こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
パートナーシップのご相談で、わりと頻繁に出てくるテーマがあります。
「男性って、共感してほしいって言うのに、何を共感したらいいのか分からない」
「辛かったね、と言っても伝わってない気がする」
「話を聞こうとすると、黙るか、怒るか、距離を取る」
…みたいなケースですね。
もちろん、男性も「辛かったね」「大変だったね」と言われたら嬉しいです。
ただ、それが“理解されている”という実感につながるかは、別問題だったりします。
今日は、そんな視点から、
「男性が女性に求める“共感”とは何か」を、心理学的な観点を交えながら整理してみます。
Index
男性が求める共感は「感情の細部」までではない?
最初に、少しだけ前提を書いておきます。
男性も女性も、当然ながら個人差があります。
なのでここで書くのは、あくまで「傾向」の話です。
その上で。
僕の実感として、男性が「共感してほしい」と言うとき、
女性がイメージするような“感情の細部まで丁寧に一緒に感じてほしい”という欲求とは、少し違う場合があります。
男性が求めているのは、ざっくり言うと、
- 自分の行動の根っこ(動機)を分かってほしい
- 頑張っている理由を、否定せずに見てほしい
- 言葉にできない部分を、雑に扱わないでほしい
このあたりに近いんですよね。
「辛かったね」は嬉しい。でも、それだけだと“理解”や”共感”にならないことがある
これは誤解のないように言うと、
「辛かったね」「大変だったね」がダメって話ではありませんよ。
むしろ、言われたら嬉しい。救われる。
ただ、男性の中には、そこからさらにもう一段、
「で、俺は何を見てもらえてるんだろう」
という感覚が残る人もいます。
男性は、感情の共有よりも先に、“自分の存在価値”を守ろうとすることが多いんですね。
そして、その存在価値は、しばしば
- 役に立てているか
- 守れているか
- 支えられているか
- ちゃんとやれているか
といった、行動ベースの感覚で作られています。
だから、「辛かったね」と言われると嬉しい一方で、
どこかで
「でも俺は、何をどう頑張ってたかを見てほしい」
という要求が残ることがあるんです。
男性が「わかってもらえた」と感じやすい“共感”のポイント
では、男性が「わかってもらえた」と感じやすい共感は、何か。
それは、感情の細部よりも、
「なぜ、それをしているのか」
「どんな思いで、そこで踏ん張っているのか」
このあたりに触れられたときです。
たとえば、こういう言葉。
- 「そうするしかなかったんだね」
- 「責任感、ずっと背負ってたんだね」
- 「守ろうとしてたんだね」
- 「自分なりに、ちゃんとやろうとしてたんだね」
これ、女性側からすると「え、そんなの当たり前じゃない?」と思うかもしれませんが、
男性側からすると、この手の言葉で急に息ができることがあるんですよ。
なぜなら、そこには
“評価”ではなく、“まなざし”
があるからです。
「良い/悪い」「正しい/間違い」ではなく、
“その人の中で起きていたこと”に触れられる。
それが、男性にとっての「共感」の核になっていることがあります。
だから、うまくいかないときに「怒り」が出てくる
ここまでの話を踏まえると、逆に見えてくることがあります。
男性が怒っているとき。
もちろんケースはいろいろありますが、
少なくないのが、
「理解されなかった」
「自分の動機を悪く解釈された」
「頑張りを“無”にされた」
そんな感覚が引き金になっているパターンです。
たとえば、女性側が
- 「なんでそんなことするの?」
- 「どうして分かってくれないの?」
- 「気持ちを言ってよ」
と迫ったとき、男性は「責められている」と感じてしまうことがあります。
女性側としては、責めているつもりはなくても、
男性側では
「俺のやり方を否定された」
「役に立てていないと言われた」
みたいに聞こえてしまうことがあるんですね。
すると、男性は感情を言語化するよりも先に、
怒る/黙る/距離を取る
という反応で、自分を守りにいきます。
男性への怒りに隠れている「女性側のキモチ」
ここで、女性側の話も少し。
男性が怒る、黙る、距離を取る。
こういう反応をされると、女性は当然しんどいです。
そのしんどさの中で、怒りが湧くこともあります。
ただ、ここも心理学的に見ると、
怒りの下に、別の気持ちが隠れていることがあります。
たとえば、
- 「私、大丈夫?」という不安
- 「愛してもらえる自信がない」
- 「必要とされないかもしれない」
- 「私は彼に触れていいの?」という疑い
このあたりですね。
怒りって、分かりやすいし強いので、
不安や寂しさを隠す“蓋”になりやすいんです。
だから、男性の共感の仕組みを理解した上で、
女性側も
「私は何が不安で、何を確かめたかったのか」
に一度触れてみると、コミュニケーションの質が変わります。
男性と「分かり合う」ために、最初にやるといいこと
最後に、現実的な話をして終わります。
男性が共感を求めているときに、
いきなり感情の細部を深掘りしようとすると、
男性は
「追い詰められた」とか
「内面に隠していたものを無理やり引っ張り出されてる」
と感じやすいことがあります。
なので、初動としては、こんな順番が安全です。
- 相手の動機(なぜそうしたか)を、まず受け止める
- その上で、こちらの気持ち(私はこう感じた)を短く伝える
- 最後に「どうしたい?」ではなく「どうしたらいいと思う?」と聞く
これだけで、男性の防衛が少し下がることがあります。
もちろん、相手がハラスメント的であったり、暴力的であれば話は別です。
その場合は「理解」より先に安全確保が必要です。
ただ、そうではなく、すれ違いの中で怒りや黙りが出ている場合は、
「感情を分かって」より先に、「動機を見て」
が効くことがある、という話です。
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最後に
男性が女性に求める“共感”は、
感情の細部そのものではなく、
「なぜそうしているのか」
「どんな思いで踏ん張っているのか」
といった、行動動機に近い部分であることが少なくありません。
そして、そこが伝わらないときに、
怒りや距離という形で、防衛が出ることがあります。
理解することは、我慢することでも、相手に合わせることでもありません。
ただ、見えていなかった構造が見えると、
会話の入口が変わることがある。
今日はそんな整理でした。
何か一つでも、参考になれば幸いです。
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