心地よい響き、心地よい感覚を選ぶことがいい恋愛・夫婦関係につながります
あるクライエントさまのケーススタディ(掲載OKと許可をもらっています)。
「今は一旦別れることになった彼との復縁」がテーマな恋愛カウンセリング。
彼女は20代なんですけど、僕の主観ではとても愛情深くしっかりした女性。
彼もハードワーカーではあるのですが、根は優しくていい人なんです。が、二人はいろいろあって今は別れることになったそう。
彼の方から「今は恋愛する余裕がなくて無理だ」と切り出された様子。
しかし彼女は彼ほど自分にフィットする人はいないと思い、もう一度復縁を・・・とご相談頂きました。
彼女はどうにか私の愛情や気持ちを彼に伝えたい、と必死になってお考えだったようです。
だから、彼女は「彼が言うことは聞こう」とお考えでした。
彼が望むことは叶えてあげたい、とも。
彼が料理をしてほしいと願うならそれを頑張り、彼がこうしてほしいといえばそれを受け容れる。
彼が愛情を見せてほしいと言えば、彼のために頑張る。
そんなやり取りの中で、いつしか彼女はどこか疲れ果てていたように僕には感じられました。彼女の頑張りは素晴らしいものなんですけどね。
実際、彼との関係も微妙なままでなかなか元には戻れない状況が続いていたうようです。
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じっくり彼のお話を伺うと、彼は彼で大変なストレスを抱え込んでいるようでした。
彼は彼で仕事に追われ心の余裕を失い、彼女に対してしっかり向き合う余裕がないような様子。
彼も彼女もどこか頑張りすぎるような、そんな側面があったんです。
彼は彼なりに、彼女は彼女なりに頑張る。
こういった方の想いには「自分が頑張って愛すればいい」という観念があるのかもしれませんね。
辛いのは自分だけでいい、的な発想であったり。
頑張れない自分が申し訳ない、と感じやすかったり。
こういった思いが強い方にとって「パートナーが辛そうにしている」ということは罪、なんですよ。いけないことになってしまう。その思いの中で、自分の努力が無になってしまうんですね。
だから、パートナーと向き合うと、相手のためにと頑張りすぎて疲れ果てその姿を相手に晒してしまうんです。
すると、相手が罪悪感や無価値感、無力感をつい感じてしまって、一緒にいることが辛くなる。
その姿を見て今度は私が辛くなる・・・。
お互いに思いはあるけれど一緒にはいられない。まるでヤマアラシのジレンマのような状態になるんですよね。
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このお二人の状態をあえてネガティヴに言えば「お互いが頑張ることが欠点」になっているような状態だったんです。
お互いのその姿は、パートナーから見れば「犠牲的」に見えちゃうんですよねぇ。
こんな感覚でパートナーを見ていると、人はつい「自分がいないほうがいいかもしれない」と考えてしまいますからね。これが別れの理由になっていなかったかなぁ?と僕は推測してました。
いい人ほどこの罠にハマるんですよね・・・意外とね。
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だから彼女には
「もっと肩の力を抜きましょう。あなたはあなたでいいし素晴らしい部分がたくさんありますよね。
お話を伺うと、別に特段頑張るケースじゃないような気がします、僕にはね。彼を失いたくないと思うとついつい力が入ってしまうかもしれないけれど、そうすればするほど彼から拒絶がくるかもしれないし。
もう少しあなたが心の余裕を持って彼と向き合ってみてくださいね。」
とご提案しましたし、そういったセッションをご提供したんです。
「あなたの気持ちが心地よくなって、感情的に、感覚的に軽くなることを目指しましょうね。それが一番いいと僕は思うんですよ。」
だから、彼女には今の自分のまま、毎日自分のための時間を作っていただくことや、自分の心が喜ぶことを実践していただくようにお願いしました。
平たく言えば、元気になるまで休もう、遊ぼう、楽しもう、もっと自分に投資しましょう!です。
つい自分のためには遠慮ちゃうかもしれないけれど、これも「大切な人のため」と思えばできません?と、余計な一言を付け加えて(笑)
彼女には普段から「自分が選んで心地よい言葉、感覚」を使うこともお願いしました。
どこかふっと力が抜けるような、心が落ち着くような、じわっと喜びを感じられるような。
そんな言葉・感覚をまず自分に向けてみてね、と。
*
自分が選んで心地よい言葉・・・それは
すごいね、ですか?
かわいい、ですか?
素敵、でしょうか?
大好き、でしょうか?
頑張ってるね、でしょうか?
魅力的だね、でしょうか?
色っぽいね、でしょうか?
ちゃんと人を愛せるよ、でしょうか?
もちろんその他の言葉でもいいですよ。
こういった言葉をあなたが違和感なく受け入れられる状態こそ、「心のキャパシティ」が大きくなっている、さまざまな自分を許せているということを示しています。
だから今より自分に自信を感じられたり、私っていいやつじゃん、と思えるようになるんです。
その感覚で彼と接すると、自分自身も楽ですし、そもそも彼が喜ぶんじゃないかなーと僕は思うわけです。彼がいろいろゴネても余裕を持って受け容れることだって可能です。
それぐらい心の余裕って大切で、どれだけ早くその心の余裕を手に入れるかは、今回のような復縁のケースではとても大切だと僕は思うんです。
ついパートナーとの溝を感じると焦って頑張ってしまいがちな自立的な方ほど、よく覚えてほしいこと。
それは「私がごきげんでいると、私を想う人は喜ぶよ」というシンプルな法則です。
ね、頑張るとは「逆説的」な発想でしょう?
頑張ることにも大きな意味があるように、緩めることにも意味があるって感じですね。
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