不安をぶつけたあと、夫の態度が急に変わったときに起きていること
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日のコラムのテーマは、
「不安をぶつけたあと、夫の態度が急に変わったときに起きていること」
不安でいっぱいになって、言わなくていいことまで言ってしまった。
責めたつもりはなかったのに、結果的に責める形になってしまった。
そのあとから、夫の態度が急に変わった気がする。
- 帰りが遅くなった
- 連絡が減った
- 会話がぎこちなくなった
- 距離を取られている気がする
こういうときって、頭の中が一気に忙しくなりますよね・・・。
「私がやらかしたのかな」
「でも、あの状況なら不安にもなるよね」
「いや、今すぐ何かしないと取り返しがつかない?」
今日は、読者の方からいただいたご質問を元にしながら
焦って変な動きをしないために、
いま関係の中で起きやすいことを、できるだけ整理してみます。
Index
いただいたご質問はこちら
浅野さんへの質問
はじめまして。
いつもブログを読ませていただいています。
年末年始、夫が同級生の女性と連絡を取っていたことが分かりました。
話を聞くと「年末年始ひとりで寂しく、皆で飲み会をしようという話をしていただけ」とのことでした。
ただ、私は急に自信をなくしてしまい、「その内容なら見せられるだろう」と強く問い詰めてしまいました。
結局、見せてもらえず不安は増すばかりで、話し合いをしてもその場しのぎ。想いを伝えても不安は消えませんでした。
夫は最初、不安を消そうと抱きしめたり行動で示してくれていましたが、私はそれを受け取れず、不安から責めたり泣いたり怒ったりを繰り返してしまいました。
すると夫の態度は一変し、飲み会や外出が増え、帰宅が遅くなり、連絡も無視されるようになりました。
今思えば、夫は浮気をするような人ではなく、寂しさからの行動だったのかもしれません。
ただ、私が動くほど態度が悪くなるため、1〜2週間は距離を置いています。淡々と接していますが、不安は増す一方です。
一度だけ「もう嫌いになる」と言ってしまい、今はどう動けばいいのか分かりません。
信じて待ちたい気持ちはあるものの、笑顔になれず、我慢している自分を感じています。
2歳と生まれたばかりの子の育児も重なり、正直疲れています。
何かアドバイスをいただけたら幸いです。
ネタ募集ネーム:むつみさん
夫の態度が急に変わったと感じるとき、関係の中で起きやすいこと
「夫の態度が急に変わった」と感じるとき。
確かに、実際に夫が変わった部分もあるのかもしれません。
ただ同時に、こちら側の心の状態によって、
相手の振る舞いが“いつも以上に大きく”見えることもあります。
不安が強いときの心は、
相手の反応を「安全かどうか」の指標として見やすいものですよね。
- 返事が遅い → 見捨てられるかもしれない
- 素っ気ない → もう気持ちがないのかもしれない
- 話し合いを避ける → 逃げているのかもしれない
もちろん、そう思うことが間違い、と言いたいわけではありません。
そう見えてしまうほど、今の心が切迫している、ということなのだと思います。
この段階で、すぐに「真相」を決めに行くほど、
判断が急ぎ足になりやすいので、まずはそこだけ注意してみてください。
不安をぶつけたあとに関係がこじれやすくなる理由
不安をぶつけたあと、関係がこじれやすくなるのは、
多くの場合、「どちらが正しいか」の問題ではありません。
関係の中で起きているのは、わりとシンプル。
お互いが自分を守る行動を取りやすくなる、ということです。
不安な側は、
「確かめたい」「安心したい」「ちゃんと説明してほしい」
そう思って言葉を強めやすい。
一方で相手側は、
「責められている」「疑われている」「何をしても足りない」
そんなふうに受け取ってしまうことがあります。
すると、相手の中では、
近づくほど痛い、話すほど傷つく、という感覚が生まれやすい。
その結果、
- 距離を取る
- 黙る
- 外に逃げる
- 逆に強く出る
そういった行動が出てくることもあります。
もちろん、ここもケースバイケースです。
ただ、今の段階で「相手が悪い」「自分が悪い」と裁くより、
まずは“関係がこじれる構造”に入っているのかもしれないと見ておく方が、後で整えやすいことが多いです。
この時期の心は、まだ現実を受け止めきれていないことがある
ここからが、今日いちばん伝えたい部分です。
不安をぶつけたあと、相手の態度が変わった。
この出来事は、出来事としては起きてしまった。
ただ、心は、
その現実をそのまま抱えられる形に、まだ戻れていないことがあります。
だから、
頭の中で何度も同じ場面を反復したり、
言い方を変えていれば…と考えたり、
「やっぱり私が悪いのかな」と自分のほうへ回収したりする。
この状態は、
「落ち着いて考えれば分かる」の範囲を超えて、
心がまだ追いついていない、という状態に近いことがあります。
心理学の領域でも、喪失や不安が強い出来事のあとには、
現実感が揺らいだり、思考が反復しやすくなったり、
「もし〜だったら」と逡巡するような時期が語られることがあります。
ただし、これは誰にでも同じ順番で起きるわけでもなく、
必ず当てはまるとも限りません。
それでも、
「今はまだ、心が現実を受け止めきれていない時期なのかもしれない」
という見立ては、焦りを緩める助けになることがあります。
「何かしなきゃ」と思うほど、判断が難しくなるタイミング
この段階でいちばん危ないのは、
不安を消すために、行動を増やしすぎることです。
- 気持ちを確かめたくて、何度も話し合いを迫る
- LINEを連投してしまう
- 相手の反応を試す
- 逆に拗ねて、急に突き放す
こういう動きは、
本人としては「関係を守りたい」から出ていることが多いのに、
結果として、関係の溝を深めてしまうことがあります。
もちろん、何もしないことが正解、と言いたいわけではありません。
ただ、今の心の状態が切迫しているときほど、
“正しいこと”より“安全なこと”を優先したほうがいい場面があるんですよね。
ここでの「安全」とは、
相手にとっての安全、というより、
まずはあなた自身の心と体の安全です。
焦って動くほど、相手の反応を見てまた不安になり、
さらに動いて、さらに反応が悪く見える。
このループに入りやすいからです。
だから、このタイミングでは、
「今は判断の精度が落ちやすい時期かもしれない」
と、一段引いておくのが役に立つことがあります。
今は「関係を動かす」より「自分の扱い方を整える」時期かもしれない
夫の態度が急に変わった。
不安をぶつけた。
そのあと、関係がぐらついた。
このとき、
「どうすれば元に戻るか」を急いで探したくなるのは自然です。
ただ、今の段階では、
関係を動かす前に、あなた自身の足場を整えるほうが先になることがあります。
たとえば、
- 寝不足が続いていないか
- 食事が雑になっていないか
- 頼れる人や場所がゼロになっていないか
- 一人で抱えきる前提になっていないか
こういう“生活の足場”が崩れていると、
会話の質も、判断の質も、落ちてしまいがち。
この状態で関係を動かそうとすると、たいていこじれます。
だからこそ、
「今は、関係をどうにかする前に、自分をどう扱うか」
に戻ってみる。
急いで関係を整えようとするより、
まずはあなたの心が落ち着ける場所を確保する。
そのほうが結果的に、夫婦のやりとりをやり直す余白が生まれてくることがあります。
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最後に
不安をぶつけたあと、夫の態度が急に変わった。
そのとき、人は焦ります。
そして焦ると、行動を増やしたくなります。
ただ、このタイミングは、
心がまだ現実を受け止めきれていないこともあって、
判断の精度が落ちやすい時期かもしれません。
だから、
- 焦って変なことをしない。
- もし、やってしまっても「やってしまった」で止めて、自己反省会を続けない。
- まずは自分の足場を整える。
- そのうえで、信頼できる人に相談したり、安全な場所で自分の状況を見直す。
- もしどうしても苦しいときは、その気持ちを受け止めてくれる場所に行く。
今のあなたの気持ちの“形”を(すべてではなくとも)
分かろうとしてくれる場所を、選んでみてもいいのかもしれません。
この記事が、
「今すぐ何かしなきゃ」という切迫から一歩離れて、
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- 自分の感覚が鈍っている気がする
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