やる気や意欲が戻らないときに起きている心理と、回復しやすくなる整え方
こんにちは。
心理カウンセラーの浅野寿和です。
今日は、
「やる気や意欲が戻らないときに起きている心理と、回復しやすくなる整え方」
というテーマを整理してみます。
やる気が出ない。気力が湧かない。手が動かない。
こういう時、多くの人はまず自分にこう言います。
- 「ちゃんとしなきゃ」
- 「気合いが足りない」
- 「私ってダメだな」
- 「怠けてるのかな」
でも、臨床の現場でこの手の話を伺うと、
意志が弱いからとか、能力がないからというより、
心のエネルギーが回りにくい条件がそろっていることが多いんですよね。
この記事では、
- やる気が落ちるときに起きている心理(仕組み)
- 無理に奮い立たせず、回復しやすくする整え方
を、できるだけ分かりやすくまとめます。
Index
やる気や意欲が戻らないとき、まず起きていること
やる気が戻らないとき、まず起きているのは、「やる気が出ない」のではなく、「やる気が出にくい状態になっている」
ということです。
たとえば、スマホの電池が減っているのに、画面を明るくして動画を再生し続けたら、当然、持ちませんよね。
それと同じで、心も
- 消耗が続いている
- 回復の回路が細くなっている
- 安心が少ない
- 緊張が抜けない
みたいな条件が重なると、意欲は落ちやすくなります。
この時に一番ありがちなミスは、
「やる気がない自分を叱って、動かそうとする」
ことです。
叱って動けるのは、まだ余裕があるときだけなんですよね。
余裕がないときに自分を叱ると、意欲というより、
緊張・自己否定・焦りが増えやすい。
この記事ではまず、やる気が落ちるときに起きている「仕組み」を整理していきます。
心理学的に見る「やる気・意欲」が落ちる主な理由
やる気が落ちる理由はいろいろありますが、心理学的に見ると、よくあるものは次のあたりです。
1)エネルギーの使いどころがズレているとき
意欲が落ちている人の話を伺うと、
本来は「やる」ために使いたいエネルギーが、「守る」ために使われていることがあります。
たとえば、
- 失敗したくない
- 評価を落としたくない
- 迷惑をかけたくない
- 嫌われたくない
こういう方向にエネルギーが流れると、心は「前進」より「防衛」を優先します。
すると、動きたいのに動けない、みたいな感覚になりやすいんですよね。
2)不安・義務・自己否定が動機になっているとき
短期的にやる気が出る動機の代表は、
不安・恐れ・義務感です。
「やらなきゃやばい」
「このままだとまずい」
「ちゃんとしないと価値がない」
この動機は一時的には強いのですが、長期的には疲れやすい。
なぜなら、心がずっと追い立てられている状態になるからです。
だから、頑張れていた人ほど、ある日、ガクッと落ちることがあります。
3)頑張り続けて心が疲弊しているとき(燃え尽き)
いわゆる燃え尽き(バーンアウト)に近い状態になると、
やる気は「ない」のではなく、出力できない感じになります。
このときは、本人の中で
- 気力が湧かない
- 達成感がない
- 意味が感じにくい
- 休んでも回復しない気がする
みたいな感覚が重なりやすい。
さらに怖いのは、燃え尽きに近づくほど、
「もっと頑張らなきゃ」と考えてしまうことなんですよね。
結果、回復の回路が細くなっていく。
4)「やる意味」が自分の中で見えなくなっているとき
意欲は、ただの気分ではなく、
「どこに向かっているか」の感覚と強く結びついています。
たとえば、最初は好きで始めたことでも、
- 期待に応え続ける作業になっている
- 評価を取るための義務になっている
- 生活のためだけになっている
みたいになると、意味が薄れやすい。
このときは、能力の問題というより、
「自分の中の意味の回路」が見えなくなっている状態です。
なぜ「考え方を変えよう」としてもうまくいかないのか
やる気が出ないときに、よくある発想が
「やる気が出る考え方を探す」
なんですが、これがうまくいかないことも多いです。
理由はシンプルで、
意欲は「納得」だけでは回復しないからです。
頭で理解しても、体が動かない。
理屈は分かってるのに、気力が湧かない。
こういうときは、考え方以前に、
心と体が「回復する条件」になっていないことが多い。
また、やる気が出ないときほど、
「出さなきゃ」という圧が強くなり、
その圧がさらに、意欲を下げる。
いわば、アクセルを踏みながらブレーキを踏む状態です。
やる気を「出す」のではなく「回復させる」ために必要なこと
ここからが今日の本題です。
やる気は、根性で作るものというより、
戻ってくるものだと考えるほうがうまくいくことがあります。
回復の前提として、ポイントは次の3つです。
- 消耗を止める(これ以上減らさない)
- 回復の回路を作る(戻る道を作る)
- 小さな出力から再開する(いきなり全力をやらない)
意欲が落ちるときほど、いきなり「元の自分」に戻そうとしますが、
それは現実的に難しいことが多い。
だから、回復の設計は「小さく戻す」が基本です。
やる気が回復しやすくなる、現実的な整え方
ここでは、心理学的に見ても効果が出やすい「整え方」を、現実ベースでまとめます。
1)小さな行動でエネルギーを取り戻す
やる気がないときほど、
「やる気が出てから動く」になりがちですが、
実際は逆で、
小さく動くことで気分が変わることが多いです。
いきなり大きくやる必要はありません。
- 5分だけ手をつける
- 最初の1行だけ書く
- 資料を開くだけ
- 机を10秒片付ける
このレベルで十分です。
ポイントは、
「やる気を作るための行動」ではなく「回復するための行動」
として扱うことです。
2)一人で抱え込まない工夫を入れる
意欲が落ちる人ほど、実は「ちゃんとしている」ことが多い。
そして、ちゃんとしている人ほど、
一人で何とかしようとする傾向が出やすい。
でも、やる気や意欲は、
環境や関係性にかなり影響されます。
なので、
- 相談できる人に状況を言語化する
- 「詰んでる部分」を一緒に整理する
- 一人で結論を出さない
こういう工夫を入れるだけで、回復が早まることがあります。
3)休むこと・緩めることの心理的意味を取り戻す
やる気がない人にとって「休む」は、
ご褒美ではなく、むしろ罪悪感とセットになりがちです。
でも、回復のために必要な休息は、機能回復です。
休み方のコツは「何もしない」だけではなく、心が緩む条件を作ることです。
- 睡眠の質を上げる
- 身体の緊張を落とす(入浴・散歩など)
- 不要な情報を減らす(SNSを切るなど)
- 安心できる人と短く話す
このあたりを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
やる気が戻らない状態が続くときに考えてほしいこと
整えても整えても戻らない。
そういう時は、次の可能性も考えてみてください。
- そもそも消耗の原因が続いている(環境が変わっていない)
- 「やるべき」だけが増えて、回復が追いつかない
- 頑張り方が固定化していて、休んでも回復しにくい
- 孤立していて、回復の支えが少ない
この場合は、個人の工夫だけでなく、環境や抱え方の設計を見直したほうがいいことがあります。
また、気分の落ち込みが強い、睡眠や食欲が乱れる、日常生活が回らない、という状態が続くなら、
一人で抱えず相談することも現実的な選択肢です。
まとめ:やる気が戻らない時間を、どう扱うか
やる気や意欲が戻らないとき、
それは「気合いが足りない」という話だけではなく、
心のエネルギーが回りにくい条件がそろっていることが多いです。
だから、無理に奮い立たせるよりも、
- 消耗を止める
- 回復の回路を作る
- 小さく動き始める
この順で整えるほうが、戻りやすい。
そして最後に。
やる気が戻らない時間は、邪魔な時間に見えるかもしれませんが、
自分のやり方や抱え方を見直すきっかけになっていることもあります。
よろしければ、この記事の内容を、あなたの生活に合う形に小さく落とし込んでみてくださいね。
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