こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日はいつもと違い、少し真面目な考察をしたいと思っています。

たとえばこんな感覚、心当たりある人いないでしょうか?

「好きな人はいる。一緒にいる時間もある。連絡だって取り合っている。

なのに、なんだか、つながっている感じがしない」。

あるいは、

「勇気を出して自分の気持ちを伝えたのに、相手にさらっと流された。

たいして気にも留めてもらえなかった。

こちらは、それなりに本気で伝えているのに」。

これ、地味に痛いし、心にズーンと響くことかもしれないですよね。

だから、「私の伝え方が悪かったのかな」とか「重かったのかな」とか、いろいろ考えてしまう。

でもね、これ、少し不思議なんですけどね。

実はこの手のお話って、僕がカウンセリングをはじめた17年前にも普通にあったご相談内容です。

ただ、中身が少し変わっているようなんですよ。

中身というか、事情というか、伝わらない理由みたいなものが。

そもそも、僕たちが人とつながる方法は、昔よりずっと増えているはずなんですよ。

電話はもちろん、LINEもある、ビデオチャットもできる。

実際、会おうと思えばリアルだけでなくオンライン上でも会える。

相手が今どこで何をしているかも、なんとなくわかる時代で。

手段はこんなに豊かになったのに、なぜか「つながった」という実感が得られなくて悩む人が増えている。

実際、いろんなご相談をうかがうと、そんなことを感じることも少なくないんです。

声が多すぎて、ひとつひとつが軽くなった

こういう話を書くと、ただのおっさんの回顧録のようにしか自分でも思えないんですが(^^;

僕が若かった頃を思い返すと、誰かとつながるって、もっと手間のかかることだったんですよ。

それ以前の世代の方は、もっとそうだったはずで。(狼煙が必要な時代とかそこまで遡る必要はないですが・・・)

家に電話をかけたら親が出るかもしれない、とか。

気持ちを丁寧に伝え合うには、会いに行くしかないことも多かった。

今と比較すれば不便でしたよ、そりゃね。

でもね、その不便さが今の環境を生み出すキッカケだったんだと思うんですけど。

ただ、ちゃんと気持ちを伝えようと思ったら、心を裸にして伝えるしかなかった。

相手から届く一言が、特別だった。

だって、そう簡単には届かないものだったから。

ところが今は、声があふれているし、届けようと思えば簡単に届く(ような気がする)のです。

スマホを開けば、何十、何百という通知が流れてくる。

仕事の連絡も、ニュースも、SNSの投稿も、友達のメッセージも、ぜんぶ同じ画面の中を流れていく。

そうすると、何が起きるか。

そばにいる大切な人の「おかえり」も、その流れの中のひとつとして、さらっと処理されてしまう、というか。

思いの価値が相対的に下がっている気がすることが増えるんじゃないか、と。

ただ、それは人間が冷たくなったわけじゃないのだと思うんです。

ただ、情報が多すぎて、触れる機会が多すぎて、ひとつひとつの声を特別なものとして受け取る意識が持ちにくくなっているのかな、と。

誰の声も、均等に、薄まっていく。

ホント、日々クライエントさまの生の声をうかがっている僕にとっては、

「あぁ、思いが届かないのではなく、届けても響きにくい時代に、僕たちは生きているのかもなぁ」

という気がしてならないんですよね。

さまざまな情報を得たり、不特定多数に発信することよりも、近くにいる相手にちゃんと届けることが難しくなっている状況なのかな、とも思えるんです。

本気の想いが、情報程度に扱われるという切なさ

ここからが、今日いちばんお伝えしたい話なんですが。

どれだけ環境が進化しても、ちゃんと心のつながりを感じて生きていきたい、と願っている人がいると思うんですよね

むしろ、けっこういる、というか、そういった方からのご相談を僕は受ける側の人間です。

「どうして届かないんでしょう?」

「どうしたら相手と分かり合えるんでしょう?」

みたいなね。

ま、そこまでストレートに言葉にしてくださる方は、最近は稀ですけども。

ただ、「人とつながることが自然で、相手と気持ちを通わせたいと、心から思っている人」はいますよね。

そういう人が、勇気を出して、大切な人に、自分の本気の想いを差し出す。

ところが、それが相手にとっては「流れてくる情報のひとつ」として、軽く扱われてしまうことがある、というか・・・。

「ちゃんと話聞いてんの?」「前も言ったよね?」だけじゃなく

「え、そんな大切なことも忘れてるの?」「私の気持ち、考えてくれてないの?」といった形になっていることもある。

・・・これ、じっくり想像すると、なかなかに切ないんですよ。

いや、ちょっと心がキリキリするほど痛い話かもしれない。

こちらは、自分の中の大切な気持ちを、ちゃんと伝えている。

でも相手にとっては、たくさん届く声の中の、ひとつになっている。

どちらが正しくて、どちらが間違っている、という話をしたいわけじゃありません。

ただ、ここにある「想いの強さと、扱われ方の差」。

ここでね、傷つくんです。

しかも、つながりを強く求めている人ほど、深く傷つく。

「私の気持ちって、その程度のものだったのかな」と思ってしまう人もいるのかもしれないですしね。

「もういいや」の中身は、冷めてしまった気持ちではない

人は、賢い生き物ですからね。

本気で差し出して、軽く扱われて。

それを何度か繰り返すと、学習するんです。

「あ、もう私が望むような深いつながりは育たないんだ」と。

必死に踏み込むコストと、返ってくる手応えが、まったく釣り合わない。

だったら、踏み込まないほうがいい。期待しないほうがいい。

そうやって、恋愛も結婚も「べつに、いらないかな」と思うようになる場合もありますよね。

世間では、これを「恋愛離れ」なんて呼ぶのかもしれませんけど。

ただ、僕はちょっと違うふうに眺めています。

その「べつにいらないかな」の中身は、冷めた心じゃないのだろうな、と。

それこそが心を守るための思いなんだろうな、と。

そして、心の深いところでは「つながりたい気持ち」が消えたんじゃない。

本来は「つながりたいのに、その気持ちを軽く扱われ続けて、疲れた」だけなのかもしれない。

行き場をなくした願いが、「べつに」という言葉の形をとっているだけなのかもな、と。

ただ、「心のつながりをきちんと求めていた人」が、「諦めるしかない」と思うなら、それはそれでけっこう切ない話題なんですよね。

切ないというか、なんとも皮肉な話というか・・・。

もちろん、求めないことを選ぶ人もいる

ただ、ここは正直に書いておきたいんですが。

はなっから本気でつながることを願わないほうが楽だ、と感じている人も、一定数いると思うんです。

軋轢を感じながら気持ちを伝え合って、お互いの価値観をすり合わせて、少しずつ理解し合っていく。

それって、ある意味しんどい作業でもありますからね。

それよりも、今の自分が生きるために必要な手段や情報を追いかけているほうが、ずっと楽だ、と。

そう考える人がいたって、別におかしくないと思うんですよ。

それ、一概に悪いことだとは言えないですよね。

ただ一方で、大切な人との心のつながりを求めている人もいるわけですよ。

それも尊重されるべきことだと思うんです。

深くつながれないことに「疲れ」や「切なさ」を感じるとき、どう自分の気持ちを上手に扱うかって大切な気がするんですよ。

少なくとも価値のないもののように感じそうになったとき、どうするか、をね。

その疲れは、あなたがまだ願っている証拠

今、現実的に人とつながる方法は、たしかに増えました。

でも、その中で、ひとつひとつの声の重みは、軽くなることもあるのかもしれない。

あなたの本気の想いが、情報のひとつとして扱われてしまう。

そんな時代に、それでもなお、誰かと深くつながりたいと願うこと。

それは、簡単なことじゃないし、傷つくことも多いのかもしれません。

でも、その願いを持っていること自体が、僕は、とても尊いことだと思うんですよ。

もし「最近、つながることに疲れてしまったな」と感じているなら。

あるいは「私の気持ち、いつも軽く扱われる気がする」と思っているなら。

一度、その感覚、持っている必要があるのかどうか、見つめてみてもいいのかもしれない。

あなたが本当は何を感じていて、何に傷ついてきたのか。

それが少し見えてくると、「ああ、そういうことだったのか」と思える瞬間が、きっとあると思うんですよね。

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