恋愛の心理学

元カレのSNSを見ると心がズキッするあなたに送る「昔の恋の手放し方」

昔の恋の記憶がなかなか手放せないならば

恋愛カウンセリングの中で「元カレのことを見ると心がズキッとします」というお話を伺うことがあります。

 

例えば・・・

 

ある時、彼から「別れよう」と言われて、そのときは辛くて辛くて仕方なくって受け入れたくなくて、なんとか復縁したいと思っていたけれどダメで。

友達やカウンセラーに話をたくさん聞いてもらって支えてもらって、時間はかかったけれど今はなんとか元気になってきた感じになれた。

 

もう一度恋愛してもいいかな、って思えるまでに立ち直れたんです。

 

ただ元カレとはSNSでつながっているまま。

 

今まで元カレの様子は見ないようにしてきたけど、つい気になって見てみたら、新しい彼女?と思える人の写真がアップされてました。
その瞬間、心にズキッとした感覚が。

 

「もう大丈夫」と思えていたのに、別れてから随分時間が経過したのに、動揺している私。

まさか、まだ元カレのことを手放せていないのでしょうか?

 

※今日のコラムは2019年10月9日に「アメブロ・恋愛テクニック」に投稿した記事の「追記&再編集版」です。新しく書き下ろした項目もありますので、よろしければご覧くださいね。

元カレを見るとまだ心がズキッと・・・

今日は、昔の恋の手放し・元カレへの執着についての話ですね。

実際のカウンセリングでも

「恋愛も結婚もしたいと思うのに、その気になれない私がいて困ってます」
「言い寄ってくる男性が既婚者ばかり(既婚者ホイホイ)で困ってます。というか男が嫌いです」
「もう二度と振られたくないと思うから、気になる人がいてもなかなか積極的になれないんです。昔の私ははそうじゃなかったのに」

というお話の中でよく登場するテーマでもあります。

 

過去の恋愛の影響、特に「過去の恋愛への執着」を色濃くその影響を残しておくと、次の恋愛に情熱を傾けられなかったり、また人を好きになることが怖くなる理由になることもありますね。

もう終わった恋ならば、ちょっと切なさも伴いますけど、しっかり手放しておきたいものです。

ただ、こういったお話を伺うと「あの時、元カレのことを嫌いになろうと必死でした」という話もたくさん伺うんですね。

心情的には理解できるというか、僕もそう思いますよねって思うんですよ。

 

「もう嫌いになれたら楽になれるのに」と思うことも多いでしょうからね。

もう思い出すこともないと思えるほど嫌いになれたら、きっと自分が思う方向に進めるんじゃないかって思いたいですよね。

 

でも、元カレのことを「嫌いになろう」と思うってことは、それぐらい「好き」ってことでもありますよね。

 

だから「もう別れて時間がたったし、大丈夫かな?」と思って彼の様子を見た途端に、大丈夫じゃなかった、といいますか、気持ちが揺さぶられてしまうことも多いと思います。

 

どうして執着を手放すことが癒やしなのか

さて、いきなりそもそも論です。

どうしてカウンセラーは「執着を手放しましょう」と話すのでしょうか。

「昔の恋を手放すと効果的なのか」その理由はこんな感じです。

どんなことでも同じですが、物事に執着したり、昔の恋愛を手放すと心が楽になる理由は、執着だけでなく、「怒り」と「分離」を手放すことができるからです。

人は何かしらの物事に執着していると、それ以外の物事に価値を見ることが難しくなります。

昔の彼が好き、と感じていれば、別の誰かに愛されてもその愛情に価値を感じにくくなるんです。

だから執着を手放すことで、いろいろな物事、人の価値を感じやすくなりますし、自分自身の心も自由になり主体性を取り戻せ、心が楽になるわけです。

そもそも執着って他人の気持ち中心になっている状態なんですよ。

自分から主体的に愛しているわけではないんです。これ以上自分自身で辛い気持ちを引き受けたくない、という心の動きなんですよね。

過去の恋愛に執着する=「終わった恋を受け入れない」ことで、自分の気持ちの置きどころを作るという感じなんです。

だから、執着しているうちは常に怖れや不安を感じていることが多いです。

そこで登場する不安は、元カレとのご縁が完全に切れることではなく、自分自身が辛い感情を感じることへの不安です。

「あの彼との関係はもう終わったんだ」

そう受け入れることで次の恋愛にも進めるようにもなっていきますが、ときに終わりを受け入れると、なんだか自分の心の支えがなくなるような気がすることがあるわけですよ。

それぐらい好きだった、ということなんだと思うんですけどね。

また、昔の彼や、過去の自分自身に対して、怒りや批判的な思いを持っていると、その怒りを使って人から分離することもよく起こります。

例えば、すごく辛い失恋を経験したとき、僕たちは「どうしてこんなにつらいの?」と思うものですが、その辛さの大半は「自分が人を愛したけれど、それが届かなかったこと」にあります。

もちろん大好きな人に愛されなかった痛み、拒絶された痛み、大切にされなかった痛みなどもありますが、自分の愛が届かない痛みのほうがよっぽど強いものです。

そこで感じた痛みの分だけ、まるで「自分の周りに見えない柵や壁を作り、もう傷つかないように」とネガティブな意味合いでのプライドを強くするんです。

例えば、ちょっと頑固に、怒った感じで「もう誰も愛さない」と決める。

これがそのプライドになるわけですよ。

もちろん普段は平然とした私でいるわけですが、内心は「もう恋愛は・・・」と諦めている自分がいた経験ってないですか?

これも一つの防衛なんです。

人から分離することで、苦しい気持ちを感じないようにしているわけです。

だから、どこか元カレとの記憶をなかったことにしたり、忘れようとしたり、元カレだけでなく、恋愛自体を「嫌い」になろうとする事が多いわけです。

いつまでも過去の恋愛のことでくよくよしていても仕方ない、と思いますもんね。

ただ、そのとき始まった防衛、痛み止めとしての「怒りを使った人から(恋愛から)の分離」は、未だ続くので、なかなか次の恋に向かうことが難しくなるんですね。

人は傷ついたり、苦しい思いをしたときに、怒りを使って人から分離し、誰とも繋がらないようにするわけです。

辛い時、しんどいときほど、「もう放っておいて」なんて気分になることってありません?

この状態が続くとしんどいんです。気分も良くないしね。

だから、怒りが手放せて、分離よりも人とのつながりを選べるようになると、何より自分の気分が楽になるんですよね。

 

嫌いになって忘れようとした彼ほど心残り

さて、では「元カレの手放し」ってどのように進めればいいと思います?

これ、一言で言えば「好きなまま手放す」感じなんです。

 

私は彼の幸せを願います、私も幸せになります

 

このような思いを感じられているときほど、いい感じに手放しが進んで心がスーッと楽になります。

 

 

 

ただ、好きな人ってなかなか手放せない、ものですよね。

嫌いで別れたわけじゃない場合は尚更。

 

辛い失恋直後はもちろん、過去の恋愛の手放しのタイミングでも同じですけど

「あんなに大好きな人とはもう出
会えない。だからもう愛せないことが辛い。」

もしそう思うなら、強く胸が締め付けられるような思いを感じますから。

 

だから、「嫌いになれば忘れられる」って思うのかもしれません。

もう私から愛さなければ辛くない、って思うのかもしれません。

 

ただ、この嫌いになる努力は、「好き」「愛したい」という気持ちを解放しているわけではなくて、必死に彼という存在をネガティブなイメージにして愛さないようにしようとしているようなものなんですよね。

 

だから「好き」という気持ち、「愛したい」という気持ちがその心のなかに残ったままになっていることも少なくないんですよ。

 

なので、別れてからずいぶん時間もたったし、もう大丈夫かな?と思って彼の様子をSNSで覗くと・・・あれ?大丈夫じゃないかも?という反応が起こるわけです。

 

元カレに新しい彼女ができた?という事実も不安になるんです。
 
 

もし、元カレへの好き・愛したいという気持ちが残っているとしたら

もし、自分の中にまだ「元カレが好き」という気持ちが残ってたとしたら、元カレの新しい彼女は私の恋のライバル的立ち位置になるわけです。
彼を愛せる位置にいる女性、という意味で、別れている私としては、新しい彼女の位置が羨ましいわけです。

もし、自分でも「そんなのおかしいよ」って理解しているのに、元カレの彼女に嫉妬してしまう気持ちが生まれるなら、まだあなたの中に

「もっといい関係になりたかった、愛したかった、喜ばせたかった」

という気持ちを残しているのかもしれません。

その気持ちの分だけ、「私を愛してくれた人のそばにいる女性」が嫉妬の対象になるわけです。

ただ、僕のカウンセリング経験では、元カレの今カノを見て嫉妬してしまう人も、実は「もっと愛してあげたかった」というどこか上手に愛せなかったという後悔を隠している方も相当数いらっしゃると思っています。

 

「愛されなかった」といった被害者意識は、「私が愛しきれなかった」加害者意識を隠す性質がありますからね

 

彼にもっと愛してほしかったより、「私が彼を上手に愛せなかった」という気持ちのほうが痛烈に響くし、自分を責める理由になるんですよね。

だから、別れた彼のことをあまりいい風に思えず、実際には彼への文句がたくさん出てくるんです。

ただ、このとき、その深層心理では

「私が愛してあげたかった、でも愛せなかった」という気持ちを自ら自分の愛情を否定していることになるんです。

だから、更に気分は悪くなり、その上で元カレの今カノにしっとするわけですから、今の自分が愛されるとは思えないようになりやすい。

その結果、「どうせ私なんて・・・」と、もう一度人を好きになることを躊躇する理由にもなりますし、なかなか次の人を好きになることをためらったり、「やっぱり、私を愛してくれるのはあの彼しかいないかも?」と思う理由にもなります。

それほどまでに

「自分から愛さない」と決めること(嫌いになる努力をすること)
「自分の愛情に価値を見ない」ようにすること

が苦しいわけです。

ずっと「愛せなかった、愛しきれなかった自分」と向き合うことになるわけですから。

どれだけ

「あの時、別れても仕方がなかったんだよ、それぐらいの事情があったんだよ」
「あの彼は自分にふさわしくなかったんだよ」
「自分なりによく頑張ったじゃない、私えらいよね」

と思っても気持ちが前向きにならないことがあるなら、それぐらい「今の自分が愛することを止めている」可能性が高いってことなんですね。

 

元カレへの愛をちゃんと完了させる

だから、元カレへの執着を手放すプロセスには、「ちゃんと元カレへの愛を解放しておく」というプロセスは欠かせないんですよね。

カウンセリングでなら

 

「元カレに対してあなたができなかったこと、伝えられなかった思いってなんでしょうか」

 

とクライエントさまにお聞きして、そこを解放していくセッションをご提供することも多いんです。

 

この自分の気持ち、愛情をまず自分で受け入れて、そして徐々に解放していくと、徐々に「元カレを愛せた私」という状態に近づくことができますから、自分を許すことができたり、どんどん彼への気持ちが完了していくんですね。

もちろん実際にはすっと手放せるとも限らなくて、三歩進んで二歩下がるのような状態になることもあるんですけどね。

あるクライエントさんにこのセッションをご提供していたときのこと。

その方は涙ながらにこう伝えてくれました。

「私、こんなに彼のこと好きだったんですね。もっと愛してあげたかったんですね。」

自分自身に、どれだけの素晴らしさがあるかを実感された様子でした。

普段、頭で考えて自分を見つめていると、自分のよさなんてなかなか実感しがたいものでしょうが、自分の心のなかに「こんなにも温かい気持ちがあったなんて」という実感が伴うと、自分って素晴らしい、捨てたもんじゃないな、って思えるようになることも多いですよね。

そもそも愛情って気持ちだから、考えていても実感することが難しいことのほうが多いのかもしれません。

 

確かに「好き」という気持ちを完了させようと思うと、時に寂しく切なく感じるものかもしれません。

が、ずっと「愛したかったのに愛せなかった」という後悔を残し、その心の時間を止めてしまうよりは随分と楽に前向きな気分になれるものですね。

 
もし、あなたにとって今も忘れられない元カレがいるとしたら。
 
今も、元カレの様子を見て心が揺さぶられるなら。
 
もっともっと彼のためにしたかったこと、伝えたかったことを髪やノートに書き出して完了させてみてもいいかもしれませんね。これは一人でできるエクササイズです。
また、できれば信頼できる人に話を聞いてもらえると効果が大きいですし、楽です。話すことで気持ちを完了させて、最後に彼の幸せを祈り、私も幸せになる!と決めるといいですね。

 

そこでスーッと心が軽くなる感じがしたら、手放しが進んでいる証拠です。
 
ただ、今更、昔の彼の話を聞いてくれる人がいないって場合もありそうです。そんなときは僕たちカウンセラーに話してみる、という選択肢もいれていただけるといいのかなと思います。
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