恋愛の心理学

助けたい症候群の恋愛と「わくわくオトコランド」

助けたい症候群の恋愛と異性のイメージ

さて、今日は助けたい症候群さんとその恋愛と異性観についてコラムにしようと思います。

以前こんな記事を書いたんですけども

助けたい恋愛ばかり繰り返す人の心理 浅野先生  いつも大変お世話になっております。 ブログにいつも支えられております。 ブログのネタになったら嬉しいと思ってメール...

この記事では、いわゆる助けたい症候群さんが抱きやすい異性のイメージにまでは突っ込んで書いていないんですよね。

この「自分自身が抱く異性のイメージ」って結構大切で、対等な関係、長く幸せな関係を作るにはどうしても避けて通れない部分かな、と思うのです。

では、よろしければお付き合いください。

助けたい症候群さんの恋愛について

さて、僕個人的な意見を申し上げれば、つい異性を助けたいという気持ちから恋愛を始める人自体をネガティブに評価することはありません。

相手の困りごとを助けてあげたいという気持ちやその行為を、いちいち批判する理由が僕には見当たらないからです。

ただ、相手を助けたいと思って始まった恋愛がどうにもうまくいかなくなる、ということは実際にある話ですよ。

サクッと簡単にそうなってしまう理由を考えるならば、以下のような感じでしょうね。

  • 「私のパートナーは助けたい人」と見ている以上、相手は何らかの問題を抱えていなければならないという条件がつく。
  • 自分は「相手とは違う助ける立場にいる必要がある」という条件もつく。
  • その結果、お互いが劣等感や無力感を学習してしまう可能性がある。

繰り返しになりますが、相手の困りごとを解消してあげたいと思うこと自体は問題じゃないんですけどね。

ただ、あまりに助けすぎてしまうと

  • 相手の存在を上手に尊重できなくなる(相手を悪意なく無能扱いしてしまう)
  • 良かれと思うことを続けた結果、相手が依存的な態度を取るようになってしまう

なんてことが起きやすいんです。

この時、パートナーとの対等さが失われ、いわば「私:助ける人」「相手:助けられる人」という役割(自立と依存の関係)が固定化しちゃうんですよね。

このような状態になると、まぁ関係が重くなるというか、代わり映えしないものになるといいますかね。

この表現が的確かどうかは分からないんですけど、「今の関係に(いい意味での)刺激がなくなる」なんてこともしばしば起こります。

かつ、「相手を助ける恋愛ばかりする人」ほど、「人から助けられるのがめっちゃ嫌(すごく申し訳ない気がする)」。

なので、なかなか今の関係を変えることができない場合もしばしばです。

実は自分が受け取る側に回って、相手の価値を尊重したほうがいい場面でも、ついつい相手を助けてしまうなんてことが起きるんですよね。

言い方を変えれば、自分の苦手な役割を相手に求めすぎてしまうってことでもあるんですけども。

助けたい症候群さんの異性のイメージとは

そんな助けたい症候群さんが、何度も同じような恋愛経験を積むとしたらどうなるでしょうか。

一体、どんな恋愛観、異性のイメージを持つようになるでしょうか。

ここで登場する異性のイメージを作る要素を、僕は

「それって【わくわくオトコランド】そのものですよね」

なんて話すことがあるんです。

まぁこの解説だけでは意味不明だと思いますので、まず「わくわくオトコランド」についてまず解説します。

「わくわくオトコランド」とはなんぞや

一つ、たとえ話をしてみようと思います。

甲斐甲斐しく男性をサポートし、相手の困りごとを助け続けてきたJさん(女性)。

今までの恋愛も常に男性をサポートし、その困りごとを解決してあげてきたのです。

時には既婚者との関係も続けてきたことがあり、どこかで「彼にちゃんと愛されたいなぁ」と思いながらも、相手の要求に応え続ける日々。

そうしていればいつか彼が私を選んでくれる。

そんな期待もどこかにあったんです。

このように何度も男性を助ける恋愛を経験したJさんは、次のような異性のイメージを抱くようになります。

「男性は助けてあげなきゃいけないもの」
「困っている男性を放っておけない」
「男性に求められたら応えなきゃいけない」

Jさんが実際に触れ合い、無意識的に興味を持つ男性が困っている人ばかりだったのです。

ただ、Jさんは優しい人なので「困っている人を助けてあげること」にためらいはありませんでした。むしろ良いことをしているという自覚があったのです。

しかし、何度も男性との別れを経験するうちに、Jさんは「私って男性のお世話係なのかな」的感覚まで覚えるようになっていったんです。

そうは言えども、「困っている人を助ける」という行為自体は素晴らしいものなので、Jさんは自分自身の思いの偏りに気づかなかったのです。

むしろ

「ちゃんと私が相手のことを満たしてあげられれば幸せになれるはず。ちゃんと満たしてあげられない私がダメなんだ」

Jさんは、よほど自立しているのでしょうか。

いつしかそう思うまでになりました。

ただ、いつも男性を助けては、その男性が元気になった途端、彼女の前から去っていくのです。

そんな経験をするたびに、もちろんJさんは深く傷つきます。

「こんなに愛してあげているのにどうして相手は去っていくの?」
「どうして男性は私を愛してくれないの」
「そんなに私ってダメなの?」

そんな疑問を抱えながら、次こそは愛されたいと願う日々。

しかし、なぜかJさんが好きになる男性はどこか困っている男性ばかりだったのです。

更に詳しい解説

このたとえ話の中で登場する

【「男性のお世話係的な感覚(尽くさなきゃマズいという観念)」まで覚えるようになっていった】

という部分が今回のキモです。

要は困った男性を引き受けては、その男性のお世話をする役割を心のなかで感じているというわけです。

すると、男性はJさんを愛したり、癒しになる存在なのではなく、まるで動物王国にいる動物のような状態になるわけです。

街中を闊歩して、困っている男性を見つけ出し、そして保護するようなイメージ。

この状態を例えて

「いい悪いという話ではないんですけどね。

もしかするとあなたの心の中には『わくわくオトコランド』ができあがっちゃってるのかもしれません。」

そんなお話をさせていただくことがあるんです。

「あなたがオーナーで、困っている男性が男ランドの住人。

あなたは男性を支え、男性はその中で楽しんだり、英気を養う。

そして、元気になった男性がわくわくオトコランドから出ていくときこそが、別れ(卒園)のとき、といいますか。」

こうなると、Jさんにとっての男性のイメージは無力な存在となり、かつ、いつか離れていく存在ともなる

ずっと側にいることはできない、と、Jさん自身が無意識的に感じてしまうのです

これが助けたい症候群さんが抱く可能性がある異性や恋愛のイメージなんです。

もちろん、助かったら去っていくような男性ってどうなの!というお声もあろうかと思います。

そう思うお気持ちも個人的に理解できる気がしています。

が、ここでの問題は相手の男性がどうか、ではなく、自分が抱く恋愛や異性へのイメージが現実を引き寄せてしまうことにあるとご理解くださいねm(_ _)m

つまり、心の中に「わくわくオトコランド」を作り上げたJさん自身の体験は

困っている男性を助けてあげる。
元気になった男性は去っていく。

この繰り返しになってしまう恐れがあった、というわけです。。

言い換えるなら、Jさんが愛され幸せになるという部分がぶっ飛んでしまっていたのです

ご提案はズバリ「閉園宣言!」

つまり、心の中に「わくわくオトコランド」を持つ女性ほど、割りに合わない恋愛をしてしまう可能性があるってことなんですよね。

もちろん相手を助ける気持ち自体に非はないんですよ。それはもう持っていて大丈夫なんです。

問題があるとしたら、割りに合わない恋愛を重ねたことで生じた

  • 恋愛パターン(いつも相手を助けてしまうこと)
  • 異性に対するイメージ(オトコはいつも困っていて、いつも私から去っていく)

ここにあるわけです。

つまり、わくわくオトコランドのオーナーである限り(それをビジネスにでもしない限り)、愛し愛される関係を疑ってしまうってことです。自分自身がね。

 

このような状態に対する癒やし、幸せな恋愛を求める方策を考えていくなら

  • 恋愛パターンを変えるためにできることをする
  • 異性に対するイメージを変える体験を積む

となるわけですよね。

つまり僕のご提案は

「今までのあなたの恋愛経験を否定する必要はないんです。

ただ、ちょっと頑張って「わくわくオトコランド」をちゃんと閉園させましょう!」

となるんですよねー。

要は、心の中にいる、過去のパートナーこそが「わくわくオトコランドの住人」で。

その住人の記憶が、異性や自分の恋愛観にかなり影響を及ぼしているわけです。

だから、過去を手放して行く必要があるわけです。

ただ、ここで過去の恋愛経験を否定して「間違いだった」と思えば思うほど、「禁止の心理」の作用によって、「もっと頑張って愛したらいい恋愛ができる」と思いこんしまいます。

いわば、自分自身で「わくわくオトコランドの拡張工事」を開始しかねないのです(^^;

過去の異性を手放して完了させていきましょう

だから、ここでは「今までの恋愛に関する要素を手放すこと」が大切なんです。

わくわくオトコランドの住人さん(過去の男性)にも
過去の恋愛経験にも
今までの自分自身に対しても

「それはそれでいい経験(学び)だったんだよね。ありがとう。」

って感謝しながら、完了させていくほうがより安全だと僕は考えます。

この「感謝」こそが「閉園宣言」なんです。

ただ、このプロセスを歩むとちょっぴりさみしくなります。

時にはまだ未完了の痛みがチクッと胸に刺さるかもしれません。

が、この手放しはきっちり進めるほうが、自分のためにもなれば、未来のパートナーと対等に向き合い、愛し合うことに繋がるものです。

これができれば、自分の中にある「助けたい気持ち」は「相手を思いやる優しさ、配慮」になるでしょう。

「異性は助けるべき」というイメージを手放せれば、実は自分と同じ気持ちが異性にもあって「相手も私のことを愛したいのだ」と思える日がくるかもしれません。

「助ける恋愛」から「より親密な関係へ」と、自分の感覚・イメージがシフトするわけです。

なので、やはり多大な労力をかけて築き上げた「わくわくオトコランド」ではありますが、幸せな恋愛を考えるなら

「閉園」

の方向で考えるほうがいいだろうな、と思うわけでございます。

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