すれ違う夫婦の心理

真面目な人の恋愛は、責任感で押しつぶされそうになる|“頑張りすぎる愛”の心理学

机の上で悩む女性

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

「ちゃんとしたい」「裏切りたくない」「相手を支えたい」。

そんなふうに思う人の中には、一生懸命恋愛や夫婦関係を大切にしていても、なぜかそのことで苦しくなってしまうことがあるようです。

誠実で責任感が強い人ほど、実は“愛の形”が少し偏りやすいんです。

そして、その偏りが積み重なると、パートナーとの関係で自分が追い詰められた感じがしたり、心のどこかで「もう無理かも」と感じてしまうことも。

そこで今日は、まじめで優しい人ほど陥りやすい「責任感から来る罪悪感型癒着」について、心理学的に解説していきます。


責任感から生まれる「罪悪感型癒着」とは?

まず”癒着”とは、心理学的に「相手との心の境界があいまいになっている状態」を指します。

相手の感情や課題を、自分の責任として背負ってしまうんですね。

たとえば

  • 「自分が頑張れば、相手は楽になる」
  • 「私が支えないと、相手が壊れてしまう」
  • 「放っておくと申し訳ない」

こうした想いが続くと、知らぬ間に「相手中心の人生」になってしまう。 これが、責任感ゆえに、罪悪感を抱くことで生じる癒着の典型です。

しかもこのタイプの癒着は、“愛情の深さ”ゆえに気づきにくいのが特徴なんですよ。

本人は「これが私の優しさ」と信じているからこそ、限界まで頑張ってしまうのです。


なぜ誠実な人ほど、責任を抱えすぎるのか?

例えば、親や社会、過去の経験によって“自分の価値=役割を果たすこと”と結びつけてきた人。

こういったタイプの人は、目の前にある「責任を果たすべきこと」を過剰に自分と結びつけてしまうことがあります。

たとえば・・・

  • 相手がつらそうにしていることが全て自分の責任のように感じる
  • いい彼、彼女(夫・妻)でないことが関係悪化の原因の全て、のように感じる
  • 相手が伝えてくる話の内容、その全てが自分の至らなさのように思えてくる
  • 自分が改善することで関係は良くなると強く思い込んでいる

このような思いを抱きやすいんですね。

その心理的背景として、たとえば・・・

  • 子どもの頃から「いい子」でいようと頑張ってきた
  • 人に頼られると断れないタイプで揉め事を避けたい気持ちが強い
  • “迷惑をかけること”が怖い

こうした人は、恋愛でも「支える」「守る」「尽くす」方向に自然と動いてしまいます。

でも、それが続くと、知らず知らずのうちに「相手の人生の責任」を背負いはじめる、というわけです。

その結果、

  • 自分の感情を後回しにしてしまう
  • 相手の気分や言動に振り回される
  • 関係が“重くなる”

つまり、まじめで誠実な人ほど、愛しているという思いを抱きながら“自分を失いやすい”のです。


「まじめな優しさ」が関係を苦しくする瞬間

相手を想う気持ちは本物でも、 「支えなきゃ」「守らなきゃ」と思いすぎると、 無意識のうちに“相手の成長を奪ってしまう”ことがあります。

これが、いわゆる「共依存の隠れた形」とも言えるかもしれません。

  • 相手の問題を先回りして処理してしまう
  • 相手の感情をコントロールしようとしてしまう
  • 「頼られる=愛されている」と感じてしまう

この構造の中では、お互いに“自立した愛”が育ちません。

何よりあなたが消耗し、相手は成長する機会を失う可能性もあります。

結果、関係はどんどん息苦しくなっていくのです。


責任感が生む”罪悪感型癒着”を手放す3つのステップ

① 「自分の責任」と「相手の責任」を分ける

まずは「私ができること」「相手が選ぶこと」を明確に区別してみましょう。

紙に書き出してみてもいいですね。

書き出すことで、自分が思い込んでいることが、実は自分の領域の問題ではなかったとき付けることもあります。

また、自分の責任の範疇ではないことまで気にして悩んでいる、という事実にも気づけるやもしれません。

まずは”気づく”ということ。それが第一歩です。

② 「責任を果たさなきゃ」と強く思ったときに、まず自分を助ける

相手を支える前に、自分の疲れや悲しみをケアする。

これは自己中心ではなく、“持続可能な優しさを抱き続ける手段”です。

責任感や罪悪感から無理をして相手のことを受け止めようとすることで、自分が消耗していってしまう。

その消耗している自分を見て、相手もまた罪悪感を抱く。

そんなループが待っているケースも少なくないんです。

だから、まずは自分の立て直し。

そして、自分自身がどのような心の動きで今の状況に至ったのかを理解していきましょう。

③ “信頼して任せる”という愛の形を選ぶ

任せるとは「放棄」ではなく「信頼」です。

「私は私、あなたはあなた」と線を引きながら、相手を尊重する。 それが、成熟したパートナーシップの基本となります。

あなたが相手のことを思い、責任を背負うこともまた大切な想いの一つです。

それと同じぐらい、相手と適切な境界線を保ち、お互いを尊重し会う関係も大切なものなんですよね。


責任を手放すことは、無責任になることではない

「私が背負わなきゃ」と思うときほど、人は孤独を感じやすいんですよ。

でも、本当は“支え合う関係”の中でこそ責任は育つものでもあります。

心理的癒着を解くとは、「責任を捨てる」ことではなく、 「信頼をベースに責任を分かち合う」ことです

その瞬間から、あなたの優しさは“消耗する愛”ではなく、 “循環する愛”へと変わっていくのです。


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まとめ:責任感を持てるあなたが壊れる前に、責任の持ち方を変えよう

責任感があるのは、あなたが誠実だからです。

それはきっと間違いのないこと。

だからこそ、その誠実さを“自分への優しさ”としても使ってください。

もし目の前の関係がこじれたり、どうにも重くなっていると感じたら、 それは「もう一度、自分の愛を整えるタイミング」かもしれないですよ。

あなたの優しさが、苦しみではなく支えになるように。

今日のお話が、そのヒントになれば嬉しいです。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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