甘すぎない恋愛心理学

なぜか“母親優先の男性”とばかり縁ができる…その心理構造をほどく話

疲れを感じながら考え込む女性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、2025年10月のオンライン講座「パートナーシップと癒着の心理学」にご参加いただいた方から届いたご質問にお答えします。

これ、読んだ瞬間に「あ〜……あるあるやなぁ」と思うと同時に、多くの方の役に立つテーマだと思ったのでブログで取り上げることにしました。

ご質問内容はこちら

デート相手が彼の母親と距離が近い人である確率が高いです。

必ず毎回デート中に母親の話がでる、
デートの最中に母親から連絡が来てその内容を嬉しそうに私に話してくる、
母親が理由でデートのスケジュールが変更になる、
私が行きたくないデート先でもお母さんが薦めてくれたからと強引に誘ってくる、
お母さんが君を認めたよ!と発言するなど・・・。

もともと私はお母さんを大切にしている男性は女性にリスペクトがあると思って好ましく感じていたのですが、最近は逆にアレルギーになってきました。

これは私の両親との癒着が影響しているのでしょうか?
それとも、私自身が問題視しているから反応してしまっているだけなのでしょうか?
癒着が解消すれば、この問題も解消するのでしょうか?


まず結論:どちらも「ありえる」し、しかも同時に起きているケースが多い

いきなり身も蓋もない話をしますけど、ご質問の3つの仮説──

  1. 私の癒着が引き寄せている?
  2. 私が問題視しているから反応しているだけ?
  3. 私が“お母さんぽい”から相手にマッチしてしまう?

これは全部、同時に発動しているケースが多いです。

しかもそれぞれが絡み合って、一見「相手の問題」に見えるのに、実は「自分のパターンとも噛み合っている」状態になりやすい。

いわゆる“相互補完型の癒着パターン”というやつですね。


1:彼が「母子癒着型」である可能性は十分にある

まず、普通に読んで、彼らはけっこう濃いめです。

  • デート中に必ず母親の話
  • 母からの連絡に即反応し、嬉しそうに共有
  • 母の意向でデート先が決まる
  • 母が“君を認めたよ”と承認を与えてくる

さすがにこれは、ただ「親を大切にしている」レベルではなく、母親が関係構築の“第三者として常に介入している”状態ですよね。

このパターンは心理学でいうところの「母子癒着」または「母子の境界線の希薄さ」に該当する可能性が高いかな、と思います。

要は、母親の感情・価値観・意向が、本人の意思決定に直接影響してしまっている状態です。

で、このタイプの男性は──

  • 良い人である
  • 優しい
  • 女性へのリスペクトもある

ここまでは本当なんですが……

パートナーより母親を優先する構造が形成されているケースが多いんですよね。


2:質問者さん自身の“癒着の傷”も、反応を強めている可能性は高い

ここで、いただいた文面にこうあります。

「私は両親と癒着している自覚があり、現在対応中です」

この場合、他人の「癒着・依存・境界線の薄さ」が強烈なトリガーになることがあります。

いわば

自分が今、ほどきたい部分に“似たもの”を見つけると、 その揺らぎに敏感になる

という心の動きですね。

たとえば、

  • 自分が苦しんできた構造を、相手も持っている
  • 自分と相手が“同じ穴のムジナ”に見えてしまう
  • 「彼も癒着してるのでは…?」と直感が働く

これ、まったく不思議ではありません。

むしろ、癒着テーマに取り組んでいる人ほど、他者の癒着を敏感にキャッチするんですよ。

これは「問題視してるから反応しているだけ」ではなく、

あなたの回復が進んでいるから、同じ構造の相手に違和感を感じるようになっている

と解釈することもできます。


3:そして極めつけは「あなたがお母さんっぽく見える問題」

実はこれが最も“構造的に重要”です。

質問者さんはこう書かれています。

「友人から、あなたの恋愛は子育てみたいだと言われる」

つまり──

あなた自身が“お母さん役(パートナーの養育者役)”を背負ってしまいやすい構造を持っている

ということが何となく見えてくることかもしれません。

もちろん断定できるわけじゃないんですよ。

ただ、こうなると何が起きるかというと、

  • “お母さんに依存している男性”が安心する
  • “お母さんっぽい女性”を見ると無意識に近づく
  • あなたの優しさ・配慮・主導権の低さが“居心地の良さ”に見える

結果として、母子癒着の男性と、癒着から回復途中のあなたが“噛み合ってしまう”

そういう構造が生まれる可能性があるかもしれませんね。

もちろん、あなたが悪いわけではありませんよ。

ただ、自分がどれだけ癒着に悩んでいようと、優しい人は「自然にお母さん役」を引き受けてしまうことがあるわけです。

ここが、一番の“出会いのパターンの根っこ”になってると僕は見ています。


4:癒着が解消すれば、この問題は減るのか? → はい、“確実に減ります”

これはある程度断言できますよ。

あなた自身の癒着テーマが緩むと、相手の癒着には強い違和感を覚えるようになる

という変化が起きます。

そしてもうひとつ。

あなたの雰囲気(役割)が変わると、相手が選ばなくなる

という流れが起きるんですね。

“お母さんぽい女性”を求めて近づいてくる男性は、 「自分を世話してくれる/感情の面倒をみてくれる」女性を無意識に探しています。

しかし、あなたが回復すると、

  • 距離の取り方が変わる
  • 相手の母親の影響を許容しなくなる
  • 不自然な母親介入にすぐ気づく
  • 会話の主導権が自然に対等になる
  • “面倒を見る雰囲気”を出さなくなる

その結果、あなたを“お母さん役”として扱いたい男性が、自然と寄ってこなくなる。

これ、本当に起きえることです。


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最後に──これは回復の途中にある“選択の変化”

ご質問者さんは、こう書いておられましたよね。

「最近はむしろアレルギーになってきました」

これ、むしろ良い傾向、といえるかもしれません。

いい意味での“心の免疫”のよなものが働き始めているからかもしれませんしね。

人は、昔は受け入れてしまっていた関係に、 ある日ふと「違う」と気づきます。

それが回復の入口です。

そして、癒着が緩むにつれ、 今度は“対等な関係を築ける相手”に自然と惹かれるようになる。

その変化は、これから確実に起きます。

今回のご質問は、まさにその「移行期」にいるからこそのテーマなんだと思います。

焦らず、でもしっかりと自分を大切にしながら進んでください。

応援しております。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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