恋愛の心理学

「好きな人には好かれない」という疑問の解き方

浅野先生への質問です。

いつも男性心理を学ばせていただいています。ありがとうございます。

私は昔から好きな人に好かれまいことが悩みです。でもそうではない人には言い寄られます。なぜこのようになるのでしょうか。好きな人に好かれたいです。

(匿名希望さん ※原文のまま掲載させていただきます。)

ネタ募集コーナーにご協力いただきありがとうございます!

今回いただいたご質問、これもよく伺うお話なので、今日は改めてまとめさせていただきますね。

それでは本題へ。

好きな人に好かれない理由は「好きな人に好かれてはマズイ」から

考え込む女性

先に結論だけ書いてしまいますね。

「好きな人に好かれない」という気持ちは「葛藤(コンフリクト)」のあらわれです。

葛藤(コンフリクト)とは、2つ以上の誘因が同程度の強さで存在するので行動を決定できない、という状態のこと。

例えば、あなたが「好きな人に好かれるメリットとデメリット」と「好きな人に好かれないメリットとデメリット」を同時に感じている状態だということなんです。(あえてメリット・デメリットという言葉を使っています。)

そして、今のあなたは「その中で最も避けたい状況を回避するための行動を選択している」結果、「好きな人に好かれないという気持ちを感じている」ということでもあります。

あなたにとって最も望ましい状態が「好きな人に好かれる」という状態であるにも関わらず、しかし今「好きな人に好かれない」という状態があるとしたら、これは「好きな人に好かれるデメリットを最も怖れている」と考えることが妥当ではないでしょうか。

なんだか理屈っぽくてすみません(^^;

そう考えると「好きな人に好かれない」という状態が示すものは、そのデメリットの部分にあるなにか、つまり「あなたの中に好きな人に好かれてはマズいと思う何かがある」と考えられるんです。

もちろん「今の私にとって」という条件が付きますけどね。

だから、実際に好きな人ができても好かれようとしないし、相手に積極的に関わろうとはしないことが多くなります。それがいいかどうかは別にしてね。

ただ、このように考えられる人は稀で、殆どの場合は「どうして好きな人にこっちを向いてもらえないのだろう?」と考えてしまうものなのかもしれませんね。

また別の見方をしてみましょう。

そもそも心の世界では「○○できない」という言葉は「○○したくない」と解釈する、という考え方があるんですよ。

だからこの「好きな人には好かれない」という言葉は「私は好きな人に好かれたくない」と解釈したほうがいいですし、「好きな人に好かれたくない」という気持ちに何らかの執着を見せている状態だとも言えるんです。

この話をさせていただくと「え?私は大好きな人に好かれたいんですよ」というお声をよく伺います。

が、これは願望の話ではないでしょうか。

例えば、あなたがこの週末、どこに行きたい?と考えた時

「そうだなぁ、モンサンミッシェルにでも行きたいよね」

が、これを実現するとなると、具体的な行動や費用が必要になりますね。

だから、行きたいけど時間もないし、今、旅行に回す費用が使えないから無理かぁ・・・と思っていれば、きっとあなたは旅行に出かけないかもしれません。

これは出かけないのが悪いということではなく、「あなたの中で旅行に出かけない理由が大きいので、旅行に行きたいけれど行かない選択をとっている」ということです。

これが「あなたの選択」なんですよね。

これと同じで、「好きな人に好かれない」は、あなたのココロの中に「好きな人に好かれたいけれど、好きな人に好かれてはいけない、我慢しないといけない」と思う理由がある、ということになります。

これがあなたの自己概念や、あなた自身が「好きな人と向き合ったときに陥ってしまう罠」を示しているんです。

だから「今の自分で自己表現をすると(自分から人を愛すると)、大切な人の気持ちが離れてしまうのではないか」ぐらいのそんな感覚を持ってしまう方も少なくないんです。

もちろんこの感覚こそ癒やされるべきものなのですけど、しかし実際に感じているとなると、あなたにとって「好きな人が脅威になりすぎてしまう」のですね。

そう思えば、そもそも好きな人はいるけれど、実際に関わったり関係を持たないほうがリスクが少ないと感じるようにならないでしょうか。

「好きな人に好かれない」という悩みは「私は私を上手に愛せない」とセットになっています

もしあながが「私自身も今の私をいいと思えない」としたら、「私ですら愛せない私がいるのに、他人が私を愛せるわけないよね」とつい感じてしまうのです。

これが「好きな人には好かれるはずがない」という意識につながることもあります。

ときには、

「あれだけ私を好きと言っていた元カレも、結局は私を愛さなかった」

「両親や家族ですら、私を愛してくれなかった、認めてくれなかった」

など、私以外の人との関係を使って、自分自身を疑うこともありますよね。

その結果、好かれるはずがないと思いこんでいる自分そのものを大好きな人に見せることが怖くなっちゃうわけです。

その結果「好きな人に近づけない」「片思いばかりで終わる」「自分らしくいられない」「いつもの私を表現できない」「いい子ちゃんを演じてしまう」といったことも起きますね。

つまり「好きな人に好かれない」という悩みは「私は私を上手に愛せない」とセットになっています。

そして、好きな人の気持ちをどうコンロールするかを考えるより、もっと自分にOKを出してあげることが求められるわけです。

あなたが思っているより、きっとあなたは素晴らしくて愛されるべき存在です。

そんな自分を実感できるように、普段から今の自分にマルをつけてあげることが大切なんですよね。

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「好きな人には好かれない」という疑問の解き方

そもそも「私は好きな人に好かれない」という考え方って、結構自分に手厳しい意見だと思いませんか?

「私は好きな人に好かれないって、神様どうなってんのよ?」みたいな、恋愛の神様へのクレームのように考えることもできますが、よくよく「好きな人に好かれない」という言葉を見つめてみると、どこか自分を疑っているような感じですよね。

つまり、「好きな人に好かれない」ということ自体「私は好きな人に好かれない、私ってどうなってるの?」という自分への批判なんですよね。

もし、あなたが「好きな人に好かれる自分になりたい」という考えが強いとしたら、少し視点を変えてみるといいですよ。

期待を手放して、大好きな人をどう喜ばせてあげようかと考えてみる

「好きな人に好かれるには?」より「大好きな人をどう喜ばせてあげようか」と考えていくほうがよっぽど楽だと思います。

これがうまくできるとすごく楽しいですしね。

僕たちは「好かれたい」と思っているときほど、「好かれる自信」も「相手に与えられるなにか」にも気付いていないことが多いんです。

だから「好かれる」でははく「好かれたい」という期待ばかりしてしまうんですが、この期待は「自分に対する期待はずれ感」が強くなればなるほど強まります。

その結果「相手には私の気持ちを理解してもらいたい」という期待も強めます。

だから、好きな人に分かってもらえないことで傷つくし、つい相手優先の受け身な恋愛スタイルをとってしまうんです。

でも、本当にあなたは「そんな期待はずれな存在なの?」こそが大切な視点ではないでしょうか。

全然期待はずれじゃないし、あなたにはあなたの素晴らしさがありますよねぇ、なんてお節介なことを考えるのが僕の考えでもあります。

ここでどれだけ「期待はずれな私」を受け止めたり、手放すことができるか、ってすごく大事なんですよね。

この「期待はずれ感」を手放せるほど、人は勝手に「好きな人をどう喜ばせようか」と意識するようになります。

いわば、本当の意味で「なりたい自分になろうとする」ようになるんですよ。

それぐらいもっと自分ってものを信頼してみてもいいのかもしれませんよね。

「大切な人のため」という気持ちをもっと認めよう

あなたには、あなたなりに大切な人を幸せにしてあげたいな、寄り添ってあげたいな、という気持ちがありませんか?

私がそばにいて彼のことを支えてあげたり、喜ばせてあげたいなという気持ち、ありますよね?

それがどれだけ素晴らしいもので、偉大なものかをぜひ知ろうと思ってみてください。

もちろんそれを知ろうとしても、なかなか実感できなかったり、受け止めきれないことのほうが多いですが、それでも知ろうとすることで、少しづつ認められるようになっていきますよ。

ここは慣れ・習慣がモノをいいます。

また、そもそも「好き」という気持ちはふわっと宙に浮くような軽い感覚を伴うものなので、ある程度「相手を実際に愛したり喜ばせる実感」を感じておくことで、どこか無力さや非力さを手放していけるものです。

だから、今の自分にできることからでいいので、「私はこんなふうに好きな人を愛せる」という意識・感覚を身に着けたり、実際にさまざまな人に関わって相手のためになにかしてあげるといいですよ。

「え、私が?相手を喜ばせる?自信ないなぁ。」

そう感じている度合いだけ、やはり愛することが怖くなるものです。

これはあなただけそう感じるのではなく、誰だって同じなのです。

ただ、自信がないだけで、相手を喜ばせたいという気持ちはきっとあるはずです。それが表現できないなにか事情があるのでしょう。

逆に、自信がないからといって立ち止まっていると「私から愛することが怖いから、好きになってもらいたい」という期待が生じるんです。

この期待は「相手に何かを期待する」という形になるので、常に期待通りに物事が進むわけではないところがしんどいところ。要は相手次第、相手の気持に振り回される恋愛スタイルにつながっていくんです。

だから、あなたがあなたをちゃんと評価し、地に足をつけて、自分は人を喜ばせられる存在だ、と感じていくことに意味が出てきます。

具体的には自分の良いところを認めていくことに加えて、「もし仮に私が私を評価していないのであれば、それはなぜだろう」「もし仮に、私が好きな人に悪影響を与えるかもしれないと考えているとしたら、それはなぜだろう」と考えてみてはどうでしょう。

どこか今の自分でも築いていない「自分が怖れていること、誤解していること」に気付き、手放すことはなりたい自分になるためにとても効果的な方法ですよ。

そもそも「私は好きな人に好かれるしかない。それぐらい自分は相手を喜ばせる自信がない」と感じているとしたら、それぐらい好きな人の喜びでありたいと願っているのはあなたですよね。

そんな自分が、今、この時点であなたの中に存在しているはずなんです。

そこを丁寧に拾い上げて、大切に扱って、自分の中で大きく育んていくこと。

それこそが「好きな人に好かれない」という悩みを解決していく最短ルートだと僕は考えます。

だから、あなたが誰か別の人間になろうとしなくてもいいですし、今のあなたのままでいいってことになるんです。

それぐらい私たちは自分に厳しく接し、自分を評価することを忘れているものなのかもしれませんね。

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