恋愛の心理学

過干渉な母の心理とその対処法を考える

過干渉な母の心理とその対処法を考える

浅野さんへ相談させていただきます。

私は、現在30歳になる女性で、実母のことで真剣に悩んでいます。
数年前くらいから俗に言う「毒親」なのでは?と思うようになってきました。
始まりは、年頃?の女性によくある「結婚しろしろ攻撃」でした。
私もつい感情的になって反論してしまうこともあったのですが、あまりに酷くて私自身参っていました。叔母(母の妹)があまり言い過ぎないようにと説得するとその時は納得するのですが、すぐに元に戻るのです。

少し遡るのですが、母は昔から私を説教する際に自分がこうと思ったことが正しいように諭してきて、何度か私は「あなたは、おかしい。あなたは、普通じゃない」とすら言われたことがあります。かつ、母は何か自分の意にそぐわないとヒステリックになり反論する気も失せるのです。

たまに反論、意見、気持ちを伝えたところで大体が「でもさ…」と聞き入れる様子は、ありません。昔からです。
私は、段々「母に何を言っても意味ないな」と感じるようになって、あまり自分の気持ちを言わなくなりました。
ですが、母はそれが寂しい、悲しいと言うのです。
最近も私の扱いが思いどおりにいかないと分かりやすく落ち込んでいて、正直キツイです。

実は、最近また母の「結婚しろしろ攻撃」が酷くなってきたのですが、その中でお見合いをさせられました。

私が付き合っていた彼氏と別れたばかりで、心の整理がついていないことも責めつつ勝手にお見合いをセッティングしていました。私は、相手の方を好きになれずにいるのですが、母はお気に入り。そうなると、大変です。やれ、今度はいつ会うのか?やれ、誕生日あげなさい。やれ、あなたから積極的にいってあげなさい…辛い。しまいには、お母さん、土下座してもいいからもうこの人と結婚してお願いだから。

は??と思いました。この母は、本当に私の幸せを願って言ってんの?と正直、ゾッとしました。もう、書き出したら色々と「え?それ親が言うセリフ?」と疑問になることもあります。(そんなに私から離れたいの?と悲しそうに言われたり。)

長文になってしまい申し訳ありませんが、本当に実家に帰るのが鬱になるくらい参っています。
どうしたら、このストレスから少しでも解放されるのか教えていただければ、幸いです。

ネタ募集ネーム:匿名さん

過干渉な母の心理

さて、そもそも過干渉な母の心理、根っこには不安や怖れがあります。

常に行動の原動力が怖れ、と言いかえればいいでしょうか。

不安や怖れを感じると、それを解消したくなってついつい周囲をコントロールしたくなるわけです。

その結果が「結婚しろしろ攻撃」となって表面化しているのが今回のケースでしょうね。

お母さんが自らの不安を解消したいために、あなたを従わせようとプレッシャーをかけるような言動をとり、それがうまくいかないと相手を否定しにかかる。

もちろんお子さんの立場としてはとてもしんどい話です。

そこに繊細な結婚という話を持ち出されているなら尚更ですね・・・。

ただ、いいか悪いか別にして

お母さんは「それぐらい不安を解消したい」という思いが強いのです。

不安を消すことで自分が母としてしっかり機能しているのだと感じたい。

そんな深層心理が眠っているかもしれません。

お母さんが「ちゃんと母をやりたい」と思えば思うほど、つい不安を感じてしまい

子供(時にはパートナー)に対して

「命令口調」「批判的な言動」「コントロール」ときには「マウンティング」を引き起こす。

そんな「不安解消のための行動」だとも言えるのです。

今回のケースでは、お母さんの不安の種が摘まれない限り、まぁその言動は続くかもしれない、と想像できるわけですね。

おそらくその不安の種こそ「あなたが幸せかどうか」なのでしょうね。

ま、お子さんの立場からすれば「大きなお世話」と思われるかもしれませんが、僕はそう捉えます。

また、あえて癒やしのカウンセリング的な視点でみれば

「お母さんはその不安を誰にも理解されず、一人で抱えている」とも言えるのです。

もし、おばさんが説得するとお母さんの気持ちが一旦落ち着くのは、お母さんにとって信頼できる人がそばにいるからだろう、と推測できるわけですね。

そこに安心感があるから、とも言えそうです。

過干渉と癒着、その心理

そもそも過干渉とは、親の子供に対する心配から起きることですが、

ここには癒着の影響が見て取れます。

癒着とは「人と人との感情がくっついて境目がなくなっている状態」

言いかえれば「自分の感情のスイッチが別の人間になっている状態」です。

つまり

お母さんの感情のスイッチが「あなたの行動・状態」になっているということ。

あなたの感情のスイッチも「母の行動・状態」になっているやもしれません。

この関係性はたしかにしんどいと思いますよ・。

特に子供さんであるあなたにとっては、全く自由さや母の愛情が感じられないでしょうから。

もちろんお母さん側もしんどいのです。

お母さんの感情のスイッチがあなただから、お母さん自身でどうにも対処できない状態なのでしょう。

だから何とか不安を消したくて「結婚しろしろ攻撃」が発動してしまうのでしょうね。

本当はあなたを心配しているのでしょうが、自分の気持ちが言うことを聞かないのでしょう。

人の感情は変えられないが、視点を変える対処はできる

お母さんの不安はお母さんのものであり、子供さんのものではありません。

もちろん子供さんがお母さんの不安のために、人生をかけて慰める必然性もありません。

お子さんはお子さんとして自分が幸せになる人生を歩んでいけばいいのです。

私たちの心理学でいう「アカウンタビリティ(感情を感じているのは自分である)の法則」からも、いくら周りがお母さんの不安を引き受けようとしても、本人が手放さない限り収まりがつかない可能性が高いのです。

とはいえ、子供であるあなたにとって

今のままお母さんのを放置することも難しく

しかしその言動を受け入れることも難しいと感じているから悩まれるのではないでしょうか。

では、こんなときどうしたらいいのでしょう。

まず「お母さんとの適切な距離を取ること」です。

お母さんの感情の責任はお母さんしか取れない、と意識の線引をすること。

少なくとも、あなたが母と向き合ったとき。

あなたの感情のスイッチをお母さんにしておかないことです。

面と向かってお母さんに落ち込まれたり、結婚しろしろと言われると苦しくなりますよね・・・。

この癒着関係を解消することです。

癒着状態にあると、つい「相手の言動に振り回されて抵抗できない」状態が生まれます。

だから、ついつい嫌だなぁ・・・と思いつつ相手の思いに応えてしまう。

例えば・・・

「そこまでお母さんが言うなら」と、まるで情のような気持ちでしかたなくお母さんに付き合ったとして、もしあなたが望まない結婚をしたとすれば、そのあなたの苦しみの全てをお母さんが背負うことになりかねないわけですね。

ここで働いている感情は「罪悪感」です。

お母さんもあなたの全く気づかないレベルの罪悪感で動いているのかもしれません。

そもそも癒着の材料は「怖れ」もしくは「罪悪感」であることが多いのです。

ついつい「申し訳ない」と思うから

もしくは

ものすごく不安だから、誰かの感情に張り付いているのです。

このような状態では「情のような申し訳なさ」で行動しないことがとても大切なことです。

あれこれ言われると辛いなら、一旦その場を去るなどの対策をとってみるといいでしょう。

その上でお母さんという人を理解してみましょう。

あなた自身もお母さんから批判的な言動を受けて辛い思いをされたことと思います。

その悲しみ、痛みはぜひケアしていただきたいと思うのです。

あなたの感情を整え癒やすことがなにより優先されるべきことですからね。

これから書く話は「それからのこと」ぐらいのニュアンスで読んでくださいね。

まずお母さんの言動、その理由を知ってくださいね。

すると、あなたが悪いわけではない、ということが見えてこないでしょうか?

お母さんもそもそも不安に突き動かされているのであって、誰も傷つけたいと思っていない部分が見えてこないでしょうか。

そのようにまず理解することからはじめてみてください。

何が悪い、誰かが悪い、という思いを持てば持つほど癒着が強まる可能性があるのでリスクが高いのです。

「一体どんな心理の影響があって、何が起こっているのか」を少し冷静に見つめてみてください。

その上で、お母さんの不安を「結婚」という要素以外で取り除いていくのです。

不安の影響で結婚という要素を持ち出しているのはお母さんであって、あなたではないですよね。

ここでは、できる限りお母さんの不安・その視点を変えるように関わっていくのです。

ここで使うツールが「感謝」です。

お母さんに感謝できることがあるなら、それを伝えていくのです。

「いつも心配してくれてありがとう。感謝してるよ」的な。

もちろんそんなことを言えばまたお母さんは「結婚」と言うでしょう。

が、そこでは反応しないことです。

あくまで感謝は感謝、結婚は結婚。

母の人生は母のもの。私の人生は私のもの。

その意識で対応してみてください。日頃からそんなイメージを作っておいても効果的ですね。

以上、長くなりましたが参考にしてくださいね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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