こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
「ずっと不満があったんだよね・・・」
パートナーからそう言われた瞬間、頭の中が真っ白になる人は少なくないのではないでしょうか。
- え、なになに?今更?
- じゃあ、今までの関係は何だったの?
- ずっと我慢させていたってこと?
- もう手遅れなのかな…
ここでは単純に”不満をぶつけられた”とか”怒られた”というより、
過去ごと否定されたような感覚になることも少なくないですよね。
実際のご相談でも、
この言葉をきっかけに眠れなくなったり、
何を信じていいのか分からなくなってしまった、という声をよく聞きます。
今日は、パートナーから「ずっと不満があった」と言われたときに、
何が起きているのか、そして関係を壊さないために大切な視点について整理してみます。
Index
「ずっと不満があった」と言われた直後に、人が立ちやすい景色
この言葉を向けられたとき、多くの人は無意識に、次のような立ち位置に立ちやすくなります。
- 全部自分が悪かった側
- 試されている側
- 見捨てられるかもしれない側
すると頭の中は、
- とにかく謝らなきゃ
- 何か言い返したほうがいい?
- どうすれば関係を戻せる?
と、「正解探し」でいっぱいになります。
ただ、この状態は冷静な話し合いというより、
不安の中で自分を守ろうとする反応に近いものです。
まず知っておいてほしいのは、
この時点であなたがおかしいわけではない、ということ。
強い言葉を投げられたら、人は揺れます。
それ自体は自然な反応です。
「後から不満を言う」心理は、ひとつではない
実際のカウンセリング現場で見ていると、
「ずっと不満があった」という言葉の背景には、いくつかのパターンがあります。
1: とりあえず文句として出てくるケース
この場合、不満そのものよりも、
「こっちを見てほしい」「関心を向けてほしい」という気持ちが強いことがあります。
自分の状態をうまく言葉にできない人ほど、
ポジティブな表現ではなく、不満という形で関わろうとすることがあるのです。
このタイプは、言葉の強さほど深刻な内容ではないことも少なくありません。
2: 本当に長い間、我慢していたケース
責任感が強く、衝突を避けてきた人に多いパターンです。
「言わずに済むなら、それが一番いい」
そう思いながら、自分の違和感を飲み込み続けてきた。
ただ、我慢には限界があります。
積み重なった結果、
「もう伝えないと関係を続けられない」
というところまで追い込まれていることもあります。
3: 今だから言いたくなったケース
実は当時はそこまで気にしていなかったことを、
今の関係性の中で思い出して語っている場合もあります。
人の記憶は、録画の再生のように正確ではありません。
「今の感情」によって、過去の出来事が再編集されることは、心理学的にもよく知られています。
そのため、「ずっと不満だった」という言葉が、
必ずしも当時から同じ重さだったとは限らない、という視点も大切です。
一番こじれやすいのは「相手の感情を消そうとすること」
関係が悪化しやすい場面でよく起きるのが、
- 急いで謝り続ける
- 説明や言い訳を重ねる
- 逆に黙り込んで距離を取る
これらはすべて、相手の感情を早く消したいという気持ちから出やすい行動です。
でも、感情は消されると、かえって強く残ります。
相手からすると、
「分かってほしいのはそこじゃない」
「自分の気持ちが扱われていない」
と感じやすくなるからです。
対処の前に大切なのは「立ち位置を整えること」
「何を言えばいいか」よりも前に、まず確認してほしいことがあります。
それは、自分が今、どの立場で、どんな景色を見て焦っているかです。
- 見捨てられる恐怖で動こうとしていないか
- 全部自分が悪い場所に立っていないか
- 早く安心したくて行動を急いでいないか
一段引いて、
「関係を大切にしたいから、この言葉を受け取ろうとしている側」
に立ち直すだけで、言葉の選び方は変わります。
もちろん、言われてすぐできることじゃないかもしれません。
ただ、もしあなたがパートナーの不満を聞いて、焦ったり不安になっているなら。
関係が良くなくなることへの怖れ以上に
「本当はこの関係をよいものにしたい、」
という立ち位置があったからではないでしょうか?
実際に伝えるときの基本的な順番
さて、パートナーから不満が出てきたときは、基本”丁寧に聴く”が定石です。
ただ、どうしても何か伝える必要がある場合は、次の順番を意識してみてください。
- 相手の感情の存在を否定しない
- 傷つけたい意図はなかったことを伝える
- 短く謝る(長文にしない)
「そんなつもりじゃなかった」で終わらせず、
「嫌な気持ちにさせたかもしれないことは受け止めている」
この姿勢が、関係を守ります。
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最後に
「ずっと不満があった」と言われたとき、それは必ずしも関係の終わりを意味しません。
むしろ、
これまで言葉にされなかった何かが、表に出てきた瞬間
であることも多いのです。
つまり、多くの人が伝える「文句」や「不満」、
それ自体にそんなに深い意味がないことが多いのです。
着目すべきは「相手がそう言いたくなる事情、感情」です。
だからこそ、正解の言葉を探すより、まず自分の立ち位置を整える。
その上で、短く、逃げずに、相手の言葉を聞き、感情を扱う。
それができると、関係は壊れにくくなります。
最も避けたいのは
「不満だと言われたから、こちらからも言い返す」ということ。
相手の不満の背景にある事情を取り逃すだけでなく、相手を責めてしまうわけですからね。
こうなるとおそらく
「不満を言い合ってしまった」という問題意識しか持てなくなって、
本当に気づくべきことに気づけなくなってしまいます。
焦っているときほど、まず自分の立ち位置の確認から。
今日はそんなお話でした。
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