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彼・彼女(パートナー)の魅力を感じなくなってしまう理由は無価値感にある
例えば
・新しいパートナーができてもすぐに飽きてしまう。
・どれだけ好きで付き合い始めても、彼と過ごしているうちに全くときめかなくなる。
・新しい彼と出会ったのに、すぐ別れたくなる。
・長く一緒にいる彼のことがどんどんつまらない人のように思えてくる。
・結婚すると決めたら、急に相手のことが鬱陶しくなってしまった。
これは「本当はずっと一緒にいたいなと思って付き合うけど、なぜかパートナーに魅力を感じなくなる」という事例です。
そんな自分のことが気になっているとか、私はちゃんと人を好きになれない人間じゃないだろかと思うと不安になる、というご相談をお受けすることがあります。
もちろん人は多かれ少なかれパートナーと過ごすことに慣れるものですよね。恋愛心理でも「いつまでも出会いたての頃のようなロマンスがずっと続くわけじゃない」と言われていますしね。
ただ、だからといってパートナーのそばにいても相手に全く魅力を感じられずにいれば、一緒に居ても辛くなってしまうこともありそう。
だから、何度も付き合って別れてを繰り返す方もいますし、いつもパートナーの魅力がなくなったと感じる人も少なくないのです。
もちろん、たとえパートナーに魅力を感じなくなったとしても、自分の中で大きな悩みになっていないなら問題ではないのでしょう。僕はいちいち「それはあなたの問題ですよ」とはいいたくないのですよね。
ただこれ、人によっては深刻な悩みになっていることもあるわけですね。
例えば
・本当は幸せな結婚をして家庭を持ちたいという強い願望がある。けれど、すぐパートナーに飽きて別れたく自分にがっかりする。
・本当は一人の人と長く寄り添いたいけど、すぐ相手の魅力を感じなくなり、いつも恋愛が辛て喜べない。
・本当は彼との時間を大切にしたいけど、それができずにいる。
といったふうに。
そこで今回はパートナーに魅力を感じなくなる理由について解説していきます。
パートナーに魅力を感じなくなるとき
パートナーに魅力を感じなくなる場合は、「パートナーの魅力が失われた場合」と「自分がパートナーに魅力を感じなくなった場合」に分けて考えることができますね。
「パートナーの魅力が失われた場合」を想定するなら、例えば「すごくやさしくて誠実だと思って付き合った彼だったけど、付き合ってみると実はだらしなくて女癖も悪くて大変だった」という場合。
彼の誠実さという魅力・価値がなくなった。これはわかりやすい例です。
一方、彼の誠実さや優しさになんら変化がないのに、しかし彼の魅力を感じなくなったとしたらどうでしょう。
これが「自分がパートナーに魅力を感じなくなった場合」といえます。
なぜそう感じるのか、気づきにくく、分かりにくいものなんですよね。
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実は、この状態を心理的に見つめていくと、「無価値感」の影響を強く受けている可能性がある、と考えることができます。
無価値感とは「自分には価値がない」という感覚をもたらす感情です。
この無価値感がもたらす作用の代表例が「手にしたものの魅力・価値を感じない」なのです。
例えばこんな事例。
【ある女性がショッピング中、素敵な衣装が目に止まり、一目惚れして、試着して、喜んで購入。しかし、実際に自宅でその衣装を身につけ鏡を見てみると「あれ?こんなだっけ?そんなにかわいくない」と感じガッカリして興味を失ってしまった。その衣装は二度とクローゼットの中から出てくることはありませんでした。】
このときの衣装の価値、カタチは何も変わっていませんね。
この状況の中での変化は「その女性が実際にその衣装を手にしたかどうか」です。
実際に手にした途端、魅力を感じなくなった、というわけです。
もし、その女性に事情があって衣装を買わなかったとしたら、この女性はまた同じ衣装を見て「かわいい」と感じる可能性が高いでしょう。
「無価値な自分」という感覚が、パートナーの価値を感じることを阻害する
この状況を心理的に見つめると、以下のようなことが考えられます。
「無価値感が強く作用していると、自分に近づいてきた物の価値を感じられず、遠くにあるものの価値は感じられる。」
無価値感は「自分には価値がない」と感じさせる感情ですから、自分自身の「好き」という感情の価値も感じられなくなります。
例えば、自信を失っているときほど「パートナーに感謝や好きという気持ちを伝えても、今の自分じゃダメで相手は喜ばないかも」と感じるものですよね。
そもそも「パートナーや物事の価値は自分が見て感じるもの」です。
だから、自分の価値を見失っていると物事の価値も感じにくくなります。
つまり「自分は十分ではない」「いいとは思えない」「愛される価値があると思えない」という自己認識を(隠し)持っていると、物事の価値を感じられず飽きやすくなってしまうといえるでしょう。
実際、このような感情の影響によって生じる事例はたくさん存在しています。
例えば、
【長く付き合った彼と別れた頃、自分のことがあまり好きだと思えない状態で恋愛をした。
私もはっきり「今は付き合えない」と言えればよかったんだけど、私も一人で寂しかったし、彼が付き合いたいという言葉に押された感じで付き合うことになった。
相手は私のことが好きらしく、気持ちを何度も伝えてくれる。けれど、私の気持ちは盛り上がらない。一緒に居てもすごく虚しくなり、彼がいるのに寂しいし、辛いし、大した喜びも感じなかった。そのうちに彼のことを魅力的だとは思えなくなった。
こんな気持ちになるのなら当分恋愛していなくてもいいし、相手がいてもいなくても同じだな、と思うようになった。
だから、今は彼と別れて、仕事に集中することにした。
ただ、それ以降、自分から人を好きになるトキメキがなくなった。
いいなと思う男性がいないわけじゃない。実際にその人とご飯に行ったり、仲良くなって体の関係を持つこともあった。
でも、相手との距離が近づけば近づくほど、急に気持ちが冷める自分がいる。すごく虚しくなるし、相手のことが鬱陶しく感じるばかり。
ただ、私もそろそろ将来のことを考えようと思う年齢になってきた。けれど、恋愛をしても喜べないまま。どうやったら人を好きになれるのか忘れてしまったようだ。】
これは「失恋の影響」で自分の魅力を感じられなくなり、無価値感〜自分は愛される価値がないのかも〜と感じ始めた例です。
こうなると、自分の外側に何を持ってきても、誰に自分の価値を伝えてもらっても、なかなか自分の価値を感じられず、相手の魅力にもうまく反応できなくなるなるわけです。
ただし、自分以外の人、他の誰かの彼などには価値を感じるもの。
なぜならそれは自分の感情の範疇外に存在する人だから。
なので、実際に幸せになっているカップルや友達を見ると、羨ましいと感じることが多いでしょう。
自分の価値を認めると、パートナーの価値を感じやすくなる
無価値感の影響でパートナーの価値が感じられないならば、無価値感の影響をより小さくすれば、物事の価値もどんどん分かってきます。
自分の価値を認めていくことで、自分と関わる人・モノの価値をちゃんと感じられるようになります。
いわば「自分は自分でいい」「自分にはそれなりの価値がある」と感じられる自分に戻る、ってことですね。
だから、パートナーや恋愛・幸せの価値を感じ、喜べる私に戻りたいと思われるならば、「自分の価値を認めていくこと」がおすすめです。
恋愛やパートナーの価値、また人の素晴らしさを見るには「経験」も必要になりますよ。人を見てその魅力を感じる視点を養うことも大切なこと。これは実際に意識して行動しないと手に入らないものでもあります。
ただ、その前提には「自分の価値がある程度実感できていること」が必要なんですよね。
自分に全く価値を感じないのに、人の価値を見ることは難しいですから。
例えば、いつも人を助け、支えているのに、自分のことはなかなか好きになれないとしたら、そのうち「もう虚しくてやってられない」「私ってなんなのかな」と思い始めても不思議ではないですよね。
このようなことって、確かにやってできないことはないのでしょうが、おそらくそれはとても犠牲的な行為になるので、長く続けられなくなることも少なくないです。
だから、自分の良いところ、今日できたことをコツコツ認めていくことがおすすめです。
また、周囲に信頼できる人がいる場合、自分がその人に受け入れられていることを認め、感謝していくことも効果的です。
人に受け入れられていることを認め、感謝することは、自分から「価値を認める」いいレッスンになります。相手の好意の価値を認めることで「相手の好意に認め感謝している」自分の価値も感じられます。
また、無価値感の影響を受けている自分に気づいたら、その自分を責めないことも重要ですよ。今の自分には、無価値感の影響で物事の価値を感じられないという事情があるだけですから。
パートナーの価値を感じられていない自分が悪いわけではないのです。
ただ、せっかく自分のことを好きになってくれた人の気持ちにうまく反応できないことも辛いこと。ここでは罪悪感〜愛や好意を拒絶した私〜と出会うわけです。
だとしたら、きっとあなたは、自分の魅力を感じて好きになってくれる人にありがとうって言いたい人なんですよね。そんな自分を取り戻して表現すればいいんですよ。
だから、自分を責めるとより問題が複雑化しますから、要注意ですね。
実際のカウンセリングでは「なぜそこまで無価値感が強まったのか」の理由についてまでアプローチしていくことが少なくありませんし、実際に感情にアプローチするセッションをご提供することも可能になります。
が、まずは自分の価値を認め、自分を認めてくれる人の思いを受け取ることを続けて意識を持つことがポイントです。
ある程度時間がかかるかもしれませんが、自分を認めていくプロセスを通じて徐々にパートナーの価値が自分なりに見えてきますよ。
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