恋愛の心理学

好きな人の前で緊張しない私になる方法を考える

好きな人の前で緊張してしまって何もできない私

恥ずかしがって何も言わないようにしている女性

恋愛に関するご相談の中に「目の前に好きな人がいるとどうしてもうまく話せません・・・」というお話があります。

今度こそ好きな人に関わるぞ〜!と意気込んでも、実際に好きな人と向き合うと心臓がドキドキ・恥ずかしさマックス、頭が真っ白になってしまった。

でも、ガチでマジで真剣に好きなひとだから、ちゃんとアピールしたいし、関わりたいって思うんだけど、いつもうまく関われなくて撃沈・・・。

一人、家に帰って自己反省会を繰り返し続けています。

と、そんなお話を伺うこともあるんですよね。

でもこの話はある意味、理由と事情があることだよな、と僕は思うのです。

実際、好きな人を前にしてうまく話せない人の多くが、どうやら一時的に緊張状態となっているようなんです。実際のお話を伺うとそういった様子が伝わってくる事が少なくないんです。

人は緊張状態になると神経の伝達がうまくいかなくなることもあって、頭の中が真っ白になったり、普段通りの自分でいられなくなることがあるんですよね。

だから、事前に「今度は緊張しないように」と思っても、なかなかそれがうまくいかず。「またやっちゃった〜」「なんてことだ!」と後悔が募ってしまうこともあるだろうなぁ、と思うのです。

そこで今日は「どうして好きな人の前で緊張しすぎるのか」「どうしたら好きな人の前で緊張しないようになるのか」についていくつかの視点から考えてみたいと思います。

いつものコラムとは少し違う内容ですけれど、よろしければどうぞ。

 

好きな人の前で緊張してしまう心理と理由

さて、まずは「どうして好きな人の前で緊張してしまうのか」についていくつかの理由を列挙してみたいともいます。

この理由を知っておくとある程度の対処法が見えてくることもあって、理由がわからないまま緊張状態に陥ると更に困ってしまいますからね。

好きな人とどう関わるかのプラン・発想がない

自分が好きな人と関わりたいと考えた時、「相手にどう思われたいか」を考えている人はとても多いです。

そりゃ普通そう考えますよね、って僕も思うのですけどね。

ただ、事前に「相手にどんないい気分を与えたいか」「どんな風に関わって喜んだり楽しんでもらおうか」とまでは、なかなか考えられずにいる人もいらっしゃるのかもしれません。

実は「相手にどう思われたいか」ばかり考えている時ほど、自分から何もできないことが多いのです。なぜなら「相手がどう思うかどうか」自体は相手が決めることで、自分から決めることができず、手を出せなくなってしまうんですね。

一方、「自分がどのような気分を与えたいか」「どんな自分を表現したいか」は、自分の選択ですから、自らの意思で決められるわけですよね。

そう考えると、具体的に好きな人とどう関わるかのプランやその発想があるか・ないかの違いで、好きな人の前で緊張するかしないか、ある程度決まると考えていいと僕は思いますよ。

この場合の対策としては、具体的に「異性の心理について学ぶ」ことや、周囲の人に「相手の好みなどの情報」を仕入れておくなどの具体的な対策を講じておくことも重要ですね。

より、相手のことを知ろうとすることが大切といいますか(かといって付きまとうのは違いますが)。

僕が言うのもなんですが、何でもかんでも心のせいにしない姿勢も重要で、心理面、行動面、環境面、知識面などのバランスが重要なんですよ。どこかが欠けていてもバランスが悪いと言いますかね。

だから心理面もかなり今の自分に与えている影響が大きい要素ですが、実際に相手に関する情報、恋愛に関する知識や、相手と会う環境を整えることも重要なんです。

あとは、相手とあったら何を話すか、どんな話を聞き出したいか、などを考えておいてもいいですね。

とくに聞き上手になったほうがうまくいく場合が多いので(相手が何も話さない場合を除く)、聞き上手になる練習をしてみてもいいかもしれませんね。

自分が何を感じ、何を考えているかバレたくないと思っている

「自分が何を感じ、何を考えているかバレたくないと思っている」

これは僕は最も重要な「好きな人の前で緊張してしまう理由」と見ている要素です。

自分を隠しているから好きな人とうまく関われないし、話せないのです。

この要素を更に深く見つめていくと、いわばセクシャリティの問題、親密感への怖れについて触れていくことでもできるのですが、今日はそこまで突っ込まないようにして書きますね。

ただ、それぐらい重要な要素だからこそ、この要素について見つめずに、好きな人の前で自分を表現できるようになるかというと、なかなか難しいと僕は思うわけですね。

例えば、「好きな人に好意を伝えられなくて、すごく残念な気持ちになった」といった体験をお話しいただく皆さんからは「私にもっと自信があったら」「勇気があったら」といったお声を伺うことも稀ではありません。

確かに自信や勇気があればもっと積極的に自分の気持ちを伝え、好きな人に関われたのかもしれませんね。

が、もし自信や勇気をなかなか感じられないとしたら、自分自身が他の人に対して「自分が何を感じ、何を考えているか、バレたくないと思っている」と感じている可能性が高いかもしれませんよ。

言い換えるなら、自分の内面が外側に伝わってしまうことを怖れている可能性は否定できないかもしれません。

更に言い換えるなら「自分を隠す意識が強い」ってことです。

更に更に言い換えるなら「自分の影響力をかき消そうとしている」ってことです。相手に全く影響を与えず好きになってもらおうとしているようなもの、とも言えるでしょうか。

もちろん、こうなるにも事情がありますから、だから自分を責める必要はないと僕は思うのですよ。

が、自分の影響力を一切使わずに相手が恋に落ちるなんてことは、よほどのことがない限りないわけでして、やはり自分から良い影響力を使っていくことが基本になりますよね。

 

しかし、自分自身が「自分の影響力を発揮したり、自分の気持ちを伝えること自体を止めようとしている」ならば、どんな事が起こると思います?

おそらく「好きな人と関わらない」という選択を取る以外に、自分の内面を知られないようにする手立てはない、ってことになることが多いでしょう。

 

ただ、そんな自分の事情を無視して、「好きな人の前で緊張しないようになろう」「自分の気持ちを伝えられるようになりたい」と頑張っても、おそらく自分の気持ちを伝えようとすればするほど、強い緊張状態(怖れを感じている状態)になって、更に頭が真っ白、なんてことにもなりかねないと思うんです。

つまり、これは自信や勇気だけで語れるような問題じゃないのではないか、が、僕の考えです。(自信や勇気も大切な要素なんですけどね。)

そして、このような緊張状態(怖れ)が、もし「自分のことがバレてしまう不安」であるなら、自分自身がなぜそう感じるのかの理由について考えておく必要はあるのではないでしょうか。

ちなみに、実際のカウンセリングの中ではこの部分をかなり重視するわけして、具体的な対策は「自分はどうしてこんなに人にバレたくないと思っているのか」についてしっかり見つめていくことでしょうか。

具体的なセッションを使って、それに気づいていくプロセスはかなり有効かなーと思います。

その後で行動がついてくればいいですね。

ちなみに日常でできる具体的な対策で最も簡単なものは、「心からの気持ちいい挨拶を心かげること」でしょうか。

もちろんここでの挨拶は相手に向けた挨拶で、自分が嫌われないため、形式的なものではなく、「私は相手を見ていますよ」と笑顔で伝えることですね。

自分の気持がバレたくないと思う人ほど、つい自分の内面に意識を向けてしまいますから、何でも自分が傷つかないために行動してしまうことが少なくないようですしねー。

嫌われたくないという思いが強い

次は「嫌われたくない」という場合です。

まぁ世の中では嫌われる勇気なんて言葉がありますけれど、しかし恋愛レベルで「好きな人に積極的に嫌われたい」と思う人はあまりいないのではないでしょうか。

つまり、好きな人に嫌われたくないと思うことは、まぁ普通かなぁと僕は思うのです。

ただ、あまりに嫌われたくないという思いが強いと、完璧に傷つかないことばかりを考えたり、空想の中で自分が完全に愛されているようなイメージを持つしかなくて、リアルな恋愛の現場で起きるイレギュラーなできごと一つで、すごく心が揺さぶられてしまったり、傷ついてしまうことも起きるでしょう。

ぶっちゃけた話をすれば、恋愛の中で自分が傷ついてしまうリスクは完全になくすことはできないものです。どんな物事にもプラスとマイナスがあるように、恋愛も同じだということですね。

そこで、ただただ「嫌われたくない」という思いだけが強まりすぎると、なぜか傷つくと感じることが増えてしまうというわけです。

これは「些細なことで傷つく」という意味ではなく、恋愛におけるリスクを考えていないから、「そんなつもりはなかった」「こんな思いをするだなんて」と感じることが増える、という意味ですよ。

そこで「いかに傷つかないか」を考える人は少なくないのかもしれませんが、逆に「どうして私はこんなにも傷つく(と怖れている)のか」と考える人は稀なのかもしれませんね。

もし、あなたが好きな人の前で傷つくかもしれない、という恐れが強いなら、その理由は「嫌われたくない」という思いそのものでしょう。

「嫌われたくない」→「嫌われたらどうしよう」→「え、私って嫌われるんじゃないかな」→「私って嫌われる」

そう自分が思っているということです。

つまり「嫌われたくない」と感じているのは、「自分で自分を嫌っている部分が多すぎる」からなのです。

だから「自分が嫌われて傷つくことばかり想定してしまう」ことで、更に「嫌われたくない」と思い、また「自分を嫌う」というエンドレスループにハマってしまうわけです。

 

もちろんそう思うにも事情があるわけですから、それがいい悪いという話ではありませんよ。

今までの人生で人に嫌われてしんどい思いをしたことがあるなら、もう二度とあんな思いはしたくないと思うでしょうし、だから嫌われないように努力する人がいても不思議ではないわけです。

かつ、その努力を誰も否定なんてできないはずです。そんなに傷つくことばかり考えていたダメだよ、と誰も言えないだろうと僕は思うってことですよ。

むしろ、自分自身で「恐れの中でよく頑張ってきた」と伝えていい部分だと思うのです。

ただ、嫌われたくないと思う自分が意識しているのは「嫌われる理由や部分(が転じて、傷つかないための防御策)」であって、好かれる部分、強さや才能などを見ているわけじゃないってことが問題になるのです。

ここで考えておきたいことは、自分のネガディブな側面ばかり見ている理由を知り、手放し、自分の価値や素晴らしさもちゃんと受け止めておくことになります。

そもそも『好きな人の前で緊張するのは「それぐらい相手の素晴らしさや価値を見ているから』ということです。

しかし、相手にすごく価値があり、自分にはあまり価値がないと思えば、どうしたって怖れを感じてしまうものですよ。

この心のあり方をなんとか修正しておきたいところではありますよね。

また、相手の素晴らしさを見ること、愛してあげたいと思うことはとても素晴らしいことだという意識付けも大切です。

好きになることはいいことです。悪いことじゃありません。

ただ、相手を好きだと思い、近くにいたいと思うからこそ、「相手に好かれたい」とばかり思うと、超怖くなってド緊張し、いわば挙動不審になるんです。

その状態で、更に「自分から好きな人に関わっちゃいけない」「相手に影響を与えてはいけないと感じているとしたら、もうドドドド緊張してしまうわけですね。

それぐらい好きな人の前で感じる緊張(恐れ)と、「自分が自分をどう見ているのか」という自分の意識は密接に関連していると僕は思うわけでございます。

嫌われることより強烈な罪悪感とその癒やしについて

さて、もう少し視点を変えて、今度は罪悪感の話をしましょう。

私たちが「誰かに嫌われること」よりキツいと感じることは「何もしていない(できなかった)自分のままでいること」です。

私たちには自尊感情があって、「誰かの喜びになりたい」という気持ちを持っているからこそ、「好きな人のために何もできない・何もしなかった自分」というものをなかなか許すことができずにいるのです。

だから自分で自分についこんな風に語りかけちゃうわけですよ。

「このチキン野郎が!」とね(^^;

そこで、例えば「積極的になれなかったのは、相手のこと、そこまで好きじゃなかったからだよ」といった気持ちを見つめても、潜在意識下の「なにもしなかった」という罪悪感は消えてはくれないってところが罠なんです。(一時的には不安の消化剤になってくれますけどね)

「そんなに好きじゃなかった」と思ってみても、次に出会う好きな人に積極的に関われるか、というと、そうとは限らないかもしれませんよね?

むしろ、以前の失敗を引きずってより緊張してしまう可能性だってあり得るし、うまく関われない自分を責めてしまってより自信を失ってしまうかもしれませんよね。

そして、この「何もしなかった」罪悪感は、どのような事情で感じた罪悪感であれ、ただただ罪悪感としてのみ作用するので、「自分は愛されない」「自分が関わっても相手は喜ばない」「更に自分のことを知られたくない」といった感覚を更にもたらし、まさに雪だるま式のように「自分を隠す理由」をわんさか作ってくれるわけですよ。

あーヤダヤダって思いません?

ただ、この罪悪感の話を全く別の視点で見れば、次のようなことが言えるわけですよ。

「好きな人の前で緊張し、うまく関われなかったことで自分を否定的に見るぐらい、本当は好きな人に対して愛を向け、いい影響を与えたいと願っているのも自分」

このように自分を理解することで、嫌われる怖れを感じている自分や、好きな人の前で緊張してしまう自分を責める理由を手放して、「自分が本当に表現したいこと」を感じることができるようになるんです。

ここが超重要なんですよね。

 

だから、ぶっちゃけた話をすれば「好きな人にうまく関われなかったけど、そんなに好きじゃなかった」と相手の価値を引き下げるようなことを使って自分を慰めることなく、「もっとちゃんと関わりたかったぁ〜!」と超悔しがっている人の方が、実はすごく前向きで、自分の気持の素直になっているのだろうな、と僕は思うんです。

少なくとも僕は「うまく愛せなかった〜」と涙を浮かべて話してくださるクライエントさんに、その心の強さ、愛の強さを見るんですよ。すごいな、と。悔しいって言えるほど愛する気持ちがあるんだな、と。だからこそ「この方はきっと大丈夫だ」と思えたりもします。

もちろん辛い気持ちをいつも感じていてほしいわけじゃないし、自分を責めてほしいわけじゃないんです。辛いときは一人で抱えてほしくないな、とも思うんです。

しかし、好きな人にうまく関われずに悔しい思いをしたり、すごく悲しい気持ちを感じている自分のほうが、より「好きな人を心から想っていた自分」に近いと思うんですよ。

 

だから、僕はいつもこう思いますよ。

今まで、うまく好きな人に関われなかったこと、それはそれとして素直に受け止めましょう。

しかし、その自分の中に必ず「好きな人を喜ばせたかった自分」はいるはず。

そんな「愛したい」「いい影響を与えたい」と願っている自分を思い出し、自分を肯定的に見る目を養えば、自然と「好きな人に対して、どう関わって、どう喜ばせようか」と思えるようになっていくものですよ、と。

自分の良いところを見て、いい影響力を使える自分になりましょう

最後になりますけど、好きな人の前で緊張してしまう自分を「ダメだなぁ」と責めても、あまり自分が変化することはないかな、と僕は思います。

むしろ、どうしてそこまで緊張してしまうのかの理由を見つめたほうがいい、と僕は考えています。

その上で、具体的な対策を練ると効果的かなーと思います。

 

基本は「自分の良いところを見て腑に落とし、好きな人に対してより良い影響力を使える自分になること」です。

よく巷で言われている「愛されオーラを発する」とか「相手に好かれるような立ち振舞をすること」も、心から好きな人を喜ばせるためになされることなら、意味のある素晴らしいことなんだろうな、と僕は思っていますよ。

しかし、好きな人に近づくのが怖いから、という理由で行うと、うまくいかないことが増えたり、実際に相手との関係が苦しくなったり、もしくは「私は何もしていなーい」という罪悪感の罠がやってきてしまいますのでね。

どうか自分のことをコツコツ認めてあげてくださいませ。

そして自分にできる「いい影響力の使い方」について考え、実践してみてくださいね。

※まぁ、これができるようになれば、まぁ勝手に愛されオーラは出てきちゃいますけどね。ま、それはそれとして。

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