恋愛の心理学

「他に好きな人ができた」と言われた「失恋」が示す心理と学び

「他に好きな人ができた」と言われた「失恋」は何を意味するのか

好きな人ができたと言われて別れを切り出され失恋した女性

あるとき彼から

「実は、他に好きな人ができた。別れたい」。

と言われて別れることになった。

それから自分でも信じられないほどに彼に執着してしまい、不安定な毎日を送ることに。

失恋とはそれだけでも十分に痛いものでしょうが、「他に好きな人ができた」と伝えられることもまた痛いもの。

特に、彼が私ではない他の女性を選んだ、という余計な事実まで伝えられてしまうあたりが、まじで余計。

とはいえ「他に好きな人ができた」という理由で別れを切り出す人って少なくないんですよね。

実際に、彼に他に好きな人ができたのかどうか、その事実は別にして。

なにより、その失恋の痛みはできる限り早めにケアしておきたいところですね。

さて、このような

「他に好きな人ができた」と言われて別れた事実には、気づくべき意味があるというか、そうなってしまう心理的背景があるものなんです。

ここに気づいていないことで、また同じような別れを引き込んでしまうこともしばしば。

そこで今日は「他に好きな人ができた」と言われた失恋が意味するものについてコラムにまとめておきますね。

よろしければどうぞ。

「他に好きな人ができた」と言われた「失恋」が示す心理

他に好きな人ができたと言って別れようとする男女

さて、彼や彼女に「好きな人ができた」と言われた失恋が示す心理は、大きく分けて2つ。

自分自身の「依存」から生じるものと、「自立」から生じるものに分かれます。

特に、厄介かつ切なすぎる問題を作るケースは「自立」から生じる場合でしょう。

では一つずつ見ていきましょう。

彼への依存が強くて「他に好きな人ができた」と言われる場合

例えば

  • 彼がいないとダメで束縛してしまう
  • 彼にかまってもらえていないと不安すぎる
  • 彼の動向が気になりすぎて監視してしまう
  • 嫌われるのが嫌すぎて相手の言いなりになり尽くしてしまう
  • 彼が愛してくれないことで文句ばかり伝えてしまう

このような彼に対する依存心が強く出てしまい、「他に好きな人ができた」と言われるケース。

誰しも恋愛をすれば、多少なりともパートナーに対する依存心は出るものです。

が、あまりに強く出てしまうと、いわゆる「重い関係」「重い女・男」になってしまいかねないんですよね。

その結果、彼や彼女があなたの依存を受け止めきることができず、辛い思いをしている場合

「他に好きな人ができたから別れたい」

と言われる場合があるのですよね。

これは比較的イメージしやすい話ではないかな、と思います。

いわば「相手への要求」が止まらなかった結果、彼や彼女からもう無理だと言われるケースです。

自立が強くて「他に好きな人ができた」と言われる場合

これはあなたと彼・彼女との関係性の「自立と依存が逆転する」ケースです。

例えば

  • いつも自分が二人の行動を決める
  • 自分のペースを優先して相手に合わせてもらい続けている
  • 自分なりの愛し方に自信があり、相手の愛し方をどこか否定的に見ている
  • パートナーのためという大義名分のもと、パートナーにダメ出しを続けていた

要は、あなたが自立側で、彼や彼女が依存側となっている関係の中で

あなたが自立側に回りすぎており、彼や彼女側がいつまでも依存側に置かれることに耐えかねた場合、彼や彼女から

「他に好きな人ができたから別れたい」

と言われることがあるのです。

(他にも、ずっと夫に尽くし続けた奥さんが、ある時急に「別れてください」と伝え、家を出ていったというケースもこれに当たります。)

パートナーは「他に好きな人ができた」という言葉や意思を示すことによって、今までの二人の力関係を逆転させようとしているわけです。

これは「あなたといると自分をちっぽけに感じられて辛い」とパートナーに言われているようなものです。

だから人によっては「不倫や浮気は良くない」と思いつつも

今のパートナーとの関係があまりに辛いので、あえて好きな人・好きになれる人を探して、今のパートナーと別れる口実を探す場合もあるぐらいです。

自己重要感を感じられない辛い関係

特に、パートナーとの関係で、コントロールされ続ける側・依存側に置かれ続けた人(自ら依存側を選び続けてきた人も含む)は

心理学は「自己重要感」と呼ばれる

「自分は重要な存在であるという感覚」
「自分は価値のある存在であるという感覚」

をなかなか感じられません。

自ら望むか望まないかは別にして、パートナーとの関係の中でずっと依存側にいると、どんどん自分をちっぽけに感じてしまうようになるのです。

ただ、依存側に回ることが悪いという話ではありません。

お互いに「自立側・依存側と交互に上手に立場を循環させていくこと」が重要なんです。

また、依存側に回ると自己重要感を感じられないと書きましたが

自立側も、結局、依存側においたパートナーの自己重要感が高まってこないという意味で、自立側にいる意味を感じなくもなります。

要は、自分なりに愛しても愛しても、何故かいい関係にならない現実とぶち当たるのです。

これはあまりに苦しく、つらい経験ではないでしょうか。

 

この状態で、依存側に居続けたパートナーが伝える

「他に好きな人ができた」「別れる」言葉は

あなたの彼や彼女は依存的立場から抜け出そうとする意思表示だと言えます。

その結果、今度はあなたが依存側に立つことになるのです。

つまり、自立側に回っていたときには感じなかった不安、怖れ、嫉妬、無価値感、痛みなどを感じることになるというわけです。

逆に立場に立ってみて分かる相手の気持ち

立場を変えて相手の気持を理解した男女

さて、このような失恋が起きる場合、その失恋に意味があるなら、と考えてみると、次のようなことが言えるのです。

「逆に立場に立ってみて初めて相手の気持ちが分かる」

例えば、彼や彼女にずっと依存し、要求ばかりしてきた人は、自分自身が自立側・与える側に立つことで、彼や彼女がどれだけ自分を受け入れてくれていたが分かるようにもなります。

が、立場を変えず依存側にいる限り

「自分を受け入れてくれない相手が悪い」「相手の気持ちが離れていくのが嫌だ」

などとしか感じないでしょう。

また、自立側から依存側に回った人にとっては、「パートナーがあなたとの関係で抱えてきた気持ち』をさんざん感じることにもなるでしょう。

急にパートナーから別れを切り出されたことで、不安、怖れ、嫉妬、無価値感、痛みを感じることもあるかもしれません。

が、そのような感情はおそらくパートナーがずっとあなたとの関係の中で感じてきたことであることが多いのです。

だから、あなたの彼や彼女は

「好きな人ができた」という言葉を使って

あなたにこちらの気持ちに気づき、そこを分かって欲しかったのかもしれませんよね。

「他に好きな人ができた」という失恋から学んで幸せになりましょう

このような自立と依存の立場の違いから生じる心理は、なかなか見えるものではありません。

多くの人が「自分が幸せであること」「自分なりにパートナーを愛すること」を優先したり、まず自分が痛みや不安を感じないことを優先してしまうものなんです。

すると、

「私はこんなに相手のことを好きなのに、なぜ相手は別れようとするのでしょうか」

「他に好きな人ができただなんてひどい、裏切られた」

としか感じられず、今何が起きているのかを見落としてしまうことがあるようですよ。

そう考えると「他に好きな人ができた」という失恋には、きっとそこから学ぶことができるなにかがあり、その学びはきっとあなたが幸せなパートナーシップを得る一助となるはずです。

特に「立場を変えて二人の関係を見ること」ができると

「人は人の意思で自分を愛してくれるものであって、それはアタリマエではない」

と理解できることもあるんじゃないでしょうか。

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