恋愛の心理学

無力感でつながる恋愛とその心理 〜親密さが得られにくい関係を改善する〜

無力感でつながる恋愛に関するご相談

無力感でつながる恋愛を続ける男女

今日は「無力感でつながる恋愛」というキーワードでコラムを書いてみます。

カウンセリングをしていると、いわば「大好物がパートナーの無力感」という恋愛パターンと出会うことがあるんですね。

パートナーが無力感を抱えていたり、自信を失っていたり、すごく困っていると、めちゃくちゃやる気になったり、愛情のスイッチがバンバン入る、というケース。

しかし、実際にパートナーからは距離を取られたり、連絡がなくなったり、別れたいと言われる始末・・・。

「こんなに相手のことを思っているのにどうしてこうなっちゃうの?」

というご相談って少なくないのです。

そんなときは無力感という感情に着目して、自分自身や今の関係を見つめ直してみることをオススメしたいのですねぇ。

無力感でつながる恋愛とは

無力感でつながる恋愛とは、自分自身、もしくは、パートナーの無力さばかりに注目し、関わり続けている恋愛のことを指します。

そもそも無力感とは、誰かを「助けたい」「救いたい」「支えたい」「役に立ちたい」と思ったけれど、力及ばずうまくいかなかった場合に生まれる罪悪感のこと。

無力感は罪悪感の一形態とも言えるわけです。

これが恋愛で登場すると

「私が力及ばず申し訳ない」という思いから、パートナーのことを愛そうとしている

という状況が生まれるわけですね。

例えば

  • 私じゃ彼のことを幸せにしてあげられないかもしれない。だから彼にはいつもごめんねって思う。
  • 私が魅力的じゃないから、彼がつまらなそうにしている。だったら、彼のためにもっと頑張らないと。
  • 私は彼のことが好きだけど足手まといになってしまっているような気がして心苦しい。だから、もっと彼の思うように過ごさせてあげないと。

もちろんその心情は理解できますし、そう思える人はとても気持ちが優しい人であり、決して悪い人間だとは言えません。

ここはハッキリさせておきたいところです。

ただ、自分の無力感を動機にして、パートナーと関わっているなら

いいか悪いか別にして「パートナーの思い・気持ちが見えている」とは限らないのです。

ここに無力感でつながる恋愛の脆さがあるわけですね。

親密さとは「自分と相手との違いを認めた上で成立する」

実は親密さとは「自分の相手との違いを認めた上で成立するもの」です。

自分が相手と同じ存在ではないし、全く同じ考え、経験をしているわけでもないのです。

お互いが似ているとしても違う存在ですし、違うからこそ相手のことがよく見えるわけですよね。

その違いを認めた上で、理解し、受け止め、それでいいやんと言える関係こそ親密な関係。

相手と心理的に癒着して、相手をさも自分と同じように感じる関係ではないのです。

しかし無力感が強い人は、この癒着傾向が強くなるんです。

癒着とは相手の感情と自分の感情の境目がなくなること。また、相手の感情のあり方で自分の感情が決まる状態のこと。

この癒着の材料の一つが罪悪感(自分が悪い)という感情なのです。

だから、どうしても無力感で癒着している関係は、親密さが得られない関係を作りやすいんです。

ここに「お互いが親密な関係を作れない」無力感でつながる恋愛の脆さがあるのです。

無力感でつながる恋愛を作る心理

では、どうして「無力感でつながる恋愛」が生じてしまうのでしょうか?

実は「好きな人のために頑張りたい」「何かしてあげたい」という気持ちによって生じます。

え?って思いません?

「好きな人のために頑張りたい」「何かしてあげたい」という気持ちが問題になるなんて、ちょっと不思議な話ですよね。

もちろんその気持ちが「相手を愛する気持ち」であるならば問題なんて起きないのです。

が、どこかで「私が力及ばず申し訳ない」という思いから生じている気持ちとなっていると、無力感でつながる恋愛になってしまうのですね。

いわゆる「好きな人のために頑張ること」などが

「自分の無力感に対する補償行為」

となっていると、無力感でつながる恋愛が生じてしまいやすいのです。

この補償行為が続くと「親密さを得ることが難しくなる」という状態が続くのです。

これは結構切ない話でしてね(^^;

心から好きな人を大切にしているのに、何故か親密な関係にならないという、味わいたくないマジックにかかった状態になることが多いですよ。

無力感でつながる恋愛を卒業する方法

無力感でつながる恋愛から卒業した女性

では、どうすれば無力感でつながる恋愛から卒業できるのでしょうか?

ここでは

「どうしてそこまで無力感を抱えているの?」

という個人の癒やしを進めることがとても大切です。

なぜなら、無力感でつながる恋愛となっていると、どれだけ素晴らしい恋愛テクニックを導入しても、相手のために与えても、親密な関係になりづらいからなのですね。

自分自身の無力感について見つめてみよう

そもそも無力感とは、誰かを「助けたい」「救いたい」「支えたい」「役に立ちたい」と思ったけれど、力及ばずうまくいかなかった場合に生まれる罪悪感です。

だとしたら、それはいつから感じていることなのでしょうか?

そのあたりを丁寧に見つめて、自分の感情や自分への印象を少しづつ書き換えていく方法などは、カウンセリングでよく行われる方法です。

漠然と自分の無力感を抱えている状態を続けるよりは、少し自分の過去を見つめ直す時間があってもいいのかもしれませんね。

無力感の裏側にある本当の気持ちを見つけよう

実は無力感を感じるということは

それぐらい「誰かの役に立ちたかった」「喜びになりたかった」という気持ちがあったこと示すことが多いです。

なので僕は「無力感でつながる恋愛で悩まれている方ほど、愛する力や人を思う気持ち、優しさが強く、ハートのキャパもでかい」と見ています。

そもそも無力感を抱えながら他人を大切にするって、ハートのキャパがなければできないことなのでね。

ただ、そのキャパを使って無力感を抱え続けると、親密な関係を得づらくなってしまうという罠があるわけですよ。

そんなときは、自分の「無力感」を見つめて、その裏側にある本当の気持ちを覗いてみることをおすすめしたいわけです。

そして、無力感ではなく「本当の気持ち」で行動するようにしていただきたいのですね。

例えば

「彼の足を引っ張っているようで申し訳ない」と思う方がいるとしたら

「足を引っ張っていることが申し訳ないほど、彼に何を与えてあげたいと思ってるの?」

という気持ちを大切にしていただきたいわけです。

すると、自分が無力感を選択しない分だけ、ちゃんと相手のことが見えるようになってきます。

「私は心からあなたに〇〇してあげたいけど、彼はどう感じるかな?」

などと、相手の気持ちが見えるようになりやすいんですよね〜。

無力感でつながらないようになると「パートナーの気持ち」もよく見える

親密な関係の男女

最後になりますが、無力感でつながらない関係になると「パートナーのあなたへの気持ち」も感じ取りやすくなりますよ。

無力感が強いときほど、「自分が至らない、申し訳ない」と感じていますから、他人の気持ちを見逃しやすくなるんです。

それほどまでに自分に意識が向いている状態なんですよ。

さまざまな方法で無力感の罠から抜け出すことで、より愛されている感も、パートナーを喜ばせることも可能になっていきます。

もし、頑張ってるのに親密にならない恋愛で悩まれているなら

まずあなた自身の気持ちを丁寧に見つめて、親密な関係を手に入れてくださいね。

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