こんにちは。

心理カウンセラーの浅野寿和です。

今日は、以前このサイトにお寄せいただいたご相談を元に、

「やりたいことを本気でやろうとすると、なぜか一人になる気がする」

というテーマを整理してみます。

好きなことがある。やりたいことがある。

でも、いざ舵を切ろうとすると、心のどこかでブレーキがかかる。

「人が離れていく気がする」
「一人ぼっちになるのが怖い」
「それなら今のままの方が安全かもしれない」

こういう葛藤って、意外とよくあります。

そしてこの葛藤は、根性の問題というより、心の安全装置として起きていることが多いんですよね。

この記事では、まずご相談内容を紹介した上で、

「一人になるかもしれない」という不安が出てくるときに起きやすい心の動きを、

心理学的な見通しとして4つに分けて整理します。

その上で、やりたいことに向かうときの戸惑いをどう扱えばいいか、

自分の立ち位置の話までつなげてみます。

いただいたご質問はこちら

浅野さんへの質問

浅野さんこんにちは。

今まで自分は何かを本気でしたいと思うと、何かしらの障害に襲われ、何だか「それはホントにしたい事なのか?」と試されている感じがするという感覚を体験した事が多々あるのですが、最近、本当にやりたい事ではあったけれど、夢中になって周りの人に離れていかれるのが怖くて、一人ぼっちになりたくなくてそれを選択できなかった、しなかったんだなと気付きました。

同時に、自分のやりたい事を本気ですると、人が離れていってしまう。
という感覚が自分の中にあることにも気付きました。

実際に自分はのめり込むと飲食、寝る事、着替えたり入浴すらも忘れて、その間は人間関係の一切が煩わしくて仕方ない状態になるので、「一方的な事情で関係を急に断たれたりしたら、誰もついてこないだろう」と、どこかで感じています。

でも、心底やりたい事でした。
でも、一人ぼっちになるのはイヤなのでそこに舵を切れません。

これはそこまでしたいことではないってことになるのでしょうか?

昔の自分から考えると、「一人ぼっちはいや!!」って認識するのも認めて言えるようになったのも大進歩で驚きなのですが、今よりもっと幸せを掴みたいな、と思うと、この「好きなことややりたい事に夢中になる」という選択にストップを掛ける自分がいます。

これを超えるにはどんな切り替え、勇気があれば超えられるのか。
アドバイスいただけたら幸いです。

ネタ募集ネーム:M.Sさん (※原文のまま掲載しています)


まず前提:「一人になりたくない」は普通の感覚です

最初に、ここははっきりさせておきます。

「一人ぼっちになるのはイヤ」

この感覚は、甘えでも弱さでもなく、かなり人間的です。

人は社会的な生き物なので、関係が揺らぐ予感がすると、心はブレーキを踏みます。

だから、やりたいことがあるのに迷う。

迷うのは「やりたい気持ちが弱いから」ではなく、

関係を失うリスクを、心が先に見積もっているからかもしれません。


「やりたいことをすると一人になる気がする」不安の心理学的な見立て4つ

ここからが本題です。

ご相談のように「やりたいこと」と「孤独の怖さ」が結びつくとき、

背景にはいくつか代表的な心の動きがあります。

もちろん、どれか一つに決めつけるためではなく、

自分の内側の構造を見つけるための“整理の枠”として読んでくださいね。

1)所属不安(「居場所がなくなる」への警戒)

やりたいことに踏み出すとき、立ち上がりやすいのは、

「今いる場所から外れてしまうかもしれない」

という不安です。

たとえば、家族・友人・職場・コミュニティ。

これまでの関係の中で成立していた“自分の立ち位置”が、変わるかもしれない。

人は、所属が揺らぐ予感がすると、まず安全を取りにいきます。

その結果、

  • やりたいことを「本当にやりたいのか?」と疑い始める
  • 準備ばかりが増えて行動が遅くなる
  • 関係を優先して自分の欲求を後回しにする

こういう動きが出やすい。

これはあなたの意志が弱いというより、

関係を守ろうとする心の働きに近いです。

2)見捨てられ不安(「自分が選ばれなくなる」感覚)

やりたいことに夢中になる=他者に使える時間が減る。

この変化を想像したとき、

「それなら、人は離れるだろう」

と感じてしまうことがあります。

これは、現実に誰かが離れるかどうか以前に、

心の中で“見捨てられの物語”が先に立ち上がる感じです。

過去に、

  • 自分を出したら嫌がられた
  • 夢中になったら否定された
  • 頑張ったのに応援されなかった

そういう経験があると、

「また同じことが起きる」と心が予測してしまう。

そしてこのタイプの不安は、

自分の中で「やりたいこと」を抑える理由として、かなり強く働きます。

3)罪悪感(「自分だけ自由はズルい」)

やりたいことに向かうとき、

「自分だけ楽しんでいいのか」
「周りは頑張っているのに」

こういう罪悪感が出る人もいます。

罪悪感が強いと、

  • 自由=わがまま
  • 夢中=身勝手
  • 自分の喜び=誰かを置いていくこと

みたいな変換が起きて、

結果として「一人になる」未来を想像しやすくなります。

この場合、孤独の怖さの奥に、

“自由でいること”そのものへの躊躇が混ざっていることもあります。

4)没頭の反動(「人間関係が煩わしくなる自分」への恐れ)

ご相談文に、とても大事なヒントがありました。

「のめり込むと飲食や睡眠も忘れ、人間関係の一切が煩わしくなる」

これはつまり、

やりたいことを選ぶ=関係が雑になる自分が出てくる

という“自己観察”ですよね。

だから、

「自分の一方的な事情で関係を断ってしまいそう」
「そんな自分を見たら、誰もついてこないだろう」

と予測する。

この不安はかなり現実的です。

つまり、「人が離れるかもしれない」というより、

自分が人から離れてしまうかもしれないという恐れでもあるんですよね。

だからこそ、ここは「勇気」だけで越えるより、

没頭の仕方・生活の持ち方・関係の扱い方を設計した方が進みやすいことが多いです。


ではこれは「そこまでしたいことではない」のでしょうか?

結論から言うと、

「怖い=したくない」ではありません。

むしろ、本気でやりたいことほど、失うものも想像できる

ので、怖さが出やすい。

ただ一方で、怖さを無視して突っ走るのが正解、という話でもない。

このテーマは、「やる/やらない」を決めつけるより、進み方の設計が大事なんですよね。


進み方の提案:孤独の怖さを“消す”より“扱える形”にする

ここからは、現実的に整理しやすいポイントを3つだけ。

1)「一人になるかもしれない」を、事実と予測に分ける

まず、心が作る予測と、事実をごちゃ混ぜにしないこと。

  • 実際に離れた人はいる?
  • 離れていない人もいる?
  • 離れるとしたら、どの場面で?

ここを分けるだけでも、恐れの輪郭がハッキリしてきます。

2)没頭する自分を“止める”より“枠を作る”

のめり込みやすい人は、「のめり込まないように頑張る」より、

のめり込んでも生活が崩れない枠を作った方が上手くいきます。

  • 最低限の睡眠・食事のルールを決める
  • 人間関係は“ゼロ”にしない(週1で誰かに連絡する等)
  • 集中する日/休む日を分ける

「自分はこうなる」と分かっているなら、対策はできます。

3)相談できる人を作る(気持ちの整理が早い)

この手のテーマは、ひとりで整理すると、どうしても不安が増えやすい。

だから、

  • 信頼できる人に話す
  • 第三者の場で気持ちを整える
  • 一人で決めない

このあたりが、結果的に「孤独の怖さ」を扱いやすくします。


最後に:この記事は「結論」ではなく、見つめ直すヒントとして

やりたいことに踏み出すとき、

一人になる気がする。

この不安は、あなたの弱さの証明というより、

これまでの経験の中で作られた“安全装置の影響”かもしれません。

そして、安全装置が作動するということは、

あなたが今、何かを変えようとしている、ということでもあります。

すぐに答えを出さなくて大丈夫です。

よろしければ今日の記事を、

自分の気持ちを見つめ直すヒントとして使ってみてください。


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ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー・トレーナー
恋愛・夫婦・仕事・生き方の中で、「ちゃんとやってきたのに、どこか噛み合わない」そんな感覚を抱えやすい人のご相談を多くお受けしています。 正しさや結論だけを急がず、今どこに立っているのかを一緒に整理する個人セッション(カウンセリング)が人気。 キャリア16年・臨床実績10,000件/東京・名古屋・オンライン対応。リピーターさまが多いカウンセラー。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。
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