分かり合えた気がしたあとでも不安が消えない理由| 出てきた不安に、意味を持たせすぎないという視点
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、こんなテーマで書いてみようと思います。
「分かり合えた気がしたあとでも、不安が消えない理由」
恋愛でも夫婦関係でもあり得るお話のひとつなのですが
「パートナーとちゃんと話せた」
「今までよりも分かり合えた気がする」
「少し前に進めた気がする」
そんな瞬間って、ありますよね。
でも、その直後に安心感を感じつつも、ふとこう思う。
「・・・あれ? なんか不安が残ってる」
「あれ?前より落ち着かないかもしれない・・・」
これ、意外とよくある話です。
そしてこのとき、真面目な人ほど、すぐに自分を疑い始めます。
「まだ信頼できてないってこと?」
「結局、私は疑ってるのかな」
「私の心ってひねくれてるのかな」
・・・いやいや。
そう急いで自己反省会を開かなくても大丈夫です(笑)
不安が消えない理由って、わりと別のところにあることが多いんです。
という話を今日はゆるりと展開してまいりますm(_ _)m
よろしければどうぞ。
Index
不安が消えないのは、「信頼できていない」からとは限らない
まず前提として
「不安が残る=信頼していない」とは限りません。
もちろん、信頼の問題がゼロとは言いませんよ。
ただ、今回お話ししたいのは、そこじゃないほうの話です。
もし、パートナーと分かり合えたと感じたはずなのに不安が残るとき。
それは、
- 役割を失いかけている不安
- 未表現の不安が浮かび上がっている不安
こういった不安を抱えておられる場合が少なくないんですよねぇ。
1:役割を失いかけている不安(心の仕組みの話)
これは、
二人が分かり合えたことで、今まで“立っていた場所”がわからなくなる
という不安のことですね。
分かり合えた、というのは、言い換えると
今までの関係の「配置」が少し変わったということでもあるんですよ。
もちろん、そう感じない方もいると思うんですよ(二人が揉めていた時こそが自分の立ち位置がズレていた、みたいな場合もあるということです)。
ただ、僕が扱うケースでは、長く役割を担ってきたがゆえに、配置が変わる人も少なくないんです。
たとえば、これまで
- 支える側/支えられる側
- 我慢する側/我慢させる側(※悪気がなくても)
- 空気を読んで整える側/整えられていた側
みたいな役割が、二人の間でなんとなく成立していたとします。
そこが少し動くと、何が起きるかというと・・・
その瞬間、次にどうしていいか分からなくなるんですね(^^;
言い方を変えれば、「自分の立ち位置がよくわからんね?」となるんですね。
今までは「こうしておけば(こういう立ち位置なら)きっと関係は保てる」という認識があった。
でも、分かり合えたことで、今までになっていた役割がゆるむと、その“立ち位置”のままでいることがちょっと難しくなることがあります。
*
これをかなり強引に”野球”で例えるならば(^^;
今まで「私が担ってきたポジションがセカンド」だったんだけど、パートナーと話し合って「どの守備位置でもいいよ、好きなところで」となった。
すると、
「え・・・あたし、今までゴールデングラブ賞を取れるぐらい、セカンドは自信があったんだけど、ほ、他のポジションは自信ないなぁ・・・」
なんて感じちゃう。
なので、「またセカンドでいいかも」と思うんだけど、ずっとそうしてきたからパートナーに不満を抱えていた事実もあったりするので、悩むわけですね。
結果、「え、え、どこに立てばいい?」みたいに、不安になることがあるんですよ。
これは、信頼できていないからではなく、役割が外れかけているサインだったりします。
これ、僕は結構サラッと文字にしていますけど、実際にこの状況になると地味にしんどいんですよ。
今まで固定化された役割って、続けると苦しいけど、意外と安心できるものだったりするのでね。
2:未表現の不安が浮かび上がっている(感情の話)
これは
今まで自分でも意識していなかった不安が、分かり合えた安心感が訪れたゆえに浮かび上がってきた
という場合です。
たとえば、こんなやつ。
- また同じことになるんじゃないか、という怖さ
- 期待してしまうことへの怖さ
- 「ここまで話して、もし離れたら」という恐れ
- 本当はまだ少し怒っている/悲しい、という未処理感
こういう不安って、関係がギスギスしているときは、感じる余裕すらないことが多いんです。
むしろ心は
「まずは生き延びる」
「まずは場を収める」
「まずは揉めないようにする」
みたいなモードになりやすい。
だから、分かり合えた瞬間にふっと余白ができると、今度は奥に押し込んでいた不安が出てくることがあるんですよね〜。
これ、めちゃくちゃ自然に起きることなんですが、この状態になったらなったで、まぁスッキリしないし、不安になる。
でも、不安が出てきたのは、何かが悪くなったからではなく、
今の関係が過去より少しだけ安全になったからかもしれませんよ。
安全になったから、逆に「今までだったら言えないことも浮かび上がるようになった」といいますか・・・。
うーん、何がいい悪いという視点で考えると、かなり微妙な話になるのですが(^^;
まぁ、心の世界はいいも悪いもないよ、が前提ですのでねぇ・・・。
この不安、どう扱えばいいのか
ここで大事なのは、不安を「悪者」にしないことです。
不安が出てきたら、すぐに
「信頼できていない私がダメだ」
「こんな事言いだしたらまたこじれる」
「まだ自分を癒やし足りないていないんじゃないか」
と結論を急がないことです。
無理に結論を出そうとして、たとえば「相手に更に今感じている不安を分かってもらわなきゃ」みたいになりすぎると、まぁ以前の対立していた時期のコミュニケーションに戻ってしまいかねないんですよね。
なので、こういう感じで眺めてみるといいかもしれないですよ。
「あぁ、役割が外れかけているから不安なんだな」
「今まで出せなかった不安が、出てきたのかもしれないな」
このくらいの感覚、不安との距離感が、ちょうどいいかも、です。
その不安は、確実にあなたの内面にあるものなので、外側の理解だけで消えるかどうかは、正直未知数(あなたの取り扱い方次第)です。
なので、まぁ相手が分かってくれる状態なら不安を伝えてもいいですけど、
「今まで扱ったことがない不安が出てきているかもしれない」
って視点はあったほうがいいかも、ですね。
未処理の不安に意味を持たせすぎないことも大切です
たとえば・・・
今まで隠していた不安が、パートナーだけでなく親でさえも言えなかった不安だったとしたら、そう簡単に扱いきれないって思うかもしれませんね。
こんな不安表現したら、もう世界が壊れちまうよ、と思うことだってあるかもしれない。
(そんなときのためにカウンセラーは存在する、とも言えるんですが・・・)
その不安は確かに自分のもの。
かつ、不安を抱えていた意味はあった。
今までは、その不安にフタをするために役割があったのかもしれない。
そして今、その役割がパートナーとわかり合うことで緩んだ。
もしそういった状況が会ったとしたら、そりゃ別の不安が出てきても不思議ではないんですよ。
まさに「本丸」的不安といいますか。
ただ・・・
その不安に“意味”を持たせすぎると、(結果的に)めっちゃしんどいです。
それをやりすぎると、なかなか動かせなくなるんですよ。
たとえば・・・
「私って愛されていい人間なのかわからん」とか「私は天涯孤独なんだ」みたいな不安が出てくるときって、「まさにそれが私」という長い間抱えていた認知を伴っている事が少なくないんですよね。
だから、その不安に意味を持たせすぎると、
一旦気持ちが安定したように感じる一方で
不安は、その意味によってガチガチに固められてしまって動かなくなる。
この不安は消えないものだし、自分に刻み込まれたもの(宿命的なもの)なんて思うこともしばしば。
なので、「不安自体の意味は深く考えすぎない」「意味をもたせすぎない」ってことも考えてみていただきたいなぁ、と思うのですね。
・・・かといって、“なかったこと”にできるものでもない、という部分も個人的に理解しておるつもりでございますよ。
「意味を持たせないっていうけど、ずっとそう感じてきたんだよ、私は!」
というお声に、僕は真摯に耳を傾けさせていただきたいと思う次第です。
だからこそ、繰り返しになるんですけど
「あぁ、役割が外れかけているから不安なんだな」
「今まで出せなかった不安が、出てきたのかもしれないな」
という理解は結構重要ではないでしょうか、というご提案なのでございますね。
この手の不安が出てくると、かなり心細いし、自分ってヤバいんじゃないか、と感じることが増える事が少なくないみたいですよ。
だからこそ、不安が出てきた意味が「理解」できているだけでも、随分と気持ちの置き場所が作れたりします。
それでも扱いきれない場合は、個人セッションを使って、プロと一緒に扱うことがホントおすすめです。
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最後に
分かり合えた気がしたあとでも不安が消えないとき。
それは、まだ信頼していないから、というよりも。
役割が外れかけていたり、未表現の感情が出てきている可能性がある。
だから、まずは自分を疑う目で見なくていいんじゃないでしょうか。
不安が残ることと、関係が壊れることは、イコールじゃないです。
そしてもし、この記事を読んでいて
「なんか、引っかかる」
「言葉にならない違和感が残る」
そんな感覚があったなら。
その反応こそが、あなたの中の“いまの位置”を教えてくれているのかもしれませんね。
では、今日はここまで。
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