恋愛の心理学

サレンダー女子とその憂鬱 ~パートナーのすべてを受け入れようとする女性の話~

サレンダー女子とその憂鬱

サレンダー女子が遠くを見つめる姿

つまり、パートナーの全てを受け入れようとする女性がいらっしゃるのです。

僕もカウンセリングやセミナーの中で実際に出会うことがあります。

「私は彼の全てを受け入れようと思います」
「どんな彼も愛したいと思います」

そうおっしゃる女性の皆さんとね。

ある女性は、僕にこのような言葉を伝えてくださいました。

「私は彼と向き合って立っていたいわけではないんです。

同じ方向を見て共に歩きたい。しかし、なかなかそれが叶いません。

それでも、私は彼を受け入れようと思っています。」

これ、なかなか深い言葉だと思いませんか。

そこにどれだけの思いと、強さと、しなやかさを感じたか、言うまでもありません。

こういった女性とお会いできることは、僕にとって大変光栄なことでもあります。

ただ、いくらパートナーの全てを受け入れようとしても、なかなかその気持が伝わらないことも少なくないようです。

特に男性にね。

ということで、今日は「サレンダー女子の憂鬱」とサレンダー女子のみなさんがより幸せになるヒントについてまとめてみたいと思います。

よろしければどうぞ。

サレンダーとは

サレンダーとは

「自分の身に起きることを全て受け入れ、変えようとせず、身を委ねていく」

という意味です。

自分自身に起きることに何も抵抗せず。

判断せず。

コントロールせず。

あるがままを受け入れようとすることです。

要は「どうにかしなければ」「問題解決に取り組むぞ」といった発想とは真逆なのです。

「今、自分にこのようなことが起きるのであれば、きっと意味があるはず。」

だから、何も変えず、そのまま受け入れていく、といった感じですね。

サレンダー女子の憂鬱

さて、このサレンダー女子の皆様の愛し方やパートナーとの関わり方って、やろうと思ってできるようなものではないのですよ。

パートナーのすべてを受け入れていくわけですから、正直心の器といいますか、器量を試されるような方法なのです。

個人的な見解を書くならば「そこまで受け容れられるんですね」と言えるほどに、大きな(女性的)包容力を発揮されている状態ともいえます。

が、いくらパートナーの全てを受け入れようとしても、なかなかその気持が伝わらないことも少なくないようです。

特に男性にね。

ここがサレンダー女子の皆様の憂鬱といいますか、なかなか「こちらの愛し方」が相手に伝わりにくい部分かもしれないのです。

「すべてを受け入れる」と「何もしない」の違いは伝わりにくい

サレンダー女子の愛し方は「すべてを受け入れる」なのです。

例えば

  • あなたが私に何か作為を求めるなら、それを受け容れましょう。
  • あなたにやりたいことがあるなら、それを受け容れ応援しましょう。
  • あなたが私の心と体を求めるなら、それを受け容れましょう。
  • あなたが私から離れていきたいなら、それを受け容れましょう。

が、この愛し方って、とかく男性や自立的な女性に

「あなたには自分の意志ってものがないの?」
「ちょっと受け身すぎない?」

なんて思われがちなんですね。

とかく自立的な人の価値観・視点では、「強い無力感を伴うもの」「実感を伴わないもの」という感覚で捉えられることも多いのです。

要は、何事も結果が重要と考えている人にとっては、「全てを包み込む気持ち」なんて結果ににつながらないと思われやすいのでしょうね。

どちらの気持ちもなんとなく僕なりにわかるんですけどね。

なので、サレンダー女子の「パートナーの全てを受け入れようとしている姿」が

  • 無価値感からの犠牲のように感じて「自分を大切にしていない」ふうに解釈されたり
  • まるでパートナーの男性にいいように使われているように見えたり
  • パートナーからも「君は何もしない」「君の意見はないの?」「依存的だよ」と言われてしまったり

なんてことが起きるようです。

ただ、実際のカウンセリングの中でもこの見極めって非常に難しいんですよね。

僕も長い間カウンセラーやらせてもらっていますけれど、本当に難しいと感じています。

一見すると犠牲だったり執着のように見えるのだけど、実は愛だったというね。

手放すことが「何も伝わっていないけど愛するな」という解釈にもなりかねない

だから、「今の関係が辛いなら手放したほうがいい」と考えることが

「本気で愛することを自ら諦める」という解釈になってしまう可能性もあるんです。

もちろんサレンダー女子さんは、相手が別れを求めるならそれを受け入れる度量をお持ちなので、見苦しいほどしがみつくようなことはしない人が多いです。

が、あまりに自分の思いを理解されないことが辛い、といいますかね。

いや、それをも受け容れている方が多いのですが、しかし「幸せ」を実感できないというか、無力さを感じやすいといいますかね。

サレンダーと執着の違い

サレンダー女子のお姿は、時として「執着」のように見えることもある。

それは恋愛だけでなく仕事でも同じです。

例えば、望まないけれど、今、辛い状態になっているとしてね。

それでも「今」「現実」を受け容れていくわけですよ。

その姿は、サレンダーではなく「コミットメント(自分で決めて腹を括る)」という問題解決手法を使っている人にとっては

「いつまでも辛い現実に執着している(しがみついている)ように見える」というわけです。

ただ、執着している状態とは「自分が失いたくないものにしがみついている状態」です。

自分が失いたくないからこそ、

しかし、サレンダーとは「既に手放している」状態とも言えるんです。

コントロールもしないし、抵抗もしないわけですから。

ここには大きな違いがあるので、サレンダー女子のみなさんはあまり自分を疑わなくていいとぼくは思うのですよね。

サレンダー女子の憂鬱は「私の愛の形が伝わらないこと」

さて、サレンダー女子の皆さんからお受けするお話の多くは、次のような感じなんです。

「すべての出来事を自分一人で引き受けて、相手にこちらの思いを理解された感覚を得ないまま、関係を終わらせようとする」

そう思えることもすごいことですよ。

ただ、ちょっとね、人の気持ちとしては切なすぎるわけですよ。

だから、誰かに「私の愛や思いの形」が伝わっていることだけは気にしちゃうんじゃないでしょうか。

それこそサレンダー女子が抱えやすい最も大きな憂鬱、といえるのではないかと僕は思います。

実際に、パートナーから

「もっと頑張れないの?」「もっとしっかりして欲しい」なんて言葉をもらい

途方に暮れてしまう女性のみなさんの話を伺うことも最近本当に増えています。

その他にも、家族に自立的な考えの人が多く、昔から「もっとしっかりしなさい」と育てられ、自分自身が持つ「受容力という才能の価値」を見失っておられる方もいます。

そういった現実を全部受け入れてきたんだけど、でも本当に自分が求めている「理解や共感」はそれじゃない、って思っちゃう、みたいなね。

そんなお気持ちをうかがうたびに、僕は唸ってしまうわけですけども・・・。

サレンダー女子がより幸せになる方法

サレンダー女子が幸せになった姿

さて、僕がサレンダー女子のみなさんとお会いするとしたら、次のようなことを伝えているのです。

「あるがままを受け入れ愛する力は、本当に素晴らしいものです」

だから、周囲の人の影響に過剰に振り回されないでいきたいところですよね。

ただ、この愛し方は「目に見えて理解されやすい愛し方ではない」のでね。

もう少し意識の持ち方などを変えてみると良い結果が出やすいことが多いですよ。

特に大切なことは「自分のほんとうの幸せ」という目的・ヴィジョンをしっかり設定することです。

「愛し方」が「目的」となってパートナーと対立すると

こういう書き方をすると語弊があるかもしれませんが、

サレンダーであれコミットメントであれ

愛し方ってのは大変に価値があるものでありながら

「幸せを得る手段」でしかなく、「それ自体が目的ではないはず」なのです。

あくまで目的は「自分が望む本当の幸せ」とするほうがいい、といいますか。

その目的を持たないと、いわゆる「パワーストラグル」と呼ばれる

「愛し方や幸せになるための手段の違いによるパートナー(他者など)との争い」

が生じてしまうことが多いです。

例えば、あなたの「サレンダー」という愛し方と

パートナーの「コミットメント」という愛し方があったとしてね。

この愛し方の違いに優劣をつけるような考え、言動を取れば取るほど、二人は争うしかなくなるし、勝負がついてしまうんです。

が、お互いの愛し方(手段)は、お互いの違いを補い合うためにある、とも言えるんです。

だから、愛し方(手段)にだけこだわってしまうと、本当の目的やヴィジョン、願いを叶える前に対立してしまうのです。

サレンダーできるからこそ「私の本当の幸せ」を見つめよう

なので、サレンダー女子の皆さんには

「あなたが本当に(その愛し方)を使って、叶えたい世界ってどんなものです?」

そう、僕はお伺いすることがあるんですよ。

サレンダーできるってすごいこと。

だけど、そこで止まって自己承認を行っているだけでは、パートナーや他者との対立を回避することができるわけでもない、というシビアな話でもあるんです。

だから、サレンダー女子のあなたに伺いたいのです。

あなたが今、叶えたい本当の幸せ、ちゃんとイメージできますか?

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