もどかしいです。

なので、最近では勝手に「私はあなたと結婚する」と決めて行動しています。

例えば、防災グッズを買ってきて「これでこれからもあなたの命は私が守ります」と宣言したり、彼が「転勤するかもしれない」という話をしてきた時に「私もついてく!2人だったら違う土地に行っても楽しいよね」と話したり、将来の貯金を始めたり、老夫婦を見かけた時に彼に「あれ将来の私たちの姿」と言ったり……文章にしてみると、やばい女ですね(笑)

その度に彼は「無理」、「どんどん気持ち悪い女になるよね」、「頭おかしい」なんて言うけど「あっそ」って感じです(たまに彼を焦らせたくて、落ち込んだフリをする時もあります)

なんとなくですが、少しずつ彼の心も開いてきたような気もするのですが、この方法って自立系の男性に有効なんでしょうか?
「ちょっと押しすぎ?もっと引いたほうが(駆け引きしたほうが)いいのかな??」なんて思う時もたまーにあります。

もしよろしければ、自立系男性の落とし方、教えてください……!
よろしくお願いいたします。

ネタ募集ネーム:mikiさん

mikiさん、ネタのご協力ありがとうございます〜。おまたせしました。

カウンセリングをご利用いただきありがとうございました。少しでもお気持ちが落ち着かれていたり、楽な気分になられていたならよかったです。

あと、mikiさんがおっしゃる通りですよ。「自分自身以上に大切なもの」はありませんよね。だから「ちゃんと休む」って大切なことですよね。それは仕事でも恋愛でも同じじゃないでしょうか。

 

さて、ご質問拝見しました。

なるほど。今回のご質問は「自立男子の落とし方」なんですねー。

まぁ僕としては、カッチカチの自立系男子と関係を続けることができている時点で、mikiさんが素晴らしい女性だ!と思ってしまうわけですけども。

ちなみに、最近このカッチカチの自立系男子を形容するなら「否認系男子」という言葉がしっくりくるよな〜と思っているところです。

自分のことも、人の愛も否認を続ける、でしょ?

もちろん自分の非も、痛みも、罪悪感も否認しちゃうわけですけど。

それぐらい一人で生きることが当たり前になっているといいますか、弱さを受け入れられないといいますか。

自立の先の生き方(人とつながって生きる)が選べないままなのかもしれませんね。それがいいかどうか別にしてですよ。

そんなあなたの参考になればと思い、自立系男子、もとい、今日から「否認系男子」と呼ぶ男性との向き合い方について考えてみます。

ちなみに今日は否認系男子の特徴を書くので、若干男性を落としているかのような表現を使いますけれど、その表現はわかりやすさを醸し出す演出であって、その方や、その方を好きになっている女性の気持ちを否定したいわけではありませんよ。

念の為お伝えしておきますね。

では、よろしければどうぞ。

 

否認系男子は疑問形にめっぽう弱い

さて、自立男子とも否認系男子とも呼べる男性ですけどね。

まぁ基本的にカッチカチな自立男性は「ビビり」「不安が強い」「できることにはチャレンジするが自信がないことには興味を示さない」という防衛的なライフスタイルが特徴ですね。

その割に誰の力も借りようとしないので、幸せになる、誰かとともに生きる面での進捗状況が著しく停滞する、というもの特徴の一つでしょうか。

同時に、どこかビジネスなどでは行動力を示すので、男っぽさもあり、その匂いに惹かれる人や、彼が強い人だと思って付き合ってみたら、実は裏側がすっかすかだったり、そこがどうしようもなくかわいく思えて、愛でていたいなんて思われる方もいるとかいないとか。

そして、この手の男性はとかく「疑問形」に滅法弱いんです。

いわば「どう思う?」という質問に弱い。

疑問を投げかけられれば「そんなのそっちで考えて!」と瞬間的に反応してしまう人が少なくないのです。

なぜならば「自分がどう思うか」という気持ちに自信がないために「否認」を使っているからです。

だから、一般的に言われる恋愛テクニック「簡単な疑問形を投げかけて相手に答えさせろ」が使いづらいのです。(恋愛初期は除く)

例えば、「ねぇねぇ、今日いいい天気だから出かけない?」なんて聞いた日には「ない」「めんどくさい」「行きたいのは君だろ」なんて反応が返ってくる可能性が極めて高いのです。

ちょー愛しにくい態度ですけどねぇ(^^;

基本、ビビリさんや自信がない人は「他人から何かしらの判断を求められることを『干渉』と理解する」ので、疑問を投げかけると否認や無反応で返されることが多いのです。

もちろんそんなことをパートナーに心から伝えたいと思っている男性も少ないのでしょうが、なんせ否認系男子は「聞かれたことにちゃんと答えないといけないことがストレス」と思うほどに、自分を知られることや自己表現を怖がっているのでそうなってしまうわけですな。

否認系男子は「引き下げマスター」である

また、否認系男子の特徴として、年季の入った「引き下げ心理の使い手」であるという側面があるのです。

引き下げの心理とは「自分の変化を起こさず、相手の価値を引き下げることで、対等さや安心感を得、不安から逃れたい」というパターンを見せるものです。

だから、否認系男子はあまり人を褒めません。よほど特別な人、尊敬できる人でない限り褒めません。

普段から他人の価値を下げるまでいかなくても、「それってなんかおかしくない?」なんて相手の内面に突き刺さる事を平気で言います。

自分はそう言われたくない割に、人には平気で言う。

それが否認系男子の生き方です。

実は、多くの否認系男子は、その内心で人の価値を感じているし、きっかけがあれば相手を承認したいとも願っている人もいるのですが、いかんせんそれに慣れてなーい!のです。

言ってしまえば、人の価値を認めると感じる「喜び」の感覚を受け入れることが苦手で、恥ずかしいのです。若干、痛みや自意識が過剰な場合は「人の凄さを感じて凹む、嫉妬する」のです。

だから、反骨精神だけは旺盛で、常に人の価値観の逆を目指している人も少なくないのです。人によっては「なんかオレ、イイコトしてる、彼女に好きとか言っちゃってる、だせぇな」みたいな思春期的発想を持つのも特徴です。

いい自分でいるとダサい、愛を選択するなんてダサい、って価値観を否定するつもりはないですけど、人を大切にしたり、愛を選択したり、貢献に意味を感じられなかったり、人を認めたり褒めることができないって事実は「親密感の作り方や人とのつながり方が下手」ってことでもあるのです。

言い換えれば「人とつながるとき、相手の理解に依存するしかない」ってことでもあるのです。だから、「信頼無きいじり」「否定的な言葉」でしか人と繋がれないなんて特徴もあります。

だから、実際のところ、ガッチガチにガードを固めて正論で武装することができるけれど、自ら人を慈しみ、愛し、与えることによって自尊感情を高めることが難しいわけです。

自分は誰かの喜びであって、誰かの希望や生きがいになれる(セルフラブという意味での自己愛)という感覚もなかなか得られないようにもなる。

だから、自力のみを信頼し頑張るしかないという自立的な生き方を選ばざるを得なくなり、その先がよくわからなくなる。

これが否認系男子だけでなく、自立が強い人の弱点(欠点じゃなくね)です。

ま、大きなお世話かもしれないけど、例えば「好きなのに好きって言えない」って事実は、自分の感情を受容する力が弱いってことなので、打たれ弱さを示すわけですよ。

だから否認系男子にちょっときっついことを言うと、超絶根に持たれたり、ベッコリ凹んだままでどっかにいっちゃう、なんてことも起きるんですね。

否認系男子の本音はどこにある?

そんな否認系男子の本音は「どうすれば上手に彼女とつながれるかわからないし、それが不安だ」です。

言い換えるなら、「どうすればパートナーといい関係になるのか」がいまいちピンと来ていないのです。

だから武装を強めてガッチガチに強い男になろうとする人が多いのです。

もちろん、ガッチガチに武装したところで「わーあなたの鎧ってカッチカチね♡」なんておっしゃる女性は少なくて、だから好かれるわけでもないのですが(逆にめんどくさいと思われてしまうことも少なくないかも?)「どうすりゃ愛されるのさ」という部分がよくわかっていない、なんてタイプの男性も少なからず存在するものでしょう。

これは親密感の怖れから生じる観念なのですよね。

僕たちが大切な人とつながろうとするとき、いわゆる「一線」を超えるかどうかを選択する場面と出会うわけですよ。

いわば「転機」「変化の時」「決断の時」と呼ばれるものです。

例えば、これ以上好きになったらもう戻れない、とか、これ以上関係が進んだら今の自分のままではいられない、とか。

だから、今の自分では不十分だとか、理想の自分になれそうにないからといった理由で、転機をペンディングしたり、決断しない理由ばかりに固執するのです。(だからといってダメってことではないのですよ)

ただ、どこか変化やそれに伴うリスクを負ってでも「愛する人と生きる!」と肚をくくれるのは、どうやら女性の方が多いようで(^^;

否認系男子に限らず、なかなか恋愛関係を前に進めたがらない人は「肚をくくる」って感覚がよくわからないまま、どうすりゃいいのさ?と戸惑っていることも少なくないようですよ。

要は「愛すると決める」という感覚がよくわからないって感じなんでしょうね。

自分一人で生きてきた時間がながければ「(犠牲ではなく)誰かのために生きる」という感覚からも離れているでしょうからね。

もうちょっと難しい表現を使えば「自分が自分であるという感覚」が一度ぶっ壊れて、「愛する人と共に生きる自分」へのトランスフォーメーション(変容)が怖いってことです。

このとき、自立が強い人ほど「ガタガタ震えるレベルの怖れ」を感じるので(無意識的にね)つい今の自分にしがみついてしまうとも言えるのです。

だから、自立系男子、否認系男子との未来を描くなら、こちらから「幸せやつながりのリーダーっシップを取る」ことが求められるケースが少なくないんですよねー。

 

そんな男性との向き合い方と注意点

なので、最近では勝手に「私はあなたと結婚する」と決めて行動しています。

例えば、防災グッズを買ってきて「これでこれからもあなたの命は私が守ります」と宣言したり、彼が「転勤するかもしれない」という話をしてきた時に「私もついてく!2人だったら違う土地に行っても楽しいよね」と話したり、将来の貯金を始めたり、老夫婦を見かけた時に彼に「あれ将来の私たちの姿」と言ったり……文章にしてみると、やばい女ですね(笑)

その度に彼は「無理」、「どんどん気持ち悪い女になるよね」、「頭おかしい」なんて言うけど「あっそ」って感じです(たまに彼を焦らせたくて、落ち込んだフリをする時もあります)

地に足をつけて本音を伝えていこう

まぁ、文章にするとやばく感じるかもしれませんけど、やばくないですよ。

これがただの妄想ならヤバい話になるのかもしれませんが、この話はmikiさんの意思表示でもあるので、僕はいいと感じています。(僕があなたとお話させていただいたことがあるという前提があっての話ですけどね。)

むしろ本音を伝えておられるし、ちゃんと「アイメッセージ(私はこう思う)」として伝えているのでいいと思います。妙な疑問形で投げかけていないし、相手にいいイメージを伝えているとも思いますよ。

だから、さすが彼も否認系男子の本領発揮?で、「無理」「どんどん気持ち悪い女になるよね」などの言葉を連発するでしょうなぁ・・・。

しかも「気持ち悪い」って表現がポイントで、これが恐れを示すのですよ、彼の。

愛されることが気持ち悪いと感じるコト自体、なんだか妙でしょ?

ただ、あまりに直球ばかり投げると相手も怖がり戸惑うので、緩急はつけたいところかもしれませんけどね。

また、このタイプの男性には「本音をライトに話すこと」「好意を伝えること」「伝えた物事の真意を説明すること」は欠かせませんね。

すぐ誤解するし、自分の解釈で判断するのでね。

だからといって、いちいち一生懸命気を使うのではなくて、「ガチで愛していい」けれど、不安や怖れにぶん回されないようにしておくことがポイントですよ。

敵はシリアスさ(深刻さ)です。シリアスな感覚を醸し出せば出すほど、軽やかさ、楽しさ、喜びの要素が消えてしまいますからね。

だから、自分の気持ちやあり方を取り戻して、地に足をつけて向き合うことが重要です。

 

執着や復讐心には気をつけよう

きっとmikiさんはもう落ち着かれて大丈夫のようなんですけれど、いわゆる執着や、気づきづらい復讐心「相手が私の愛を受け取るべきで、改心するべきだ」といった気持ちが出てくるなら、それは要注意のサインなのですよ。

それは愛じゃなく怒りや恨みだから。

そもそも愛から「受け取らせる」なんて発想は生まれません。

愛を与えることができているときには、自分なりに与えるだけ与えて、相手がどうするかまで尊重できるものなのです。

だから「ねぇ、どう思うの?」と相手の気持ちばかり気にする発想自体が出てこないんです。

逆に言えば、男性が本当に自信を感じているならば、女性に「あなたはどう思ってるの?」という質問自体をさせるような状況を作ることはありません。

自信を感じられていないからこそ、相手に考えさせ、相手を困らせるような言動をとってしまうということなのです。

それこそが否認系男子の持つ抑圧された(過去の)恨みや怒り、ハートブレイクなのですよ。だから愛しにくい態度ばかり取るわけです。

ただ厄介なことに、僕たちは怒りや恨みを持っているとき「その目的達成に向けて情熱的になる」なんて側面があるんです。どこか脳が快感を覚えるなんて話もあるぐらい。

だから「あなたはどう思ってるの?」と問い詰めたくなるし、その答えがもらえないことで、更に相手に答えさせたくなるものなのです。いわば、自分の考えを貫き、相手の態度を正したくなるんですね。

 

そんなときは、かなり前のめった気持ちをセーブするために、自分と向き合う時かもしれませんねー。

そもそも執着や復讐心にあふれている時って、自分が不安に飲まれているときや、既にハートが傷ついているときでもあるんです。

「ハートブレイクしている人はハートブレイカーになる」の法則から、自分が無理をしてもいい結果は出ないし、無理をするから関係がこじれることも少なくないんです。

だから、今までの自分を肯定的に見つめたり、好きという感情の価値を大切にしたり、自分なりに頑張ってきたことを受け止めることで、心の余裕を作りたいところです。

そのまま首を突っ込んでバトルモードに突入することだけは避けたいですねぇ。こうなると本音でぶつかっているのではなく、お互いに相手をコントロールしたくなっているということなのでね。

 

自己拡大欲求を刺激してみる手もあり

あと、これはちょっとグレーな手段に思えるかもしれませんが(笑)、彼の変化を若干強調してみる方法がありますよ。

mikiさんは「なんとなくですが、少しずつ彼の心も開いてきたような気もするのですが」って書いてくださってありますよね?

この彼の変化を会話の中でフィードバックしてみるんです。

例えば、「なんだか最近雰囲気や表情が変わったよね、柔かくなったね」とか。

「昔はあなたの言葉って棘しかなかったけど、最近は変わってきたと思うよ」とか。

まぁ私と付き合った前と後、ビフォーアフターを、私の意見として相手に見せるイメージです。

ま、若干演出が入りつつも、でもまぁ嘘ではないって方法ですね(^^;

実はこれ、心理学でいう「自己拡大欲求」が関係しているんです。

自己拡大欲求とは「自分が知らない自分を見つけたいという欲求」のこと。

人は自分が知らない一面を示してくれる人に対して好感を持ち、心を開きやすいのです。

例えば、自分は何もできないと悩んでいるときに、落とした肩をぽんと叩いて「お前は大器晩成タイプだから大丈夫」なんて言われたり。

あまりおしゃれに自信がないと思っているときに「これ、センスいいね」と褒められたり。

どこか「自分では気づいていない自分に気づかせてくれる人」に、好感を持つのです。

まぁ、否認系男子はそれをも拒む可能性大ですけど、内心では喜びがジワっているはずなのですよ。

 

だからこそ、いくら相手に好かれたくとも、全くの嘘を伝えてはいけませんよ〜。

彼の変化を感じていないのに「変わったよね」と伝えても、後で後悔するだけですよ。それは不誠実さでもあり、自分を見て欲しいと思っているだけに過ぎませんから、結果的に相手が喜んでも自分が喜べないという罠にハマります。

だから、「私が変化を感じた」という根拠は必要です。それぐらい普段から相手のことは見ておく必要があるってことですな。

ただ、少しでも変化を感じるならそれを膨らませて伝えてみるのも手ですよ。

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