自分らしさ・生き方に悩むとき

変える?受け容れる?心理学から見る悩み解決のコツ

手でハートマークを作る女性

「どうしたら私は幸せになれるのでしょうか」

カウンセリングの現場やご相談で、このようなお悩みをいただくことは少なくありません。

実は、悩みの解決には大きく分けて2つの方法があります。

  • 自分の選択や行動で変えられるものを「変える」
  • 自分の努力では変えられないものを「受け容れる」

この2つをどう使い分けるかが、悩み解決の大きなポイントになるんです。

そこで本記事では、心理学的な視点から「変える」と「受け容れる」の違いと見極め方を、具体例とともに解説します。


悩みを解決するには「変える」と「受け容れる」の2つの方法がある

私たちは日々、仕事・恋愛・家庭などさまざまな悩みに直面します。

例えば…

  • 上司との関係にストレスを感じる
  • 恋人と価値観が合わない気がする
  • 自分に自信が持てない
  • 病気や年齢など、どうしても変えられない現実がある

こうしたときに「変える」と「受け容れる」を混同すると、余計にしんどくなってしまうことがあるんですよね。

つまり、「変えられるものを放置」したり、「変えられないものを無理に変えよう」としてしまうと、心が疲れてしまう、というわけです。


「変える」で解決できる悩みとは?

「変える」が有効なのは、自分の選択や行動で現実を変えられるケースです。

生活習慣や行動の改善

例:生活リズムを整える、食生活を改善する、資格の勉強を始める。

これらは自分の行動次第で状況を変えられる代表的なものです。

恋愛や人間関係での工夫

「彼が全然話を聞いてくれない」と悩んでいるとき、相手を変えることは難しくても、自分の伝え方を工夫することはできます。

「一方的に不満をぶつける」のではなく、「私はこう感じている」と主語を自分にして伝えれば、相手の受け取り方は変わります。

仕事の場面

職場の人間関係がつらいとき、相手の性格を変えることはできません。

でも、自分が「報告は端的にする」「雑談を少し増やす」など、関わり方を変えることで空気が和らぐことはよくあります。


「受け容れる」でしか解決できない悩みとは?

一方、「受け容れる」が必要なのは、自分の努力ではコントロールできないものです。

他人の気持ちや価値観

「どうしてわかってくれないの?」と思っても、他人の気持ちを完全に変えることはできません。

相手には相手の背景や考え方があるからです。

時間や年齢など現実的に変えられないこと

「もっと若ければ…」と悩んでも、時間を巻き戻すことはできません。

また、身体のことでも直せるものもあれば、どうしても変えられない現実もあります。

こうした場合には「受け容れる」ことで初めて心が楽になれることがありますね。


「変える」か「受け容れる」かを見極めるポイント

ここで大切なのは、「これは自分の努力で変えられるのか?それとも変えられないのか?」を見極めることです。

  • 変えられるもの → 行動や考え方を変える
  • 変えられないもの → 受け容れて、自分の気持ちや態度を調整する

・・・もしこの判断を逆にするとどうなるでしょうか?


ありがちな間違いとその感情反応

  • 変えられることを放置する
    →「何もしていない自分はダメだ」という罪悪感につながります。
  • 変えられないことを無理に変えようとする
    →「努力しても無意味だ」「私は価値がない」と燃え尽き感や無力感に直結します。

このように、解決方法のズレが心の消耗を招くのです。


「変える」と「受け容れる」を上手に使い分けるコツ

大切なことは、どちらか一方に偏らないこと

  • 「なんでも変えなきゃ」と思いすぎると、自分を追い詰めます。
  • 「なんでも受け容れなきゃ」と思いすぎると、必要な行動まで止めてしまいます。

両方をバランスよく使い分けることが、悩みを軽くするコツなんです。


実際のケースで考えてみると・・・

ケース1:恋愛

「彼が既読スルーばかりする」

  • 彼の性格や習慣 → 受け容れるしかない部分
  • 自分の伝え方や求め方 → 変えられる部分

ケース2:仕事

「上司が細かすぎる」

  • 上司の性格 → 受け容れる
  • 自分の報告方法や距離感 → 変えられる

ケース3:自分自身

「年齢を気にして自信がない」

  • 年齢 → 受け容れるしかない
  • 見せ方・新しい挑戦 → 変えられる

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まとめ:悩み解決の第一歩は「見極め」から

悩みを解決するには、「変える」と「受け容れる」の2つの方法を正しく使い分けることが重要です。

  • 変えられるものは勇気を持って行動する
  • 変えられないものは受け容れて心のエネルギーを守る

その見極めができれば、無駄に自分を責めることもなくなります。

もし今の悩みがなかなか解決しないと感じるなら、ぜひ「これは変えられる?それとも受け容れる?」と問いかけてみてください。

その一歩が、心を軽くし、次の選択肢を見つけるきっかけになるはずです。

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浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績9000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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