深読みさんと忍耐女子

彼がまだ元カノと連絡を取っている ― 信じきれない私が苦しくなる理由と、心の立ち位置の話

椅子とテーブルのシンボル

こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、読者さんからいただいたご質問を元に、

「彼がまだ元カノと連絡を取っていた。戻っても彼を信じきれないことが辛い」

というテーマで整理してみます。

僕の臨床経験上、ここで苦しくなっている人は、

「心が弱いから」というより、

むしろちゃんと愛したい、向き合いたいと思ってきた人が少なくないんです

ただ、目の前の現実がシビアなので、心が弱ってしまうというか・・・。

彼に対して、怒っている。いい加減にしてほしいとも思う。

でも、まだ好きな気持ちはある。

それなのに、信じきれない自分がいちばん苦しい。

この状態って、

「彼を責める」か「自分を責める」か、どっちかに寄せないと立っていられない

感じになるんですよね。

今日は、そこから少しだけ距離を取って、

「彼を無理に変えようとしない」前提で、あなたが苦しくならない立ち位置

について考えていきたいと思います。

いただいたご質問はこちら

浅野さんへ質問です。

ブログを読ませていただいています。
とても気づくことが沢山あり、考え方や生き方について指針となっています。ありがとうございます。

今日は、自分の気持ちがわからなくなってしまい浅野さんのお考えをお聞きしたくてメッセージを送りました。

4年、もうすぐ5年になる彼との関係です。

彼とは、結婚を考えていた元彼女と別れて割とすぐに付き合い始めました。付き合って1年ほど経った頃、その元彼女は別の男性と結婚しています。

彼は別れた後も元彼女と友達のような関係を続けていて、付き合って1年が過ぎた頃に「また会ってる」と聞かされました。

会わないでほしいと伝え、彼は「もう会わない」と約束してくれました。

ただ、付き合っている間ずっと、どこか寂しく、愛されていないのではと感じていました。

元彼女と会っていると聞き、やはりまだ愛しているのではないかと思ってしまいました。その後、彼は愛情表現を増やし、結婚の話も出るようになりましたが、私は彼を信じきれず、混乱して距離を置くことになりました。

半年後、忘れられず私から連絡し復縁しました。その後1年ほどは、彼も元彼女との関係を清算しようとし、幸せだと感じていました。

しかし数ヶ月前、再び未練を感じる言動があり、彼のスマホを見て、今も元彼女と連絡を取り会っていることを知りました。

それでも最近は彼が本気で向き合ってくれていると感じます。

ただ、信じきれない自分が苦しく、悲しいです。

過去に冷たくされた記憶や、許せない気持ちと、それでも彼と生きていきたい気持ちが揺れて、どれが本当の気持ちなのか分からなくなっています。

どうしたら過去を許し、これから彼を信じていけるのか、浅野さんのお考えをお聞かせください。

ネタ募集ネーム:れもんさん(一部編集しています)


まず最初に:この問題の「痛さ」は、事実よりも“揺れ”にある

本題に入る前に・・・

今日のこのテーマは、読んでいる途中で気持ちが揺れる方も多いと思います。

無理に答えを出そうとせず、いまの自分の感覚を確かめるつもりで読んでみてください。

さて、彼が元カノと連絡を取っていた事実がわかったこと。(または、現在進行系の場合も含む。)

それ自体が苦しいのは当然です。

でも、れもんさんの文章でいちばん胸に迫るものがあったのは、ここなんですね。

  • 彼が変わってきたのは嬉しい
  • でも信じきれない自分が苦しい
  • 許したい気持ちもある
  • 許せない気持ちもある

つまり、苦しさの中心は、

「彼をどうするか」だけじゃなくて、「自分がどこに立てばいいか分からない」

そんな感覚なのかもしれませんね。

ここで多くの人がやりがちなことがあるんです。

それは、

この揺れを止めるために、“正解の立ち位置”を早く決めようとしてしまう

ことです。

「許すべき」

「許せないなら別れるべき」

「信じると決めるべき」

・・・まぁ確かに、答えがすぐにはっきりくっきり出るなら、それに越したことはないのかもしれませんよ。

ただ、無理に“こうするべき”と考えて、心の揺れを止めようとすると、

今度は自分が二重に苦しくなります。

彼のことで苦しいのに、自分の気持ちまで裁くからです。


彼は優しいのかもしれない。けど、優しさが残酷になることもある

ここ、少しだけフォローを入れつつ整理します。

この手の男性って、

「人を大切にしたい」気持ちそのものは、持っている可能性が高い

んですよね。

元カノを切れないのも、

「相手のことが好き(執着心も含む)」

「一度好きになった人のことは助けたいとか思う」(←ここが最も女性にとって意味不明と思われる部分でしょうが)

みたいな、彼の視点での“優しさ”のような気持ちで起きていることもある。

ただ・・・

優しさも度を超えると、残酷さに変わることがありますよね。

なぜなら、今の彼女であるあなたにとっては、

「私は大切にされているのか?」が、ずっと宙づりになる

からです。

つまり、彼に悪意がないほど(あなたにとっては悪意に見えるかもしれませんが)、

悩んでしまうわけです。

「責めないほうがいい、理解しよう」

「でも、苦しい」

この中間地帯がいちばん消耗します。


あなたが苦しくなるのは「信じきれない私」を引き受けようとしているから

れもんさんは、こう書かれていました。

「信じれない自分が悲しいです。でも信じたいと思ってます」

この気持ち、すごく分かるんです。

でも、ここにあなたの素晴らしさとともに、見えない”罠”があるんです。

信じきれないとき、人はよくこう考えます。

  • 私が疑ってしまうのが悪いのかな
  • 私の器が小さいのかな
  • 私がもっと大人になれば…

つまり、問題を「自分の足りなさ」に回収してしまう仕組みがあるんです。

これがよく僕がブログでお伝えしている

“立ち位置のズレ”

になりやすいんです。

あなたが背負うべきものは、本来そこまで多くないのかもしれませんよ。

「彼が約束を破った事実」も、「彼の過去の未練」も

理解したとしても、背負う必要はない、といいますか。

ましてや、

「彼を信じきれない自分を、悪者として引き受けること」も必要ないんです。

しかし、いわば”愛深き忍耐女子”のような皆さまほど

信じきれないのは、自分の至らなさだと引き受けてしまう。

なぜそうなるのか・・・。

その理由はおそらく「今の現実がシビアすぎるから」なのでしょう。

彼のその様子をたった一人で受け止めることが苦しすぎるのです。

だから、苦しさの痛み止めの意味で「愛せない私がダメ」と思う。

そんな人もいらっしゃるのかもしれません。

でも、冷静に考えてみると、

恋愛関係の中で二人の信頼が揺れるだけの出来事が起きた

という話でとどめていいと思うんですよね。


この手の問題は「彼を変えようとすると危うくなる/何も言わないと壊れる」

ただ、ここで彼を無理に変えようとすると、関係がギクシャクします。

問い詰めれば逃げる。

責めれば逆ギレする。

「もういい」と閉じる。

でも、何も言わないで我慢すると、あなたの中が壊れます。

だから必要なのは、

「変えようとする」でもなく、「黙って耐える」でもない、第三のやり方

なんですよね。


第三のやり方:彼を理解することと、きちんと伝えることを“同時に”やる

この問題は、片方だけだとうまくいきません。

理解だけだと、あなたが削れます。

伝えるだけだと、関係が荒れます。

なので、こういう型が役に立ちます。

1)事実(確認したいこと)

  • 「元カノと連絡を取っているのは、今も続いてる?」
  • 「会ってるのは事実?」

2)影響(私の中で起きていること)

  • 「その事実があると、私は安心できなくなる」
  • 「信じたいのに、信じきれない状態が続いて苦しくなる」

3)境界線(これからの扱い)

  • 「私はこの状態のまま関係を続けるのは難しい」
  • 「責めたいわけじゃないけど、曖昧なままにはできない」

ポイントは、

彼を断罪せず、でも“私の安心”を後回しにしない

ことです。

・・・そんな簡単に言わないで!難しい!

そう思われる方がいても不思議ではないんです。

ただ、難しく感じるのは

「気持ちに余裕がなさすぎるから」というケースが多いです。

だからこそ、自分の心に余裕を持たせるために、自分を整える一歩を踏み出してみてほしいですね。


「許せるかどうか」より先にやること:自分の気持ちを“正解探し”にしない

れもんさんの中には、

「許せない」

「許したい」

「憎い」

「でも好き」

と、いくつもの気持ちが出てきています。

僕はこれ、どれも本当だと思います。

そして、どれか一つが“本音”で、他は偽物、という話でもない。

心って、こういうとき、同時多発的に本音が出るんですよね。

だから「どれが本当?」と正解探しを始めると、余計に苦しくなります。

大事なのは、

いま揺れている自分を、裁かない位置に戻す

ことです。


立ち位置の提案:「彼の問題」を“私の責任”として引き受けない

ここが今日の重要ポイントです。

彼が

元カノと関係を切れないのは、彼の課題です。

優しすぎる(悪者になれない)のも、彼の課題です。

自分の過去を整理できていないのも、彼の課題です。

あなたはその課題を“理解”することはできます。

でも、

あなたがそれを「私の責任」として背負い始めた瞬間に、あなたは壊れます。

あなたが守るべきものは、

「彼が変わるかどうか」よりも、

あなたの安心が、関係の中で扱われているか

です。


こちらの記事も参考にどうぞ

まとめ:信じきれない私を責めない。責めずに、立ち位置を整えましょう

彼のことを信じきれない自分が出てくるのは、あなたが弱いからじゃありません。

今の現実がシビアすぎるから、

そして、あなたにとって信じたいものがあるからではないでしょうか。

だから、その信じたい気持ちを守るためにも、

あなたが立つ位置を、あなたの側で整えてあげてください。

もし一人で整理しきれないなら、壁打ちでも何でも、頼ってくださいね。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
「読む」から、「私の立ち位置を整える」へ

心理カウンセラー浅野寿和のブログは、心理学の知識だけでなく、

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