こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

恋愛のご相談を伺っていると、ときどきこんな言葉を耳にします。

「私って、本当に男を見る目がないんですよね・・・」

付き合った彼が思っていたような人ではなかった。
付き合うたびに苦労する。
友達からも「またそういう人選んだの?」と言われる。

そういうことが続けば、そりゃ「私の見る目がおかしいのかな」と思いたくなる気持ちも分からなくはないんです。

ただ、「男を見る目がない」という言葉で、あなたの恋愛を全部まとめないほうがいいのかもしれませんよ。

というのも、「見る目がなかった」と感じている恋愛の中では、実はいろんなことが起きているからです。

今日はそんな話をまとめてみます。

「見る目がない」の中には、いろんな話が混ざっている

実際に「私って男を見る目がない」とおっしゃる方のお話をうかがうと、実にいろんな話がでてきますよ。

たとえば、「付き合う前には相手のことをまだよく知らなかった」というケースもあります。

「最初は本当に優しかったけど、関係が深まってから違う面が見えてきた」というケースもあります。

逆に、「あれ?」という違和感はあったけれど、「今だけかも」「私の考えすぎかも」と流したケースもあります。

あるいは、

「本当は優しい人なんです」
「今ちょっと余裕がないだけなんです」
「私が支えれば、きっと落ち着くと思うんです」

と、相手のいい部分を信じようとした人もいるでしょう。

他にも、「困っている相手を見ると放っておけなくて、気づけばずっと支える側にいた」というケースもあります。

・・・これ、全部「見る目がない」で済ませていい話かな?と僕は思うんですね。

それぞれのケースで起きていることが違う。

ここを一括りにすると、本当は何が起きていたのかが見えなくなることがあります。

そもそも、付き合う前に相手の全部を見抜けるわけではない

これは当たり前の話なんですけど、付き合う前から相手のことを全部分かる人なんて、そうそういません。

仕事仲間としては誠実だった。友人としては楽しかった。付き合うまではとても優しかった。

でも、恋人になって距離が近くなったら、嫉妬が強かった。怒ると話が通じなくなった。生活面ではかなり無責任だった。

そんなことって怒り得るわけです。

逆に言えば、関係が深くなったからこそ見える部分もあるんですよね。

だから、あとになって初めて分かったことまで、

「そんな人を最初から見抜けなかった私が悪い」

とまで考えなくてもいいんじゃないでしょうか。

だって、それは後から得た情報を使って、過去の自分を採点しているようなものですから。

・・・ただし、今までの蓮阿を振り返って、自分のこととして見つめ直してみていいこともあるんですよね。

違和感があったのに、目をつぶったことはなかった?

たとえば、今になって振り返ってみると、

「そういえば最初から少し相手に対する違和感が気になっていた」

ということもあるんですよね。

たとえば、約束を軽く扱う人だった。人によって態度が違った。怒ったときの言い方がきつかった。お金のことがちょっと気になった。

でも、好きだったから、

「まぁ、これぐらいなら」

「誰にでも欠点はあるし」

「私も完璧じゃないし」

と考えた。

これも、すぐに「見る目がない」と決める必要はないと思うんです。

人を好きになれば、その人のいいところを見ようとしますし、関係を続けたいと思えば、ある程度は相手を理解しようとしますからね。

ただ、ここで一つ見ておきたいのは、

相手を理解しようとするうちに、「私は嫌だった」「私はしんどかった」という自分の感覚まで後回しにしていなかったか、という部分なんですね。

もし、自分の気持ちや違和感を後回しにするなら、「その反応が気になるよね、どうしてなんだろうね?」という話になる、といいますかね。

「本当は優しい人」と思いたくなるとき

人って、好きになった相手のことを悪く思いたくないものなんですよね。

そりゃ僕も同じですし、多くの人にそう願う傾向があるんじゃないでしょうか。

「本当は優しい人」

「今は傷ついているだけ」

「この人にも事情がある」

そうやって相手を理解しようとする。

それ自体を悪いことだとは思いません。

むしろ、人の良さや事情を理解しようとすることって、かなり大切なことだと思っています。

・・・ただ。

相手の事情が分かることと、自分が傷ついていいことは別なんですよね。

相手が仕事で大変だからといって、こちらを雑に扱っていいわけではない。

相手に過去の傷があるからといって、こちらがずっと怒りを受け止め続けなければならないわけでもない。

相手を理解する力がある人ほど、このあたりで気持ちの整理がつきにくくなることがあるようです。

困っている相手を放っておけないこともある

もう一つ、「見る目がない」と言われやすい恋愛の中で、僕がよく見るのがこのケース。

相手が困っていると放っておけない。

彼が仕事で悩んでいるなら支える。お金に困っているなら何とかする。情緒が不安定なら、自分が落ち着かせようとする。

最初はただ「助けたい」と思っただけだったかもしれません。

でも、少しずつ、

「私がいないとこの人はダメになる」

「ここで私が離れたら、この人がかわいそう」

「今は私が我慢するしかない」

という感じになっていく。

こうなると、話はいわゆる「男を見る目」の問題だけではなくなってきます。

相手の問題と、自分の問題の境目が少しずつ曖昧になっている可能性があるからです。

愛することと、相手の問題まで背負うことは同じではない

心理学でも、

「親密な関係では、相手とつながりながらも、自分と相手を別の人間として保てることが、関係の質と関連する」

と考えられています。

要するにですね。

仲がいいことと、相手との境界線がなくなることは同じではないんです。

相手が落ち込んでいる。

それを心配するのはいい。

相手を励まし、元気づけることもいい。

ただ、相手を元気にする「責任」まで全部自分が背負わなくていい。

・・・この感覚ですね、ポイントは。

相手が仕事で困っている。

話を聞いたり、できることを手伝うのはいい。

でも、相手の苦しさを私が何とかしなきゃ、となると話は変わってきます。

相手を大切にすることと、相手の領域まで入り込むことは違う。

逆に、相手の事情を尊重することと、自分が我慢し続けることも違う。

このあたりが曖昧になると、恋愛や夫婦関係の中で、どちらか一方がしんどさを抱えやすくなるんですよね。

「好きだから苦しい」とは限らない

ときどき、

「こんなに苦しいのは、それだけ彼を愛しているからですよね」

とおっしゃる方もいます。

もちろん、それぐらい大切な相手だから苦しい、ということはあると思います。

ただ、もしかすると、

  • 相手の機嫌まで自分が何とかしようとしていた。
  • 相手の人生の問題まで引き受けていた。
  • 相手が変わるまで、自分が耐えようとしていた。
  • 相手の事情を理解するために、自分の痛みを後回しにしていた。

そういうこともあるかもしれない。

だとしたら、

愛が深すぎて苦しいというより、相手の領域まで背負って関係を維持しているから苦しい

という可能性も見ておいていいと思うんですよ。

誰を好きになるかは、本当の意味で自由です

ただ、ここは誤解してほしくないところなんですけどね。

僕は「もっとちゃんとした人を好きになりましょう」とお伝えしたいわけじゃないんですよ。

・・・人の恋路を邪魔して馬に蹴られたくはない。

それが本音です(^^;

あなたがどんな人を好むのか。

誰を好きになるのか。

一緒にいたいと思うのか。

共に人生を歩んでいきたいと思うのか。

そこって、本当の意味でその人の選択であり、自由だと思うんです。

外から見れば「なんでそんな人がいいの?」と思う恋愛でも、本人にしか分からない魅力があることもある。

だから、そこを僕があれこれお伝えすることはありません。

「好きなんだもの、しょうがない」

そう思うんです。

ただし、好きになる自由と、自分がずっと傷つき続けることを受け入れることは、同じではない。

この話は、実際にお伝えすることではあります。

あなたがパートナーのことを思うがゆえに、ときに傷つき、苦しい思いを抱えている。

それが「相手を大切にしたい」「放っておけない」という気持ちから来ているんだろうな、と僕なりに理解できるケースもあります。

ただ、それだけこちらが苦しみ続けることが、本当にパートナーのためになるのか?と考えると・・・。

このあたりは、情愛と現実の狭間で、「じゃあ私はどうすればいいんだろう」と悩みやすいところだと思います。

「男を見る目がない」と思ったときに振り返ってみたいこと

なので、もし「私って男を見る目がないなぁ」と思ったときには、すぐに「次はもっといい男を見抜かなきゃ」と考える前に、今までの恋愛で何が起きていたのかを少し分けて見てみてください。

相手のことを、まだよく知らなかっただけなのか。

違和感には気づいていたけれど、見ないことにしたのか。

「本当はこういう人」と信じたかったのか。

困っている相手を放っておけなかったのか。

相手の問題まで、自分の問題として背負っていなかったか。

ここが分かると、次に必要なことも変わります。

相手を知らなかっただけなら、次はもう少し時間をかけて知っていけばいいのかもしれない。

違和感を見ないことにしていたなら、「あれ?」と思った自分の感覚を、もう少し大切にしてみるトレーニングを積むこと。

相手のいいところを信じようとしていたなら、いいところと同じように、今そこにある困った部分も見られるようになる。

そして、相手の問題まで背負っていたのなら、

「これは私がやること?」

と少し立ち止まってみる。

・・・これだけでも、恋愛の見え方って結構変わってくると思います。

最後に|「見る目がない私」を直す前に

「私って男を見る目がないんです」

そう思うと、自分の恋愛感覚そのものを疑いたくなるかもしれません。

でも、僕はそこまで急いで自分を疑わなくてもいいと思うんです。

今回の恋愛で何が起きていたのかを、もう少し細かく見てみる。

知らなかったのか。

見えていたけれど目をつぶったのか。

信じたかったのか。

放っておけなかったのか。

それとも、いつの間にか相手の問題まで背負っていたのか。

誰を好きになるかは自由です。

でも、誰かを愛することと、その人の人生まで背負うことは同じではありません。

相手を理解することと、自分が傷つき続けることも同じではない。

もし一緒にいるほど自分ばかりが苦しくなっていくのだとしたら、

「私は見る目がないんだ」

と自分を責める前に、

「私はどこから、この人の問題まで背負うようになったんだろう?」

と考えてみてもいいのかもしれません。

そのほうが、「次は失敗しないようにしなきゃ」と自分を警戒させるより、ずっと現実的に次の恋愛に生かせるんじゃないかな、と思います。


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「はぁ、またこの人も?また私が受け止める係ですか・・・」

「どこにいるの?私を受け止めてくれる人って・・・!」 という話なんですけどね。

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