こんにちは、心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は「やたら昔の恋愛の話を彼女に伝える男性」の深層心理をコラムにしますね。
たとえばこんなケース。
彼は私の前でよく「昔の恋愛の話」をするんですよね。
こと細かく、「あの時はこうであ~で・・・」って。
私はあまり聞きたくないというか、聞いてて嬉しいものじゃないんですけど・・・。
彼が隠し事の無い人だと思える分にはいいんです。
ただ、ことあるごとに昔の恋愛の話す彼の気持ちが分からないと言うか・・・。
どうして彼はそんな話を私にするんでしょう?
恋愛カウンセリングの中で女性の皆さんから率直な疑問として伺うお話です。
過去の恋愛の話、とくに今の関係性とは関係のない、昔の彼女とのエピソードを持ち出す男性。
女性側としては聞きたくもないのに、なぜか彼の口から頻繁に語られる“過去”。
今回は、そんな「昔の恋愛ばかり話す男性」の心理的背景と、そこに潜む感情の構造についてお話します。
Index
なぜ、彼は「過去」にこだわるのか?
なぜ、彼は「過去」にこだわるのか?
この心理を一言で言い表すなら「現在と未来に不安があるから」となります。
人は、自分の人生を見つめるとき、現在、過去、未来の3つの時間軸で捉えます。
ただ、現在、未来に不安があるなら、過去に安心感を求めようとするわけですね。
つまり、、もし彼が昔の恋愛を語るなら、それは「単なる思い出話」とは限りません。
たとえば、「強さのアピール」や「自分の価値の証明」という心理が働いていることがあります。
また、「前の彼女とはこんな大変なことを乗り越えてきた」などと語る背景には、今の自分を誇示したい思いや、自信のなさが隠れている場合もあります。
つまり、彼が「昔の恋愛話」にこだわる理由には、深い心理が隠されている。
ただし、これは一つの答えで語れるものではなくて、まさにケースバイケースなのです。
そこで、次にいくつかの「昔の恋愛話をする男性」の心理的背景についてお伝えします。
なぜ男性は昔の恋愛の話をしたがるのか。その心理的背景とは
では、ここからは「昔の恋愛話をしたがる男性」の心理的背景についてご紹介します。
彼女には何でも話していい、と思っている
純粋に恋愛心理よくが分かっていなくて、ただあっけらかんと過去の話をする男性もいます。
「今、自分が彼女に何を言い、それはどんな意味として受け止められるのか、純粋に知らない・気づいていない」だけ、というね。
この場合、まぁ・・・そういう人なんだな、と理解するしかないかもしれません。
おそらく悪気はない。でも、女性の気持ちには気づいていない、という状態です。
「強さのアピール」や「自分の価値の証明」
これは心理学でいうところの「力の証明」と呼ばれるものです。
自分の内面の不安や弱さを隠すために、過去の武勇伝を使って“強い自分”を見せようとするのです。
どんな人と付き合ってきたか?
どんな恋愛経験をしたか?
自分がどんな男であったか?
などを雄弁に語り、自分の強さやモテ度、存在理由を大きく見せようとしているわけです。
なぜ彼は力の証明をしたくなっているのか。
それは「それほどまでして隠したい自分の一部」があるということなんですよね。
ここでいう「隠したい何か」とは、「自分の内面に収めておきたい感情」を意味します。
例えば、自身のなさ、不安、恐れ、寂しさ、ハートブレイク(傷心)、罪悪感など。
つまり、自分自身への自信の無さや、過去の失恋などの経験から「自分がフラれること」を恐れているがあまり、強がる意味で過去の話をしてしまうのです。
もし、あなたの彼が、「過去の話を雄弁に話し始める」としたら、彼は「等身大の自分でいることに不安や疑いを感じている可能性が高い」と考えてもいいかもしれません。
ただし、意図的なコントロールである可能性も否定できない
ただし、過去の恋愛の話を戦略的に使い、女性の気持ちを掴もうとする人もいます。
要は「自分の過去」と語ることで、女性に対して自己開示しているように見せかけて、女性の不安や自信のなさを刺激してコントロールしようとする意図が隠れている場合もあります。
その違いは見極める必要があります。
「過去の恋愛話」が仮面であり、防衛である場合
さて、ここまで「力の証明」のお話をしましたが、実は「力の証明」だけが「過去の恋愛を話す理由」だと決めつけることはできないんです。
彼が過去の恋愛を話すという行為にとって、「実はあなたに本当の気持ちを悟られたくない」と感じているケースもあるのです。
心理学では「ペルソナ(仮面)」という言葉で表現されますが、男性が「過去の恋愛を話すこと」が「自分を隠す仮面」になっていることもあります。
「俺はいろいろな恋愛経験を積んできたんだぞ」と話すことが、自分を守る「仮面」そのものだった、というケースです。
もし彼が
「過去にとても辛い経験をした」
「愛情を感じる機会が少なかった」
「自分が必要とされた気がしない」
このような拭いきれない気持ちを抱えているとしたら、その気持ちは「彼の弱み」と認識されるでしょう。
この弱みを持つ自分は「今のままでは愛されないのではないか」「また過去と同じような経験をするのではないか」という恐れを抱えることもあるのです。
そのために厭らしく自慢げに「昔の恋の話を先にしてしまう」。
俺ってすごいんだぜ、と先手を打とうとするのです。
特に「俺ってさ~」「お前ってさ~」など、どこか上から目線・マウンティング的な態度をとる男性の中に、このような心理的背景を見出すことも少なくないですね。
もちろんそんな厭らしい自分を見せたとしても、関係がより良くなる可能性は下がるだけですよね。
しかし、そこに「安心感への欲求」があるともいるのです。
これは逆説的な解説になりますけど、本当に愛されるかどうか不安を感じる人にとって、「愛される」「愛されない」といった明確な答えが出ない状態ほど都合のよいものはないのです。
愛されることを微妙に期待し、しかし強すぎない関係の中にいるほうが、まだ「安心できる」と感じるからですね。
もちろんそれは誤解で、親密な関係になれないだけなのですが。
しかし、あまりに愛されることへの疑いが強いとき、こういった事が起きるのです。
あなたが魅力的であるほど、彼は「昔の恋愛話」をしたくなる
これ、じっくり考えてみるととても切ないお話です。
彼が過去の恋愛話をする必要性は、彼が傷ついた度合いだけ、自分を偽ろうと思う度合いだけ、強くなる。
本来は愛を求めているにもかかわらず、です。
しかし「自分の弱さをパートナーが愛してくれる」と理解できない男性ほど、孤独や寂しさ、悲しみを抱えながら、愛する人の前で強がり、仮面をかぶって生きつづけているのです。
更に切ないのは、彼があなたに魅力を感じていればいるほどペルソナを強化したくなる、という矛盾ですね。
彼があなたのことを魅力的であると思うほど、手放したくないと思うほど、自分を大きく見せたり、仮面をかぶろうとするのです。
だから、彼は愛する人の前で自分をさらけ出すのではなく、何度も自分を偽るように「過去の恋愛経験を語る」でしょう。
そんな彼は自分も相手にも偽りを伝えているわけですから、「嘘をついている罪悪感」を感じやすい状態になる。
それぐらい彼の内面には「愛されると、愛と真逆の方向に進みたくなる心理」があるといえますね。これが「ハートブレイク(傷心)」がもたらす作用です。
男性が「昔の恋の話」をしたときの対処法
では、このような彼の言動をどう受け止めるといいのでしょうか。
「彼の言葉を真正面から受け止めない」こと
あなたが感情的になって彼の話を真正面から受け止めるのは、やはり得策ではありません。
「あえて過去の話をしなければならない事情が彼にある」
そう意識することからはじめるといいでしょう。
それがうまくできずに、時として彼の言葉に傷ついたり、ウンザリしてしまうことがあるかもしれませんが、彼の話の裏を考えすぎて不安になる必要はありません。
彼はあなたを傷つけたくて話しているわけでも、拒絶されたくて話しているわけでもないことが多いからです。
彼自身が不安なのです。
このように相手の感情と自分の感情の線引を行うことです。
彼の話の真意を理解する意識を持つ
彼はあなたを信頼していないというより、もっと受身な発想を持っている可能性があるのです。
もしかすると彼はあなたとの関係を確かめたいのかもしれません。
そんな彼は「何を根拠に、何を理由に、昔の恋愛の話をしているのか」をちゃんと見つめましょう。
表面的な彼の言動に振り回されないで、一呼吸おきましょう。
もしかすると彼はあなたに「素直に言い出せないSOS」を発信している可能性だってあります。
こんな俺でも愛してくれる人がいるのだろうか、とね。
もちろんそんなことを素直に口にすることはないでしょうが・・・。
もし、その彼の言動で女性が深く傷つき悲しむことがあるならば、もちろん彼のSOSの出し方があまりにも下手なのですが、彼はさらにココロを閉ざすことになるやもしれません。
あなた自身の内面を見つめるきっかけにする
「過去の恋愛を話す男性の心理には、強い葛藤が存在することがあるらしい」という部分はご理解いただけたかと思います。
ただ、この話をパートナー(女性)とのバランスという側面で見つめてみると、昔の恋愛の話をする男性の心理とは「とにかく自分を隠しておきたい人」「自然とパートナーとの心理的距離を取る男性」ということを意味します。
では、なぜあなたはそのような彼を選んでいるのでしょうか。
そんな視点で今回の現象を捉えることもできるのです。
実は「自分の気持ちを隠す男性」ほど、女性がそばに寄り添う際の「感情的リスク」が少ない人なのです。
「彼の気持ちはよくわからないまま。私も彼から深く理解されているとは感じないけれど、とりあえずお互いに干渉しないので付き合いやすい」
そんな状態が生まれるでしょう。
どこかあなた自身も
「彼にはできれば自分の気持ちを隠しておきたい」
「彼に自分の内面に気づかれたくない・触れられたくない」
無意識的にそう感じている可能性があるのかもしれません。
ついつい自分の気持ちを偽ろうとする男性に、そこはかとない居心地の良さを感じる、といった風に。
なので、あなたの心のコンディションも、よーくチェックしてみてくださいね。
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また別の切り口で男性心理書いたコラムもあります。よければ参考にしてくださいね。



最後に
もしあなたが、
- 恋愛ってどうすればうまくいくの?と悩んだり
- いつも彼との距離感で悩んでしまう
- どこか気持ちが満たされない恋愛を続けているなら
あなたもまた心理的距離を感じる恋愛をするタイプかもしれません。
だからあなたの気持ちが彼に伝わりにくく、彼もあなたの気持ちに気づいていない可能性もあるので、注意してみてくださいね。
もしかすると、彼もあなたの気持ちを掴みかねているので、わざわざ過去の恋愛話を持ち出しているのかもしれませんよ?
そう考え、この問題と向き合ってみると、彼の言動はあなたの心の学びへと変化しますよ。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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