親密さを否認するタイプの心のしくみ| 近づきたいのに近づかない人の内面で起きていること
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、恋愛や夫婦関係のご相談でわりと見かける、
「親密さを否認するタイプ」について、整理してみます。
こういう人、いますよね。
- 別に冷たいわけではない
- むしろ優しいときもある
- なのに、近づくとスッ…と引く
- 大事な話になるほど、急にめんどくさそうな顔をする
付き合っている側からすると、けっこう振り回されます。
「好きなの?好きじゃないの?」って、混乱してしまう感じ。
そこで、今日は“親密さを否定するタイプの人の内面で何が起きているのか”を、あくまで傾向として眺めてみます。
Index
「親密さを否認するタイプ」って、どんな状態?
ここで言う「否認」は、診断名みたいな話ではなく、
親密さが立ち上がる場面で、気持ちを引っ込める・薄くする・なかったことにするような反応のことです。
たとえば、こんな感じ。
- 「別に特別じゃない」
- 「頼らなくていい」
- 「そういうの求めてない」
- 「今それ話す?」(急に現実的になる)
- 将来の話になると、黙る・茶化す・話を終わらせる
関係自体は続いている。
でも、距離が縮まると、どこかでブレーキが踏まれる。
そして、このタイプに惹かれやすい相手(特に真面目で誠実な人)は、
「私の伝え方が悪いのかな」に入りやすい。
ここが、地味に消耗ポイントになります。
近づきたいのに近づかない。内面では何が起きているのか
ここからが本題です。
親密さを否認するタイプの内側では、ざっくり言うと
「近づきたい」と「近づくのが怖い」が同時に立ち上がっていることがあります。
ポイントは、「好きじゃない」じゃなくて、
好き(大事)だからこそ、反応がややこしくなる可能性がある、というところ。
もう少し分解すると、こういうテーマが絡みやすいです。
1) 親密さ=安心、だけじゃなく「負荷」でもある
親密になると、当然ですが “関係が続く前提” が出てきます。
続く前提が出てくると、
- 期待に応えないといけない
- ちゃんとしないといけない
- 傷つけたら終わるかもしれない
みたいな緊張が上がることがあります。
本人の中では、これが「責任」として感じられることもあれば、
ただの「重さ」として感じられることもあります。
2) “理想像”が強いほど、現実の自分がバレるのが怖い
「夫」「父」「ちゃんとした男」「ちゃんとした彼氏」みたいな理想像が強い人ほど、
そこに届いていない自分を見られるのがしんどくなることがあります。
だから、関係が深くなるほど、
あえて距離を取って “判定の場” を避けたくなる。
(これは意識的というより、反射に近い場合もあります。)
3) 近づくほど、自分の弱さが露出する
親密さって、嬉しいんですけど、同時に弱さも露出します。
頼る・甘える・委ねる・不安を見せる。
ここが苦手な人は、親密さが始まった瞬間に、
「否認」で帳尻を合わせにいくことがあります。
たとえば、
「別に」
「大丈夫」
「そういうのじゃない」
で終わらせる。
…分かりにくいですけど、あれ、守ってるんですよね。
恋愛・夫婦関係で起きやすい“すれ違い”
このタイプが関係の中にいると、起きやすいことがあります。
1) “温度差”が常に残る
相手は普通に進めたい。
でも本人は、一定以上の温度になると、急に冷却する。
結果として、どこかでずっと「片想いっぽい空気」が残ります。
2) 大事な話ほど、関係が不安定になる
結婚、同棲、将来、子ども、お金、家族…。
話せばいいのに、話せない。
話せないから、相手が不安になる。
不安になると、相手が追う。
追われると、本人が引く。
このループが、わりと綺麗に完成します。
3) パートナーが「私のやり方次第」に入りやすい
誠実な人ほど、関係を壊したくないから、工夫します。
伝え方を変える。
タイミングを選ぶ。
負担を減らす。
それ自体は自然なんですが、
どこかで「関係の責任を一人で背負う位置」に入りやすいんですよね。
じゃあ、どうしたらいい?
大事なのは、
こちらが「どの位置から関係を見ているか」です。
具体的には、こんな問いが残るかもしれません。
- 私は、この関係で「待つ側」に固定されていないか
- 私は、相手の不安の処理役になっていないか
- 相手が否認するたびに、私が自分を小さくしていないか
- この関係で、私は何を守りたいのか(尊厳・安心・未来)
相手の内面を理解することと、
相手の内面のために自分を削ることは、似ているけど別物です。
ここが混ざってくると、どこかしら苦しくなっていきます。
最後に
親密さを否認するタイプは、
「近づきたいのに近づけない」という矛盾を抱えていることがあります。
だから、関係は続くのに、安心が育ちにくい。
好きなのに、進まない。
もしあなたが今、
「私のやり方次第でなんとかなるのかな」
に入りかけているなら、
いったん、そこだけ立ち止まって眺めてみてください。
“どう言えば伝わるか”の前に、
「私はこの関係で、どの位置に立っているのか」
ここが整うと、同じ言葉でも効き方が変わってきますよ。
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