「私の愛を受け取ってくれる人がいない」と感じるときの立ち位置
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、恋愛相談の中でも、わりと“静かに深い”テーマを扱います。
「私の愛を受け取ってくれる人がいない」
この感覚。
口にすると少し恥ずかしいし、どこかで「そんなこと言っちゃいけない気がする」方もいるかもしれません。
でも、相談室でこの言葉が出てくるとき、僕はわりと真剣に「大事な地点に来ているな」と感じます。
というのも、この言葉は、単に相手探しが上手くいかない、という話だけではなく、
「関係性の中で、自分がどこに立っているか」が露出していることが多いからです。
今日はそのあたりを、できるだけ現実に役立つ形で整理します。
Index
「受け取ってくれない人ばかり」に見えるときに起きていること
まず、前提として。
「私の愛を受け取ってくれる人がいない」と感じているとき、
現実には“受け取ってくれる人が存在していない”というよりも、
「受け取り合える関係に入れていない」という状態のほうが多いかもしれません。
この違い、地味ですが大きいです。
たとえば、あなたが誰かに優しくしたり、気遣ったり、支えたりしたときに、
相手がそれを受け取っている“はず”なのに、心がこう反応する。
- 「足りない気がする」
- 「まだ足りない」
- 「もっと分かってほしい」
- 「結局、私は一人」
こうなると、あなたの中では「受け取ってくれない」という結論が強化されます。
でも、ここで一度だけ、視点を変えてみたいんです。
それは、
“相手が受け取らない”のではなく、関係の立ち位置が「受け取れない形」になっている
という可能性です。
要は、個体差の話ではなく、構造の話。
“受け取る”は、実はとても難しい
ここ、誤解されやすいので丁寧に言います。
愛すること、与えることは、分かりやすいです。
やろうと思えば、やれる。
頑張れば、形にできる。
でも、受け取ることは、案外むずかしい。
なぜなら、受け取るには、どこかで「自分を差し出す」必要があるからです。
- 褒められたら「ありがとう」と言う
- 助けてもらったら「助かった」と言う
- 好意を向けられたら「嬉しい」と感じる
これ、やっているようでやっていない人がけっこういます。
受け取ってしまったら、
「相手に借りができる」「次は応えないといけない」「期待されてしまう」
そういう怖さが、無意識に働くことがあるんですよね。
だから、与えるほうに寄る。
与えるほうがコントロールできるから。
この時点で、関係の立ち位置は少し偏ります。
「与える側」に固定されると、恋愛は報われにくくなる
「与える側」に固定されると、何が起きるか。
簡単に言うと、恋愛が“交換”になりやすいです。
もちろん、本人としては交換のつもりはない。
ただ、心の中ではどこかでこう感じ始めることがあります。
- 「これだけやってるのに」
- 「私はこんなに思ってるのに」
- 「なんで伝わらないの」
この状態は、相手を責めるために起きるというより、
“受け取れていない自分を、どうにかしたい”という切実さから起きることが多いです。
ただ、ここが難しいところで。
与える側に固定されると、相手は「受け取る側」に固定されます。
そして受け取る側に固定された人は、だんだん鈍ります。
ありがたさを感じにくくなる。
反応が薄くなる。
あなたの愛を、受け取っているのに受け取っていないように見える。
するとあなたはますます「受け取ってくれない」と感じる。
これ、関係の“悪循環”としてはわりと典型的です。
「受け取らない人」を選んでしまう心理のクセ
ここは少し意地悪な話になるかもしれませんが、大事なので書きます。
「受け取ってくれない人ばかり」と感じるとき、
実際には、あなたが“受け取らないタイプ”を引き当てているというより、
“受け取り合いに入りにくい相手を選びやすい立ち位置”にいることがあります。
よくあるのは、こういう組み合わせです。
- あなた:与える・頑張る・支えるが得意
- 相手:受け取るのが下手/受け取ると怖い/反応を省略しやすい
この二人が出会うと、最初は噛み合います。
あなたは「役に立てる」し、相手は「助かる」。
でも、関係が深まるほど、あなたの中にこういう渇きが出てきやすい。
「私も受け取りたい」
このとき相手が、受け取る・返す・表現する、のが不得意だと、
あなたの愛は「通貨」みたいになって、苦しくなります。
そして最後に「受け取ってくれる人がいない」という結論が残る。
でも、そこに残っているのは、あなたの価値の低さではなく、
“立ち位置の固定”かもしれません。
対処法:まず、立ち位置を一段戻す
ここからは対処の話です。
まずおすすめしたいのは、いきなり相手選びのノウハウに行かないことです。
先にやるのは、これ。
「私は今、与えることで関係を成立させようとしているかもしれない」
この一文を、自分の中で言えるかどうか。
言えた瞬間に、立ち位置が一段戻ります。
戻ると何が起きるかというと、
「与えたのに受け取られない」という一択の見え方から、少し外れます。
- 私は何を差し出しているのか
- 私は何を受け取りたいのか
- 相手は何が苦手なのか
- この関係は“受け取り合い”に入れる構造なのか
この問いが出てくると、選び方が変わり始めます。
対処法:「受け取る練習」を日常でやってみる
次に、少し地味だけど効く話をします。
恋愛で「受け取る」が苦手な人は、日常でも苦手なことが多いです。
- 褒められても流す
- 好意を茶化す
- 「全然大丈夫」と言ってしまう
- 申し訳なさが先に出る
だから、練習は恋愛以外でやっていいんですよね。
例えば、
- 「ありがとう」を短く言う(理由を添えすぎない)
- 差し入れをもらったら、遠慮より先に喜ぶ
- 褒められたら「嬉しいです」で止める
こういう小さな受け取りが増えると、恋愛でも受け取りやすくなっていきます。
受け取りが増えると、相手の“返し”も自然に出やすくなります。
ここは不思議ですが、わりと現場ではよく見ます。
対処法:見分け方は“人柄”より「反応の型」
最後に、見分け方の話を少しだけ。
「受け取ってくれる男性の見分け方」を、人柄で語ると、だいたい曖昧になります。
優しいとか、誠実とか、良い人とか。
なので、もう少し実用に寄せるなら、
“反応の型”を見るほうが分かりやすいかもしれません。
例えば、
- あなたが何かをしたとき、相手が言葉で返すか(「ありがとう」「助かった」)
- 相手が受け取ったあと、距離を取るか、近づくか
- あなたの好意を、当然として処理するか、出来事として受け取るか
- 受け取ったときに、気まずさを埋めるために冗談で流す癖が強いか
こういう“型”は、善悪ではなく、単なる習慣です。
ただ、あなたが「受け取り合い」を望むなら、ここは見ておいたほうがいい。
もちろん、人は変わることもあります。
でも、変える前提で付き合うと、与える側が固定されやすいので、そこは注意です。
最後に:愛を受け取らせるのではなく、受け取れる関係に入る
「私の愛を受け取ってくれる人がいない」
この言葉の裏には、
「私は、受け取り合える関係がほしい」
という、かなり誠実な願いが入っていることが多いです。
だから、この言葉を「私はダメだ」とか「男運がない」で終わらせないほうがいい。
見るべきは、あなたの価値ではなく、立ち位置です。
与える側に固定されていないか。
受け取ることを怖がっていないか。
そして、相手も受け取る準備がある人なのか。
愛は、押し込むものではないし、競争でもない。
たぶん、受け取れる関係に入ったとき、あなたは初めて「私は愛せるし、愛されてもいい」と実感できるのかもしれませんね。
何か参考になれば幸いです。
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