「また彼と別れてしまった・・・。」
そんな切ない思いを抱いてカウンセリングルームに起こしいただく方から
「私、男を見る目がないんですよね・・・」
というお声を伺うことがありますよ。
もしくは、友人や家族から「あんたはホント男を見る目がないね」なんて言われてめっちゃ凹んだ、なんてお話もありますね。
だからこそ自分の恋愛パターンを見つめ直して、いい恋愛ができる自分になりたい、とカウンセリングに起こしいただく方もいるとかいないとか。
いや、ホント勇気が必要だと思うんですよ、カウンセリングにお越しいただくってね。
なかなか「自分自身が異性を見極める目がない」なんて思いたくないでしょうし、むしろ否定したい気持ちのはず。
多くの人が「異性を見る目がない自分」って受け入れたくないと思うものでしょうからね。
そこを受け入れてカウンセリングにお越しになっている時点で、問題の半分は解決してるんじゃないか?ぐらい僕は思いますけどね。
ということで、今日はちょっと耳の痛いテーマではありますけど、「男を見る目がない」と言われる女性はどのような心理状態にあるのかについて、恋愛心理学の観点から紐解いていきます。
Index
「男を見る目がないな」と思う女性自身の心理
「男を見る目がない」という言葉は、女性に対してネガティブなイメージを与えがちですよね。
あまり聞きたくない言葉でもあり、人から指摘されるとイたタタタ・・・ってなりますよね。
しかし、この言葉の裏側には、恋愛における複雑な心理が隠されていることもありますよ。
ということで、まずは「男を見る目がないな」と思う女性自身の心理について解説していきます。
恋愛への理想が高いがゆえの認知バイアスの影響
「男を見る目がない」と言われる女性の中には、恋愛に対して理想が高い人がいますね。
「恋愛に対して高い理想や期待を抱いていたい」と思うぐらい、逆に言えば恋愛で失望したくない、という気持ちも強まっている可能性があるんですよ。
すると、これは恋愛の中で生じる認知バイアスの一つなのですが
「自分の理想に叶うほどに好意を持った相手に対しては、冷静、かつ客観的な評価・判断が難しくなってしまう」
なんてことが起きます。
その結果、相手の欠点を過小評価してしまう傾向があり、実際に付き合ってみると大変な思いをしたり、相手の裏側には借金やら他の女性の影が、なんてケースもあるようです。
恋愛に対して抱く理想や期待そのものが悪いわけではないのですが、それが高まりすぎるがゆえに「現実とのギャップ」にいつも苦しみながら恋愛している可能性がある、といえますね。
恋愛においては依存的になりすぎてしまう
こと恋愛においては「相手に依存したい」という気持ちが強く出てしまう人ですね。
どこかで恋愛に「心の安定」を求めている可能性がある、というケース。
すると、「相手がどんな人か」を見極める前に、今の自分を受け入れてくれる人を選ぶ、なんてことが起きるわけです。
受け入れてくれるんだったら付き合う、みたいな。
確かに「見る目がない」という言葉は、「自分が見たいようにしか物事を見ていない状態」なんて話があるわけですしね。
結果、相手がいい人だったら良いのですが、そうではない場合にちょっと大変な恋愛になってしまうこともあるようですね。
中には「恋愛中毒」といいますか、恋愛に依存し、それが生きがいになっているため、相手の良いところばかりを見てしまう人もいますね。
自己開示の不足によるもの
実はですね。
「私って男を見る目がないな」とおっしゃる女性のみなさん全てが、男性から愛されていない、と決まっているわけじゃないんですよ。
カウンセリングの中でお話を伺うと
「え、それって・・・彼はあなたのこと随分好きだったみたいですけど・・・」
なんてケースもあるんです。
ただ、女性側が上手自己開示できずにいたことで、関係がこじれてしまった、なんてケースも多いんです。
ここでのポイントは「自己開示の返報性」にあるんですよね。
自己開示の返報性とは、「自らがその心を開示することで、相手も心を開示してくれやすくなる」というもの。
しかし、自分の心が閉じちゃっているので、相手も心を閉ざしてしまい、相手の本音や本質を見抜くことが難しくなってしまうことも多々あるようです。
その結果、「僕たち合わないと思う」と言われてしまう、なんて悲しいケースも意外と少なくないんですよ。
コミュニケーションに課題がある
相手の言動の裏側を読み取ったり、自分の気持ちを正直に伝えたりすることが苦手な人の場合、ついつい異性との間で誤解が生じやすいのですよね。
すると、付き合う相手が変わっても、なぜか同じパターンで別れを繰り返してしまうことも。
その結果「うーん、私っていつも男を見る目がないんだ」と思い込んでしまっている方もいらっしゃるのかもしれませんね。
これと似たようなケースとしては、過去の恋愛経験で深い傷を負い、それを癒やそうとするあまり、再び同じようなタイプの人を選んでしまう、という場合もあります。
「男を見る目がないな」と思う人がハマる恋愛パターン
さて、もう少し視点を変えてこの話について考えていきたいんですけどね。
「男を見る目がないな」と思う人がハマる恋愛パターンとして、よく登場するものが
「相手を理想化してしまう」
というもの。
要は自分の思いや考えなどで、相手のあり方を断定的に捉えてしまうわけですな。
これ、いわゆるお姫様的な「彼は王子様♡」のように理想の人にしてしまう人もいるんですけど、その真逆もあるんですよ。
例えば、
「相手をすごく困っている人にしてしまう」
「きっと彼は今まで愛されてこなかったに違いないと思い込む」
というケースもそれにあたります。
もちろん。自分が見たいように相手を見た結果がいいとか悪いとか誰も語れないとは思うのですよ。
しかし、相手を理想化してしまうことによって、実は相手の中に「自分では受容できない部分」があったとしても、それに気付けない。
そのまま近づいてしまって痛い思いをする人もいるのは事実かもしれません。
実はこれ、結構辛い恋愛の形の一つなんですよね。
多く、相手を理想化している人って「相手のためになんでもやってあげたい」ぐらい思っていることが多いんです。
なのに、関係がうまくいかなくなるので、好きな人を愛しきれなかった自分が悪い・未熟」なんて感覚が残しやすいんですよ。
いわば無価値感や無力感などを残しやすいってことなんですけどね。


「男を見る目がないね」に隠れた自己攻撃も見逃せない
ただ、カウンセリングの現場にいると「男を見る目がないね」で済まされないような案件も実際にあるんですよ。
特に繊細な感性を持っている方、とにかく人を傷つけたくないという思いが強い人の場合、自分では受容できないかもしれない相手の一部でさえ
「愛せるものなら愛したい」
と思っていたりする。
これ、行動動機としてはほぼほぼ「愛」であることが少なくないんです。
もちろん、このような恋愛を重ねていくこと自体を僕は批判的に見ていませんし、むしろ「それでも愛したかったんですよね」「ホント大変でしたよね」と思うんです。
ただ、そうだとしても僕から「あなたはすごく愛が深いですね」といった、さらなる自己犠牲を誘発するようなことは安易に言えないな、って思っています。
と同時に
「きっとこの方は純粋に相手のことを受け入れようとしたには違いない」
と感じることも多いんですよ。
きっとこのような思いはクライエントさまの中にもあるはずなんですよね。
「気持ちとしては彼を愛している。けれど、いつも辛い・・・」
実は、この心理状態が示すものは、実は「自己攻撃」でしてね。
「好きだとか、理想の人だとか思っている人をきちんと愛せない自分に対する自己批判」が強いと、まぁこの手の葛藤に陥ってしまうことが少なくないようですよ。
まぁそのお気持ちはわからんでもないんですけど、無理は禁物かな~って感じです。

「私、男を見る目がないな」と思ったときの対処法
さて、「私、男を見る目がないな」と思ったときの対処法についてなんですけどね。
まず、「私、男を見る目がないな」という思いがもたらすものは概ね「無力感」だと考えてみるといいんですよね。
この無力感という感情はちょっと厄介な感情でしてね。
絵具の色で例えるなら「黒」なんです。
他の色を混ぜても(白以外)黒に染まる、という感じ。
なので、この状態になると、恋愛の楽しさ、歓び、充実感、難しさ、辛さ、様々な感情がぶっ飛んでしまって、何をやるにもダメな気がしたり、億劫だったり、うまくいきっこない、なんて思いに囚われやすくなります。
だから、恋愛が怖くなったり、距離を起きたくなるんですよねぇ。
ただもし、「自分が見たいようにものを見る」と言う要素が眠っているなら、もう少しだけ視野を広げて恋愛と向き合ってみるといい、ってことになります。
具体的には次のようなことが言えます。
恋愛感情に左右されすぎず客観的な視点を持つ
恋愛感情に左右されず、相手の行動や言動を冷静に観察する視点を持つことです。
これは恋愛に限らず、普段から、物事を多角的に捉える習慣をつけるといいですね。
この物事を多角的に捉える視野の広さが、無力感から抜け出す鍵になるんです。
どうしても一面的に物事を見るとその視点に飲まれてしまうんです。そこに無力感が影響すると、全てが黒のようにみえる。
でも実際はそうでもない、なんてことがほとんどですからね。
ただ難しいのは・・・恋愛感情を持つとそれを優先したくなってしまうこと。
好きだから、一緒にいたいから・・・・。
その思いがバイアスを生じさせて、自分が見たいように相手を見てしまうんですよ。
そこで一歩踏みとどまるには、ある程度物事を広い視野で見る習慣は必要になるし、その都度自分の感情に飲まれないように、信頼できる人やカウンセラーなど、あなたの気持ちを理解している人、知っている人を作っておくことがおすすめなんですよね。
自己肯定感を高める
また、自分の良いところを見つけ、自己肯定感を高めることで、視野も広くなりますし、相手の様子を見ながら接することができるようになります。
特に「自分も愛されるべき存在だ」と理解が進むと、相手を理想化しなくていい恋愛スタイルになりやすいものなんですよ。
これもよくカウンセリングの中で取り組んでいただくテーマになるんですけどね。
最後に
「男を見る目がない」と言われる女性は、必ずしも恋愛がうまくいかない人であるとは限りません。
恋愛に対する考え方や、過去の経験、自己肯定感など、様々な要因が複雑に絡み合って、このような状況を生み出していると考えられるんです。
もし、あなたが「男を見る目がない」とどこかで感じているのであれば、まずは自分の心の状態を客観的に見つめ直していきましょう。
今回の記事が、あなたのより良い恋愛につながれば幸いです。

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