恋愛の心理学

彼が心を開いてくれない理由は「彼の気持ちを受け取っていないから」という話

彼が心を開いてくれませんというご相談

考え込む女性

「私はパートナーを支えたいと思っていますが、彼が心を開いてくれません。」

そういったお話を僕が伺うケースって実に多いわけです。

「彼との関係が良くない」「彼との結婚を進めたいのに彼がその気になっていないようで」というお話がその典型例です。

これから二人でしあわせになろうと考えているのに、いつからか彼のテンションが下がってしまった。

そんなお話もかなりの数伺うわけですよ。

あなたが本気で彼との結婚や未来のことを考えているならば、なかなか悩ましく切ない問題ですよね。

ただ、カウンセリングの現場にいますと「彼は心を閉ざしているのではなく、あなたになにか言いたいことがあるけど、そこが言えずにいたり、あなたに伝わってないだけなんじゃないの?」と思えるようなケースに遭遇することが多いのです。

ということで今日はその話をサクッとまとめます。

「彼が心を閉ざしていて」とお感じになっている方のなにか参考になれば幸いです。

彼が心を開いてくれない理由は「女性の不安」と「男性の罪悪感」が絶妙に噛み合っているから

さて、あなたのパートナーである彼が心を開いてくれません、という状態。

これ、女性視点で見ると「彼が一方的に、個人的な事情で閉ざしている」と解釈されることも少なくないようです。

たしかに彼が「自信がなくビビり」であったとかね。

または、彼が普段から「ひきこもり」「受動攻撃」という怒りの表現を使うという場合なら、それこそ彼の個人的な事情だと考えてもいいのかもしれません。

が、そうではない場合、これは「お互いの事情」によって彼は心を閉ざすようになったと考えたほうが前向きです。

どちらがいい悪いという話ではなく、お互いの事情だと考えるほうが前向きな答えが出やすい、という意味ですけどね。

では、お互いの事情で彼が心を閉ざすとしたら、どんな理由が考えられるかといいますと。

多くの場合、「女性の不安(怖れ)と男性の罪悪感(自分が至らないと感じてしまう気持ち)が噛み合っている状態」なのです。

具体例

例えば、彼女さんは彼との未来(結婚など)を考えているとします。

しかし「彼は本当に私との未来を考えているかな」といった不安を感じるとしたら、どうでしょう。

まず自分自身が「結婚できるのかな」「このまま付き合っていていいのかな」といった不安を感じませんか?

もちろん、ここで「彼を信頼する」「自分を信頼できる」としたら、まだ気持ちを強く持てるのでしょう。

が、ついつい不安を通じて彼の言動を見るとしたら、どんな気持ちになるでしょう?

そして、彼の存在をどのように感じるでしょうか。

どこか「彼のこと、疑ってしまう」と思いませんか?

ここでは「これ以上傷つきたくない」からこそ、彼を疑ってしまうことがある、と思いませんか?

すると、彼が何をしても、その言動は「疑わしいもの」「信頼できないもの」になってしまうこともあるわけですよ。

これは「自分が結婚できるのかどうか不安だ」と感じるから起きることなのです。

が、結果的には「彼を疑う」という行動(ものの見方)になってしまうわけです。

そこで、彼があなたを喜ばせようとしたり、あなたのために行動したとして、さて彼は「自分の気持ちを受け取ってもらえた」と思うでしょうか。

これが「女性の不安(怖れ)と男性の罪悪感(自分が至らないと感じてしまう気持ち)が噛み合っている状態」です。

来週のテストに出る重要なポイントなのです。(比喩ね、比喩)

僕たちは「自分の価値観が相手と一致するだろうという期待」を持っている

さて、ここで少し視点を変えてみます。

そもそも僕たちって「自分なりに良かれと思ったことを相手に差し出す生き物」ではないでしょうか。

「自分が喜ぶことを人に与えること」が多くなると思いません?

例えば、美味しいものを食べたら「今度彼と一緒に」とか、面白い映画を見たら「彼に教えてあげよう」とか、普通に思いません?

ただ、それは自分の気持ちを分かち合いたいということであって、「それが相手のためになっているかどうか」まで冷静に検証することってあまりないのかもしれません。

つまり、僕たちは「自分の価値観が相手と一致するだろうという期待を持っている」といえるのではないでしょうか。

そして、その期待は「きっと相手は喜んでくれるはず」という形になることが多いものですよね。

逆に言えば、「分かりあえないことで辛くなる」「相手が喜んでくれないことで傷つく」という場合も少なくないわけですよね。

それぐらい「分かりあえない」「相手が喜ばない」という現実は、喜ばせようとする側にとって切なく響く現実であると言えそうなのです。

かつ、「自分と相手の価値観が一致する」という期待が強いと、この切なさは倍増するものでしょう。

期待通りにならないことで自分ががっかりしてしまうからですね。

しかし、冷静に考えてみると、こう思いませんか?

そもそも「自分と相手との価値観が完全一致するなんてことはない」と。

お互いに分かり合える部分もあるけれど、違いがあって普通であり、伝わらないことがあって自然だ、とも。

むしろ、その違いをどう理解し、上手に伝えあうかこそ、パートナーシップの醍醐味ですよね。

そこで分かりあう経験をすることが、どれだけ素晴らしい経験なのかは、実際に経験されたことがある方ならご存知ではないでしょうか。

もうすごく嬉しいし、すごく安心するし、この人と一緒で良かった、と思えるものではないでしょうか。

自分の期待通りに現実を動かしたくなると、相手は心を閉ざすもの

しかし、ついつい自分の不安が強いときは「自分の思い通り(期待通り)に現実を動かしたくなる」ものではないでしょうか。

そして、「自分の思い通り(期待通り)に」と考えているときほど、相手のことを考えているようで、自分のことしか考えられていない状態になるのです。

例えば、彼と幸せになりたいという気持ちのとおりに現実を進めくなっている、としたら。

その時、「彼があなたのことを愛しているという事実はすっ飛ばされやすい」ということです。

彼からすれば「あなたに気持ちを受け止めてもらえていない」と感じるということです。

だから、彼の気持ちが動かなくなったり、急に心を閉ざしてしまうことにもなるのです。

つまり、どちらも悪くないんだけど

「自分の気持ち・考えを受け止めてもらえないと、人は心を閉ざす」わけです。

これが揉めなくていい関係で揉める理由といいますか、お互いが相手のことを考えているのに気持ちが通じ合わなくなる理由のひとつなんです。

あなたは自分の価値や彼の気持ちを受け取っていますか?

つまり「あなたは自分の価値や彼の気持ちを上手に感じとって受け取っていますか」という話なのです。

どれだけ自分が「相手のために素晴らしいことをしている」としても。

どれだけ自分が「お互いのことを考えている」としても。

自分自身の期待から行動している場合など「自分にしか意識が向いていないとき」ほど、相手の気持ちはなかったことになってしまうもの。

そのとき、相手は「自分の思いが届いていない」と感じているのです。

だから、あなたは「私の気持ちを分かってくれない」と感じます。

しかし、相手も「自分のことを理解してくれていない」と感じているのです。

この状態を長期間に過ごすと「もう何をしてもダメ」と感じてしまうこともあるのかもしれません。

つまり、もしあなたの彼が心を閉じているならば、「心を閉じなければいけないほど、分かってもらえない何かがある」と考えたほうがいいんですよね。

これ、一般的には「相手の気持ちを考えよう」と言われることですよね、

ただ、この言葉は「相手のことを考えていない自分が悪い」という意味で用いられるとは限らないのです。

自分なりに相手のことを考えている人は多いのです。

しかし「相手のことを見ていない」なんてことはザラにある話なんですよ。

つまり、相手のことを考えていないわけじゃないけど、確かめていないケースはめちゃくちゃ多いということ。

これは「お互いに心を開いて関わっていない」という意味になのです。

僕の臨床経験上感じることは、多くの人が「自分の大切な価値、資源を使って、相手を喜ばせたい、楽にしたい」と思っているということ

もちろんそれはお互いに、ですよ。

しかし、なぜか「自分で頑張る(与える)」ことは得意でも、「相手に何かしてもらうこと」に抵抗感を感じる人は多いものなんです。

これが「自立の人のパターン」なんですけどね。

なんだか人に愛されることが悪いような、申し訳ないような、自分が甘えているような気分になってしまう人、いませんかねぇ?

これを続けると彼が心を閉ざしてしまうなんてことも少なくないのです。

つまり、彼に心を開いてもらうために必要な視点はあなたに向けられた相手の価値、資源をあなたが受け取っているかどうか」なのです。

特に「あなたから結婚を考えるほど、彼に決めている」というケースであればあるほど、この点について検証する必要が出てきます。

(※逆に言えば「なんで彼は私をもっと愛してくれないの?」という不満を感じている場合は、自分の覚悟を確かめたほうがいいってことなんです。)

あなたは、相手が見ている私を理解しようとした経験、ありますか?

自分が想像する以上に、相手は信頼していてくれたのかもしれないし、魅力を感じてくれていたのかもしれません。

が、その意識や実感、ちゃんとありますでしょうか。

人が最も傷つくのは「愛されないこと」ではなく「自分の愛を理解されないこと」です。

相手に大切に扱われないことがなぜ辛いかといえば、「自分の中に愛情も信頼もあるのに、それを相手に適当にあしらわれたと感じるから」なのです。

自分に価値なんてないと感じることが何より辛いのです。

だから、もしあなたが彼ともう一度向き合いたいなら、どうか「あなたに向けられた相手の価値、資源」をあなたが受け取っているかどうか」についても考えてみてください。

いつも自分ひとりで考えて頑張っていないでしょうか?

彼を愛するという覚悟は素晴らしいものですが、いつも自分だけで物事を考えていないでしょうか?

何でもかんでも自分で引き受けて苦労するクセはないでしょうか?

相手のことを信頼してお願いすることが苦手ではないでしょうか?

このあたりの「自立の人特有の行動パターン」が、彼の心を閉ざしていることって結構ある話なんですよ。

 

https://www.asanohisao.jp/archives/6943.html

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