「別れたはずなのに、どうしても彼のことが頭から離れない」
「もう戻れないってわかっているのに、気づけばあの人のSNSを覗いてしまう」
こうしたお悩み、実はカウンセリングでもよく伺います。
いわゆる“忍耐女子”タイプのみなさんから伺う「恋愛がうまくいかない問題」ですね。
僕は忍耐女子タイプは恋愛がうまくいく、と心の底から信じている人間なんです。
そもそも忍耐女子さんは、誠実で優しくて、相手のことを大切に思うがゆえに我慢を積み重ねてきた方に多い傾向なのでね。
しかし、だからこそこの「別れた人を手放せない問題」は深刻になる、というか、時間のロスに繋がるというか・・・。。
しかも、単純に「未練タラタラだからでしょ」と切って捨てられる話でもなければ、意志の強さだけで片付けられる問題でもない、って部分がポイントなんです。
むしろ、そこには心理的な構造があって、ある意味では「あなたの優しさの裏返し」なんです。
では、なぜ忍耐女子は別れた人を手放しにくいのか。
そして、どうすれば少しずつでも前に進めるのか。
今日はそのあたりを整理してみたいと思います。
Index
手放しにくい理由1:「もっと大切にできたのに」という誠実さ
忍耐女子の多くが別れを経験したあと、まず抱くのは「私、もっとできたんじゃないか」という後悔です。
- もっと話を聞いてあげられたのではないか
- あのとき、素直に謝っていれば違ったのではないか
- 本当はもっと彼を支えられたはず
こういう思いは、自分を責めているように見えて、その根っこには「大切な人をちゃんと大切にしたかった」という誠実さが眠っています。
そう。多くの忍耐女子さんは「誠実だからこそ、自分の行動を省みてしまう」時間が長くなる。
相手のせいにしたり、そりゃお互い様だしと考えられる時間があまりない、といいますかね。
ただ、その誠実さは、ときに「罪悪感」へと姿を変え、別れを受け入れにくくさせるんですね。
「私が悪かったんだ・・・」という気持ちを強める理由になる。
すると、別れた人にもう一度尽くしたり、償うことを通じて「相手に私を受け入れてもらう」ことでしか、自分の痛みが消えないような”錯覚”を覚えるんですよ。
・・・えぇ、これは”錯覚”です。
相手に受け入れてもらわなくても、この心の苦しみの手当はできるんです。僕のカウンセリング経験からもそうお伝えできますよ。
手放しにくい理由2:「まだ一緒にいたかった」という依存心
もう一つはシンプルです。
「まだ一緒にいたかった」。
これを依存と呼ぶとネガティブに聞こえますが、実際はごく自然な人間の欲求です。
誰だって好きな人と離れたくはない。
「もう少しそばにいたい」と思うのは、悪いことでも弱いことでもありません。
忍耐女子の場合、この「一緒にいたい」という気持ちを我慢してきた時間が長いんです。
一緒にいたいと願いながら、その気持ちを実際に伝えることはなく、伝える代わりにそのあり方で、行動で相手に示している部分が大きいというか。
だからこそ、別れたあとに抑え込んでいた気持ちが一気にあふれ出し、手放せなくなるのです。
それは自分でもコントロール不能になるほどに溢れ出てきて、なかなか収まってくれないわけですよね・・・。
忍耐女子が忍耐する理由=「大切にしたいし、一緒にいたい」
結局のところ、忍耐女子が忍耐してきた動機って、とても素直でシンプルなんです。
「大切な人を大切にしたい」
「一緒にいたい」
ただそれだけ。
だから、手放せないのもある意味では自然なことなんです。
手放しとは「動機を捨てること」ではない
ここで大事なポイントを一つ。
手放すというのは、忍耐女子が持っている「大切にしたい」「一緒にいたい」という動機を捨てることではありません。
むしろ、手放すとは 「あのときの二人には、どうやったって限界があった」という事実を受け入れること なんです。
心理学的に言えば、これは「喪失感や悲しみをきちんと感じる作業」でもあります。
確かに辛いし、切ない。
でも、それは不幸の証明ではなく、人として自然なプロセスなんですよね。
よくある誤解:「手放す=願いを失う」
「手放したら、私の“誰かを大切にしたい”“一緒にいたい”という願いまで消えてしまうのではないか」
多くの忍耐女子さんがこう誤解しているのかもしれません。
でも実際は逆です。
その願いは未来にだって叶えられる可能性がある。
失恋の一番辛いところは、「未来に可能性がある」という認知がごっそり吹き飛んでしまうこと。
「あの人じゃなきゃダメ」と思ってしまうから、心が真っ暗になる。
でも、願いそのものは生き続けているし、未来に出番を待っている。
そこに気づけると、心は少し軽くなっていきます。
手放しのコツ
では具体的に、どうすれば少しずつでも「手放す」ことができるのでしょうか。
大前提として「好きだと想う気持ちは否定しなくていい」という部分がありますが、それと同時並行で見つめると良いことをいくつかご提案します。
1. 「あのときはどうやっても無理だった」という視点を持つ
あのときの自分と相手には限界があった。
それを事実として見つめることは、自分を責めることとは違います。
「当時の状況」を受け入れることなんですよ。
もちろん多くの忍耐女子さんは「別れないために頑張った」という側面もあると思うんです。
だから、「あのときの私とあの人とは、どうやったって続かなかった」という事実を受け入れるのは辛いと思われるかもしれない。
ただ、僕がここでお伝えしたいのは「そう受け入れることで、お互いの領域の課題が明確になる」ということなんですね。
別れに至るプロセスはどちらか一方だけの問題、ということはあまりない。善悪判断は別にして、結局お互いの影響の中で出る結論なんですね。
そして、ちょっと甘酸っぱい書き方をすると・・・
「お互いに変化があったならば、終わり以外の結末を迎える可能性だってあった」ということなんです。
だから、あの時の私と、あの人との関係はこうなるしかなかったんだな・・・と受け入れていく。
それによって次の展開が見えてくることもあるんです。
2. 自分自身の想いを改めて確かめてみる
忍耐女子さんは、基本恋愛中やパートナーの傍にいるとき、自分自身の願いを横においていることが少なくなかったりします。
また、いわゆる「物わかりの良い女性」「ヒステリックではない女性」「品の良い女性」「おとなしい女性」でいることが少なくないんです。
もちろん忍耐女子さんがそう振る舞うのは、物わかりが良く、賢く、感情的になることを好まない人だから、という側面もあると思うのです。
ただ、素でそう振る舞うならいいんですが、忍耐してそう振る舞っているなら、やはり自分の気持ちは後回しになりませんか?
だから、今、あなたが本当に恋愛や夫婦関係の中で叶えたかった気持ち、相手に伝えたかった気持ちを大切にすることも、心を軽くするために必要なこと。
・・・「でも、もう別れたんだから叶わないじゃん」と思うかもしれないですが、そういう意味じゃないんです。
ずっと心に秘めておくと辛いと感じるのは、何も悲しみや痛みだけじゃない、ってことなんです。
あなたの本当の願いを心のなかに押し込めていても、結構苦しいんですよ。
だから、つい執着してしまう、というね・・・。
3. 「未来にも叶う」と信じ直す
「大切にしたい」「一緒にいたい」という願いは過去で終わるものではないはずです。
よく忍耐女子さんの失恋のお話を伺うと、「これでもう私の恋は終わった・・・」と感じている方が少なくないんです。
もちろんそう感じるのも当然というか、それは不自然なことじゃありません。
ただ、もしあなたの未来に、あなたの願いが一切叶わないという決まり事があるとしたら、そりゃ絶望しますよね?
でも、そんな事は決まってないんです。
あなたの願いは未来にも叶う可能性を十分秘めている。
その感覚を少しづつでも心のなかで感じられるようになること。
あなたの願いは「未来に持ち越せるものだ」と信じ直すことが、手放しを進める一番のコツになるんですよね。
少なからず僕のカウンセリングはその「未来の可能性」を大いに意識して進んでいきます。
だからでしょうか、僕は稀にクライエントさんから「浅野さんだけなんです、私の可能性を信じてくれたのは」なんて言われることもあって(恥ずかしい・・・)
でも、実際そうじゃないでしょうか?
未来の可能性が閉ざされているなんてこと、有り得てたまるか?っておもいません?
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最後に
忍耐女子が別れた人を手放せないのは、誠実だから。
そして、素直に「一緒にいたかった」と思えるから。
手放すとは、その優しさや願いを捨てることではありません。
「当時の二人には限界があった」という事実を受け入れながら、未来の可能性を信じること。
失恋はたしかに辛く、切ない経験です。
でもそれは「もう二度と愛せない」ことの証明ではなく、「まだ愛せる未来がある」ことを思い出すチャンスなのかもしれません。
大丈夫、あなたの未来はきちんと明るい形で存在しています。
だから、自分自身のために、自分を整えて一歩前に踏み出してみましょう。
僕もできる限りのお手伝いはさせてもらいますよ。
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