日常に使える心理学

変わりたいと思うけれど抵抗を感じたとき、どう乗り越えればいいですか?

浅野さんこんにちは。

今日は浅野さんに聞きたいことがあってメッセージさせていただきました。

人って、変わりたいと願いつつ、変わるのが怖かったり、面倒だったり、諦めてしまったりしてしまう生き物だと私は感じています。

そういう、抵抗?を感じた時、どういう風に乗り越えるとよいでしょうか??

ご回答いただけると幸いです。

ネタ募集ネーム:にこさん

にこさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m

今日はあなたもご質問のお答えしますねー。こちらもとてもシンプルで良いご質問だと思いました。

ほんと人は変わろうとしても諦めてしまうことってありますよね。にこさんおっしゃるとおり「抵抗」が起きるわけです。

では、どのようにすれば抵抗を超えられるかについてコラムにしたいと思います。

よろしければどうぞ。

変化の恐れは必ず感じるもの

人は自分が変わろうと思う時、同時に「変わりたくない」と感じることが少なくないものです。

人はどこかで安心感を求めるもの。変化とは安心ではなく怖れを伴うもの。

やはり変化は「怖い」わけです。まずここが1つ目のポイント。

 

そもそも僕たちが変化をしないのは、受け入れたくない感情があるときでしょう。

例えば、過去に失恋をしてこっぴどく痛い目にあった方がいるとしましょう。それがあまりに辛い失恋だったなら「もう二度とあんな思いをするのはゴメンだ」と考えても不思議ではないですよね。

それからその方が、いわば防衛的に生きるようになり「そうだ、恋をしなければもう傷つかない」とひらめいたとしましょう。

その後、その方が「そろそろ恋がしたいかも」と感じたとして、すぐ変化しようと思うでしょうか。おそらく変わらないほうが安全だと思うでしょう。

「もう二度とあんな思いをするのはゴメンだ」と思っている、つまり、失恋時の感情を感じたくないと思っていれば、おそらく恋をする自分に変化することが難しくなるでしょうね。

また、これは保有効果と呼ばれるものですが、私たちは今現在所有しているものに約2倍の価値を見出す、なんて考え方があります。

だから、自分が変化を求めたとき、つまり今を手放したときに約2倍以上のリターンが効果がないならば、変化は望まなくなると考えられますね。

例えば恋愛のケースで言えば、元カレへの執着を手放したほうがいいのかも?と考えた時、実は元カレの価値は実際の倍ほど感じているというわけです。元カレを手放しす事を考えた時、元カレの倍以上の幸せが得られないなら執着していたほうがいい、と感じることがある、みたいなことですよ。

だから、実際に執着を手放した方ほど「あれ?なんであんなに執着していたのだろう」と感じるものなんですが、これは手放してみないと実感できないもの。手放す前から実感できることではないと言えるでしょうね。

僕たちはどこかで変化に期待や希望を求めがちで、変化するならそれだけ大きなリターンがないと嫌だ、と感じている部分があるのです。

それがたとえ今に執着し、損をして大変な思いをしてたとしても、です。

さらに言えば、「確証バイアス」の影響もありますよ。

これは「過去に何かしらのできごとがあり、いわば合理的な判断ができなくなると、今のままの自分が正解だという確証を求め、そう思い込もうとする」という意味です。

大切なのは「何が正解か」より、「今、自分が幸せかどうか」を大切にしていただきたいなぁ、と僕は思うのですけどね。

例えば、このような事例。

昔から自分が愛されていると感じられずにいて、辛い気持ちを抱えすぎてしまった。その結果、どこか合理的な判断ができなくなっていた。その時であった彼がとっても優しくしてくれた。けれど、その彼はどんどん私をひどく扱うようになった。

その現実を見て、もう関係を続けることはやめておこう、とは思えず、「私の彼への愛は本物で間違いのないもの」「彼は私を今でも愛しているに違いない」と思い込もうとするようになり、その証拠を集めようとしはじめた。

こうなると、周囲からも「自分も彼も間違っていませんよ」という情報だけを集めたくなるわけです。

この話自体を僕はいい悪いと判断できるものではないよなーとも思いつつ、しかし、いくら確証を求めても現実が何も変わらなかった、ということもありえるわけですよね。

ちょっとシビアな話に聞こえるかもしれませんけどね。

 

このように、本来は自分自身のちょっとした変化で、前途が開けたり、生きやすさを感じ、豊かな生活を送ることが可能になることが多いのですが、どうしても私たちは過去に囚われやすく、変化を恐れるものだと考えることができるんですね。

 

変化には目的が必要

僕は「変化を求めるなら「目的」や「ヴィジョン」が必要になることが多いですよ」とお伝えすることが多いです。

「目的」とは、「まず今の自分がどうなりたいか」といった意味。「ヴィジョン」とはもっとその先にあるもの、というニュアンスです。

なお、今の僕にとってのヴィジョンは、「まず自分が幸せになる。それから人に与え、自分や人を通じて、どれだけの人に貢献できるか、幸せを共有できるか、どんな世界が見たいのかという【志(こころざし)】」のようなものなんですけど、このあたりは人それぞれ解釈が変わってくるかもしれません。

そもそも自分の意志で変化を求めようとしても(変わりたいと思っていても)、実際は変わることのメリットを疑いやすいわけですし、本当に変わることでうまくいくとも思えないことも少なくないということです。

だから、変化するにはそれ相応の目的があったほうがいいですよ、と僕もお伝えします。

それがないとなると、自分を見失い彷徨ってしまったり、今までの自分に戻ろうとしてしまうことが少なくないのです。

例えば「今の自分が嫌いだから変わりたい」が典型的な事例です。その動機が悪いとは誰も言えないと思うのですけど、これは目的になり難いのです。

「〇〇になりたくない」という否定は、「自分がどうなりたい」という話ではないです。

例えば「私はあの人のようになりたい」「こんな幸せを手に入れたい」と「今の自分が嫌いだから変わりたい」では全く意味が違いますよね。

その本人の「感覚」としての意味合い、ニュアンス、言いたいことなどが同じであったとしても、全く異なるものになってしまいます。

もちろん普段から遠慮がちな人にとっては「どうなりたい」と言い出せない人もいらっしゃると思うので、目的が表現できないこと自体をダメだと僕は思ってはいないのです。

が、自分のために目的、そしてヴィジョンを持つことはオススメしたいところです。

 

目的は幸せになること、幸せを分かち合うこと

そもそも自分の目的は「幸せになること」だと僕は考えています。

自分が幸せになることを通じて、人や社会と幸せを分かち合うことができますからね。

あまりオススメではないのは「最悪な事態を回避したい」という目的です。ここを目的にすると最悪には備えられても、幸せが見えなくなってしまう、が、その理由です。

いわゆる「難のない毎日」は手に入るかもしれませんが、幸せを感じられないならきっと不満や不安を溜め込むことにもなります。こうなるといつも「満足しない、満たされない」と感じるようになってしまうのですよ。

あなたはどんな幸せがほしいですか。どんな自分になりたいでしょうか。そして誰と幸せを分かち合いたいでしょうか。

そのために、自分を変える勇気を持つことはできるでしょうか。

今すぐできなくても自分を責める必要はありませんよ。

もし自分を変えたいなら、まずは「実現可能な目的設定」から初めてみてください。

ここでの「実現可能な目的設定」とは、自分以外のなにかに委ねた目的・幸せではなく、自分の選択で成し遂げられる目的・幸せのことです。

例えば

これから出会うであろう真実のパートナーと幸せになる、はOKです。
しかし、もう会うことができない別れた元カレと幸せになる、はNGです。

職場で生き生きと働いて貢献し、みんなと笑顔を分かち合っている自分、はOKです。
いい人に囲まれて、安心して仕事をしている自分、はNGです。

この違い、なんとなく分かります?

 

このように自分なりに目的を設定したら、まずはその自分を信じましょう。

何度も何度も自分の目的を思い出すことです。目の前の問題に飲まれそうになったら、何度も何度も思い出すことです。

そして、自分の目的を分かち合う人を見つけましょう。一人で考えるより分かち合うことでたくさんの応援や勇気をもらえます。

僕も自分を変える!と何度もトライしてきましたけど、ぶっちゃけ人の影響はすごく受けています。むしろ誰の影響も受けずに変わることってありえるのかな?と僕は考えてしまいますよ。

だから一人で頑張る意識より、一人では到底感じることができない、人の良い影響け受け、学ぶことを考えたほうがいいかもなぁと思っています。

また、ときには自分の目的を理解されなかったり、否定されることもあろうかと思います。つい「自分の目的自体が間違っているのだろうか」と自分を疑ってしまうこともありますけど、そこでは一人で悩まないこと。

一人で悩んでくじけて、目的を諦めてしまうなら、それは本当の目的じゃなかったのかもしれません。

ただ、本当の目的だと自分で思うなら、人の手を借りてでも変わり続けることを選んでみてはどうでしょう?特に自立が強い人にはオススメです。人の手を借りることで、もっと自分に、そして人にも優しくなれるから。

誰しも、誰かの目的、夢、生き様、志からヒントをもらい、自分の目的、道を決めていくでしょう?その途中で雨も降れば雪も降るのです。晴れているときばかりじゃない。

そもそも自分を変えることは、どんな過酷な環境に耐えられるかというサバイバルではないですよ。幸せになることなのですから。

だからまぁ、個人的には「いつでも応援しますよ」とお伝えしたいところですが(伝えてるやん・笑)、とにかく自分の目的は自分のこととしてしっかり持ち続けましょう。

それを続ければ、自分の未だ拓かれていない能力を発揮し、幸せになることも容易になっていきますよ。

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