浅野さんへの質問
浅野さんのブログを読んでいると我慢はやめようとありますが、それと忍耐との違いがよくわかりません。
忍耐も我慢と同じでは、と思うのですが、どこがどう違うのか知りたいです。
実は私も彼や同僚から「我慢しすぎはよくないよ」とよく言われるので、自分を知るためにも教えていただけると嬉しいです。
ネタ募集ネーム:YMさん
では、今日は「我慢と忍耐の違い」について解説していきたいと思います。
我慢とは「感じたくない感情を押さえつけること」
「我慢」とは「自分が感じたくない感情を感じないよう押さえつけること」を意味します。
なので、「我慢しているとき」には、今、感じている自分の感情と向き合っているわけではないのです。
むしろ、今、感じている感情を押さえつけて感じないようにしているわけです。
だから苦しいんですよね。
そういう意味では、我慢は「変化や癒やしではなく、現状維持をもたらすもの」と言えるんですよ。
もちろん、今がいくら辛くても、何かしら感じたくない感情があるから我慢することは誰にだって起き得ることです。
しかし、我慢ばかりしていると何も変わらない状態が続き、その結果気分が落ち込み、苦しくなることが多いです。
例えば、
「人前で空気の読めない発言をして恥ずかしい思いをしたくないと、言いたいことがあっても言わずに我慢している人」
これは、自分が恥を感じないために我慢している状態ということなんですね。
また、別の例で言えば
「彼に嫌われたくなくて、言いたいことをいつも我慢している人」
彼のことが好きだから我慢する、とも考えられますけど、彼に嫌われて悲しい思いをしたくないから我慢している、という動機のほうが強そうです。
このようなものが「我慢」になります。
我慢しないために必要なこと
だから、「我慢しない」ということを考えるならば
「我慢を必要とする事情がなくなれば、我慢しなくなる」ともいえます。
先の例であれば
- なぜそこまで「空気が読めなくて恥ずかしい」という気持ちが強くなっているのか?
- なぜ彼に嫌われると思っているのか。
その意識や観念を解きほぐしたり、今感じている気持ちを向き合うことができるなら、我慢は手放す方向に進めるんです。
忍耐は「向き合うこと」を意味する
一方、「忍耐」は「今起きていることや、今感じている気持ちがたとえ辛いものであっても、それと向き合っていくこと」です。
「忍耐」という言葉を辞書で意味を調べてみると、「苦しさ、辛さ、悲しさなどを耐え忍ぶこと」とありますね。
つまり、何かしら感じたくない気持ちがあったとしても、それと向き合っている状態ということなんです。
例えば
今この大変な仕事を受け入れ、耐え忍んで努力すれば、夢が叶う、自分が成長できてもっと人に貢献できる、と思えば、辛いことにも耐えられることがありますね。
周りの友達に恋愛相談をしたときに「そんなに彼が仕事ばかりで向き合ってくれないなら別れれば」と言われるけど、「でも私は彼のことを幸せにしたいし、二人で喜び合いたいから」と頑張って向き合っておられる方もいます。
忍耐中も我慢はするもの
ただ、「忍耐している」とはいえ、実際は我慢している場合もあるでしょう。
例えば、目的達成の途中で、悲しい気持ち、辛い気持ちをぐっとこらえつづけて苦しくなっているなら、それは我慢です。
悲しさ、辛さを感じると自分が頑張れなくなりそう(無力になりそう)だから、それを恐れて我慢を続けている方も少なくないのです。
その我慢はかなり消耗するもの。
なので、カウンセリングの場で悲しみや辛さを解放していただくようなセッションをご提供させてもらっています。
しかし、今、しっかりと未来を見据え、目的のために忍耐し頑張っておられるその意志を折るなんてことは行いません。
我慢が募って苦しんでいる方に頑張れということはないですが(むしろ休むこともご提案することがありますが)
忍耐をして目的に向き合っている人に「そんなに我慢して頑張らなくていいよ〜」とはお伝えすることは少ないです。
むしろその気持ちを支え、応援する側に回らせていただきたいな、と思っています。
ただ、我慢している状態を応援するという視点はちょっと違うかな、と思うことが多いですよ。
だから、我慢は手放しておくほうがいいですよね、とご提案します。
それは、今必死に抑えている気持ちと向き合ったり、解放するというご提案になることもありますね。
とにもかくにも、我慢と忍耐は現実や自分の気持ちとどう向き合っているかの違いだ、ということなのです。
以上、なにか参考にしていただければ幸いです。
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