すれ違う夫婦の心理

「もうこの関係はダメかも」から回復する4つの兆し 〜恋愛や夫婦関係が立ち直りはじめる心理プロセス〜

向き合う夫婦

こんにちは、心理カウンセラー浅野寿和です。

毎週水曜は「恋愛・夫婦に関するコラム」をお届けしています。

今日のコラムは「関係性が回復していくときの兆し」について取り上げます。

「もうダメかもしれない」

恋愛や夫婦関係の中で、そんなふうに思ってしまう瞬間って、人生の中で何度かあるものかもしれませんよね?

特に、とても好きで強い感情で結びついた関係性ほど、こじれたときの“終わり感”って強烈なもの。

だけど、そんな関係が、「ん?これってもしかして・・・?」という小さな違和感とともに、ゆっくり「回復しはじめる」ように動き出すこともあるんです。

実際のカウンセリングでも「あ、そろそろ、動き出してきましたね」と僕が思うこともしばしばありますしね。

今日はそんな、“関係が回復していくときに見えやすい兆し”について、お話してみようと思います。


関係性が回復し始めるとき、起きる”4つの兆し”

さて、まずは恋愛・夫婦関係の中で関係性が回復しはじめるときに起きやすい兆し、を4つほどご紹介しますね。

無言だった相手が、ぽつりと何か言う

たとえば、あれだけ冷たかった相手が、ある日ぽつりと「今日は疲れた」と呟いたり。

「お風呂入る?」と、以前のように何気ない言葉をかけてきたり。

それは、劇的な謝罪や、「仲直りしよう」なんて言葉じゃないかもしれません。

でも、そこにはたしかに「あなたに気持ちを向けてるよ」というサインがある。

関係が壊れそうなとき、人は無意識に“距離をとる”ことで自分を守ろうとします。

だからこそ、「自分をちょっとだけ見せる」って、実はすごく大きな一歩なんですよね。

自分の中にも、“変わりたい気持ち”がにじんでくる

関係が修復していくときって、相手だけじゃなく、自分の中にも小さな変化が起きているものです。

以前なら、感情が爆発してた場面で、「あ、今ちょっと距離を置こう」と一歩引けたり。

怒りや不満の奥にある「本当はこうありたかった」という気持ちに気づけたり。

それは、“我慢”ではないんですよ。

むしろ、「自分をちゃんと取り戻したい」と思えるようになってきた、というサインでもあるんです。

相手を見る目が、“ジャッジ”から“観察”に変わっている

一度こじれた関係では、つい「またあの人はこういうことする」「どうせ変わらない」と決めつけがちになります。

でも、関係が回復していくときは、少しずつその見方がほぐれていくようです。

「あれ、いま不安になってるのかも」
「こう言いながら、本当は寂しいのかな」

そんなふうに、「自分の感情を預ける相手」というよりも、「相手を、自分ではない人間として見つめる目線」が育ってくるわけですよ。

このとき、自分自身も(相手も)自分の感情に飲まれていないようになっている。

要は、気持ちの整理が進んで、冷静に今を見つめるだけの余裕を取り戻せているってことなんですね。

この「観察の目」が持てるようになると、関係って一気にラクになるんですよね。

沈黙が、ちょっとだけ優しくなる

これはちょっと不思議な話なんですけど、関係が回復していくときって、ふとした「空気」に変化が出てくることがあるんです。

前は一緒にいても沈黙が気まずくて、「何か話さなきゃ」「このままだと終わるかも」って焦っていたのに。

最近は、沈黙がちょっとだけ、やわらかい。

何も言わなくても、なんとなく気配が穏やか。

そういう空気が流れ始めたら、関係性は「緊張」から「安心」へ、少しずつ移行している証かもしれませんね。

起きている沈黙自体に変わりはないけれど、互いのマインドや考え、あり方、相手への向き合い方が変わっている、ということですね。


関係性が回復し始めるとき、心理的には何が起きているのか?

では、こうした変化が起きているとき、心の中ではどんなことが進行しているのでしょうか?

実はこれ、「一時的に断絶した情緒的つながりの回復」が始まっているタイミング、と見ることができます。

目の前の関係が壊れそうなとき、人は“回避”や“防衛”のモードに入ります。

要は、関係が壊れることで自分自身がぶっ壊れないように守ろうとするんですね。

ただ、実際にぶっ壊れないわけではなくて、守ろうとしすぎてパートナーをほったらかしたり、自分のことばかり考えてしまうことも少なくないわけですが・・・。

でも、自分と向き合う意思を持ってカウンセリングを利用したり、自分を見つめる時間を作ったり、相手と誠実に向き合う試みを繰り返すうちに、傷が癒えたり、相手からの小さなサインを受け取ったりすることもあるわけです。

すると、この回避や防衛モードが少しずつ解除されていく。

すると、「またつながってもいいかもしれない」という心の余地が生まれるんですね。

つまり、関係が回復していくときには

「相手の反応を見ながら少しずつ“関係の手綱”を戻していく」

というプロセスが、ごく自然に起きていくというわけです。

僕のカウンセリングでのプロセスも、まぁある意味ここを目指して進んでいくことも少なくないんですよね。(暴力など加害が明らかな場合は別ですよ)


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最後に:「変化」とは、ドラマチックなものじゃない

関係が回復していくときって、恋愛映画みたいに劇的な展開があるわけじゃないんです。

誰かが泣きながら謝るとか、急にラブラブになるとか、そういうことではない。

もっとずっと静かに、「ふとしたまなざしの変化」や「言葉の柔らかさ」「沈黙の手触り」として現れてくるものなんです。

だからもし今、

「ちょっとだけ相手の様子が変わった気がする」
「前より少しだけ自分が落ち着いている気がする」

そんな気配を感じていたら、それはきっと、関係性の“再接続”が始まりつつあるサインかもしれません。

どうか焦らず、小さな変化を丁寧に見つめてあげてください。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績9000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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